「パラオ移住を考えて仕事にも興味があるものの…実際問題、パラオ現地で働くってどんな感じなの?」
そんな疑問は残りませんか?
日本みたいに福利厚生はちゃんとしているのか、お給料や休みはきちんともらえるのか。
海外移住を考える際、特に仕事に関しては把握しないと不安になることがたくさんあるはずです。
ここでは、実際に現地で働く筆者から、そんな悩みにズバッとお答えいたします。
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パラオで働く楽しさは、日本人であること!
パラオで働く楽しさは、とにかく1人ひとりが個性を発揮し、活き活きと働けるところです。
パラオでの日本人の仕事は、主にサービス業につくことになります。
なぜなら、パラオの産業は観光業だからです。
特に、パラオの観光客の中でも日本人が多く、私たち日本人の求人の需要というのは「日本人だからこそ」にあるんです。
日本人のスタッフは、英語よりも正しい日本語が話せることが大事で、特に日本のお客様を中心に、快いサービスや細かい心遣いを発揮するのが一番求められる仕事です。
日本人の持っている素晴らしい「おもてなし」文化は、世界でも誇れるものです。
そのおもてなしの習慣が日頃から身についている日本人は、パラオ現地で大歓迎され、「あそこのあのスタッフは、素晴らしい」とあっという間に一躍有名人に。
パラオに住む人は、みんな日本人のことが大好きなので、すぐに友達もできますし、スタッフ同士でしっかりコミュニケーションを取れば、強力な素敵なチームワークも築けます。
英語の不安はいりません
英語に対する不安はいりません。
パラオで働く人は、パラオ人、フィリピン人、台湾人や日本人と、みんな母国語が英語以外の人たちです。
少々英語ができなくても、恥ずかしがることはありません。
みんなそれを察して一生懸命理解しようと最後まで話を聞いてくれますし、親切な簡単な言葉で自分の思いを伝えようとゆっくり話してくれます。
一生懸命相手を理解しようとしてくれるそうした人々の習慣は、それぞれみんなが母国を離れ移住して暮らしている環境と、本来の人の持ち寄る優しさと、サービス業で身につけた心遣いが自然に発揮されているところにあるんですね。
小さな島国のパラオでは、こうしてみんなが寄り添ってチームで仕事をこなしているので、従業員の顔や名前どころか性格や働きぶりもすぐに覚えられ、頑張り次第で評価もどんどん上がっていきますよ。
一方で、パラオで働く苦労も伝えておきます
仕事の苦労は、楽しさの裏面です。
多種多様な人種が揃う環境で働く楽しさの一方、それだけみんなが持ち寄る文化が違うので、意見の衝突や会話の違いに日々直面することです。
一言で言うと「異文化理解」、それがパラオで働く一番の苦労だと思います。
異文化理解は、「相手の文化を尊敬し、受け入れること」という風に意味されることが多いですが、頭の中で、そのように意識していても、実際にその場面に遭遇しないとピンとこないんです。
あなたならどう対応する??
例えば、こんな例があります。
あなたなら、こんな相手をどう評価し、どのように対応しますか?
