日本国籍の方が90日以上ブルガリアに滞在する場合にはビザの申請が必要になります。
※観光目的の90日以内の滞在では、ビザは必要ありません。
ブルガリアに関しては旅行者も他のヨーロッパに比べて少ないためにビザについての情報もあまりありません。
そのため今回は、ブルガリアのビザ情報と申請取得方法を詳しく解説します。
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海外の移住先の選択としてブルガリアはオススメな理由
海外で生活したいという方にブルガリアは次の理由からオススメできます。
- EUの中では1番物価が安く、日本と比べても4分の1の生活費で抑えられる
- リタイヤメントビザ(年金受給者用のビザ)もあるので、老後の滞在先の選択肢の一つとして選ぶことができる
- 日本と同じ緯度のため日本とほぼ同じ気候で過ごしやすい
という点が挙げられます。
「では、長期滞在にはどんなビザがあるのでしょうか?」
これから、以下の5つのブルガリアの各ビザの特徴や条件、申請方法などをご紹介します。
- 就労ビザ
- 学生ビザ
- 年金受給者用ビザ
- 配偶者ビザ
- ビジネスビザ
- (+永住権)
ついてご紹介します。
ブルガリアのビザについての基礎知識
ブルガリアでは目的に応じてA、B、C、Dの4種類のビザがあります。
日本国籍の方の場合は90以内の観光目的の場合は無償ビザ制度が適用されます。
観光目的のビザについて:
一般旅券所持者
観光、知人・親族訪問、短期商用などの短期滞在を目的とする90日以内の滞在であれば、査証を取得することなくブルガリアに入国することができます。
但し、ブルガリアの国内法により、滞在できる期間は6ヶ月の間に最大90日間となっています。最初の入国の日から6ヶ月の期間に滞在期間が90日を超えなければ、複数回の入国・滞在が可能ですが、例えば連続して90日間滞在した場合には、その後3ヶ月間は入国することはできませんのでご注意ください。
そして、大使館で申請できるブルガリアビザは長期滞在ビザであるビザDのみ申請することができます。
【参考】ブルガリア入国査証の種類
○Aタイプ・ビザ:通過査証(空港内のトランジットの場合)
○Bタイプ・ビザ:通過査証(24時間以内に出国する場合)
○Cタイプ・ビザ:短期滞在査証(90日以内の短期滞在目的の場合)
○Dタイプ・ビザ:長期滞在査証(90日を超える滞在や営利活動を行う場合)
なお、短期滞在目的で入国した場合には、入国後の滞在資格(滞在目的)の変更や、90日を超える滞在期間の延長は、人道上の理由などやむを得ない特別な事情がある場合を除き、原則として認められていません。
では、ブルガリアの就労ビザから紹介していきたいと思います。
就労ビザ
ブルガリア労働・社会政策省による労働許可を持つ外国人へのビザです。
滞在可能日数:
180日以内(現地到着後に長期滞在のためのIDカードを申請します。)
申請に必要なもの:
- ビザの申請書
- パスポート用サイズの写真2枚
- パスポート(ただしビザの申請時に、6ヶ月以上の残存有効期間のあるものになります。)
- 健康診断書
- 犯罪証明書(日本の警察署で申請できます。申請の際には、ブルガリアへ移住するという証明が必要になります。)
- EUで有効な3万ユーロの医療保険(緊急医療、緊急入院、死亡の場合の遺体搬送の費用が補償対象となる保険が必要です。)
- 申請者のブルガリア滞在中の宿泊と住所の証明(賃貸で住む場合は雇用主か不動産会社との契約書と公証人の認証が必要になります。)
- ブルガリア労働社会政策省の雇用庁により発行された労働許可証
申請方法:
労働許可証は雇用主が用意する必要があります。また申請する場所について日本国籍の方の場合は東京にあるブルガリア大使館でのみ申請ができます。
条件:
現地企業の雇用が決まっている方。
学生ビザ
認可を受けた全日制の教育機関への入学許可を持つ外国人へのビザです。
滞在可能日数:
180日以内(現地到着後に長期滞在のためのIDカードを申請します。)
申請に必要なもの:
- ビザの申請書
- パスポート用サイズの写真2枚
