将来海外永住を考えている方、スペインへの永住を考えた事がありますか?
永住権の取得方法でよく知られているのが、永住権を希望する国の方との国際結婚です。
事実、その方法は多くの国で認められています。
スペインにはその国際結婚による方法以外に、リタイアメントビザや投資ビザなど、移住目的者を対象にしているビザから永住権を取ることが可能です。
この点で、スペインは移住しやすい国の一つと言われています。
今回は、将来スペインに永住を考えている方のために、スペインでの永住権取得方法を紹介します。
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スペイン永住権を取得するための前知識
まず、永住権とは何かというと、“外国人が合法的に滞在国に永住できる権利”です。
国籍を保有しているということは、永住権を持っているということですが、国籍を持っていなくても、永住権を取得できる方法がいくつかあります。
スペインでの永住権取得の条件
スペインで永住権を申請するのには、合法な居住許可書で5年間スペインに居住しなければなりません。
この、居住許可書はビザとは異なります。
ビザは入国のために必要な物で、居住許可書はその国に滞在するのために必要な物です。
ビザは基本、日本で申請しますが、居住許可書はスペイン入国後に、現地で申請します。
居住許可書の種類
スペインには以下の居住許可書が存在します。
・就労用居住許可書/Permiso de Trabajo
(就労ビザからの居住許可書)
・投資家用居住査証/Permisos de residencia para inversores
(投資家ビザからの居住許可書)
・スペイン人の配偶者としての居住許可証/Regimen comunitario/Residencia de familiar de ciudadano
(婚姻ビザからの居住許可書)
・非営利目的の居住許可書/Permisos de residencia para jubilados
(リタイメントビザからの居住許可書)
居住許可書の種類や申請場所にもよりますが、申請に問題がなければ、約3ヶ月から6ヶ月ほどで許可書が取得できます。
スペインの合法的な居住許可書を取得できるのは以下の4つのビザになります。
合法的な居住許可書を申請できるスペインの4つのビザ
就労ビザ
スペインでの雇用が決まり、その雇用主がビザサポートをしてくれる事で申請可能なビザ。
しかし、スペインは現地人の雇用を優先するので、外国人の雇用機会は少なく、就労ビザの取得は難しいと言われています。
投資ビザ
スペイン領土において、一定の投資条件をクリアする事で申請可能なビザ。
・投資条件
- 申請者あたり50万ユーロ(6千万円)以上の不動産投資
- スペイン国債購入(200万ユーロ=2億4千万円以上)、
スペイン企業の株式購入(100万ユーロ=1億2千万円以上、
スペインの金融機関への預金(100万ユーロ=1億2千万円以上)(€1=¥120) - スペインに貢献する有益な事業計画
婚姻ビザ
スペイン人と婚姻することで取得可能。
ビザと呼ばれているが、実際は居住許可書のことである。
スペイン入国の際は観光時の入国と同じで、ビザなしの入国。
日本で籍を入れた場合は、スペイン大使館から発行された、家族手帳(Libro de Familia)を持って入国する。
リタイアメントビザ
非営利目的のビザで、発給は、年間1万ドル=113万円以上の年金受給者が対象です。
(同居家族がいる場合は、1人あたり1700ドル=19万2千円増額されます。$1=¥113)
*ここで、注意することが申請者の居住許可書のステータスが居住(Residencia) であり、滞在(Estancia) でないことです。
長期学生ビザの場合も、居住許可書を取得しなければならないのですが、その居住許可書のステータスが滞在になので、学生ビザで5年以上居住したとしても、永住権の申請は不可です。
スペインの居住許可書の申請方法
居住許可書申請の流れ
スペインに上記4つのビザのどれかで入国
↓
入国後30日以内(ビザによって期間が異なる)に、スペイン国内の移民局にて居住許可書を申請
