トルコで仕事を探そうとする場合、どのような職種をどうやって探せば良いのでしょうか？

トルコで働きたい方にトルコ在住者からのおすすめの方法や現実問題をお伝えしたいと思います。

まず最初に申し上げなくてはいけないことは「トルコでは簡単にお仕事が見つかるでしょう」とは言いづらいということです。

しかし、実際にお仕事をして活躍されている日本人の方も大変たくさんいらっしゃいます。

すぐには見つからないかもしれませんが、しっかりと腰を据えて仕事探しをされたなら、きっと何かをつかめるはずです。

ここでは仕事探しの最初の一歩と、見つかった後の手続きなどを説明させていただきます。

近年のトルコ人の就職状況。失業率は日本と比べ高い

まずはトルコ人の就職事情を簡単に説明させていただきましょう。

残念ながらトルコの失業率は日本に比べて随分と高いというのが現実です。

2019年5月時点で政府が発表した失業率は14.7%。

しかし、この数字は日本で言うハローワークのようなところに登録しているにもかかわらず仕事が見つかっていない人達の割合であり、実際にはその2倍から3倍くらいの失業者がいるだろうとも言われています。

大学を卒業したあとの就職状況を見てみると、技術職は比較的就職率が良いものの、一般職は非常に見つかりづらく新卒者や若者の失業者数が大きな社会問題となっています。

トルコの最低賃金

2019年の最低賃金は2,558,40トルコリラ(約47,163円 2019年6月時点)。

一般企業の中堅社員で5,000〜15,000トルコリラ(約92,173円〜 276,518円 2019年6月時点)。

毎年、給与が賃上げされるものの昨今のトルコリラ下落後の物価上昇には追いつけず生活するのはやっとと言ったところです。

トルコで外国人は誰でも働けるのか？

トルコで仕事をする場合、トルコ人以外の全ての外国人は働くことが合法として認められるビザ(査証)が必要となります。

労働許可証(Çalışma izni)という名前のもので、各都市にある労働省で申請して受理される必要があります。

関連記事：トルコのビザ４種類の特徴・申請方法と滞在許可証・イカメット取得の注意点

トルコ人と結婚して滞在許可証や永住権を所持していても残念ながら労働は認められていません。

トルコで働いて、トルコの口座への支払いが発生する場合には、必ず別途労働許可証が必要になります。

労働許可証を取得するには最低6ヶ月有効のなんらかの滞在許可証を所持している必要があります。

もし滞在許可証がない場合の申請は日本のトルコ大使館で行います。

労働許可証は勤務先の企業や団体などの雇用主が手続きします。2019年より非常に簡素化されオンラインでビザ取得が可能となりました。

日本人が働ける環境はあるか？職種は？

トルコにおいて日本人が働ける職種は限られているというのが現状です。

普通のトルコ人ができる事務や販売などの一般職はトルコ人でさえも仕事が見つからないため、日本人に限らず外国人がわざわざ仕事を与えられることはほとんどありえません。

なぜなら外国人を働かせるために必要な労働許可証を与えるためには雇用主が毎月特別な保険料金を支払う必要があるからです。

結果として日本人の方は日本人であるからこそできる職種を探して働いていらっしゃる方がほとんどです。

また、労働許可証は発行した雇用主のみで有効となり、仕事を辞めてしまったら、労働許可証も失効となります。

具体的な職種や給料

なんと言っても日本語を使うお仕事が第一にあがります。

その中のいくつかを紹介します。

給料については外国人労働者は同種同条件のトルコ人より最低1,5〜6倍の給料支給が保証されています。

日本企業での現地採用者としてサポート

トルコには意外にもたくさんの日本企業が進出してます。

その多くはイスタンブールやアンカラと言った大都市とその周辺に集中しています。

そういった日本企業には日本から赴任した方々が働いていらっしゃいますが、どの企業もトルコ語とのバオリンガルの日本人を現地採用されています。

求人方法としては残念ながらあまり公募というものはされていないようです。

退職する方が日本人滞在者の知りあいに問い合わせたり、イスタンブールなどでは日本人会や日本人滞在者からないくつかの団体があり、そういったところからの紹介などから募集状況を把握する場合が多いようです。