- パスポート
(ただしビザの申請時に、6ヶ月以上の残存有効期間のあるものになります。) - 健康診断書
- 犯罪証明書
(日本の警察署で申請できます。申請の際には、ブルガリアへ移住するという証明が必要になります。) - EUで有効な3万ユーロの医療保険
(緊急医療、緊急入院、死亡の場合の遺体搬送の費用が補償対象となる保険が必要です。) - 申請者のブルガリア滞在中の宿泊と住所の証明(賃貸で住む場合は雇用主か不動産会社との契約書と公証人の認証が必要になります。)
- 申請者が対象となる学年度の授業を受けるために入学することを示す教育科学省からの証明書
- 受け入れ先の教育機関が発行した受け入れ許可の証明書(原本)ならびに入学金・必要授業料の支払済み証明書(原本)
- ブルガリアの銀行が発行した振替書類
- 授業料が振替された銀行口座番号
申請方法:
申請するためにはあらかじめ受け入れ先の教育機関(大学など)へ留学または入学するために連絡を取ることが必要となります。
また申請する場所について日本国籍の方の場合は東京にあるブルガリア大使館でのみ申請ができます。
条件:
ブルガリアの教育機関で学ぶ予定のある方。
年金受給者用ビザ
年金受給者でありブルガリア国内での十分な生活費を持つ外国人へのビザです。
滞在可能日数:
180日以内(現地到着後に長期滞在のためのIDカードを申請します。)
申請に必要なもの:
- ビザの申請書
- パスポート用サイズの写真2枚
- パスポート
(ただしビザの申請時に、6ヶ月以上の残存有効期間のあるものになります。) - 健康診断書
- 犯罪証明書
(日本の警察署で申請できます。申請の際には、ブルガリアへ移住するという証明が必要になります。) - EUで有効な3万ユーロの医療保険
(緊急医療、緊急入院、死亡の場合の遺体搬送の費用が補償対象となる保険が必要です。) - 申請者のブルガリア滞在中の宿泊と住所の証明
(賃貸で住む場合は雇用主か不動産会社との契約書と公証人の認証が必要になります。) - 年金収入を得る資格があることを示す書類
(日本で発行され公証人に認証されたものが必要です。) - 申請者の年金が定期的に普通送金される有効な銀行口座を申請者が持っていることを証明するブルガリアの銀行からの書類
申請方法:
申請する場所について日本国籍の方の場合は東京にあるブルガリア大使館でのみ申請ができます。
年金を送金するために必要なブルガリアの銀行の口座についてはパスポートがあればどの銀行でも口座を開設することができます。
また年ごとによって毎月の最低限の必要年金受給額が決まっていますので事前の確認が必要です。
条件:
日本で年金受給の資格を満たしている方。
婚姻ビザ
ブルガリア国民またはブルガリアに永住する外国人と婚姻した外国人、もしくは滞在資格の永久許可を受ける理由をもつ外国人へビザです。
滞在可能日数:
180日以内(現地到着後に長期滞在のためのIDカードを申請します。)
申請に必要なもの:
- ビザの申請書
- パスポート用サイズの写真2枚
- パスポート
(ただしビザの申請時に、6ヶ月以上の残存有効期間のあるものになります。) - 健康診断書
- 犯罪証明書
(日本の警察署で申請できます。申請の際には、ブルガリアへ移住するという証明が必要になります。) - EUで有効な3万ユーロの医療保険
(緊急医療、緊急入院、死亡の場合の遺体搬送の費用が補償対象となる保険が必要です。) - 申請者のブルガリア滞在中の宿泊と住所の証明
(賃貸で住む場合は雇用主か不動産会社との契約書と公証人の認証が必要になります。) - ブルガリア国民、またブルガリアに永住する外国人との結婚証明書
- ブルガリアに永住する外国人との結婚の場合は外国人のIDカードのコピーも提出
申請方法:
結婚証明書はブルガリアにある役所で申請することが出来ます。
申請の際には結婚具備証明書(独身証明書)とパートナーの独身証明書、さらにパスポートとパートナーのIDカードが必要になります。
申請する場所について日本国籍の方の場合は東京にあるブルガリア大使館でのみ申請ができます。
条件:
