メキシコではここ10年で日系企業の進出が約3倍に増え、現在では1000社以上あります。
それゆえ日本人や日本語の話せる人材の需要が増えており、簡単に言うといつでも仕事を見つけられる状況です。
これからスペイン語通訳として働きたい、通訳の経験をしたいと思っている方にはぴったりのチャンスがたくさんある状況と言えます。
今回はメキシコで通訳として働くために知っておきたい具体的内容をご紹介しましょう。
はじめての方でも安心。海外転職をフルサポート
50のニュースメディアに取り上げられた伴走型海外転職サポート「せかいじゅうキャリア」
→海外転職するための環境とノウハウを手に入れる
通訳に向いている人、向かない人
通訳の仕事を考える上で欠かせない適性についてご説明します。
・向いている人
通訳=コミュニケーションです。
まず通訳になる以前に、自分が人と会話することが好きかどうかを確認しましょう。
通訳は人と人の会話をつなげる仕事です。
当然のことですが、コミュニケーション能力が高い人の方が向いていますし、関わる人たちも頼りやすく感じて信頼できるので、WIN-WINの関係になれます。
・向かない人
毎日毎日人と人の間に入って仕事をするので、ときには人間関係に悩まされます。
人づきあいで悩みやすい人や、会話が苦手な人も向きません。
なぜなら、たとえ語学力が高くても、この仕事をつらいと感じてしまう可能性があるからです。
人間関係に悩み、気を病んでしまう通訳者も実際にいます。
不安な場合は一度自己分析ツールなどを使って自分を見直してみることが、得策かもしれません。
スペイン語通訳のレベル
いろいろな企業の募集を見てみると、DELE(※1)のB2ほどのレベルがあれば問題ないかと思います。
メキシコの通訳募集ではほとんどの場合、DELEや西検(※2)の資格を求めることはありません。
ですから試験を受けたり資格を取ったりする必要はありませんが、自分のレベルは把握しておきましょう。
かなりレベルが高い語学力を持っていても、初めて仕事として使うことになればいろいろなことに戸惑うのは当たり前ですね。
自分の得意分野を把握して、面接時にはそのことを事前に伝えておくと良いでしょう。
わからないことは、勉強を続けていけばわかるようになるので問題ありません。
いつでも学習する意欲があればいいのです。
※1:DELE⇒メジャーなスペイン語検定の一種
※2:西検⇒せいけん:日本スペイン語協会で実施するスペイン語検定の略称
求人の探し方
現在メキシコでは求人募集をたくさん見つけることができます。
“メキシコ 求人”と検索すればたくさん出てくる状況です。
一般的にはエージェントを使うか、メキシコ日本商工会議所に履歴書を掲載します。
・エージェントを使う
メキシコで仕事を探す人向けのエージェントが数社あります。
まずはここに登録するのがおすすめです。
あっという間に仕事を見つけてくれると思います。
登録して履歴書を送り、エージェントの方と面接をすれば後は待つだけなのでとても楽ですよ。
・メキシコ日本商工会議所に履歴書を送る
ネットでメキシコ日本商工会議所に履歴書を送ると、商工会議所はあなたの履歴書を匿名で会員専用のページに掲載してくれます。
企業側がそれを見て、興味があるとあなたへと連絡が入るというシステムです。
こちらでも比較的簡単にお仕事を見つけることができるかと思います。
勤務地の大切さ
さて、仕事を探していると希望勤務地へと就職することが難しいことが多いです。
メキシコの日系企業のほとんどがバヒオ地区に所在しています。
仕事を見つけたいがために、あまり勤務地にこだわらないというのも1つの手段でしょう。
しかし、あなたが数年もしくはこの先ずっと住むことになる町についての情報は、必ず住む前に確認するようおすすめします。
町によってはかなりの田舎だったり、気候が激しかったりするものです。
就職してから後悔することにならないように事前に確認しましょう。
職務内容
通訳は、その他の業務を兼務することがほとんどです。
日本人の仕事に向き合う姿は、やはり重宝されます。