就職を希望していらっしゃる方はそういう団体や会合に積極的に参加して、就職希望であることを周りの人たちに知らせておくことも必要でしょう。

日本人会のウェブサイトのリンクを記載いたしますので参考にしてください。

イスタンブール日本人会：http://nihonjinkai-ist.net/

日本人会の中に別途、「日土婦人友好文化協会」があります。

ホームページはありませんがフェイスブックまたはメール（nittofujinistanbul@gmail.com）でお問い合わせください。

あとは履歴書を直接日本企業に送付または持参して、求人があれば知らせてもらえるように連絡先を渡しておきましょう。

お給料は企業や仕事内容によって大きく異なります。日本の給料基準で契約できればトルコ基準でも前述の通り一般のトルコ人より非常に高給です。ただしトルコの基準であっても他のトルコ人社員よりははるかに良い待遇の場合がほとんどです。

旅行会社、通訳やコーディネーターとして日本語を駆使

トルコでは観光ガイドをするには観光ガイド免許が必要です。

この免許はトルコ国籍所持者のみに与えられるものなので残念ながら日本人が観光ガイドをすることは禁じられています。

しかし、トルコに数多くある観光地には観光旅行社があり、日本の観光客の方々のために手配や事務をされていらっしゃる方も多いようです。

また通訳やコーディネーターとして活躍されていらっしゃる方も多いようです。

旅行会社への就職は多くはありませんが、外国人旅行者を扱う旅行会社に直接交渉して日本人観光客への対応が可能であることをぜひアピールしましょう。旅行会社の場合は英語もできれば一層チャンスが広がるでしょう。旅行会社は外国人を雇用する機会が多いので申請も手際よく処理してくれるでしょう。

通訳やコーディネーターの方については、オンライン上で積極的に日本の通訳やコーディネーターなど登録して、仕事の交渉をする場合がほとんどです。

収入は仕事の数や内容によっては変わるため、定収入は期待できませんが、一般に単価が高くなるので、うまく契約をし続けられれば高収入に繋がるはずです。

日本食レストランで寿司職人や和食の調理

昨今の寿司ブームから日本食の人気から日本食レストランが増えてきています。

そこでホテルなどで寿司職人として働いている方、お店をオープンさせた方などもいらっしゃるようです。

もし、調理の経験がある専門職の方は、ホテルなどのウェブ上での求人ページに登録して就職されている方が多いようです。

寿司職人はトルコで人気の職業です。

経験のある方は比較的仕事が見つかりやすいようです。

日本語ブームに対応できる日本語教師

親日家というだけでなく、最近ではアニメブームで若者のあいだで日本語ブームがあるようです。

大好きなアニメを通して日本に親しみを感じている人がとても増えると同時に日本語への興味も増しています。

そこで大学の外国語学部や語学学校での日本語コースの教師としての職業も需要が増えてきています。

日本語を教えるにあたり、日本で外国人に日本語を教えられる「日本語教師」の免許を取得されることをお勧めします。

未経験から日本語教師を目指すならヒューマンアカデミーの「日本語教師養成講座」がおすすめできます。

トルコにはたくさんの語学学校があり英語をはじめ中国語、ロシア語、その他の各種言語を取り扱っていますが、日本語教師数が少ないため日本語講座開講数があまりありません。免許を持っていれば就職の確率は高くなります。ただこの免許は日本でのみ取得可能ですので、日本滞在中に免許を取る必要があります。

その他

このほかに、キャスティングエージェントに登録して、テレビやCMで日本人が必要なときに登場されていらっしゃる方もいらっしゃるようです。

トルコの労働許可証の取得方法

前述の通り、労働許可証取得に必要な手続きは2019年からオンライン手続きで簡素化されました。

雇用主が外国人を雇用するというための事業登録をオンラインで行います。

登録が認められたならば必要経費を支払い後、労働許可証が郵送されます。

この方式はまだ半試験期間ですが、徐々に本格的な導入となる予定です。

登録は労働省(Aile Çalışma ve Sosyal Güvenlik Bakanlığı)のサイト上でご確認ください。

労働許可証には有効期限が記載されていますが職種や契約状況によって有効期限はさまざまです。延長する場合は有効期限最終日の2ヶ月前から手続きが可能となります。

トルコの就職事情まとめ

トルコでの就職は決して簡単ではありません。

お住いの場所によっても職種の可能性が変わりますが、そんななかどの分野においても日本人が働ける可能性がある都市はというとなんといってもイスタンブールです。

あとは旅行関連または和食職人ならば日本人旅行者の主な観光地になりますし、地方にお住まいなら日本語教師の仕事の可能性が高いでしょう。

それ以外ならば積極的に希望する職種や企業のウェブサイトの人材募集に登録したりしてぜひともご自身をPRしてください。

トルコの経済は決してよくはありませんが、日本人であること、そして日本語という大きな武器を持っていることに自信を持って就職活動をし、仕事探しにお励みください。