「ウルグアイの食事」と聞いてみなさん何を思い浮かべますか?
そもそもウルグアイってどこにあるの?という方も多いと思うので、食事を想像するのは簡単じゃないかもしれません。
しかし移住するにはもちろん、旅行でも食事はとても気になるところですよね。
- ウルグアイ料理ってどんなもの?
- 家庭では何を食べているの?
- 主食は?
という疑問について、お答えします。
ウルグアイの主食はパンが中心
ウルグアイではパンが主食です。
外食のほとんどはハンバーガー、パスタ、ピザなど小麦粉を使ったもので、お米はリゾットになっていることが多いです。
・小麦粉
普通の小麦粉は1kg100円程とお手頃。
日本だと薄力粉、中力粉、強力粉とあるように、こちらでも4つのレベルに分けられていて、「0」の数で表示されています。
タイプ0はきめが粗くパンなどに向いていて、お菓子などにはきめの細かいタイプ0000が適しているとされています。
しかし人々はあまり気にしていません。
・ポレンタ
とうもろこしを粉末状にしたもの。
日本ではコーングリッツと呼ばれていてイングリッシュマフィンの表面がざらざらしたものがそれです。
安いうえ、熱湯と混ぜて1分で出来上がるので便利です。
トマトソースとチーズをのせていただきます。
・お米
スーパーでも売っていますが、健康食品店に行くと「弥勒米(みろくまい)」という日本米が購入できます。
ウルグアイで生産された日本品種米なのでお手頃で1kg180円くらい、白米、玄米選べます。
日本米が手に入るのはとっても嬉しい!
朝食はお茶をいれるところから
ウルグアイの人々はあまり急ぐことをしません。
ゆっくりお茶を入れることから一日が始まります。
・マテ茶
朝起きて一番にすることは、お湯を沸かしてマテ茶を入れること。
朝だけでなく散歩や仕事をしながらでも飲みます。
シェルバと呼ばれる茶葉をつぼ型のカップに直接入れ、お湯を注ぎ、茶こしが一体型のストローを差して飲みます。
家族や友達と回し飲みをするのが普通で、「ありがとう」と言ってしまうと、もういらないという意味になります。
とても苦いので甘いものと相性抜群です。
・ビスコッチョ
マテ茶のお供はビスコッチョです。
ビスコッチョは小さい菓子パンの総称で、クロワッサンの形をしたパンや真ん中にジャムがのったクッキー、チーズが練りこまれているお菓子など種類はさまざま。
小さいので色々な味を楽しめます。
朝からおやつタイムな気分です。
ウルグアイの伝統料理。アサドーを紹介
ウルグアイの伝統料理は主にお肉料理です。
特に牛肉が多く消費されていて、牛肉の輸出は経済を支えています。
日本にも近年輸出されるようになりました。
・アサドー
ウルグアイの伝統料理といえば、アサドーと呼ばれる牛肉のバーベキューです。
各家庭の庭にはアサドー専用のバーベキュースペースがあって、クリスマスや正月、誕生日など人が集まるときは必ずと言っていいほどアサドーが食べられています。
まず薪を燃やし炭をつくり、肉は大きな塊のまま、炭でゆっくりじっくり調理します。
待っている間は飲みながらお喋りを楽しむ。国民性にぴったりの料理です。
肉が焼けたら、切り分けて全員にとりわけます。なかでもリブロースが人気。
日本のバーベキューのイメージよりはるかにダイナミックです。
お肉の味付けは塩のみとシンプル。パンとロシアンサラダ(ポテトサラダのような、じゃがいもとグリーンピース、卵などをマヨネーズであえたもの)がサイドデッシュとして一般的です。
他にも以下のものをアサドーと一緒に焼いて、前菜として食べられています。
- チョリソー‥‥にんにくやパプリカ、香辛料などが混ぜこまれているソーセージ。
- チンチュリン‥‥牛や豚の小腸。
- モッシェハ‥‥ブラッドソーセージとも呼ばれ、血液が混ぜこまれているため色が黒い。
- チョット‥‥羊の腸。覚えやすい名前です。
そうです、前菜も肉なんです!
