セネガルという国を知っていますか?
サッカーワールドカップに出場していたので、サッカーが盛んな国として知っている方も多いかと思います。
西アフリカにあるセネガルはアフリカ文化にイスラム教の文化が根付いて、さらに植民地時代のフランス文化が残る、独特の魅力をもつ国です。
この魅力あるセネガルを少しでも知って頂くために、セネガルの首都ダカールへ移住して、実際に2年間の生活をして感じたことをお伝えしたいと思います。
1.日本からの道のり~飛行時間だけで18時間半
日本から首都ダカールへは、丸2日かかります。
成田空港からまず13時間半かけてパリへ。
ダカール行きの便が翌日のため、パリで1泊し、翌日午後の便でダカールへ。
パリからの飛行時間は約5時間。
空港から車で、町の中心部へ真っ暗な夜道を進むと、ぽつんぽつんと電気の付いたガソリンスタンドが目につきます。
夜、ガソリンスタンドが開いているということは、治安がそれほど悪くない。
そう感じながら、舗装状態の悪い道路、ところどころ壊れかかった建物、乾燥した風と土のにおい、日本とは全く違った風景に遠い異国に来たことを実感します。
2.フランス語が話せないと生活できない。
セネガルの公用語は、フランス語とウォロフ語です。
フランス人、留学したことのあるセネガル人、またダカール大学の学生など、まれに英語を話せる人に出会ったことがありますが、日常生活に必要なお店では、ほぼ英語は通じません。
また、フランス語の読み書きができない人も多く、フランス語を紙に書いて伝える手段が通用しないことも多々あります。
よって、身振り手振りを交えてでも日常生活ではフランス語で「話すこと」が必須となります。
3.イスラム教の文化を尊重しよう。
セネガル国民の90%以上がイスラム教徒です。
朝夕と町中にコーランが鳴り響きます。
1日に5回、お祈りの時間が来ると、店前でも道端でも布をひいたうえに座り、やかんから水をたらして手足と顔を清め、お祈りをする人の姿を日常的に目にします。
お祈りしている人の前を横切ってはいけないなど、配慮しなければならないことがあります。
例えば、約束していても、その時間がお祈りの時間であれば、お祈りが終わるまで待たなければなりません。
異国の地に行ったときは、まずはその国の相手が一番大事にしていることを尊重し、信頼関係を築くことから始まります。
4.気候は雨季と乾季
ダカールの気候は
- 6月から10月までが雨季
- 11月から5月までが乾季
です。
(1)乾季の12月~2月:夜は焚火
乾季は太陽の光が眩しく、直射日光はかなり暑いのですが、一面美しい青空が広がります。
朝夕は海風が吹き、からっとしているので比較的過ごしやすいです。
12月から2月頃は、夜になると気温が下がるので、肌寒く感じることがあります。
日本人なら、1枚羽織るものが必要な気温です。
セネガル人は、夜になると焚火をして暖をとり、ダウンジャケットを着ている人も多くみられます。
暑さには強く、寒さには少し弱いようです。
(2)乾季の4月~5月:ハルマッタン(砂嵐)に気負つけよう
4月から5月頃にサハラ砂漠からハルマッタンと呼ばれる季節風により、視界が悪くなるほどの砂嵐が吹き荒れます。
この砂嵐は時にアレルギー症状を引き起こします。
私は咳が止まらなくなり、日本から持参した薬は効かず、長引く咳に苦しみました。
見かねてセネガル人の知人が、ショウガなど数種類の木や草をすりつぶした茶色の液体を作ってくれました。
その土地に伝わるもので咳に効くからと言うのです。
それを飲んだところ1日でうそのように咳がとまりました。
知恵がつまったその土地の薬に救われました。
(3)雨季:停電の備えが必要
雨季になるとスコールのような激しい雨が降り、道路のいたるところで冠水がおきます。
また、激しい雷雨は電線をショートさせ停電を引き起こします。
ただでさえ、ダカールでは計画停電が日常茶飯事です。