少し考えてみてください。
例1)パラオ人が毎日平気な顔をして10分遅刻して出社してくる
例2)フィリピン人が流す店のBGMがうるさすぎてムードが台無し
例3)電話をかけてくる相手が、自分の名前を名乗らない
この3つの例は、パラオで働いていると普通にある出来事です。
こういう場面に遭遇した時に、「なんで、こんな当たり前のことができないの?」と思った方は、異文化理解を考える必要があります。
なぜならば、これらが「当たり前」なのは私たち日本人が日本の社会の感覚で感じているからです。
例1)のパラオ人が遅刻してくる場合:
パラオでは、今でも時計すら持たず、「日が昇ったから~しよう」「日が沈んだから帰ろう」と、太陽や月や天気の動きを見て行動する習慣があります。
そんな習慣が伝統的に続いているパラオ人にとって、5分や10分やと、細かいことにこだわる日本人の方が不自然なのです。
なので、「なんで10分も遅れてくるの?遅刻!」と日本と同じように注意したところで、彼らには「たった10分」で激怒されたことへのフラストレーションしかたまりません。
「君のことが必要だから、もう少し早く来てくれないかな?」などと言葉を変えて、彼らの行動をこちらの意図に導いていくことが近道になるわけです。
例2)のフィリピン人の音楽でムードが台無しの場合:
フィリピンでは夜になると賑やかな夜市が始まったり、仲間と騒いで飲む文化があるので、基本的にBGMはパーティーのように楽しい音楽を大きな音で流す習慣が身についています。
そのため、日本のようにクラシックに心地よいサウンドを流すことに対して、フィリピン人は物足りなさを感じるようです。
しかし、それは彼らの国の習慣なわけですから、「うるさい!なんでそんな音楽が大きいの?!」と怒ってしまうと私たちが日本の文化を棚上げにして、彼らの文化を否定してしまうことになります。
「このお店は、こういうコンセプトで、こういうムードを演出したいから、この音楽をこれくらいのボリュームでかけましょう」と協力を求めるのがいい妥協案です。
例3)の電話の相手が名前を名乗らない場合:
これはパラオ人もフィリピン人もそうですが、相手から電話をしてくるにもかかわらず、「〇〇さんいますか?」と突然人を呼び出したり、「今日予約をお願い」とメッセージを伝えて来ます。
日本だと、「こんにちは、〇〇ですが…」とまずは自分の名前を名乗りますよね。結構電話越しに強気な声で話しかけてくる人も多いので、イライラしたりびっくりしたりしてしまうこともありますが、これも文化の違いです。
「名前も名乗らず、誰なの?!」というような反応は決してせずに、相手の意図を聞き、タイミングを見計らって相手の名前を聞くのが正解ですね。
こんな風に、パラオで働くと毎日のように異文化や価値観の違いに遭遇します。
いかに冷静にそれに対して対応していくかがとても大切な課題です。
パラオで受け取るお給料を言っちゃいます
働くうえでは「収入がいくらになるのか?」一番気になるところではないでしょうか。
パラオでのお給料は日本人の場合、平均して月に約$1000となります。(ちなみに、日本人がパラオで受け取る最低賃金は月に$800~くらいです。)
これに、サービスチャージやチップ、コミッション(他社にお客様を紹介するともらえる紹介料のこと)が加算されたり、例えば、マネジャーやスーパーバイザーなどの肩書きがある場合には、職務手当が出たりします。
残業があった場合は、企業によって残業代が出るところと、残業した時間だけ翌日以降に出勤時間がマイナスされるところがありますが、いずれにしても、きっちり残業の対応はされます。
お給料は、毎月15日と30日の月2回の支払いになります。
支払い方法は企業によりますが、銀行振込のところが多いです。
パラオに就職し、現地で働き出すと、指定の銀行(Bank of Hawaiiが一般的です)で口座の開設を依頼されます。
明細を見ると、社会保障費(保険料も含む)や医療積立金など、日本と同様、諸税もろもろ引かれるものがあります。
それでも、パラオでは生活に関して出費が比較的少ないので貯金も十分に可能です。
パラオでの労働環境。休日はどのくらいある?
労働時間と休日
まず、労働時間は日本と同じ1日8時間です。
ただ、日本と大きく異なる点は、昼休みをたくさん取るスプリット・タイム式のシフトがパラオでは主流なことです。
ガイドインストラクターの場合:
例えば、ガイドやインストラクターは朝が早いので、6時や7時出社になります。
しかし、11時~14時の3時間が昼休みとなり、5時~6時に退社となります。
レストラン業の場合:
レストラン業の場合、11時に出社し、14時~17時までが昼休み、22時まで仕事というようなイメージです。
パラオでは、ツアーガイドも観光客も含め、昼間の時間帯は海のツアーへ出ている人が多いため、陸上に極端に人が減るという現象が起こります。
