スペイン語を学んだ人たちの中では、メキシコで現地採用として働くことを考えている人も少なくないのではないでしょうか?
「スペイン語を生かして就職したい」
「メキシコで働きたい」
「よく言われる現地採用枠だけど、どんな生活ができるの?」
今回は、このように思っている人たちに参考になる記事です。
メキシコ人の平均月収と日本現地採用者の給料を参考にしながら、メキシコの現地採用枠で働いた場合、どのくらいの水準の生活ができるのかを見ていきましょう。
結論を先に述べるなら、はっきり言って日本と比べるとかなりいい生活ができることでしょう。
※この記事ではメキシコペソの為替を1ペソ=6円として計算しています。
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メキシコの経済格差
この国は貧富の差がとても激しく、一概にどのくらい稼いでいるかをひとくくりにすることができません。
2019年のメキシコGDPは一人当たり9,800ドル/年。
これだけ見るとそれほど低くは感じない数字でしょう。
しかし、この国の最低賃金はなんと日給約142ペソ(1日800円ちょっと)なのです。
さらに上位高所得層20%の所得が、国全体の49%の所得を占めています。
お金持ちはすごくお金持ち、貧乏層はとてつもなく貧乏な国です。
それが市場にも影響を与えているので、安くすまそうとすればいくらでも安く生活ができます。
特に野菜やお肉など、食材は日本の1/3くらいの値段になるのではないでしょうか。
メキシコ人の職業別給料
2020年末のメキシコ経済情報WEB”EL financiero”に掲載されている情報を参考にしてみましょう。
企業で働く会社員のわずか5.5%が40,000ペソ(24万円)以上の収入を得ているとのこと。
メキシコの社会保険IMSS登録者の48.9%は、ひと月10,000ペソ(6万円)以下の収入、34.4%はひと月20,000ペソ(12万円)以下の収入であるといいます。
日本人の感覚からするとやはりとても賃金が安い国のようですね。
メキシコは国が大きく、州によってばらつきがあります。
一般的に北部のほうでは平均所得が高く、南下するにつれて所得が低くなるのです。
この記事では日系企業が多く進出しているバヒオ地区の、主に製造業関係で働く国民の給料を職業別にご紹介します。
多くの外資系企業が進出しているこの地域は、メキシコ人にとって給与条件がかなり良く、バブル状態と言っても過言ではないでしょう。
参考記事:
https://www.oficinaempleo.mx/blog/quieres-ganar-mas-de-30-mil-pesos-al-mes-aplica-en-estos-empleos/
・オペレータ―(工場作業員)
バヒオ地区でのオペレータ―の給料は、6,000ペソ~7,000ペソ(3万6,000円~4万2,000円)です。
会社によっては、これに加えて皆勤賞、生産手当などのボーナス手当がついてきます。
・新卒
分野によってかなり違いますが、工学系の新卒の人たちで8,000ペソ~13,000ペソ(4万8,000円~7万8,000円)が一般的です。
13,000ペソ(7万8,000円)もらえていたらかなり好待遇と考えて間違いないでしょう。
・中途(3年ぐらいの社会経験あり)
大学を卒業して3年ぐらいの社会経験がある人材は、18,000~25,000ペソ(10万8,000円~15万円)が一般的です。
日本でも同じだと思いますが、このぐらいの年齢になると人によって経験、知識の差が生まれます。
出世の早い人はこれ以上稼いでいますし、あまり成長をしていない人はこの10万8,000円以下の人も多いでしょう。
20代後半で20,000ペソ以上(12万円)もらっている人たちは、それなりに専門分野でのスキルがある人たちです。
・その他
参考にメキシコのお医者さんが稼いでいる給料をのぞいてみましょう。
メキシコでは政府が運営して、誰でも無料で医療が受けられる”IMSS”と私営の病院とがあります。
INSSの政府で働いているお医者さんたちの給料が低いのはメキシコで有名な話。
Indeed mexicoからの情報によればIMSSの一般ドクターで12,987ペソ(77,922円)と出ています。
かなりの安月給ですね。
しかし、その他福利厚生がとても厚いそうなので、こちらの仕事はなかなか人気なのだといいます。
参考記事:
https://mx.indeed.com/cmp/Imss/salaries/M%C3%A9dico-a
日本人現地採用
それでは、次に日本人がメキシコで就職する場合を見てみましょう。
さまざまな業種があると思いますが、ここでは一番需要が多いスペイン語‐日本語通訳を主な業務として、営業や製造補助などの仕事についてご紹介します。
- 新卒~社会経験なし:20,000~30,000ペソ(12万~18万円)
- 即戦力:30,000~50,000ペソ(18万~30万円)
- 即戦力+マネージメントや技術力:50,000ペソ~(30万円~)
