パキスタンは観光で行くにもビザが必要な国です。
そんなパキスタンに住むためには、どんな種類のビザがあって、どのくらいの期間、滞在できるのかを紹介します。
パキスタン滞在の目的は?
あなたがパキスタンへ行きたい理由や目的は何ですか?
- 配偶者がパキスタン人だから?
- パキスタンの文化が好きだから?
- パキスタンの自然を満喫したいから?
- パキスタンの音楽が好きだから?
- ウルドゥー語を勉強したいですか?
- 日パ関係のお仕事をしていますか?ビジネス関係ですか?
パキスタンへの渡航目的は人それぞれ、色々な理由と目標があると思います。
そしてパキスタンへ近づく第一歩が、自分の滞在目的にあったビザを取得することです。
ビザにも色々な種類があり、有効滞在期間も異なります。
自分の意思をさらに明確にして、パキスタン行きを確実なものにしましょう。
パキスタンのビザの種類
NADRAのビザ申請ホームに「Visa Categories」のプルダウンがあるので、ここからどのビザを申請すればよいのか、見てみましょう。
NADRAのウェブサイト:https://visa.nadra.gov.pk/
※NADRAの意味:National Database and Registration Authority
パキスタンビザは主に観光・仕事・学業・イスラム教関連のビザになります。
詳しく見てみると、以下のようなビザの種類があります。
①ツーリストビザ
- 観光ビザ
- 登山・トレッキングビザ
②家族訪問ビザ
③ビジネスビザ
- ビジネスビザ
- ※CPECプロジェクトビザ
④ワークビザ(いわゆる就労ビザ)
- (雇用者として在パ企業で働く)就労ビザ
- ※CPECプロジェクト中国人雇用者向けビザ
- ジャーナリストビザ
- ドメスティック エイド ビザ(家政婦、お手伝い、守衛等)
⑤メディカルビザ
⑥スタディービザ
- 学生ビザ
- Deeni Madaris(ディーネ マダリス:イスラム教学習者向けビザ)
⑦Religious Tourismビザ
- Tabligh (タブリーグ:イスラム教教育者向けビザ)
- ミッショナリービザ (キリスト教の宣教)
- 巡礼ビザ
⑧公式・外交ビザ
⑨NGO/INGOビザ
⑩その他ビザ
スポーツ・セミナー・学会・音楽など文化、学術的行事
※CPECとは、世界で広がる中国の「一帯一路」構想のことで、パキスタンでは「China-Pakistan Economic Corridor」、略してCPEC、日本語で中国パキスタン経済回廊といいます。
オンラインビザ申請時の注意点【全種類ビザ共通】
パキスタンには「移民局」は存在しません。
入国の際はビザが必要になり、ビザ発給を管理しているのはパキスタン内務省のNational Databese And Registration Authority 略してNADRA(ナドラ)オフィスになります。「国立データベース登録機関」と訳せばよろしいかと。
パキスタン国民のIDカード管理もここになります。
全種類のビザ申請に必要なもの。それは「パソコン」です。
スマホからですとブラウザが対応していないので、できません。(執筆時点)
使い方
まずは新規でアカウントを作成します。
一度作成すればずっと使えるので、パスワードやIDなどは忘れないようにしておくと良いでしょう。
ビザ延長の際に、新規で作成した際のアカウントを使用して延長の申請ができます。
顔写真、パスポートやその他必要書類は、写真撮影をしてパソコンに保存。
パソコンからそのままアップロードします。
PDFファイルだとアップロードできないので、JPEG、JPG、PNGファイルにして保存しましょう。
必要書類のアップロードの仕方、顔写真のアップロード方法は全てガイドがありますので、わからなくなったら「HELP」の項目から「how to」をチェックしてみてください。
おそらく、顔写真アップロードが一番厄介だと思われます。
眼鏡はかけないように、などの規定があります。私自身、「顔が認識できません」と何度撮り直ししたことか・・・。
また、ビザ申請代金はクレジットカード決済、デビットカード決済になります。
PDFファイルでオンライン申請とHOW TOについてわかりやすい説明があるのでご覧ください。⇒https://visa.nadra.gov.pk/downloads/application_guide.pdf
また、ビザが発給されたら必ずプリントアウトしてください。
パキスタン移住、長期滞在が可能な4つのビザ
観光の延長
一番手っ取り早く取得できるビザは、①ツーリストビザではないでしょうか。
オンライン申請では提出書類が少ないです。
滞在できる期間はエントリーした日から3ヶ月です。
滞在期間延長すれば、6ヶ月かそれ以上滞在できます。
延長の場合も、申請の手続きはオンラインになります。
長く滞在したいのなら、延長・延長を繰り返せばいいのでは、と思います。
ですが、在留期間内(保持しているビザが有効であること)であり、在パキスタンであることが条件となります。
これなら長期滞在も可能ですが、所詮は旅行者(外国人)なので、ホテルに滞在すれば外国人料金を取られる場合もあるでしょう。
安いホステル等も沢山あります。国内線を利用すると、外国人料金を取られることもあります。
留学
留学も長期滞在できる手段の1つです。
パキスタン国内にある学校や大学などに入学して、例えばウルドゥー語をマスターする、他の学問をパキスタンで勉強・研究するなどです。
2年の滞在許可が出ます。
必要書類として
- パスポート
- 写真
- 入学許可証
- No Objection Certificate
NOC:異議なし証明書⇒
