K1ビザの申請からアメリカで結婚。
アメリカ移住への最後のステップはグリーンカードの面接。長かった道のりももうすぐ終わりです。
しかし「グリーンカードの面接」と聞くと、質問の内容や当日の流れが気になりますよね。
面接への準備もしっかりとして臨みたいものです。
ここでは、グリーンカードの面接前の準備と当日の流れについて、実体験者から詳しく説明します。
基本:グリーンカードとは
グリーンカードとはアメリカで合法的に暮らすために必要な許可証のことを指します。
K1ビザで入国し、アメリカ人と結婚した事実を基にグリーンカードを申請した場合、発行されるのは「Conditional Residency (一時的永住権)」といって有効期限は2年間のみ。
選挙で投票することは出来ませんが、働くこともアメリカ国外への旅行も6カ月以内であれば許可されます。
2年後に「Permanent Residency (永住権)」を申請する際にはK1ビザを申請し、結婚したアメリカ人と婚姻関係を続けていなければなりません。
さらに、グリーンカードを取得してから3年間アメリカに暮らし続けると「Citizenship (市民権)」を申請することができます。
しかし日本では二重国籍が認められていないため、アメリカの市民権を取得すると日本の国籍を無くしてしまう事になるので、決断は慎重に下したいものです。
面接日のお知らせと準備
アメリカ人と結婚した後に「Form I-485」を提出しグリーンカードの申請をした後、提出した書類が承認されたら「Form I-797C Notice of Action」と呼ばれる手紙が届きます。
この手紙が届いたら面接の日程が決まった、ということ。
当日の持ち物や面接場所の住所と時間も書いてあるのでしっかりと確認しましょう。
面接前の準備
面接で重視されるのは二人の婚姻関係が本物であるか、という点。
付き合い始めてから結婚しグリーンカードの面接に至るまでの間で正式に結婚した日付など、重要なイベントの日付や出来事を一緒に確認すると良いでしょう。
ケースによって異なるのですが、夫婦一人ずつ別の部屋で面接が行われ、二人の答えに矛盾が無いか確認されることもあるようです。
他の質問も、お互いの好きな映画や休日の過ごし方など、本当に愛し合っていて一緒に暮らしているのなら簡単に答えられるような質問ばかりなので、特に心配することはありません。
事前に二人で軽くおさらいをしておくと安心でしょう。
そして、面接の準備で一番面倒で大切なのが必要書類の準備です。
面接日のお知らせの手紙にもどんな書類が必要なのか詳しく記載されているので、よく確認しましょう。
また、大量の書類を持っていくことになるので、ファイルに整理して持っていくと便利です。
出席者:
K1ビザを経てアメリカ人との婚姻関係を基にグリーンカードを申請したため、インタビューには夫婦そろって出席しなければなりません。
また、どうしても英語が話せないという人は通訳者に同席してもらうことも可能です。
必要書類:
※この情報は2018年10月時点の情報です。変更されることもあるので届いた手紙をしっかりとご確認ください。
- Form I-797C, Notice of Action (面接の日時が記された移民局からの手紙)
- 各政府から発行されたID(パスポート、運転免許、軍関係のIDなど)
- Form I-693:健康診断の結果
K1ビザを申請するときに健康診断と予防接種は済ませ、書類も提出してあるので原本は移民局が持っています。念のため自分用のコピーを持っていくと安心でしょう。 - Form I-864:Affidavit of support(扶養宣言供述書)
これもグリーンカードを申請する際に提出しているはずです。念のため自分用のコピーを持っていくと良いでしょう。 - アメリカ人のタックスリターンとW-2’s(最新のもの)
- アメリカ人の職場、役職や毎月の収入が分かる給料明細(過去2カ月のもの)
- アメリカ人の国籍や市民権、永住権などを証明するもの(出生証明書、グリーンカード、市民権に関する書類など)
- 今までに発行された移民関係の資料(Employment Authorization Document:就労許可証のカード、過去に発行されたビザなど)
- 出入国に関する書類(アメリカに入国する際に使ったパスポート、K1ビザ、I-94 Arrival/departure Document:出入国記録、など)
- 戸籍謄本または抄本(日本語の原本と英語訳されたもの)
