これからアメリカで働く予定の方は、日本との働き方がどのように違うのか、気になるところではありませんか?
ここでは、アメリカで働き始めて11年、アメリカの会社と日系の会社の職場環境の両方を経験した現地在住者から、働きやすさ、文化の違いなどをお話します。
職場環境や働きやすさのような精神的な面で比較してしまえば、もちろん、アメリカの会社のほうが断然良かったということ。
そんな理由を「米系の会社はこんなところが働きやすい」という点から、わかりやすくお伝えします。
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1. アメリカでは残業しない
職種によりますが、、アメリカでは一般的に無駄な残業はしません。
上司より先に帰る事がNGというような文化もありません。
ワーク・ライフバランスを大切にする文化がある国ならではです。
皆、定時になったらさっさと帰っていきます。早く帰ることに対して文句言う人などいません。
日本では「お疲れ様ですー、ではお先に失礼します」という声をかけながら職場を後にしますが、アメリカでは何も言わず帰って行く人もいれば、「バーイ!」と軽く一言。
「お疲れ様ですー」に変わる英語がないからかもしれないですが、とても簡単で気持ちがいいです。
日系の会社はというと……?
私がアメリカで勤めた二社の日系の会社で、どちらにも共通していたのは、残業している人は日本人だけということ。
これがやっぱり大きな文化の違いでした。
アメリカにオフィスはあるけど、社内はやっぱり日本文化が濃く、残業しなくてはいけないおかしな雰囲気がオフィス内に漂っていたりします。
現地採用の外国人が同じ部署で同じ仕事をしながら、彼ら達は定時になると気にせずにさっさと帰っていきます。
そんな雰囲気を感じ取ってしまうのが日本人で、ついつい周りに合わせて残業してしまうんですよね。
2. メールのやり取りが気楽
「お世話になります」
「お忙しいところ恐れ入ります」
「よろしくお願いいたします。」
などの表現は英語だとありません。
いきなり本題に入り、「Thanks」で文章を締め、メールのやり取りが超ストレートであっさりしてます。
丁寧なビジネス英語を使うのは常識ですが、メールに費やす時間は日本語の半分。
日系の会社では……?
仕事をする相手が日本人の場合も多く、メールもビジネス敬語の使い分けや、回りくどい表現で文章が長くなりがちです。
メールを送信する時もCCに必ず直属の上司を入れるのがルールで、送ったメールの「言葉使いが正しくない」「英語の分法が間違ってる」などと注意を受けた事もあり、メールのやり取りにさえとても気を遣いました。
そういうのが一切ない米系の会社はメールやり取りがとても気楽です。
3. 役割分担が明確
アメリカでは役割分担と自分の責任範囲がはっきりしています。
自分の仕事の内容はジョブ・デスクリプションにしっかりと記載されています。
なので、自分の担当以外の事を質問された場合でも「I don’t know」と言ってしまえる文化です。
自分の担当の仕事でなければ、担当者を探してその案件を転送するなりして、最後まで責任もってその案件に答える必要はありません。
日系の会社にもジョブ・デスクリプションはあります。
ですが、日本文化の社会人としての常識が身についていると、自分が受けた質問は「わからない」で済ませず、なんとかして自分で答えようとします。
米系の会社に勤め始めた頃は「分からない」で終わらせる事が出来てしまうのはなんて楽なんだろう、と軽くカルチャーショックを受けました。
4. 勤務体制(時間)が適度にフレキシブル
日本でもフレックスタイム制を取り入れてる企業が最近では増えてきているようですね。
米系の会社にもけっこう多いこのフレックスタイム制については、職種で状況が少し異なるので、私が現在働いている会社と何人かの知り合いの会社を例にとりあげます。
自分で始業時間、終業時間を決める事ができる制度をフレックスタイム制と言います。
【この制度を大いに利用している私の上司の場合】
朝6:00頃出社 → デスクで仕事をしながら昼食を済ませ → 午後2:00退社
【私の同僚の場合】
朝10:30頃出社 → 1時30頃から少し長めのランチ → 夕方7時ころ退社
こんな感じで、出社時間も退社時間も人それぞれで、とりあえず8時間働けば良いという感じです。
自分の体調や自分や家族の予定に合わせて自由な出勤時間を選べるこの制度が、すごくありがたいです。
日系の会社では……?
私が勤めていた日系の会社でも、このフレックスタイム制は一応導入されていました。
しかし、この制度を喜んで利用していた社員はやっぱり日本人以外の現地採用の外国人。
残業をする文化のある日本人なので、朝早く出社したところで、結局早い時間帯に退社するというのに気が引けるのかもしれません。
5. 休暇申請もかなり適当で、申請しやすい雰囲気
有給休暇は労働者の権利なのですが、休暇が取りにくい雰囲気がある会社ってありませんか…?
