最初に言っておきます。ペルーの治安は悪いです!
もちろん他の南米諸国や中東の国々に比べればマシという意見もありますが、それでも日本で生まれ育った我々にとっては、慣れ親しんだ治安の良さとは天と地ほどの差があるのが実情です。
急速な発展と共に富裕層が増えたリマ。
しかしその恩恵を受けることができずに貧しい暮らしをする人々も住んでいるのがリマ。その貧富の差が犯罪を生み、治安が悪くなっていきます。
その貧富の差ゆえに、ペルーの治安は都市や地域によってまるで別の国のように異なります。
ここでは、首都リマにおける私たち外国人が注意するべき犯罪と、その安全対策についてお話したいと思います。
ペルーで多い犯罪とその対策法
ペルーで起きる犯罪の中で圧倒的に多いものは、窃盗事件、強盗事件です。
手口はスリや置き引きから、タクシー強盗、ひったくりなど様々ですが、銃火器を使った犯罪も起きています。
こう聞くと、リマの治安はとっても悪くて住むのは怖い…と思うかも知れませんが、ペルーは魅力が多く、気をつけてさえいればリマはとても住みやすい街なんです。
自動車窓割強盗
信号待ちや渋滞で停車している車の窓ガラスを割り、ナイフや拳銃を所持して脅して貴重品やバッグなどを強奪する事件です。
開いている窓から手を入れてひったくっていくケースもあります。
対策方法
- 危険区域では窓を閉める
- ドアはロックしておく
- スマホやパソコンなどは見えないようにする
- 鞄は足元や窓から届かない中央部に置く
空港付近や旧市街は、治安が悪い上に渋滞も多いので、特に注意が必要です。
ドライバーにルートを指定して、なるべくメイン通りを通るようにしましょう。
また、窓を閉めロックするように頼んだり、荷物はトランクに入れたりと、乗客として乗っていても自分で出来ることは対策をしておきましょう。
旅行者を狙った強盗
観光地や繁華街、空港・ホテル間を移動する外国人旅行者を狙う事件で、車の乗り降りの際に襲われるものがほとんどです。
対策
- 空港から市街へ行く時は、空港内タクシーカウンターで手配できるタクシーを利用する。
- 市街から空港に向かう時は、流しのタクシーは拾わずに配車アプリなどを使い信用度の高いタクシーを呼ぶ。
- 繁華街でもタクシーを待つ時は建物の中で待つ
- 車から降りる前に周りを確認する
物価や賃金の安いペルーでは、外国人という見た目だけで在住者も旅行者も「お金持ち」として見なされ、標的となります。たとえバックパッカーもあってもです。
オシャレなパブや高級レストランが集まる安全な地域であっても、遅い時間にタクシーを呼ぶ場合は必ず店の中で待ち、タクシーが着いた連絡が来てから外に出るようにしましょう。
置き引き、スリ、ひったくり
これは海外なら比較的どこの国でも報告される事件ですね。
注意していれば防げるものも多いと思いますが、油断した一瞬を狙って盗むのがプロの泥棒です。
対策
- チャックのないポケットには貴重品を入れない
- 食事中などは、貴重品は目の届く場所に置く
- 鞄は歩道側に持つ
- 人が多い場所でスマホなどを出さない
- 歩く時は周りへの注意を怠らない
- 電車やバスの中ではリュックは前に担ぐ
- 被害を最小限に抑えるために、貴重品、現金は分けて持つ
リマで最近増えている!現役警察官が明かすタクシー配車アプリに関する事件
リマではタクシーアプリがとても普及しています。
流しのタクシーを捕まえて値段交渉をする手間が省ける上に、現金のやり取りをしなくて良いので安心です。
また目的地などもアプリの地図上にピンを落とす形で事前に入力できるので、言葉に自信がなくても目的地を正確に伝えることが出来ます。
しかし、そんな安心・安全・便利なタクシー配車アプリにまつわる事件が最近増えています。
配車サービスのトラブル実例
リマの現役警察官である友人に聞いた話をいくつか紹介したいと思います。
事前にドライバーの顔と名前がわかるのは、乗客にとって安心なシステム。
しかし、裏を返せばドライバーもどんな客がどこへ向かうのかという情報が事前に手に入るということ。
住宅地などの人気の少ない場所へ向かう女性客を選んで乗せ、ナイフなどで脅して金品を奪うという事件が新市街を中心に高所得者を狙って多発しているそう。
また逆に、2018年夏頃からは乗客側が人気のない場所を目的地に指定し、到着した場所に待ち構えていた複数の仲間がドライバーに暴行を加えて車を奪う、という事件も増えているそうです。
