皆さんはタンザニアというとどんなイメージを持たれるでしょうか。
「キリマンジャロ」
「サファリ 」
「コーヒー」
等のイメージが大半かもしれません。
しかし実は気候や文化がタンザニア本土とは全く異なる「ビーチリゾート」の島があるのをご存知でしょうか。
今回は、実際にタンザニアのビーチリゾート地・ザンジバルに移住して感じた『ザンジバルの5つの魅力』をご紹介します。
タンザニア・ザンジバルの概要
ザンジバルは「ウングジャ島」という島の別名で、国としてはタンザニアに属しています。
タンザニア本土の最大都市・ダルエスサラーム からフェリーで約1時間半の場所に位置する島です。
実はタンザニアが国として独立する1964年まで、タンザニア本土とザンジバルはそれぞれ別の国でした。
その名残から今でもザンジバルでは自治政府があり、ザンジバルで会社を起こしたり住民登録をするときはザンジバル政府への申請になります。
気候は1年を通して温暖で、26度〜30度と比較的過ごしやすい気候です。
4月〜5月にかけては雨季となり、日中もスコールになりますが、7月〜9月、12月〜3月は乾季となり晴れが多く日中の日差しがとても強くなります。
魅力その1:治安の良さ
アフリカというとどうしても危険というイメージですが、ザンジバルはアフリカの中でも特に治安の良いエリア(島)と言えます。
人口が集中しているストーンタウンは世界遺産として観光客がとても多く、常に誰か人の目がある状態です。
夜も大きな通りであれば、21時ごろまで歩くことができ、日本と同じような感覚で生活できます。
ザンジバルは日中暑くなるため、子供達は日が沈み涼しくなった18時以降に遊ぶこともしばしば。夜21〜22時ごろまで元気な声が聞こえることも珍しくありません。
また、観光客が増えるハイシーズンには政府直轄の観光パトロールが増えるので、安心して生活ができます。
その代わり、観光客目当ての声かけや値段のふっかけはとても多いです。
お土産等の値段も外国人価格にされます。
本当の値段は30%~50%安い値段ですので、お店のスタッフとうまく交渉して物を買うようにしましょう。
魅力その2:物価が安い
ザンジバル は日本に比べて2~3分の1程物価が安くなっています。
例えば、1.5リットルの水は日本円で約50円です。
観光メインの島なので、観光客向けのカフェやレストランを利用すると日本と同等価格になってしまいます。
しかし地元民が利用するレストランでは、写真のようなメニューで約300円です!!
また、アフリカならではのマンゴーやアボカド等の価格も1個100円〜200円とお買い得。
アボカドは日本の3倍の大きさが当たり前でびっくりします。
市場で野菜を買い、自炊をすると一食100円〜150円程度で収まるのが嬉しいところです。
野菜は基本的に量り売りで、日本と比較して約半額で購入ができます。
物価一例
- 水1.5L=50円
- 食パン、惣菜パン=100円〜200円
- マンゴー=150円
- アボカド=150円
- トマト0.5kg(中サイズ6こくらい)=120円
- じゃがいも0.5kg(中サイズ5こくらい)=50円
- ピーマン0.5kg(中サイズ6こくらい) =120円
- カフェのコーヒー=300円
- 外国人向けレストラン一食=1000円
魅力その3:魅力的なビーチ
ザンジバルは綺麗なビーチが多く、週末や長期休みに遊びに行くことができます。
おすすめは
- 北部のヌングイエリア
- 東部のパジェエリア
ストーンタウンもビーチサイドの街ですが、上記の2つのビーチの方が綺麗さが圧倒的に勝ります。
【ヌングイエリア】
ヌングイはクラブや高級リゾートが多く、フルムーンパーティーが行われるケンドワロックというホテルもあるエリアです。
ビーチも、ナイトライフも楽しみたい方にはとってもおすすめのエリアです。
【パジェ エリア】
一方パジェ は比較的ゆっくり、まったりなイメージ。
パジェ は東側の海岸に位置しているので、朝日がとっても綺麗なんです!