これに加え、雨季は雷雨による突然の停電が増え、電気供給が安定しない時期となります。
住居を決める際は、少なくとも冷蔵庫用のジェネレーターが完備された物件をおすすめします。
また、トイレには使用済みの1.5ℓのペットボトルに水道水を入れて、停電時に流すための水として数本常備しておきます。
5.用途によって使い分ける水
水道水は、うっすら茶色ににごっています。
キッチンの水道水には浄水器を3つ設置して、やっとにごりがない水がでてきます。
この水で手を洗い、食器も洗います。
ただ、水道水を飲むには、安全のため一度煮沸する必要があります。
水によって引き起こされる、細菌性腸炎や肝炎などの病気が怖いからです。
私の場合は、料理の煮炊き用に5ガロンの大きなタンクに入った水を購入し、飲料水用には、ペットボトルのミネラルウォーターの中でも信頼できるメーカーのものを購入。
生活に必要な水の全てをミネラルウォーターにしてしまうとお金がかかるので、病気にならない様に安全を考慮しながら、水は賢く使い分けることが必要です。
6.食品を手に入れるには
(1)フランス食材中心のスーパー
町の中心に大きなスーパーがあり、フランスを中心とした諸外国からの輸入製品が並びます。
商品はフランスのスーパーとほぼ同じものが手に入ります。
輸入品なので、当然値段は高くなります。
ただ、スーパーは値段交渉が不要なので、フランス語が話せなくても購入できます。
(2)マルシェ(市場)は値段交渉が必要
マルシェ(市場)では、お米や野菜などをはじめ様々なものが量り売りされています。
値段は交渉次第です。
当然、外国人には高額で売ろうとします。
この値段交渉が厄介で、とにかく時間がかかります。
どんなに頑張っても地元の人が買う値段までは下がりません。
そこで、考えついたのは、まず私が市場で野菜の鮮度を見て買うものを決めます。
車に戻り、買うものと個数、購入価格を記入して、セネガル人の知人に渡します。
そのメモをもってセネガル人の知人が市場に行き、値段交渉し購入します。
セネガル人価格なので、私が記入した価格より安く購入できます。
私が記入した価格と実際に買った差額は、知人の手数料となります。
この方法の利点は、煩わしい値段交渉の時間を省くことができること、さらに、市場で外国人を狙ったスリやひったくりの被害から身を守ることができることです。
なお、肉や魚など鮮度が命の食材は、市場では保存状態が悪いので購入せず、冷蔵庫が完備された肉屋や魚屋で購入することをおすすめします。
(3)日本食材はほとんど手にはいらない:中華食材店の利用
いくつか中華食材店があるので、中国醤油などの調味料、豆類などの乾物、中国豆腐や中国野菜など、日本食材に似たものが購入できるので、少し味は変わりますが代用品として十分使うことができます。
(4)セネガル人の主食はお米
お米は、セネガル人の主食です。
市場では数種類のお米が売られています。
サンルイ米という日本のお米に似たお米はきちんと保管された店で購入すれば、美味しく頂けます。
同じサンルイ米でも炎天下に外で保管しているものを購入してはいけません。
一度、店先に出ているお米を購入してしまい、炊いてみたらものすごく臭い匂いがして食べられませんでした。
お米を購入するときも、必ず保管状態を確認して購入することが必要です。
(5)なんでも「ばら売り」
町中、特にダカールの中心部には、バナバナと呼ばれる物売りが多く歩いています。
信号や渋滞で車が止まると、すぐに4、5人のバナバナさんに囲まれます。
車の窓越しに両手いっぱいに物をもって売りに来るのです。
私はアレルギーでよく咳をしていたので、そんな時はセネガル人の知人が5センチほど窓を開けて、ミントの飴1個を買ってくれました。
日本では箱や袋で買うものを、セネガル人はたばこ1本や飴1個など、バラで購入します。
手持ちの現金が少なくてもその時必要な分だけ買うことができるからです。