ブルガリア人、もしくはブルガリアへの永住権を持っている方と結婚した方。
ビジネスビザ
ブルガリアで商業活動を行ない、活動の一部としてブルガリア国民を雇用する外国人へのビザです。
滞在可能日数:
180日以内(現地到着後に長期滞在のためのIDカードを申請します。)
申請に必要なもの:
- ビザの申請書
- パスポート用サイズの写真2枚
- パスポート
(ただしビザの申請時に、6ヶ月以上の残存有効期間のあるものになります。) - 健康診断書
- 犯罪証明書
(日本の警察署で申請できます。申請の際には、ブルガリアへ移住するという証明が必要になります。) - EUで有効な3万ユーロの医療保険
(緊急医療、緊急入院、死亡の場合の遺体搬送の費用が補償対象となる保険が必要です。) - 申請者のブルガリア滞在中の宿泊と住所の証明
(賃貸で住む場合は雇用主か不動産会社との契約書と公証人の認証が必要になります。) - 商業登記に登録のための裁判所判決の認証謄本
- 税登録書類の認証謄本
- BULSTAT登録
(ブルガリアの企業を管理するための登録です。) - 企業の現在の状態に関する裁判所証明
(発行日より3 ヶ月以内のもののみ有効です。その際に申請者はオリジナルまたは認証謄本を提出する必要があります。) - 企業に関する国立社会保障研究所からの証明
(申請者は原本または認証された謄本を提出しなければなりません。)
証明書には次の部分の内容を含む必要があります。
1. 申請者が自家保険に加入していること。
2.申請者が被自家保険者として登録されていること。
3.申請者がブルガリア市民を雇用契約のもとに雇用していること 。
4.申請者が税金の支払い延滞のないこと。 - 納税額を示す申請者の財務結果申告に関する税務署からの証明書
(申請者は原本または認証された謄本を提出する必要があります。) - 銀行による認証
(必要な証明は1.支払い延滞のないことの証明。2. 利用している銀行口座の報告書です。) - 申請者の企業での地位を証明する書類
(社長もしくは共同事業者などの証明です。)
申請方法:
申請する場所について日本国籍の方の場合は東京にあるブルガリア大使館でのみ申請ができます。
条件:
ブルガリアに現地法人または代理店を設立する予定の方。
ブルガリアでビジネスビザを取得するための詳しい流れ
海外で会社を興してみたいという方もいますので、ビジネスビザの取得方法を細かく説明します。
最初に自分に会社を持つことから始まります。
1.法人を設立する(国内、国外OK)
ここでいう会社とは個人事業主ではなく法人のことを指しています。
会社は日本でも設立するのでも可能ですし、アメリカなど外国で設立することも可能です。
日本の場合、会社の設立には最低20万円は必要になってきますので資金を準備することが必要です。
2.ブルガリア代理店を設立
会社を設立したら今度は自分の会社の現地法人または代理店をブルガリアで設立するための準備をします。
自分で代理店を設立することも可能ですが、書類作成のためにはある程度のブルガリアの会社設立のための知識とそれを理解できるブルガリア語の知識が必要となるため、ビザをサポートする専門の業者や法律事務所にお願いするほうが無難です。
その際にインターネットでビザをサポートする業者を見つけることもできますが、下見を兼ねて実際にブルガリアへ行くことをオススメします。
ビザをサポートする業者または法律事務所を見つけたならば、次に自分の会社の登記簿を英語またはブルガリア語に翻訳して、その書類を基にブルガリアに自分の会社の代理店を設立のための書類を作成してもらいます。
書類作成費用については会社によってまちまちですが最低でも1000ユーロは用意する必要があります。
また書類作成には最低でも1ヶ月はかかるので、あせらず待つことが必要になります。
3.ブルガリアの銀行口座を開設
書類作成をお願いした会社で書類がそろったら、今度は会社の資金を預けるためにブルガリアに銀行口座を開設します。
ブルガリアには外国人が口座を開設することのできる銀行が幾つかありますので好みの銀行を利用することができます。
4.大使館にビザ申請