また、日本人オーナーの名物ホテル「パラダイスビーチバンガローズ」もパジェ にあり、なんとザンジバルで冷やし中華が食べられるんだとか。
昼はプールでゆっくり、朝は早起きして静かに綺麗な朝日を見たい!という方はパジェ をおすすめします。
魅力その4:人懐っこい文化
ザンジバルは小さい島なので、同じ道や同じお店を利用していると地元の人が顔を覚えてくれます。
知らない人にでもスワヒリ語で「Mambo!」と声をかけてくれることは日常茶飯事。
挨拶してもらったら、こちらもスワヒリ語で「Poa!」と返しましょう。
きっと喜んでくれるはずです。
また、お土産屋さんの前を通ったり、お店に入るときに「Caribu」と言われることが多いです。
これはスワヒリ語で「ようこそ」の意味。
入らなくても、「Asante」と返すのが一般的です。ぜひ使ってみてください。
ザンジバルの人たちは、ローカルの人同士でも道ですれ違ったら握手して挨拶したり、立ち話をすることがとっても多いです。
私も知り合いの人とすれ違うと、
「最近調子どう?元気?あんまり見なかったからさ」
「髪色変わったね!とっても似合ってる!」
「やあ!今日も会ったね!野菜買って行かない??」
「あなたの今日の服とっても素敵!どこで買ったの?」
などなど。
本当にたくさん声をかけてもらいます。
タンザニア本土に何週間か出張に行った後、ザンジバルに帰ると皆「おかえり!」と声をかけてくれることもありました。
観光客が欧米系の方が多いので、アジア人は早く覚えてもらえるようです。
3ヶ月も住めば御近所さんともすっかり顔なじみの仲になりますよ。
魅力5:世界遺産ストーンタウンの街並み
歴史上、中東やインドとの交流が深かったザンジバルでは、街中でもオマーンやアラブ出身の方やインド出身の方がたくさんいます。
その文化と相まって、ザンジバルの中心地・ストーンタウンは街全体が世界遺産としても登録されています。
石造りの白を基調とした建物はストーンタウンならでは。さらに、路地裏に一歩入ると石畳の道が迷路のように続いています。
アフリカにいながら、イスラムの文化を味わえるのもザンジバルならではの楽しみです。
また、宗教に関してもタンザニア本土と異なりイスラム教がメインの宗教になります。
ザンジバル人口の95%以上がイスラム教を信仰するムスリムの方たちのため、ストーンタウン の至る所にモスクがあります。
1日5回のお祈りの時には「アザーン」が街の至る所で流れ、イスラムの文化を肌で感じることもできます。
魅力ばかりではない、ザンジバルの負の側面
特にザンジバルでは、観光業が盛んなため外国人への商売や女性への声かけが過激だと感じることが多くありました。
特に女性一人で街中を歩いていると声をかけられることがとても多く、滞在した初めの頃は1日が終わるととても疲れてしまっていました。
現地の人から「外国人=お金を持っている存在」として見られており、かつ女性ということで、今でも現地の男性から執拗に声をかけられることもあります。
ザンジバルでは欧米系の女性と現地の男性が結婚し、ビジネスが成功している事例も多くあるため「外国人と結婚すれば成功できる」という考えが共通の認識としてあるようです。
当初は日本人として丁寧なコミュニケーションを心がけていましたが、それで勘違いしアプローチがとても過激になってくる男性もいます。
また、結婚しているのに声をかけてくる男性も中にはいました。
気を遣うのではなく「嫌なものはいや」「興味ない」のようにキッパリ伝えることがとても重要です。
現地の人々と良い距離感の保ち方を学ぶことで、滞在がより充実したものになると思います。
ザンジバルにきて衝撃を受けた体験
ザンジバルで現地の女性と友達になったとき、私たちは同い年ということもあり結婚や恋愛の話をしていました。
なんとザンジバルでは恋愛や結婚においてトラブルがあると「ヒーラー」と呼ばれる人のところへ行くそうです。
例えば、相手が浮気していたら相手を苦しめる薬草を調合してもらったり、自分への惚れ薬を作ってもらったり。
他にも問題に合わせていろいろな「呪い」を調合してもらうことができます。
効果を全く信用しない外国人には効かないようですが、現地の人には効果抜群とのこと。
私も一度一緒に行ってみると、おじいちゃんが机に薬草や干からびた果物を並べて待っていました。
どうやら自分の生活に問題があることなら何でも頼めるそうで、私は健康第一の薬を調合してもらいました。
その場で飲んでみましたがとっても苦い…
「これを飲んだら、あなたの周りにいる悪い精霊たちを取っ払う!」
と意気揚々に語るおじいちゃんを横目に、頑張って信じたフリをしました。
何ともアフリカらしい出来事で印象に残っています。
タンザニアに長期滞在できるビザはある?
タンザニアでは観光のためのシングルビザがあり、最大3ヶ月の滞在ができます。
ビザ期間内はタンザニア本土とザンジバルは往復し放題です。
私はよく日本の調味料や映画を見に行きたくなったら、フェリーでダルエスサラーム まで行っていました。
観光ビザの延長は難しいので、もっと滞在を伸ばしたい!という方は東アフリカの近隣諸国(ケニア、ルワンダ、ウガンダなど)に行って再度観光ビザを申請することも可能です。
ビザ申請は基本オンラインですが、タンザニアは空港でアライバルビザの取得も可能なのでどちらかを選ぶこともできます。
また、ビジネスビザで来る場合はタンザニアに登録されている会社から紹介状を書いてもらう必要があります。
ビジネスビザでも滞在期間は3ヶ月で延長不可なので、観光ビザと滞在可能期間はほぼ変わりません。
その他に、勤める会社でワークパーミットが取得できれば、タンザニアのレジデンスパーミットも取得できます。
タンザニアに半年以上滞在したい!という方は現地の会社で勤めるのが一番早いかもしれません。
さいごに
アフリカという地域柄、不安に感じる部分もあると思いますが、アフリカの中でこんなに安心安全に生活できるエリアは珍しいのではないかと思います。
外国人も多いですし、ザンジバルの住人の方々もフレンドリーなので心細くなる心配もありません。
日本のように早足で歩いていると、
「急ぐなよ〜ポレポレ(ゆっくりゆっくり)で歩けよ〜」
と声をかけられることも。
日本で当たり前だった「時間通り、計画通り、素早く行動」とは対局の文化がザンジバルにはあります。
海に囲まれながら、ゆっくりのんびり、マイペースに生活したい方にはとてもおすすめです。
ザンジバルに住む外国人の方の中には、バカンスを利用した2~3ヶ月の短期移住をしている人もいます。
魅力あふれるザンジバルに、皆様ぜひ移住してみてはいかがでしょうか。