ポルトガルはヨーロッパの中でも穴場なグルメの国です。
新鮮な材料を使ったおいしい料理を求めて観光客が押し寄せています。
天ぷら、カステラなどはポルトガルから日本へ伝わったものとして有名で、日本人の味覚にも相性のいいポルトガルの定番料理から普段色までご紹介します。
また、ポルトガル流の食事のマナーも解説しますね。
ポルトガルの主食はパン、じゃがいも、お米
ポルトガルの主食は、パン、じゃがいも、お米が中心です。
以下はトマトご飯 Arroz de tomate。
パンは朝ごはんやブランチに、トーストやサンドイッチにして食べることが多く、じゃがいもは、オーブンで焼いたり、ポテトフライにします。
日本でおやつと見なされるポテトチップスは、ポルトガルでは立派なご飯の一部になることもあるのが驚きです。
お米もよく食べられますが、調理方法が日本と違います。
日本のように白米をそのまま炊くのではなく、にんにく、玉ねぎ、オリーブオイルと一緒に鍋で炒めてから炊きます。
これに細長くすりおろしたニンジンまたはトマトを切って入れたりなど、アレンジがきくので飽きがきません。
ポルトガルの料理によく使われるはカロリーナ米(Arroz carolino)と呼ばれるもの。
食材の味をよく吸収するのが特徴で、日本種の米から生まれたそうですよ。
食生活は日本と同じ?ポルトガルの食事は1日5回!
ポルトガルと日本の食生活は、回数、時間、内容に違いがあります。
ポルトガルの食事は1日になんと5回!
詳しく説明すると・・・
・朝ごはん (Pequeno-almoço) 7:00 〜 10:00
ペケーノアルモソは直訳して「小さいお昼ご飯」と言い、簡単に軽く済ませます。
例: トースト(トラダ torrada)+カフェオレ(ガラオ galão)など
日本の典型的な朝ごはんはご飯、お味噌汁、焼き鮭などと、時間も手間もかかるので、その後仕事に行く人にとっては大変ですよね。
・昼ごはん (Almoço) 12:00 〜 15:00
アルモソと呼ばれるポルトガルのお昼ごはんは、お弁当の場合、
サンドイッチ、フルーツ、飲み物など、簡単に作れるものが多く、
自宅もしくは外食の時は、お肉類やパスタなどしっかり食べることもあります。
ちなみに日本では「ランチ」=お昼ご飯ですが、ポルトガルでは午後のおやつのこと。筆者はお昼を食べた後なのに、ランチ食べない?と言われて混乱した記憶があります。
・午後のおやつ (Lanche)16:00 〜 17:30
ポルトガルのパティスリーには午後のおやつにぴったりな、チョコレートクロワッサン、チーズパン、チョリソー入りパン、ケーキなどがよりどりみどり。
甘いものにはポルトガル特有の濃いコーヒーがまたよく合います。
・夕ごはん (Jantar) 19:30 〜 20:00
ジャンタールと言う夕ご飯は1日の中で一番ボリュームが大きく手間もかけて作り、スープ→メイン→デザートの順で食べます。(次からはポルトガル伝統料理も紹介)
ポルトガルの夕食は少し遅めな傾向があり、夜9時頃に食べる人もいるくらい。
・夜食 (ceia) 21:30 〜 23:00
セイアは、ビスケットやトースト+ココアやホットミルクなど、寝る前に食べるおやつのようなものです。
ポルトガルの伝統スープ3選
日本の食卓にお味噌汁が欠かせないように、ポルトガルの食事にはスープが必須。
肉と魚料理が多いため、野菜を補うためのスープの役割は大きいです。
ポルトガル語でスープはソウパ(sopa)と言い、メインの前に食べるのがきまり。
たくさんある種類の中から人気なもの3つをピックアップします。
・ソウパ・デ・レグムス (Sopa de legumes)
ポルトガルのベーシックな野菜スープ。
家で作る時は、棒状のハンドブレンダーを使うのがおすすめです。
ポルトガルのどの家庭にも置いてあり、色んな料理のソースを作るのにも便利。
・カルド・ベルデ (Caldo verde)
ベルデ=緑の名の通り、ケール(ちりめんキャベツ)が入ったスープ。
ポルトガル北部名産のじゃがいもをベースにしたこのスープは、スライスしたチョリソーを入れて食べるともっと美味しいですよ。
・カンジャ・デ・ガリーニャ (Canja de galinha)
個人的に大好きなポルトガルのチキンスープ。
味が良いのはもちろんのこと、寒い日、風邪を引いた時に飲むと体が温まり力が出てくるのでおすすめです。
お好みで極小パスタを加えたり、ゆで卵をトッピングしても◎。
ちなみにこのスープはフィリピンにまで伝わっており、お酒をたくさん飲んだ次の日の救世主として愛されています。
ポルトガル定番料理6選
スープを楽しんだ後は、ボリューム満点ポルトガルのメイン料理です。
筆者が実際に食べて美味しいと思ったものかつ、家庭で自分でも作れるものをピックアップしました。
・アロス・デ・パト (Arroz de pato)
