ヨーロッパの中でも比較的マイナーな国として挙げられるブルガリア。
ヨーグルトやバラの花をはじめ、美しい自然や手つかずの遺跡など見所もたくさんあり、さらには美味しいブルガリア料理やワインを堪能することもでき、注目度はますます高まっています。
しかし、ブルガリアに関する情報が少ないために、旅行や移住に関しては不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、ブルガリア在住者から見た本当のブルガリアの治安事情をご紹介します。
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ブルガリアの治安情報の概要
ブルガリア内務省の発表によると2017年の犯罪発生件数は106,659件です。
近隣諸国と比較すると、ルーマニアの2016年の犯罪発生件数は約56万件で、トルコについては2007年以降からトルコ警察は犯罪統計を公表していませんが、直近の2006年の統計データによると犯罪発生件数は約785,000件です。
数値から、ブルガリアは他の国と比較して安全な国と言うことができます。
ブルガリアへ到着するとよく感じることですが、ブルガリアはラテン文字ではなくキリル文字を使用しています。
そのため案内表示板があっても英語表記が無いと何が書いてあるのか分からず、不安に感じる人もいます。
しかしブルガリアは他のヨーロッパと同じように治安は良く、夜に街中を歩いても怖いと感じることはありません。
ブルガリアには多くの外国人が毎年訪れるため、ショッピングモールやスーパーマーケットなどの外国人も利用する施設に関しては対応も丁寧で、だまされたりすることもありません。
またブルガリア人は世話好きのため、困っていることがあると助けてくれます。
道に迷ったときなどは、近くにいるブルガリア人に聞けば必ず教えてくれます。
さらに、ブルガリアでは人種による対立もないので、日本人についてもアジア人ということで差別されることもないところは安心です。
ただし、親しげに馴れ馴れしく近づいてくるブルガリア人についてはお金目当ての場合もありますので注意が必要です。
ブルガリア都市別の犯罪率
ブルガリアで犯罪率が高いのは首都のソフィアやバルナなどの大都市です。
ソフィアは2016年の犯罪件数が21,976件で、10万人あたり1,508件の犯罪が起きています。
バルナの2016年の犯罪件数は約7,000件ほどで、10万人あたり1,361件の犯罪が起きています。
首都のソフィアやバルナよりも犯罪率が高いのはブルガスです。
ブルガスはブルガリアの東南部にあり、トルコからも比較的近い場所にありますが、2016年の犯罪件数は7,776件で、10万人あたりの犯罪件数では1,730件になります。
ブルガスやバルナなどは黒海に面しているため、夏のバカンスの時期には大勢の外国人が休暇で訪れます。
そのため外国人と地元の人とのトラブルや外国人同士によるトラブル、さらには外国人を狙った犯罪も起きています。ビーチバーなどでは薬物の売買が行われている場合もあります。
逆に犯罪率が低い都市はシューメンやハスコヴォなどの都市で、年間の犯罪件数は500件程度です。
シューメンやハスコヴォは人口10万人弱の小さな都市ですが、王族のお墓や古代ローマ時代の遺跡も現存のままで残されており見所はたくさんあります。
ブルガリア全体の犯罪検挙率は48%です。日本は35.7%なので、決して悪い数字ではありません。
ソフィアに到着したなら、2つの方法で市内へ
ブルガリアへ旅行に行かれたり、移住される方の多くはソフィアを訪れると思われます。
ソフィアにはソフィア空港という国際空港があり、多くの日本人はここから入国します。
ソフィア空港は小さいながらも清潔で雰囲気も良いので、不安を感じることはありません。
ソフィア空港には2つのターミナルがあり、ターミナル1は主に格安航空会社用で、ターミナル2は一般の航空会社用です。
日本からブルガリアへ行くと、大抵はターミナル2に到着します。もしターミナル1に到着した場合はターミナル2まで行ける無料のシャトルバスもあります。
ブルガリアへ入国すると市内へのルートが足元に表示されており、その指示通りに従って歩けば市内の中心地までの交通機関を利用することができます。
空港から市内の中心へのアクセスには地下鉄(メトロ)とタクシーの2つの方法があります。
地下鉄
地下鉄ですと、中心地まで30分程度で料金は1.6レフ(約112円)です。
スーツケースなど大きい荷物を持っている場合は荷物代としてさらに1.6レフが必要です。
空港から地下鉄の駅までは歩いて5分もかからないので、荷物があまり重くなければ便利です。
タクシー
ブルガリアには幾つかのタクシー会社がありますが、一番のおすすめの会社はOKタクシーです。
入国後に右側前方に歩いていくとOKタクシーのカウンターがあり、そこで予約することができます。
もしカウンターが閉まっている場合は、OKタクシー専用の乗り場が空港の出口を出て右側にあるので、そこで利用することができます。
空港からソフィア中央駅までは15レフ(約1,030円)で行くことができます。
他のタクシー会社についてはぼったくられたという事例もあり、あまりおすすめできません。
特に流しのタクシーについてはメーター自体が改造されている場合もあるので、なるべく利用しないのがおすすめです。
ソフィアで注意すべき地域と犯罪手口
ソフィアで最も注意すべき場所はソフィア中央駅です。