ここではいくつか分野別での通訳の業務内容を見ていきましょう。
・技術系
製造関連の通訳は、技術系の通訳や翻訳を担うことになります。
現場へと足を踏み入れて日本人技術者からメキシコ人へと指示・教育を行うことや、作業手順書・チェックリストなどの技術関連文書の翻訳を行うことが、主な業務内容です。
製造業において現場作業はとても大切。
商品を作る責任ある現場ですから当然です。
教育を行う日本人技術者は、それはもう必死で教育に取り組みます。
日本人技術者の技術をしっかりと現場の現地社員へ伝えるという、大変ではありますがとてもやりがいのあるお仕事です。
・事務職系
事務職への通訳は人事・安全衛生・購買・経理などを兼務します。
人事では教育・労働関連の管理業務、安全衛生ではお役所への許認可申請、購買では下請けやサプライヤー管理などに携わるのです。
そして、どの通訳も大変ですが、一般的に経理の通訳はなかなか大変です。
どこの日本人上司もお金に対してはシビアに管理するでしょうから、受け答えが大切になります。
会計関連は国によって法律が違うので、日本のスペシャリストに説明するのも一苦労です。
普段の生活では使わない単語が飛び交います。
スペイン語以前に会計についても勉強をしないとついていけない場合が多いです。
逆にそれらの知識がある方であれば、スペイン語がそれほどでなくても良い待遇を得られることがほとんどです。
・営業系
日本人上司と一緒にお客様のところへ出向いてプレゼン、お客様の要望などを話したり聞いたりする通訳になります。
慣れてくれば見積書作成、1人での顧客対応なども任されていくでしょう。
スペイン語と日本語が話せて営業ができる人は、とても重宝されます。
・会社での通訳の現状
どれも大変で大切な業務です。
すべての業務への通訳ができる人材を探している会社も多くあります。
人数の少ない会社は1人の通訳でたくさんの部署を抱え込むことになることが多いのです。
そういった場合はスペイン語だけでなく、それなりに各部署の知識が必要となります。
マルチタスク系はかなり大変ですが、その分好待遇の場合が多いです。
スペイン語プラスアルファで他の知識がある人の価値はあがります。
通訳のメリット
通訳業最大のメリットは、会社のさまざまな部署と関わることができるということ。
人事・経理・購買・営業から、製造・品証・生産管理など、すべての部署と関わりがあるのが通訳です。
自分の未来も見通して、どの部署で働くのが楽しいかを見つけておくことをおすすめします。
通訳のメリットを生かしながら自分に合った部署を見つけ、その部署の知識を身につけていけば、それは後々にあなたの大きな武器となるでしょう。
2~3年やれば1人前
初めの1年は、毎日勉強に追われることになると思います。
大変な1年を過ごすことになるでしょう。
しかし、この1年を経験するとスペイン語力がグッと向上しますよ。
一般的な会話と、仕事で使われる専門用語はかなり違うのです。
いつでも調べることができるように、スペイン語辞書アプリを携帯に準備しておきましょう。
世の中にはたくさんの辞書アプリが出ていますが、できるだけオフラインでも使用可能なアプリを持っていると、どんな場面でも使えるのでおすすめです。
そして、2~3年も企業通訳を経験すれば、あなたはもう立派な通訳者。
しかも、メキシコは4年以上就労ビザを更新すれば、永住権の取得が可能になります。
永住権を取得して独立を考えて動く、さらに好待遇な企業にステップアップする、などの未来が広がります。
まとめ
メキシコに関して言えば、現在は進出してきた日系企業が苦しみ、もがきながら会社を安定させようと日本駐在員を送り出して現地で働いています。
多くの会社は現地化を目指して、現地で働いてくれるマネージャー候補を育てていくでしょう。
日本語もスペイン語も堪能なあなたが、プラスアルファで会社のことをたくさん学べば、マネージャーとしてその子会社の責任者になれる可能性もおおいにあります。
自分の将来を予想しながら、何が自分に向いているかを見極め、スペイン語と一緒にそれらのスキルも磨いていきましょう。