https://hec.gov.pk/english/services/universities/Fsnoc/Pages/default.aspx - スポンサーレター
イスラム教を学ぶのに留学する方法もあります。
「Deeni Maddaris ディーネ マダリス」ビザです。
必要書類としてはパスポート、顔写真、コース名、コース開始と終了予定日が記載された入学許可証です。
ビザ延長もできます。
新規申請の際に提出したコースの継続、またはコースの変更は少し手続きが異なり、また、学生の要望によりけりの場合もあるようです。
仕事、ビジネス
仕事に関するビザです。
ワークビザ(就労ビザ)・ビジネスビザと呼ばれています。
他に公式・外交ビザがありますが、それぞれ申請方法が異なります。
NGOまたはINGO、その他の文化・スポーツ・学術・音楽行事に関するビザもあり、延長もできます。
ここでの注意点は、「就労ビザ」と「ビジネスビザ」は「仕事をする」という共通点はありますが、目的や提出書類などは全く異なります。
①「Work visa」
就労ビザ、在パ企業に雇われて働くという意味です。
申請書類は多く、
- パスポート
- 顔写真
- パキスタン証券取引委員会(SECP)による企業の登録証
- 投資委員会(BOI)による推薦状
- スポンサーの連絡先詳細
- 企業のレターヘッドに記載された事業計画書
- 申請者のCV(履歴書+職務経歴書の英語版)
- 企業のレターヘッドに記載されたカバーレター
- 企業のプロフィール
- 雇用契約書
- 連邦歳入庁による企業の税証明書
などになります。
シングルエントリーで3ヶ月、延長申請で2年までのビザが発給されます。
②「Business visa」
Business visaでは、申請の仕方が異なります。
まずは、ビザ申請提出書類で必要なBusiness Invitaion Letterを E-Business Invitation letter Systemから取得します。⇒https://ebil.nadra.gov.pk/
申請書類は、
- パスポート
- 顔写真
- 商工会議所による推薦と登録の証明書
- .Council of Commom Interetsによる推薦状、または在パ貿易(通商)団体から推薦されている企業組織の招待状、または投資委員会顧問/商務官による推薦状
5年までの滞在許可がでるようです。
就労ビザ・ビジネスビザに関しては、少し複雑な面もあります。
私自身も申請したことがないので、不確かなことがあります。
わからないときはためらわずに在日パキスタン大使館に質問してみましょう。英語が得意であれば、電話やメールで直接NADRAオフィスに問合せしてみて下さい。
パキスタン人の配偶者
確実に長期滞在、移住がすんなりと行えるのが家族ビザになります。
配偶者がパキスタン人である場合または家族にパキスタン人がいる場合に申請できます。
配偶者ですとより簡単に手続きできます。下にビザ発給の写真あり。
家族ビザが発給されパキスタンで生活をはじめたら、次は在パ滞在中にPOC(Pakistan Origin Card)を申請してみましょう。 https://www.nadra.gov.pk/identity/identity-poc/
発行されれば、滞在がさらに楽で便利になります。
パキスタン人が持っているIDカードと全く同じで、パキスタンでの行動許可はパキスタン人のそれと同じ扱いになります。
コロナワクチン接種も、パキスタン人と同じようにできました。
接種証明発行もNADRAから、オンラインでできます。
不動産の所有、銀行口座開設、携帯のSIMカード購入等問題なくできますし、なによりも日本~パキスタン間の往来がもっと簡単になります。
申請時の必要書類は多く、多少面倒ですが、一度作ってしまえば更新は5年後になります。
もちろんオンラインでの更新になります。
※下の画像は、本人所有の家族ビザ発給書。申請したNADRAよりメールが届きます。提出書類に何か問題があれば、在日パキスタン大使館からも連絡がきます。プリントアウトしましょう。
個人情報は黒くしてあります。右上はQRコード。
注意点:「Visa Start Date:14 June 2021」、「Visa end Date:13 June 2026」で5年間ありますが、「Visa Duration」は「365Days」になっています。つまり、継続して滞在できる期間は1年という意味です。「Application type:Entry」とあります。空港に着いたら入管でパスポートに入国のスタンプを押してもらえますが、この日付からが滞在期間スタートという意味になります。
パキスタンに滞在できるビザまとめ
在日パキスタン大使館のホームページにも、
「2021年2月1日より、すべてのビザ申請はオンライン化しました。下記のサイトより申請してください。」との表記がありますのでご確認ください。
NADRAのウェブサイト:https://visa.nadra.gov.pk/
パキスタンビザには色々な種類があることがわかりました。
自分の目的にあったビザを申請して取得しましょう。わからないことがあったら、理解できるまでとことん質問してみる。
また、「日本ではない」ということを常に頭に入れて、万が一に備えて準備した方が良いでしょう。
そしてやはり「英語」は必須です。NADRAのサイトは全て英語ですし、パキスタンの公文書は全て英語、英語とウルドゥー語両方の表記になっています。
パキスタンで生活してみて初めてわかることも沢山あります。その度に、こうすれば良かった、次回は気を付けようなど、学びが沢山あります。
ビザの申請も、初めてで緊張してわからないことが多いと思いますが、何よりもまず、自分でやってみないことには何も始まりません。パキスタン滞在への第一歩です。