メキシコに1万人以上の日本人がいることを、かつて誰も想像できなかったでしょう。
榎本殖民団と呼ぶ一行が、メキシコのサンベニート港へ上陸以来120年になりますが、そんな歴史的背景から、メキシコ-日系社会の結束力は高まっています。
現在、メキシコにおける日系進出企業は、自動車関係を中心に1000社以上に上っています。
ここでは、今後も発展を期待できるメキシコ滞在をお考えのあなたに、
「メキシコの食・音楽文化や習慣」
について、触れたいと思います。。
メキシコの食文化を語るうえで欠かせない2つの食材
王者のトウモロコシ!
メキシコは、メスティーソ(ヨーロッパと先住民インディオの混血)文化を誇っている国で、料理にもそれが反映されていますが、食材となるとどうも先住民の食文化の方が優勢に立っているようで、その中でも王者は、トウモロコシでしょう。
ヨーロッパの小麦、アジアの米に並ぶほどで、メキシコの食材として、煮ても、煎っても、炊いて粥(かゆ)にしても美味しいです。
あの有名なトルティーヤは、トウモロコシを灰と一緒に茹でることで栄養的に豊かになると言う先住民の知恵があります。
唐辛子・チレ
メキシコと言ったらチレと言われる唐辛子は、200種類はありメキシコ料理には欠かすことはできません。
チレはトルティーヤの皮に好きなものを巻いて食べます。
これがタコスで、日本でもお馴染みですよね。
その他、メキシコ原産の主な食材はトマト、豆類、カボチャなどが有名。
お買い物は、各都市にある自由市場で安く手に入ります。
メキシコ人は定価で買う事はなく、値切る習慣がありますので、遠慮せずに値切っての購入をおすすめします。
サボテンを食べる?メキシコといえばサボテン(CACTUS)
サボテンは、その個性的な姿と美しい花で、ソンブレロと並んでメキシコのシンボルにもなっており、食材としても利用されております。
Gracias Mexico!!
めちゃめちゃ熱いLIVEで最高に楽しかった!
メキシコらしくタコスとコロナで打ち上げ🇲🇽
サボテン初めて食べました! pic.twitter.com/f2By7Wfvpo— DAISUKE (@daisuke_drums) 2017年4月5日
水煮としても売られていますが、サボテンの刺を抜いて塩茹でして皮をはいでサラダにしたり、細く切って酢漬けにしたり、生はオクラのように醤油をたらし鰹節をかけると日本人にも美味しく頂けます。
サボテンステーキやスープも、現地レストランで一度味見することをおすすめします。
メキシコのお酒 テキーラ(TEQUILA)
メキシコ第二の都市、グァダラハラ市の郊外のテキーラ村全体がお酒の村という感じです。
サボテンの竜舌蘭から造った発泡酒で、二千年の歴史を持つ白く濁った地酒。
日本人は、そのまま呑むと酔ってしまうので、テキーラをベースにカクテルをおすすめしますが、メキシコ人の間では、チビチビ呑むと悪酔いすると言われ、一気に呑んで気勢をあげます。
やっぱりレモンと塩を片手にスパッと豪快にのみほすことが、テキーラの呑み方だとか。
マリアッチ音楽とメキシコ人
マリアッチ音楽は、メキシコを代表する音楽として、日本でもTVコマーシャルに利用されるほど世界中に親しまれています。
メキシコの紳士が求婚をする時は、彼女の住んでいる家の窓辺にマリアッチを連れて行ってセレナーデを歌わせて、彼の気持ちになって切なく、ある時は情熱的に、マリアッチを演奏し歌います。
何だ?何だ?と住人が窓を開けて騒ぐので、その気配に気付いた彼女が顔を出すと、そこで紳士は指輪の入った小箱を取り出し「君が好きだ結婚しよう!」と叫ぶ。
そして彼女が感激の涙を見せたらこの結婚は成就する。めでたしめでたし!