*必要書類や許可書取得までの時間は、持っているビザによって異なりますが、 ステップ自体はどのビザも大体同じです。
今回は婚姻ビザからの許可書申請ステップを例に挙げて紹介します。
婚姻ビザからの居住許可書取得ステップ
日本で籍を入れた方はスペイン入国後直ぐに、スペインで籍を入れた方は家族手帳(Libro de Familia) を取得後直ぐに、
居住許可書取得のための必要書類を準備し、移民局へのアポを取る。(アポの取り方は、インターネットや電話など地域によって異なります。)
・必要書類
- 申請書
- 写真
- 配偶者の雇用証明書(経済能力が証明できるもの)
- 配偶者のDNI(身分証明書)
- パスポート
- 家族手帳
- 婚姻証明書
↓
アポの日に移民局に行き、すべての書類を提出。
↓
移民局からの手紙が待つ。(申請地域にもよるが、約1〜3ヶ月ほど)
↓
移民局から手紙が届いたら、
次に、警察本部の居住許可書を取り扱っている部署にアポを取る。
↓
アポの日に必要書類を持って、警察署に行く。
必要書類
- 移民局からの手紙
- パスポート
- 写真
<警察署での流れ>
- 必要書類を提出後、指紋採取等の事務手続きをし、申請料金(Tarragonaの場合は€10.60)を最寄りのATMで支払う。
- その支払い証明書を持って再度、警察署に戻る。
- そこで、居住許可書カードの引換書をもらう。
↓
約1ヶ月後(地域によって異なる)に引換書を持って、同じ警察署に、居住許可書の受け取りに行く。
↓
これで晴れて、スペインの居住許可書をゲット!!
*婚姻ビザの場合、初回のカードは5年間有効ですので、次回更新時に、永住権の申請が可能です。
注意:地域によっては少し異なった部分もあるので、必ず、居住地域の申請の仕方を確認してください。
スペイン永住権申請と取得
永住権申請の流れ
上記の方法で合法的な居住書を取得後、5年間スペイン国内に居住
↓
スペイン国内の移民局にて永住権を申請
ここでは、就労ビザから永住権を取得する流れを紹介します。
就労ビザからの永住権取得の流れ
就労ビザでスペインに入国後、30日以内にスペインの移民局にて、就労用居住許可書(Permiso de Trabajo)を申請する。
↓
初回の居住許可書は1年間有効。
↓
1年後、1回目の更新(2年間有効な居住許可書を取得)。
↓
2年後、2回目の更新(2年間有効な居住許可書を取得)。
↓
2年後、この時点で5年間の居住となるので、3回目の更新時に永住権の申請ができます。
注意:スペインの永住権は5年毎に更新しなければいけません。又、合法的に5年間スペインに居住しても、永住権が取れない場合もあります。
スペインの国籍&市民権取得
日本人のスペイン国籍と市民権取得は可能です。
永住権と国籍の大きな違いは、選挙権があるかないかです。
ここで、気をつけなければいけないのが、日本は二重国籍を認めていない国なので、スペイン国籍を取る場合は、日本の国籍を破棄しなければいけません。
日本人にとって、日本国籍を破棄するのは容易な事ではないので、多くの日本人移住者が永住権止まりで、国籍を取る事はほとんどありません。
まとめ
上記内容からもわかるように、スペインは比較的永住権が取得しやすい国です。
海外移住者にとって、 永住権を保持しているかしていないかでは、移住生活における安心感が違います。
永住権を保持している事でその国での生活の多くが保証されます。
故に、スペインの様に婚姻以外で永住権が取得できるというのは、多くの移住者にとってとても魅力的です。
そして、冒頭でも述べたように、スペインは移住し易い国の一つでもあります。
投資ビザは、国が外国人からの投資によって、スペイン経済が向上する事を期待して発給しています。
この様に、スペインは国自体が移住者受け入れを推進しています。
最後に、将来スペインへの永住を考えている方にとって、この記事がその一歩を踏み出す手助けになれば幸いです。
・スペイン永住権についての参考サイト
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