ミラネッサ、ボニュエラ等の家庭料理をいくつか紹介
ウルグアイの家庭料理の特徴は、オーブンを使った料理が多いこと、油と砂糖の摂取量が多いこと。
日本のように、少ない油で、砂糖は控えめに、という考えは一般的ではありません。
これが美味しいんですよね。
・ミラネッサ
一言でいうと、薄いとんかつです。牛肉が使われることが多く、小麦粉、卵、細かいパン粉の順につけて揚げたもの。
お肉だけでなく、ナスなどの野菜でも作られることがあります。
・ボニュエラ
野菜が入ったパン。油が多めに使われているので、外はクッキーのようなサクサク感、中はふんわり。
野菜は主にレタスやほうれん草などが使われ、玉ねぎ、パプリカなども混ぜることがあります。
プラスでにんにくのすりおろしを多めに入れるととても美味しくなります。
ボニュエラを焼いていると、自然と家族が集まってきます。
・ギソ
お肉やチョリソーをじゃがいもなどと一緒に煮込んだシチューです。
ウルグアイの冬は雪は降らないもののそこそこ寒くなるので、暖炉を囲みながら、この温かいシチューをいただきます。
ホームメイドのパンといただくのが最高です。
・エンパナダ
餃子の形のピザのようなもの。
中身はおかず系からデザートまでバラエティーに富んでいます。
例えば、ハムとチーズ、牛肉とオリーブ、4種のチーズなど。
いちから作るのは手間がかかるので、冷凍のを買ってきてオーブンで焼くだけのことも多いです。
モンテビデオで人気のエンパナダのお店は、生地に全粒粉が使われいたり、味も30種類以上あってどれも美味しい。
私のお気に入りは豆腐とブロッコリーに醤油で味付けされたもの。
意外なところで日本の味に出会えました。
スペインがオリジナルのようですが今では南米全土で食べられています。
ウルグアイの外食
ウルグアイはイタリアからの移民が多いため、ピザやパスタといったイタリア料理が多く食されています。
ウルグアイスタイルになって親しまれています。
・ピザ
生地は薄くはなく、厚くもなく。
大きく焼いたものをカットして提供されるため、形は丸ではなく四角。
ソースはシンプルなオレガノが効いた少し甘みのあるトマトソース。
基本は、それだけ。
チーズはオプションです。
トッピングはお願いすればしてくれると思いますが、日本のピザのように色々な具をのせることはありません。
(配達専用のピザ屋さんはアメリカンスタイルが多く、日本のピザに似ています。トッピングが何種類か選べます)
・ファイナ
ひよこ豆の粉を塩で味付けして水とまぜ、大きな型にながして焼いたもの。
見た目は薄い卵焼きのようです。
こしょうを振ってピザの上にのせて食べるのが美味しいです。
・フィガサ
玉ねぎのスライスとパプリカ、オレガノをのせて焼いたピザ。
ソースはなし。
シンプルすぎる気もしますが、人気です。
・パスタ
街にはパスタ専門店があります。
お肉やラザニアなどの惣菜も売っています。
その場で食べることも可能ですが、持ち帰りで利用する人が多く、家で茹でて食べます。
色々な種類があって、ニョッキやラビオリもとても美味しい!
・グラマッホ
数人で飲みにいったときなどに注文されることが多いフライドポテト。
玉ねぎ、ベーコン、卵、グリーンピースなどを炒めたものがのっています。
やや半熟の卵がからまって、ただのフライドポテトではありません。
ウルグアイのB級グルメ
レストランや、フードトラックで食べられるB級グルメ。
フードトラックと言っても、ほぼ常設で、公園や街の繁華街でよくみかけます。
一人でもお腹がすいたときに気軽に立ち寄れます。
・パンチョ
ホットドッグのことをパンチョと呼びます。
レストランではパンの代わりにマッシュポテトやライスを注文することができます。
・チョリパン
チョリソーとパン、略してチョリパン。
見た目はホットドッグですが、違いは、ソーセージではなく香辛料などが混ぜこまれたチョリソーなことと、バーベキューで調理してあること。
チョリソーにしっかり味がついているので、ケチャップやマスタードは必要ありません。
・カリト
具が選べるハンバーガーです。
ベーシックのハンバーガーに追加する野菜が好きなだけ選べます。
オリーブやコーン、野菜やキノコのピクルス、パイナップルなど、全部のせても良し。
チーズはベーシックに含まれています。