もちろんマリアッチは精一杯盛り立ててます。
恋人に歌をプレゼントする男性が多いなんて、メキシコは何て素敵な国なんでしょう。
メキシコ人の習慣と考え方
1.レディファーストの徹底
メキシコ男性は、レディーファーストを徹底されています。
例えば車に乗る度にエスコートしてくれたり、ドアを開けて通してくれたり、椅子を引いてくれたりしてくれます。
2.時間にはルーズ
メキシコ人は時間に対してルーズな人がほとんどで、実際待ち合わせをしても平気で1~2時間は遅れてきます。
パーティー会場の開始時間に行っても会場は空っぽ状態で、主催者さえ来ていないなんてこともあります。
メキシコ人との待ち合わせ時間は、あってないようなものと考えれば、最初からイライラしなくても済みます。
ただ、全てではなく中には、日本人並みに時間厳守なメキシコ人もいます。
3. 家族を大切に考えます
メキシコ人は家族や親戚の絆を大事にします。
何か行事があるたびに親戚が一堂に会して親睦をはかります。
4. おもてなしの心がある
メキシコ人と仲良くなると、お家のパーティー等に招待された時に彼らは必ず、
Mi casa es esta casa=私の家はあなたの家=くつろいでください
と言う表現を使います。
5. 親日家
メキシコ人は親日家が多いです。
日本人は勤勉で礼儀正しく、マナーもとても良い、メキシコ人にないものを持っていて尊敬できるとお褒めの言葉を頂くことが多々あります。
メキシコには、日系企業が多く参入していますので、とりわけそう言った地域では、日本人に親しみを持ってくれます。
6. メキシコ人はNOと言えない
メキシコ人はNOと答えなければならないシチュエーションをできるだけ避ける傾向にあります。
全て真実を受けているとじれったい思いをしてしまいますので、日本の建前のようなものとしてあまり気にしないようにしましょう。
7. タクシー事情
メーター制ではなく、値段は事前交渉で決めるため、スペイン語が堪能でなければ流しのタクシーはおすすめできません。
専用の停留所にとまっているシティオの利用をおすすめします。
メキシコで気をつけるべき9つの言動
メキシコの習慣に絡めて、注意すべき言動をまとめてみました。
- スープは音をたてて飲んではいけません。日本では、ラーメンなど熱いものをツルツル食べるのが普通ですが、メキシコでは音をたてるのはやめましょう。
- メキシコでは、外での飲酒は禁止されています。
- メキシコでは、喫煙者の方にはお気の毒ですが、建物内、公共の乗り物内、全て禁煙です。喫煙場所は建物内には全くありませんので、ご注意下さい。しかし、外であればどこでも喫煙可能です。日本とは違いますね。
- ちょっと早いけれどフェリース クンプレアーニョスは禁句!日本では誕生日を迎える予定の人に会うと、誕生日当日に会えないから早めに誕生日のお祝いする事もありますが、メキシコでは縁起が悪いとされています。誕生日を過ぎたお祝いは、大丈夫だそうです。
- メキシコでは、信号を信用しない。信号が青でも安心して渡ると危険な場合があります。人より車優先だと考えていますので、右折する車、左折する車を必ず確認してから道を横断して下さい。
- 安全のためにも流しのタクシーはおすすめできません
- 強盗やスリ対策として、高価なものは人前で見せないようにして下さい。人前ではお札の入ったお財布などを開けない、高価なアクセサリーもあまり使用しない
- 万が一強盗にあった場合には、絶対に騒がない、絶対に抵抗しない、持ち物はあきらめて渡して下さい。命の方が大切です。日本では大声や大きな音を出すように学校などで指導がありますが、メキシコでは厳禁です。
まとめ
メキシコは、経済的にも観光的にも魅力的な国のひとつ。
メキシコの持つ文化や習慣は、日本のものと大きく異なります。
私自身は住み始めの頃はメキシコの文化にストレスを抱える日々を送っていた時代もありましたが、メキシコの良さを知る事で、メキシコ人の自由で大らかな性格によりフレンドリーさを感じ、シャイな日本人を導く力強さを実感する事ができました。