ここはブルガリアの中でも一番大きな駅でブルガリアの大都市を繋ぐだけでなく、ルーマニアのブカレストやセルビアのベオグラードなどまで繋がっている国際列車もあります。
中央駅のすぐ近くには国際線と国内線の2つのバスターミナルがあり、多くの旅行者が行き来します。
そのためスリや置き引きなどの犯罪をはじめ、困っている人に声を掛けて手伝った後に多額のお金を支払うように要求するような犯罪も起きています。
ソフィア市内の住宅街では、ソフィア市の西部にある
- リューリン(Люлин)地区
- ナデジュダ(Надежда)地区
が危険地域と言われています。
そこではスリや強盗や強姦などの犯罪が起きているので、十分な注意が必要です。
また、ヴァシーリレフスキー(Васил Левски)通りでは麻薬中毒者の集まり場所がいくつかあり、フリストボテフ(Христо Ботев)通りやスリーヴニッツァ(Сливница)通りには売春宿などがいくつかあるため、なるべく近づかないほうがいいかもしれません。
ソフィア市内にはたくさんの市場がありますが、イリヤンツィ(Илиянци)市場については、つり銭をごまかすなどの詐欺の被害が起きているので注意が必要です。
スーハレカ(Суха река)地区ではサッカー場があり、特にチェスカ・ソフィアとレフスキー・ソフィアのソフィアのチーム同士の試合では多くのフーリガンに遭遇する危険があります。試合中や試合後にサッカー場に近づくのはなるべく避けたほうが良いです。
対照的にソフィアでもかなり安全とされる場所はユージェンパーク(Южен парк)やムラドスト(Младост)です。
また、ロゼネッツ(Лозенец)地区やドラガレフツィ(Драгалевци)地区やクニャージェヴォ(Княжево)地区も安全とされているので、旅行をしたり移住のために部屋を借りる際には参考にしてください。
安全対策・ブルガリア人が気をつけている4つのこと
ブルガリアで犯罪に巻き込まれないためにはブルガリア人と同じように行動することが最善な方法です。
ブルガリアへ訪れるときに注意したい4つの点をご紹介します。
1.財布やスマートフォンなどは常に肌身離さず携帯する
外国人が特に注意しておきたい犯罪はスリや置き引きです。
駅や空港のベンチだけでなく、レストランやカフェの中でもトイレに入っている間に盗まれたりすることはよくあります。
ブルガリア人にとってはスマートフォンやタブレットはまだまだ高価な品物で、盗んだ後に市場やインターネットの個人売買サイトで売る人も多くいます。
旅行の場合は長距離バスを利用することがあると思いますが、長距離バスには備えつけのトイレは無く、必ず10分から15分ほどのトイレ休憩があります。
トイレ休憩の時は基本的にはバスのドアは開いたままで、その時間は運転手も休憩しており、お客以外の一般の人も中に入ることができてしまいます。
そのため、その休憩の時に財布やスマートフォンやパスポートの入ったかばんを置きっぱなしにしたために盗まれてしまったということもありますので、注意が必要です。
お金やスマートフォンはどこへ行っても家の中以外は肌身離さず持っておくのが基本です。
2.親しげに近づくブルガリア人には注意する
ブルガリアに訪れた際には、現地の人と仲良くなりたい、友達を作りたいと思うかもしれません。
大勢のブルガリア人はとても穏やかで日本人に対しても好印象を持たれていますが、中にはお金目当てで近づくブルガリア人がいます。
スーツケースなどを持って繁華街を歩いているときには、そうした人たちに遭遇する可能性があります。
日本人はサービス慣れをしてしまっているので、ブルガリアではサービスは基本的に有料と考えておいたほうがいいです。
3. ロマ(ジプシー)の居住区には近づかない
ブルガリアにも他のヨーロッパと同じようにロマの人たちが住んでいる地区があります。
ロマの人たち自体はとても穏やかでフレンドリーですが、衛生的にかなり劣悪な場所に住んでいるので、感染病の危険性を考えるとあまり近づかないようにするのが最善です。
また、ロマの人たちが住んでいる地域には、売春や麻薬犯罪の温床にもなっている場所もあります。巻き込まれないように注意が必要です。
4. 売春婦に注意
郊外の幹線道路には大勢の売春婦が立ってお客を待っている場所があります。
ブルガリアで売春行為は犯罪ですので、巻き込まれないためにも近づかないのが賢明です。
また売春婦の中には病気を持っている人もいますし、マフィアなどの組織がバックについている可能性もあるので、関わらないのが一番です。
現地でもしもトラブルに遭遇してしまったなら
ブルガリアでは若い人を中心に英語を話せる人はかなりいます。
もしトラブルに巻き込まれてしまったらホテルのスタッフなどに相談することもできます。
ブルガリアでの緊急連絡先
- 警 察:TEL160(固定・携帯両方対応)
- 救急車:TEL150(固定・携帯両方対応)
- 消 防:TEL166(固定・携帯両方対応)
- 一般緊急連絡先:TEL112(固定・携帯両方対応)
- 在ブルガリア日本大使館 TEL 02-971-2708
ブルガリアの治安まとめ
ブルガリアは他のヨーロッパに比べて安全な国と言えますが、それでも注意が必要です。
とくに注意したいのは、スリと置き引きです。
楽しいブルガリア旅行や充実したブルガリア生活を送るためにも事前の準備をしておきましょう。
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