(6)「生野菜」には気をつけよう
人参、ジャガイモ、玉ねぎは、スーパーでもマルシェ(市場)でもどこでも手に入ります。
レタスなどの葉物野菜も鮮度が悪い時も多いのですが、手に入ります。
ただ、生野菜を食べる際は、煮沸した水に洗剤を入れて洗い、汚染された水に含まれる細菌を取り除く必要があり、かなり手間がかかります。
レストランで注文したものに付け合わせで生野菜がついてくる場合は、極力食さない方が懸命です。
水による病気にかからないために、自分で自分を守ることが必要です。
7.カラフルな「民族衣装」を作って楽しもう
(1)楽しい生地選び
ダカールは、おしゃれな人が多いと言われています。
実際、問屋街の生地屋さんには、カラフルな生地が沢山売られています。
そこから、好きな生地を選んで購入し、縫製屋さんに持ち込みます。
(2)縫製屋さんは紹介してもらおう
縫製屋さんはミシン1台か2台でやっている小さいお店が多く、お店によって出来栄えの差が大きいので、どこで頼んでも良いというものではありません。
また値段も交渉次第なので、信頼できる人の紹介が必要です。
また必ず値段を確認して依頼することが大事です。
縫製屋さんでは、体の採寸してもらい、デザインを伝えて、オーダーメイドの民族衣装を作ることができます。
もちろん、民族衣装以外のスカートやブラウスなども作ってもらうことができます。
(3)女性用の民族衣装の場合
若い人は体のラインにそって、ウエストを絞ったデザインの民族衣装を好んで作ります。
年配になると、ウエストをしぼらず、フレアスカートのような楽な形の民族衣装になります。
イスラム教徒であっても、民族衣装はアフリカ文化の色合いが強いためか、服装の制限は比較的ゆるやかだと感じます。
(4)男性用の民族衣装の場合
犠牲祭(タバスキ)という年に1回のお祭り前に、正装用の民族衣装を1着作る人が多いです。
その時期になると、正装用の美しい生地が生地屋さんの店先に並びます。
普段男性は、それぞれの職業に合わせて、スーツやジーンズにTシャツなど民族衣装以外のものを着ています。
ただ、金曜日はモスクに行くため、民族衣装を着ている人を多く見かけます。
8.ダカールの魅力
ダカールの魅力は何かと聞かれたら、それはやはり底抜けに明るい人です。
決して裕福ではないけど、青い空の下で子供たちが古いボールを蹴って走り回り、カラフルな民族衣装を着た人々が町を闊歩し、頭や両手に品物をもって売り歩く若者たちがあふれ、太陽の光が眩しい町は常に活気があります。
人々はおしゃべり好きで、音楽やダンスがいつも身近にあります。
彼らはよく「インシャラー」という言葉を口にします。
アラビア語で「神のみぞ知る」という意味です。
「明日、3時にあいましょう」と言うと、「インシャラー」という答えが返ってきます。
彼らの約束事すべては、神がきめることなのです。
貧しさも、豊かさも、生も死も、全部神様が決めることとして受け入れている言葉が心に残ります。
9.世界中で働くセネガル人
ニューヨークのマンハッタンでタクシーに乗ったら、運転手さんが走行中にイヤフォンで誰かと話している声が聞こえました。
「その言葉、ウォロフ語じゃない?あなた、セネガル人?」
って聞いたところ、突然アジア人の口からウォロフ語?と聞かれて、びっくりした顔で振り向き、
「私、ウォルフ語少し聞き取れるよ。ダカールに住んでいたから」
と答えると、うれしそうに、「セネガル人、沢山働いているよ。
仲間で集まって一緒に住んでいるんだ。」
と答えてくれました。
パリでセネガル人に遭遇することは決してまれではないけれど、ニューヨークで偶然遭遇したことは驚きでした。
出稼ぎで世界中に出ているセネガル人に皆さんもどこかで遭遇しているかもしれません。
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