ハイチの自然や文化や人に魅力を感じて住んでみたいと思ったら、まず考えなければならないのがビザの取得です。
日本のパスポート持っている場合、90日以内の滞在はビザなしで滞在できますが、長期滞在の場合はビザ取得が必要です。
ここではビザなし滞在とビザに当たるParmi de sejour(パーミ・デ・セジュー)という滞在許可証の特徴と申請方法をご紹介します。
ビザなしで滞在。90日間の観光、商用はビザ不要
ハイチにおいて、日本のパスポートを持っている人は次の条件付きで90日間の観光、商用はビザ不要となっています。
- パスポートの有効期限が6ヶ月以上ある事
- パスポートの査証欄の未使用ページがある事
- 往復の航空チケットを持っている事
- 観光税として10USドルを支払う事
(ドミニカ共和国からバスで入国の場合は30USドルと600グルドです。)
※ハイチはドミニカ共和国と陸続きのため、1度ドミニカ共和国に向けて出国し、入国しなおす方法もありますが、ハイチ側、ドミニカ側のイミグレーションの検査などが時間がかかる事とドミニカ共和国の首都サントドミンゴまではバスで7~10時間ほどかかる(途中何度も検査が入る)ため、再入国だけのために出国する事はおすすめしません。
長期滞在ビザ:パーミ・デ・セジュー(滞在許可証)の特徴と申請方法
ハイチに長期滞在する方法は、このパーミ・デ・セジュー(滞在許可証)を取得します。
特徴は
- 滞在目的を選ばず
- パスポート様の冊子
- 年更新(2500グルドのCheque(シェック))
※Cheque(シェック)とは小切手の事です。
申請方法と提出書類8つ
申請は必要書類を持って移民局で行います。
申請書類:
- 証明写真4枚(パスポート用サイズ)
- パーミ・デ・セジュー(滞在許可証)を取得したい旨の理由を記入した依頼書(宛名: Ministre de l’Intérieur )
- 健康診断書(30日以内のもの)現地の医師に健康に問題が無い旨の診断書を出してもらえます
- 警察(犯罪経歴)証明書
申請する人の犯罪歴が記入された書類です。日本を出発する前に警視庁、道府県警察本部で発行してもらえます。ハイチ入国後は大使館で警視庁、道府県警察本部への発行の取次ぎをしてもらえます。日本で準備する場合
URL:https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/tetsuzuki/toko/toko.htmlハイチで取り次いでもらう場合(外務省)
URL: https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000554.html在ハイチ日本大使館
URL:https://www.ht.emb-japan.go.jp/itpr_ja/ambassade.html - パスポート全ページのコピー
- ハイチでの雇用主からの証明書(雇用主がいない場合は身元保証人のレター)
- ハイチ国内にある銀行の残高証明書
過去の情報では200USドルもしくは同等のグルドが入っている事と聞いていますが公式的ではありません。(ハイチの銀行口座の通貨は2種類で現地通貨のグルド用通帳とUSドルの通帳があります。パスポートを身分証明として簡単に口座を作る事ができます。) - 税金、手数料の5000グルドのCheque(シェック)
(宛名:Tresor public)
現地の銀行窓口で発行できます。
発行手数料が必要ですが銀行によって金額が違います。
現金もしくは5000グルド+手数料(USドルの通帳でも相応の金額があれば可能)が入金されている通帳をもって申し出てください。
以上がビザの特徴と申請方法です。
配偶者になることで、ハイチパスポートで永住する道も
これは少ないケースですがハイチ人の配偶者とその子供が希望すれば持つことが出来ます。
その際、日本国籍を放棄する必要もありません。(現地弁護士による証明書が必要)
ビザの申請時は、時間に余裕をもって
ハイチの移民局は首都圏で数か所にありますがパーミ・デ・セジューを申請、取得出来る場所はLalue(ラリュー)という場所になります。
現地の人がパスポート申請を行う場所でもある為、入り口付近がこみあっています。
申請・受け取りに行く場合、始業時間と共に入館しても手続きで長時間かかってしまう場合がありますので時間に余裕をもって来館して下さい。
※ハイチは治安の急激な悪化で政治団体などからデモ予告が出ると公的オフィスは閉まってしまう場合があります。
こういった混乱がある為、法律の縛りがゆるいです。
パーミ・デ・セジューを申請しようとしても出来ずビザなし滞在期間を過ぎてしまったり、更新期間を過ぎてしまう場合がありますが出来る時期に申請をし手数料を支払えば問題ありません。
ハイチ渡航に関して知っておきたい事と注意する点4つ
1.ESTA(アメリカビザ免除プログラム)を登録しておこう!
日本からハイチは直行便が出ていない為、主にアメリカを経由(カナダ経由も可能)しての入国となります。
アメリカ経由は1度アメリカに入国することが必要なので通過(トランジット)であってもESTAの申請が必要です。
ESTA(アメリカビザ免除プログラム)申請
eTA(カナダ電子渡航認証)申請
2.お金はUSドルに換えておこう!
日本ではハイチの通貨グルードを取り扱っている銀行が無いため両替をする場合はUSドルに換えて下さい。
USドルであればほとんどの銀行で両替出来るほか、直接支払い出来るお店やグルドに両替できるお店もあります。(ユーロからの両替も可能ですが取り扱い場所が限られています)
※クレジットカードはVISAかMasterが主流でJCBは利用できるところがありません。
3.日本大使館に知らせておこう!
長期滞在する場合、在ハイチ日本大使館に在留届(大使館にて用紙に記入もしくはオンライン申請)を出して所在を知らせておきましょう。
ハイチ国内にて急激な治安の悪化や事件が起きた時にお知らせや安否の確認をしてくれます。
オンライン申請で大使館に出向かない場合は念のため電話連絡をしておく事をおすすめします。
オンライン在留届
URL:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html
※短期滞在の場合でも旅レジ、電話連絡する事をお勧めします
4.空港では荷物に気をつけよう!
入国手続きがすんだら後はバゲッチクレームであずけた荷物を引き取ると思いますがここでIDカードのような物をつけた男性たちが「荷物を探してあげる!荷物を運んであげる」とわりと強引にあずけ入れ荷物の引換券を受け取ろうとします。
泥棒ではありませんが仕事に見合わないチップを要求される場合がありますので不安な方は拒否して下さい。
預けて外まで運んでもらっても多くて5USドル程度払えば問題ありません。
荷物を引き取った時スーツケースが破損している事が多いので即座に航空会社の窓口に申し出て下さい。
ハイチのビザ申請方法と渡航まとめ
ハイチで長期滞在の場合ビザはパーミ・デ・セジュー1つです。滞在目的を選ばず、必要書類の提出と手数料の支払いをすれば発行してもらえます。
長期滞在を決めていたら、早めに手続きすることがおすすめです。
事業を始めたい方、企業で働きたい方、フリーランスの方でもその他のビザは不要です。(事業を始める場合は他にDGI(税務署)にてPatante(パタント)の取得が必要です。)
法律の縛りがゆるいのでやむを得ない事情(デモで外が危険など)で申請までに時間がかかってビザなし滞在可能期間を過ぎてしまっても取り締まられる事はまずありません。
まずは自分の身の安全を確保してから行動してください。
※2020年5月時点、ハイチは新型コロナウイルスの影響で外務省感染症危険情報のレベル2(不要不急の渡航中止)です。
今すぐの渡航はお勧め出来ません。治安状況を確認してから計画を立てて下さい。
外務省海外安全
URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_255.html#ad-image-0