便利で安心な仕組みは、見方を変えれば乗客、ドライバー双方に危険をもたらすシステムでもあるということですね。
そしてそういった事件に絡んでいるのは、大半が世界的に有名なタクシー配車アプリUberだそうです。
ユーザーの数が多いので当然といえば当然ですが、ネームバリューのわりに審査が緩いのが原因という見方もあります。
もちろん、事前に相手の顔と名前がわかるというシステムは、ほぼ全てのタクシー配車アプリに共通することだと思うので、Uberだけが危険という訳ではありません。
しかしリマでは他にもいくつか人気のタクシー配車アプリがあるので、オプションのひとつとして入れておくのも良いかもしれません。
私自身も、他の国でも使えて使い慣れているUberばかりを使っていましたが、その話を聞いてから友人の勧めで他のアプリをインストールしました。
現地在住者オススメのタクシー配車アプリ
私の周りにいるペルー人の友人も使っている人が多いです。私が使っている限り、値段は他社と同じか少し高めという印象。
Beat – Ride app by Taxibeat Ltd.
Uberは、目的地を入れると付近にいるドライバー側に通知が行き、ドライバー側がその仕事を受けたいと思い承認すれば自動的にマッチングされます。
しかし、Beatは近くにいる配車可能なドライバーの中から、レビューや評価を見てどの人にお願いするかを乗客が選べるシステム。その分少し時間はかかりますが、より安心なので私はこちらを使っています。
対策
事件は起きていますが、夜間や空港へ行く時や言葉にハンデがあるペルー移住初期、子どもを連れている時などは流しのタクシーを捕まえるよりも安心できるのは確か。
きちんとドライバーのレビューや履歴などを確認し、気をつけて使っていればどのタクシー配車アプリも便利であることに変わりはありません。
ペルーでは、堂々としていることが一番大切!
ここまで、ペルー・リマの治安の現状と、巻き込まれない為の対策をお話しました。
治安の悪い国に住む以上、常に警戒心を持っていることはとても大事なことです。
しかし、気を付けてばかりいてどこにも出掛けられないようじゃせっかく海外に住んでる意味がありません。
筆者もリマに移住してすぐの時は、まわりの日本人やペルー人に、コレはするな、アレに気をつけろ、あそこには行くな、などなど注意換気されビクビクしていました。
もちろん、現住者の言うことを聞くのはとても重要です、彼らの言う「危ない」は本物ですから。
そして、危険と言われる地域に行くことは避けるべきです。
しかし、だからといって職場や学校と家の往復だけになってしまっては楽しめませんよね。
周りを警戒するクセをつけること、身を守る情報を集めること、そして堂々とした態度でいることが大切だと、私は思います。
ペルーで万が一のときは。緊急時の連絡先
最後に、何か起きた時のための連絡先を載せておきます。
◆警察(緊急時:犯罪に巻き込まれたような時)
電話:105
◆観光警察(Policía de Turismo)
住所:Jr. Moore 268, Magdalena del Mar
電話:(国番号51)1-460-0921
住所:Calle General Vidal 230, Miraflores
電話:(国番号51)1-715-6554
◆在ペルー日本国大使館
電話:(国番号51)1-219-9500
◆外務省 領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(外務省代表)03-3580-3311
リマでの安全対策!現地到着前にしておきたいこと
まず、ペルーに限らず危険と言われている地域に住むのなら、外務省が運営している情報配信サービス「たびレジ」の登録をしておきましょう。
登録は簡単ですし、これに登録しておくと、邦人や外国人に関わる事件が起きる度に大使館から事件の詳細と注意喚起のメールが送られてきます。
それにより、犯罪が集中している地域を意識することが出来たり、どのような手口の犯罪が起きたのかを知ることにより対策が打てるようになります。
また抗議デモなどが行われる時はその場所もわかるので、その地域を避けることができます。
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