これを見ていただけると、日本人への待遇の良さがよく数字に表れているでしょう。
スキルのあるメキシコ人に比べて、日本人は新卒でも20,000ペソスタートが一般的。
すごいです。
需要のある職種
日系企業が多いメキシコでは自動車関係・製造業がほとんどです。
スペイン語以外に機械や電気など技術的なスキルを持っている人はドカンと高収入が期待できます。
しかしこういった経歴を持っている方々は、日本でも待遇のいい仕事を見つけることができるので、わざわざメキシコを選んで現地採用枠で働いたりはしないでしょう。
しかし、企業によっては、のどから手が出るほど欲しい人材となります。
機械や電気など技術的なスキルを持っている人は、いつ何時でも、スペイン語を身につけなくてもメキシコで仕事を見つけることが可能な状況です。
技術系の経歴を持っているのであれば、メキシコ駐在枠の職業を検索することをおすすめします。
駐在待遇と現地採用待遇は雲泥の差です。
駐在で派遣されてくる場合はメキシコでの生活費を会社が負担してくれるでしょう。
いいことばかりではないと思いますが、お金も貯めることができて、さらにリッチな生活ができます。
生活にかかる費用
家賃や水道光熱費をはじめ、飲食物の値段を見てみましょう。
・家賃
4,000~20,000ペソ(2万4,000円~12万円)ぐらいが一般的です。
もちろんピンからキリまであり、上を見ればきりがないし、安くしようとすればとても安くできます。
地域や治安のことを気にしないのであれば、いくらでも安い物件を見つけることは可能です。
しかし今回は日本人が住んでも問題ない、ある程度生活水準の高いエリアでの賃貸料として考えてみましょう。
4,000ペソ(2万4,000円)前後でレンタルできるのは一般的にシェアルーム。
数部屋ある一軒家の一部屋を借りるというものです。
メキシコの学生などがよくやっているので、探すと見つけることができます。
基本的にキッチンとトイレは共同です。
他人と一緒に住むのでどうしてもプライベートの時間を確保するのが難しいですが、友達ができる可能性も高く、好き嫌いが別れる住環境でしょう。
一軒家を借りると6,000ペソ(3万6,000円)以上が一般的な水準です。
その代わり3LDKぐらいの大きな家に住むことができます。
家が大きすぎて掃除が大変ですが、ゆったりとくつろぐには大きいお家はやっぱり気持ちいいですよ。
・WIFI&テレビ
インターネットを家につけると有線テレビと一緒に600ペソ(3,600円)前後/月で設置可能です。
・電気代
電気代は2か月ごとの請求。
一家族で200ペソ(1,200円)/月ぐらいです。
・水道代
水道代は地域によってかなり値段が変わりますが、最高でも200ペソ(1,200円)/月ぐらいでしょう。
それ以上する場合は家のどこかで水漏れが起きている可能性が大きいです。
・ビールの値段
ビール1缶15ペソ(90円)。
アルコールが安い国です。
・水の値段
メキシコの水道水は飲めません。
飲料水は必ず買いましょう。
1Lボトルで10ペソ(60円)、20Lで45ペソ(270円)です。
・コーラの値段
世界一位のコーラ消費国、メキシコ。
コーラはビールと同じ値段の600mlで15ペソ(90円)です。
・鶏
骨付きもも肉70ペソ(420円)/キロ、むね肉120ペソ(720円)/キロ。
メキシコはむね肉のほうが高いのです。
・豚肉
120~180ペソ(720~1,080円)/キロ。
・牛肉
一番安いので150ペソ(900円)/キロぐらい。
高級なお肉でも400ペソ(3,600円)/キロほどです。
・玉ねぎ
10~20ペソ(60~120円)/キロ。
時期によってお野菜の値段が変わります。
・トマト
10~20ペソ(60~120円)/キロほどです。
・外食
外食は200ペソ(1,200円)からで、二人で高級レストランの食事をとると1,000ペソ(6,000円)ぐらい。
いい生活ができるメキシコの現地採用
メキシコの日本語通訳者バブルはおさまったように感じますが、それでもまだまだ需要が多い日本人の現地採用枠。
家賃さえ抑えることができれば、それなりに快適な生活ができます。
広い家に暮らして、週末は外食したり、大きなお肉を買って家の前で友達とBBQしたり。
かなり高い水準の生活ができるでしょう。
まとめ
メキシコは涼しくて神秘的な山もあれば、きれいで快適な気候の海のリゾート地もあります。
砂漠へキャンプに行くこともできれば、世界遺産の都市めぐりもできるのです。
そしてさまざまな先住民が残していった遺跡。
これだけ多くの観光のメッカがある国に住める、そして気が向いたらどこにでも行けるなんて最高だと思いませんか?
加えて旅行のコスパもとてもいいのです。
世界中のバックパッカーがくるこの国にはたくさんの安宿があります。
安宿には世界各国から若い子が集まってくるので、出会いの宝庫です。
メキシコで働くことの最大のメリットはやはりこの素敵な国に住めること。
仕事とプライベートを上手に分けて快適なメキシコライフを送りましょう。