すべての書類が揃いましたら、次に大使館でビザの申請となります。
この時に注意することはビザのサポート会社や法律事務所から受け取った書類には有効期限があるということです。
基本的には1ヶ月が有効期限ですので、書類を受け取ったらならばなるべく早めに大使館へビザの申請をする必要があります。
また申請書を提出してもビザの取得には最低でも1ヶ月は待つ必要があるので注意が必要です。
ブルガリアのビザ取得後に行うこと
どの長期ビザに関しても原則は180日以内の滞在になります。
そのため180日以上の長期滞在をするためには個人カード(IDカード)の取得が必要となります。
ブルガリアでは個人カードのことをリッチナカルタと言いますが、このカードの取得のためには移民局へ行く必要があります。
移民局で提出する書類はビザの取得のために提出した書類と同じです。
そのため長期ビザを申請した際には、あらかじめすべての書類をコピーするか申請した際にすべての書類を返却してもらう必要があります。
ブルガリアの永住権取得は5年滞在者のみ
合法的に継続して5年間滞在していることとが最低条件になります。
有効期限は無制限(永住)ですが、選挙権は認められていません。
永住権の申請に関しては1100レヴァ(77,000円)ほどの費用がかかります。
そのため永住する予定のない方はロングステイの申請をすることができます。
ロングステイ
合法的に継続して5年間滞在した後に申請することができます。
5年間滞在可能で5年後には再度申請することができます。またブルガリア国内で就労することもできます。
滞在可能日数:
5年間。5年後に再度申請することはできます。ただし5年間中に10ヶ月以上ブルガリア国外に滞在した場合は申請の資格を失います。
ブルガリアへ長期滞在をするために必要なことを知っておこう
1.ブルガリア語か英語の勉強をあらかじめ行う
残念ながらブルガリアの長期滞在のための日本語での情報はあまりありませんので、自力で準備する必要性が出てきます。
その時にあらかじめブルガリア語を多少でも理解しておくとビザの準備や実際の長期滞在のときに役立ちます。
関連記事:「ブルガリア人も大喜び!ブルガリア語の日常会話フレーズ55選」
またブルガリア語の勉強が多少難しいと感じたならば、最低でも英語での理解は必要です。
ブルガリアの若者の半数は英語が話せますので、困ったことがあったときは英語で助けを求めることができます。
さらにブルガリアにはドイツやポーランドをはじめ、多くのヨーロッパの方が住んでおりそういった人たちと仲良くなれば、困ったことがあったときでも相談することができます。
2.長期滞在のためのまとまった資金を用意しておく
ブルガリアは他のヨーロッパに比べればかなり割安で生活することができます。
ブルガリアの平均月収は600レヴァ(42,000円)で首都のソフィアでも900レヴァ(63,000円)です。
しかし長期滞在の場合、時には予期せぬ問題が発生することもあります。
特に長期滞在のための書類不備などの問題が生じた場合は自分ひとりでは解決できないこともあります。
その時には不動産会社や弁護士事務所、もしくは旅行代理店などに助けを求めることもできますが、
その際には費用が発生します。そのためにもあらかじめ多めの予算で長期滞在の計画することが大切です。
ブルガリアのビザまとめ
ブルガリアは自然豊かでとても美しく、おいしい野菜と果物を味わうことができます。
またブルガリアには旅行者も含めて日本人があまり訪れない場所ですので、日本では味わえない、日本人を見かけたり日本語を耳にすることのない独特の雰囲気を味わうこともできます。
ブルガリアは日本と6時間の時差(冬場は7時間)があります。
また日本からの直行便もないため、ロシアのモスクワやトルコのイスタンブール、またはドイツのミュンヘンやフランクフルトを経由して行くことになります。
日本から見たら遠い国ですが、遠いからこそ普段体験することのできない素晴らしい思い出や出会いが待っています。
ブルガリアでのビザは長期滞在最初のハードルです。
情報も少ないですが、常に最新のビザ情報をチェックし、スムーズな取得ができるといいですね♪