カモ肉の炊き込みご飯。茹でたカモ肉をチョリソーとベーコンと一緒にオーブンで焼いてカリッと仕上げるのが特徴。
美味しさの秘密は、オレンジの絞り汁を入れて風味をよくすること。
・パタニスカス・デ・バカリャウ (Pataniscas de bacalhau)
数あるバカリャウ(干しタラ)料理の中で、とりわけ美味しいと思ったものです。
このパタニスカが日本に伝わり、さつま揚げの元になったととも言われています。
小麦粉と卵を混ぜて、ほぐしたタラ、香味などを加えて油で揚げるだけ。ふわふわの食感は、食べた瞬間に懐かしさを感じるはず。
・ジャルディネイラ (Jardineira)
牛肉と野菜のトマト煮で、ポルトガル人にとって肉じゃがのような料理。
ちなみにジャルディネイラは女性の庭師という意味があり、女性のオーバーオール服のことも指します。
また、ポルトガルの牛肉は硬いものが多く、このような煮込み料理にして柔らかくすると日本の柔らかい牛肉のようになります。
・ショコフリート (Choco frito)
ショコという名前のせいで最初はチョコレートの揚げ物?と思うかもしれません。
ショコフリートとはリスボンの近郊の町セトゥーバル名産のイカフライのことです。
肉厚のイカフライにレモンをかけ、サラダとポテトフライを添えるのが基本です。
・パステイス・デ・バカリャウ (Pasteis de bacalhau)
干しタラのコロッケ。冷凍の既製品を買ってきて家で揚げれば簡単にできます。
カフェやパン屋さんにも売ってるので、軽いスナックとして食べるのにぴったり。
・サルディーニャス・アサーダス (Sardinhas assadas)
シンプルなイワシの塩焼きです。
サラダや、イタリアンパセリをのせた茹でたじゃがいもを添え、お好みで、塩、オリーブオイル、ビネガーをかけて食べます。
ポルトガルで毎年6月にある聖アントニオ祭は、イワシの公式解禁日でもあり、街中でイワシの炭焼きグリルが繰り広げられます。このイワシは新鮮で美味しい。
ポルトガルの人気デザート3選
ポルトガル語で食後のデザートはソーブリメーザ(Sobremesa)と言います。
甘党が多いポルトガル人に人気のあるデザート3点が以下の通り。
・プディンフラン(Pudin flan)
日本でもおなじみのプリン。
ポルトガルのプリンはケーキ型で焼くのでビックサイズ。
たっぷりの卵を使って家のオーブンでも作れます。
・アロスドーセ(Arroz doce)
お米のプリン。真っ白なプリンの上にシナモンパウダーで模様をつけたものは、ポルトガルのクリスマスデザートとしても知られています。
お米の甘いデザートは日本では馴染みがないものですが、ヨーロッパ諸国、中東、東南アジアなどの地域の定番スイーツでもあります。
・バーバデカメロ(Baba de camelo)
ラクダのよだれという意味の、キャラメルムース。
けっこう甘めで家庭でもよく出るデザート。
ポルトガルでの食事マナー。ポイント3つを解説
ポルトガルで食事を楽しむために、食事のマナーをチェックしましょう。
- テーブルセッティングの基本
- フォークとナイフの使い方のポイント
- マナー違反
についてまとめました。
テーブルセッティングのしかた
テーブルセッティングの基本は
- メインのお皿の上にスープ皿を載せる
- お皿の右手にグラス、ナイフ(内側))、スプーン(外側)
- お皿の左手にフォーク
- ナプキンは、お皿の上においても右側のカトラリーの下にひいてもOK
ナイフとフォークの使い方
ポルトガルでは、スプーンはスープを飲むために使い、メイン料理はほどんどナイフとフォークを使って食べます。
日本でカレーライスはスプーンで食べるのが普通ですよね?
ポルトガルでは、お米でさえナイフとフォークで食べます。
お米はポロポロしていて、フォークとナイフで食べるには難しいですが、フォークの腹にお米をナイフで引き寄せてのせるのがポイントです。
また、日本で洋食を食べる際にはイギリス流のマナーで、フォークの背にナイフで食べ物をのせて食べることが多いようですが、ポルトガルではフォークの腹を使います。
ただ、ポルトガルのやり方が絶対ではないので、ご自分が慣れた方法で食べるのが一番だと思います。
ポルトガルでの食事でやってはいけないこと
日本では普通だけどポルトガルではNGなことがあります。
それは、麺類をすすって音を立てることや、お皿を持ち上げて食べることです。
日本はお茶碗や小皿で食べることが多いので、持ち上げるのが自然ですが、ポルトガルは大きいお皿の食べ物をナイフとフォークで頑張ってとって食べます。
ポルトガルの食文化やマナーまとめ
ポルトガル料理は、主食とスープにいろいろな種類があり、日本人の味覚にあうメインの料理もたくさんあることがわかりましたね。
テーブルマナーは予備知識として持っておき、実践ではポルトガル人の食べ方を真似すればすぐに身につくでしょう。