日系の会社に勤めていた時は、休暇を申請する時になぜかうしろめたさを感じたりしてましたが、米系の会社という異文化に触れてちょっとしたカルチャーショックを受けました。
これも今の職場の例ですが、
「今日は天気も良くってプール日よりだから早めに帰るね!」「ゴルフ行くから午後半休もらったんだよ」
と、うれしそうに休んでいます。
それに対しても特に悪く言う上司もいません。上司もこんな感じでをしています。
休暇の申請は最低でも2、3日前までにしておいた方がいいんじゃないの?という感覚でしたから、「こんな簡単でよかったのか」と学び始め、今では気兼ねなく休暇申請ができています。気持ちの良い休みの取り方
6. ヘッドフォンをしながら仕事
これも職種によりますが、私の現在の仕事は、黙々とパソコンとにらめっこなので、電話を仕事上で使う事はかなり少ないです。
なので、ヘッドフォンしながら音楽を垂れ流し状態で仕事をしています。
それに対して周りの人は何も言いませんし、もちろん上司も何も言いません。
他の社員もそんな感じなので、時々上司が話しかけてるのに、まったく気が付かないという事もよくあります。
7. 人事(HR)が強い見方
アメリカの会社は一般的に、社員を守るためのHRがとてもしっかりしていると思います。
上司や、同僚によるセクハラや、パワーハラスメントとなどの行為があればすぐHRに報告。必ず何かしらの対応をとってくれます。
これは正社員やパートタイム社員に限らずです。
日本の職場であるような上司が部下に対して、大声で怒鳴ったりということもどありません。
ではここで日系の会社の良かったと思ったところをご紹介します。
8. 保険料が安い
日系の会社に勤める友達からも聞く話ですが、日系の会社は気の利いた福利厚生が整ってるところが多いです。
保険の事を例にあげます。
アメリカの医療保険制度は日本と少し違って複雑で、簡単に言えば、アメリカ国民のほとんどは自分で保険に加入するか、勤務先で提供している保険に加入します。
会社によって加入している保険もプランも異なり、内容がすごくわかりにくいです。
日系の会社の場合、会社で加入している保険会社も気の利いた日本語サービスのある保険会社だったりするので、カスタマーサービスの対応も丁寧で信用できます。
毎回給料から天引きされる保険料も米系の会社に比べるとかなり低めです。
私が勤めた2社の日系会社では、どちらも保険料がとにかく安く$0~$50が給料から引かれてました。
現在の米系の会社では保険料は家族をカバーするプランで月$115。会社によっては月$500の保険料が引かれるところもあり、それに比べると、日系の会社はベネフィットが良いです。
10. ボーナスの金額が高い
ボーナスが支給される米系の会社もありますが、日本のようなボーナスはという概念は低く、社員全員が毎年決まって貰えるというシステムでは無い会社もあります。
その点、私が勤めていた日系の会社では年に1回でしたが、毎年うれしい気分にさせてくれました。
11. 連休が多い
アメリカは日本ほど祝日が多くありません。
日系の会社に勤めて感じた事は、日系の会社は日本の祝日、連休に合わせて会社を休みにするところも少なくありません。
例えば、クリスマスから年末年始にかけての休みといっても、米系の会社は、クリスマスの25日は祝日。土日を挟んでいい具合に3連休になればうれしいほうです。
私が勤めていた日系の会社は2社ともに、12月25日頃から1月2日頃まで土日を含んでいましたが、最長で10日ほどの連休があったこともありました。これは現地採用の社員としてはうれしい限りですよ。
12. 社員を大切に育てる文化
日系の会社や日本人マネージャーは、社員をとても大切に育てる文化があるように感じます。
社員のトレーニングには時間とお金をかけ、昇進は社内で行われることも多く、他部署とのクロストレーニングなどの機会が多く提供されます。
年功序列の風潮もあったり、それだけ大切に育てた人材を切るようなことは少ない傾向にある日系会社。
米系の会社も、もちろん社員を大切にしますが、日本人ほど手厚く社員を育てるという考えはなく、シビアな一面もあったりします。
実力、生産性、効率を重視し、超競争社会です。会社にとってマイナスになるような要因は容赦なく削っていきます。
たとえ、長年会社に貢献してきた社員であろうと、です。
大量に社員を突然解雇する会社も少なくありません。
アメリカの働き方まとめ
私が感じた日系、米系の会社の文化の違いでした。
お世話になった日系の会社ではベネフィットに恵まれ、「社会人としてのマナー」「気遣い」など多くを身につける事ができました。
米系の会社は競争社会ではありますが、心身ともにリラックスして働けると私は感じます。
また最近では週休3日制や完全リモートワーク等さらなる働き方改革を行っていて、優秀な人材確保するために職場環境が若い世代の労働ニーズに合わせたものにどんどん変わってきています。
人生の中で多くの時間を費やしているのが「仕事」であり、やっぱり自分にとって働きやすい環境であるのがベスト。
日系の会社も、米系の会社の良さを取り入れ「働きやすい環境」に変わっていくといいですね。
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