フードトラックのショーウインドーのところに具が並んでいるので、お腹がすいているときはスルーしがたい存在です。
・チビトー
ウルグアイB級グルメの王者、豪華なハンバーガーといったところでしょうか。
お値段も他に比べると高級品。
パンに挟まっているものは
- マヨネーズ
- 目玉焼き
- オリーブの実
- 牛や羊などの肉
- ハム
- ベーコン
- スライスチーズ
- トマト
- レタス
など。
1つのハンバーガーに三種類の肉‥‥すごいボリュームです。
ウルグアイのスイーツ
ウルグアイは砂糖大国です。
私自身もこの国に来て砂糖の摂取量がぐんと上がりました。
初めは甘すぎて食べられなかったくらいです。
・トルタ・デ・フリータ
おやつの定番です。
平たい揚げパンに砂糖をたっぷりかけたものです。
ウルグアイの夕飯は9時~10時頃が普通なので、夕方5時頃の小腹が空いたときにマテ茶と一緒にいただきます。
路上で揚げたてを売っていて、長蛇の列ができていることも珍しくありません。
・ドルセ・デ・レチェ
甘いミルクという意味のミルクキャラメルソースです。
ウルグアイ、アルゼンチンのお土産としても人気です。
パンに塗ったり、さまざまなお菓子に使われています。
とても甘くて濃厚な味です。
・アルファフォル
ドルセ・デ・レチェを使った代表的なお菓子。
ドルセ・デ・レチェをクッキーに挟んで、全体をチョコレートか砂糖でコーティングしたものがアルファフォルです。
・メレンゲ
卵の白身を砂糖と泡立てたメレンゲ。
クッキーのように焼いてフルーツポンチにいれたり、ドルセ・デ・レチェを挟んだり。
焼かずに生クリームのような要領でケーキにデコレーションすることもあります。
クッキーの上に絞ってチョコレートでコーティングした面白い形のエル・リカルディートというお菓子もあります。
・ドルセ・デ・メンブリッショ
特大羊羹のようなもの。
メンブリッショという花梨に似た果物で作られています。
3センチ角くらいの大きなキューブに切って、チーズの上にのせて食べられています。
さつまいもで作られたバージョンもあります。
健康意識の高まりから食習慣にも変化あり
ウルグアイの一般的な食生活は、肉、チーズ、砂糖の大量摂取になりがちです。
しかし、ウルグアイでは近年国をあげて健康づくりに励んでいるように見えます。
糖尿病対策として、砂糖の代わりにステビアを使った製品には「adu」というマークがついていて、ジャムやお菓子などを選ぶときに一目でわかるようになっています。
過剰糖分、過剰脂肪、過剰飽和脂肪の表示もされるようになりました。
そんなシール貼られたら営業妨害になりそうですが、それよりも国民の健康を優先されています。
また、食についてのこだわりを持つ人が増え、スーパーマーケットをはじめ多くの個人商店でオーガニック、グルテンフリー、ベジタリアン、ヴィーガンなどの商品を購入することができるようになりました。
お肉を使っていないハンバーガー、チョリソー、牛乳を使っていないドルセ・デ・レチェなど、カロリーやコレステロールは抑えられているのに、どれも美味しくて本物のようで驚きました。
ウルグアイの新しい食習慣、健康を気にする日本人にはちょうどいいかもしれません。
日本食は食べられる?
ウルグアイにも寿司屋があります。
魚介類は肉に比べると高いのもあって消費量は少ないですが、お寿司は人気です。
日本風の寿司屋だけでなく、モダンな寿司バーで、日本にはないアイデア溢れたお寿司を楽しむのもおすすめです。
定食屋のようなものはないので、日本の家庭料理が恋しくなったら自炊に限ります。
日本の調味料や食材は購入可能なので困ることはほとんどないでしょう。
味噌だけは私の知る限り売っているところがありません。
アルゼンチンで購入しています。
ウルグアイの食事のまとめ
ウルグアイの食事はボリュームのある肉料理やチーズがふんだんに使われたものなどが多くあります。
しかし食の多様化が進んでいるため、自分の生活スタイルに合った健康的な食生活をすることが大いに可能です。
個人的には難しいと思って挑戦してこなかったパンやピザ作りが意外と簡単なことを知り、料理のバラエティーが増えました。
日本では、見たことのないピザや、惜しみない甘さのスイーツ、など沢山の新しい食べ物に出会えるでしょう。