そのため、レストランは、どこもランチが終わってディナーまでの時間帯、大体14時~17時は一旦クローズするところが多いんです。
1日の拘束時間すら長く感じてしまいますが、休憩中は家に帰ってもいいですし、ティータイムにしてもいいですし、自由です。
ホテルの場合:
ホテルの場合も8時間労働のシフトを交代で回しています。
ホテル業やツアーコンダクターなどは、空港送迎や夜間のチェックイン業務を含め、夜勤もありますが、そこも翌日は午後から出勤になるなどの工夫がされています。
そして、どこの企業も休みは平均して月に5~6回です。
日本に比べると少ないと思うかもしれませんが、パラオでの休みの割合はシーズンにもよるんです。
夏休みやお盆、年末などのシーズン中は、お客様も一気に増えるので忙しく、休みがなかなか取れないことが多いですが、それ以外の月、6月~7月半ば、10月~12月半ばまでなんかのシーズンオフだと、週に2回、3回、休みをもらえることもあります。
会社の福利厚生に関して
パラオ現地にある会社でも、日本のように福利厚生がちゃんとあります。
ただ、環境が海外ということもあり、完全に日本と同様ではありません。
実際に、パラオの企業の福利厚生を見てみましょう。
会社の福利厚生に関しては以下のものがあります。
- 海外保険加入
- 医療費の積立
- 産休・育児手当
- 住居手当
- バケーション制度
海外保険の加入は、必須のものと任意のものがあります
必須のものは、自分自身の身体に関わる緊急時の保険で、会社負担のところが多いです。
任意のものは、実費で加入し、例えば、身内の冠婚葬祭の際に費用が降りるようにするかしないかなどです。
パラオの企業でも、日本に支店やオフィスを抱える会社が多いので、日本で保険の加入手続きをしてくれるから安心です。
医療費の積立は、パラオの社会制度です。会社に属す者は必ずこちらの積立を行い(毎回給料から諸税として天引きされます)怪我や病気などで病院に通った際に、保険料と合わせて大きな負担額を払わないで済みます。
出産や育児の際も、休暇が取れます
期間は会社によって異なりますが、産休で子育てしながら移住しているママもたくさんいますし、出産に応じて日本に帰国し、出産後落ち着いたらまたパラオに戻ってくる方も多いです。
出産のためにかかる医療費も、保険料と積立金でほとんど実費の負担がないので心強いですよ。
住居手当もあります
会社の寮に無料で住める場合と、家賃手当を出してくれる場合があります。
家賃手当は、約$400~出るところが多く、日本人が住むアパートの平均額は$400~$700くらいなので、家賃はほとんど会社負担になります。
例えば、大きめの部屋を2人でシェアをして節約する手もありますよ。
※私の場合、月$450の部屋を2人でシェアしているので、会社からの家賃手当は$400×2人=$800となり毎月$350の差額が出てきます。 手当より安い家賃のアパートに住んだ場合、その差額も現金で返ってくるので、私たちはこの$350を毎月貯金しています。
一番魅力的な制度がバケーション制度です
パラオの企業では、先にお話ししたように月に4~5回が休日の平均になりますが、1年に1回だけ1ヶ月ほどの長期休暇を取ることができるんです。
働きながら1ヶ月の長期休暇がもらえるのは、日本ではなかなか叶わない、パラオならではの魅力ではないでしょうか?
しかも、バケーションでは、日本へ帰るための往復の航空券も会社が負担してくれるんです!
この期間を利用して、家族や友人に会いに行ったり、健康診断やパスポートなどの更新手続きをしたり、美味しいものをいっぱい食べてリフレッシュして、またパラオで1年間頑張るモチベーションを作るんです。
バケーションはパラオのオフシーズンに順番に取る形になりますので、6月または10月ごろになるでしょう。
パラオの企業の福利厚生はざっくり以上です。
おまけ:その他、職種別に異なるメリット
上記に挙げた福利厚生以外にも、所属する会社により、様々なメリットが用意されています。
レストランスタッフにはランチとディナーの賄いがあります。
ホテルスタッフは、自ホテル内の施設、ジムやスパ、レストランが無料で使えたり、大きく割引されたりします。
ツアーガイドやダイビングインストラクターは、休みの日でもツアーやダイビングが無料で行き放題になります。
また、職業を問わず、家族や友人が日本からパラオへ遊びにきた際は、家族割や友人割などが効くのでお得ですよ。
パラオで働くイメージは湧きましたか?
パラオに移住して現地で働く実態を、働く習慣と福利厚生の面からお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
日本にはない習慣や制度があり驚くことが多いですが、これらは全て見知らぬ国で活躍する日本人を期待するからこそ叶う、充実した会社の福利厚生です。
パラオ移住の魅力は、日本人が生き生きと仕事ができ、活躍できる環境を手に入れるところにもありますよ。