- ソーシャルセキュリティー番号
- 二人の間の子ども、または養子の出生証明書
- 公証人による証明がされた結婚証明書のコピー
- 過去に離婚歴があればそれに関する資料
- 二人の婚姻関係が本物だと分かる書類(共同の銀行口座の詳細、二人の名前が載っている賃貸契約書や携帯電話の契約書、公共料金の料金請求書、クレジットカード、二人が写っている写真、メールのやり取り、など)
- 過去に逮捕歴があればそれに関する書類
- 英語以外の言語で書かれた書類があれば、英訳したものと翻訳者のサイン
面接日当日の流れと確認事項
面接日当日の流れは移民局オフィスそれぞれによって違います。また質問内容も面接官によって変わってくることが予想されます。
以下では私の体験に基づいて面接の流れを紹介します。
- 当日は面接が予定されている時間の15分ほど前に着くように余裕をもって出発。
- 移民局のオフィスに着いたらまず入り口で、手荷物検査がありました。
- 検査が終わったらForm I-797Cの手紙を受付に渡して、本人確認が行われ、証明写真と指紋を取り終わると待合室に通されました。
- しばらくして面接官から名前を呼ばれると夫婦で個室に通され、面接開始。
面接の流れ
質問の前に起立して右手を挙げ、これか質問に対する答えに嘘や偽りが無い事を誓いました。
最初の質問は自分の名前と生年月日。事前に提出したグリーンカードの申請書に間違えや住所の変更が無いかなどの確認をしながらいくつか簡単な質問がありました。
確認事項についての質問が終わると次は二人の夫婦関係についての質問。
婚約からK1ビザの申請、そして面接当日までに起こった出来事を説明するように求められたため、知り合った頃、付き合い始めた時や婚約に至るまで、日にちも含めて順を追って説明しました。
他にも、初めてアメリカに訪れた時の感想やプロポーズについて聞かれました。
面接官の方はとてもフレンドリーで、3人で雑談するようなリラックスした雰囲気の面接だったため、緊張することなく答えることが出来ました。
ただ、ソーシャルセキュリティー番号を聞かれた時に暗記できていなかったため、すぐに答えることが出来ませんでした。
幸いにも原本を持っていたため事なきを得ましたが、できれば面接前に暗記しておくことをお勧めします。
提出したグリーンカードの申請書(Form I-485)に記入した番号に間違えが無いか確認のための質問だった様ですが、すぐに答えられなかったためドキッとした体験でした。
その後には、申請書(Form I-485)を見直しながら
- 過去の結婚歴や逮捕歴はあるか
- 二人の間に子どもや養子はいるか
- 殺人未遂や犯罪を起こしたことはあるか
- テロ活動に参加したり支援したことはあるか、
など最終確認の質問がありました。
面接に至るまで詳しい犯罪歴調査や身元調査が行われているので、面接官はすべての情報を把握した上で質問しています。
過去の犯罪歴があるからと言ってグリーンカードの発行が確実に拒否されることはありません。嘘をつくことなく正直に答えることをおすすめします。
面接が終わる前に、グリーンカードの発行を許可する、と結果をその場で言い渡されました。
カードの作成に数日かかる事、郵便で受け取る際には受取人のサインが必要なこと、発行されるグリーンカードの有効期限は2年間であることなどについて説明がありました。
それから、一時的永住権には選挙に参加する資格は無く、参加すると罰せられることになる、と説明も受けました。
また、ソーシャルセキュリティーの事務所に出向いてグリーンカードを取得した事など、改めて手続きをする必要もあるそうです。
面接室に入るまでは緊張していましたが、一旦面接が始まるとあっという間で、およそ10分程度で全て終わりました。
グリーンカード取得への道
K1ビザを申請してからグリーンカードの取得まで、道のりは決して短くはありません。
提出する資料は大量にありますし、全て集めるだけでも一苦労ですよね。
アメリカに移住してからも友達や家族と離れ離れになってしまってホームシックになってしまう日もあるでしょう。
しかし、アメリカで愛する人と一緒に暮らせる将来は希望に満ち溢れているはずです。
こんなにも大変で面倒な過程を経てやっと一緒に家庭を築けるのですから、お互いの存在を当たり前と思わず、感謝しながら毎日を過ごしたいものですね。
この記事が、これからグリーンカードの申請や面接の準備を始める国際カップルの皆さんのお役に立てれば幸いです。
応援しています。