モルディブでは、全ての教科(日本でいう「国語」とイスラム教の教えである「コーラン」の授業は除く)が英語で行われているので、英語を話すことができれば問題なく生活することができます。
また、若いモルディブ人の中には、母語よりも英語の方が喋り慣れている人もいます。
しかし、ひとたびモルディブ人が集まれば、彼らの母語である「ディベヒ語」で会話をします。
もし、その会話の一部分でも理解することができ、会話に混ざることができれば、モルディブでの生活をより快適で充実したものにすることができるでしょう。
ここでは、モルディブ滞在で役立つ挨拶や日常会話のディベヒ語フレーズを紹介します。
ディベヒ語は多言語が混ざった言語。文字はターナ文字
ディベヒ語は、アラビア語、英語、シンハラ語(スリランカの言語)、ヒンディー語(インドの言語)、ウルドゥ語(パキスタンの言語)といった言葉が混ざり合いできた言語です。
その中でも、イスラム教の影響もあるためかアラビア語そのままのフレーズや非常によく似たフレーズがしばしば見受けられます。
文字は、ターナ文字という字を使用しています。文字は、アラビア語と同じで右から左に書いていきます。
万能なフレーズ「タ?」と「ドー」
「〇〇タ?」と「〇〇ドー」の二つが無意識に言っているようになれば、モルディブに馴染んでいる証拠です。
「タ?」は日本語でいう「〇〇ですか?」と何かを尋ねたい時に使います。
「ドー」は日本語で言うと「〇〇だよね」と同意を求める、もしくは、何かを念押ししたい時に使います。
ディベヒ語での挨拶は重要!
どこの国においても、まずは挨拶から始まりますよね?モルディブでの挨拶の仕方を紹介します。
バージャベリ ヘンドゥネ:
おはようございます
あまり聞くことはありませんが、一応、該当する言葉があります。
(ハール)キヒネ?、キヒネッタ?:
元気ですか?、元気?
ランガル、バラーバル、サカラ:
元気だよ、とても調子いいよ、調子悪いんだ(返答)。
誰かとあった時、「おはようございます」や「こんにちは」の代わりに、昼夜問わずこれらの言葉をよく使います。
アッサラーム アライクム:
あなた方の上に平和がありますように
ワ アライクム アッサラーム:
あなた方の上にも平和がありますように(返答)
ムスリムの国であるだけに、イスラム教徒同士で交わされる挨拶をする人もいます。
カレーゲー ナマキー コバ?:
あなたの名前は何ですか?
知り合ったのも何かの縁、名前を聞いてみましょう。
アハレン ナマキーゲー 〇〇:
私の名前は〇〇です。
と答えが返ってきます。また、名前を聞かれたら、このように返答しましょう。ちなみに、ムスリム100%というお国柄、たくさんのアハメドさんやモハメドさん、アリさんに出会うことでしょう。人通りの多い所でこれらのよく使われている名前を呼ぶと4~5人くらい振り返るかもしれません。
ワキワニー:
さようなら
ほとんど使われているところを見たことがありませんが、存在している言葉です。
疑問詞はシンプル
何かを聞きたい時に使用する疑問詞です。非常に覚えやすいものが多いです。
コバ?:
どこにある(いる)?
この言葉は、万能な疑問詞で単体で使用できます。また、名詞を付けて、例えば、「あなたどこにいるの?」と聞きたければ、「コバ カレー?」、「ペンはどこ?」と聞きたければ、「コバ ガラン?」と言います。
コンターク?:
どこで(へ)?
上記の「コバ?」と同じ意味ですが、こちらは動詞をつなげて使用します。使用例で挙げると「コンターク ダニ(どこへ行くの)?」、「コンターク フェンナニ(どこで見たの)?」などがあります。
コンイラク?:
いつ?
大まかにいつその出来事が起こるのか聞く時に使用します。例えば、「いつ来る(行く)の?」と聞きたければ「コンイラク アンナニ(ダニー)?」と言います。
カーク(タ)?:
誰?
職場に見知らぬ人がいて、同僚と喋っていたらそれが誰か知りたいですよね?そのような時に使います。また、間違い電話の多いモルディブ。もし、知らない番号から電話がかかってきて、突然「カーク?」と聞かれたら、こちらも負けずに「カレィー カーク?(あなたこそ誰?)」と言いましょう。
キハーワレ?:
いくら?
ほとんどの物を輸入に頼っているモルディブですが、シーズンにはおいしいモルディブ産マンゴー(小ぶりですが甘いです)がフルーツマーケットに出回ります。また、マーレ在住であればフィッシュマーケットで新鮮な魚を購入することができます。その際に、覚えておきたいワンフレーズがです。
キハーイラク?:
何時?
時間を聞きたい時に言います。
キークラニー?:
何をしているの?
誰かが何か興味深いことをしていたらと聞いてみましょう。きっと、何をしているのかを教えてくれるはずです。
キヒネビィー?:
どうしたの?なぜ?
なにか気にかかることがある時に使えます。
ディベヒ語で「ありがとう」や「ごめんなさい」
シュックリアー、ワラッ ボドゥ シュックリアー:
ありがとう、大いに感謝しています
マルハバー:
どういたしまして(返答)
アラビア語が語源として入っている事がうかがえる「ありがとう」と「どういたしまして」です。ちなみに、「マルハバー」は英語のWelcomeの意味になるので、リゾートなどに行くとウェルカムレターやベッドデコレーションに「マルハバー」と書いていることを見かける場合があります。
マーフクレー:
ごめんね
幼い頃からチヤホヤと育てられ、謝るという感覚があまりないのかこの言葉を実際に聞いたことがありません。唯一、この言葉を聞く機会があるのは電話をかけた相手の電話の電源が切れているなどして接続されない場合に聞けます。
日常で使うフレーズ
焦りは禁物だけど、ついつい言いたくなる言葉
アワスクレー、アワス アワス:
急いでちょうだい、早く 早く!
南の島の国らしくマイペースな人が多いです。少し急いでほしい、期限が迫っているものがある場合に多用します。
マドゥクレー、マドゥマドゥン:
待ってよ、まぁまぁ落ち着いて
逆に少し待ってほしい時や、落ち着いてほしい時に言います。
思わず連発してしまう言葉
マッサラ ネティ:
問題ないからね、大丈夫だから
何か聞かれて、問題なくこなせる時や相手を安心させたい時に使います。ただし、逆にこの言葉を使われて、面倒なことから逃げようとする人がいた場合はちゃんと問題解決するように話し合いをしましょう。
マッサラ ティベ、ボドゥ マッサラ ティベ:
大丈夫じゃないよ、大問題だよ
何か問題がある時に使います。また、何か問題が起こってしまった時に素知らぬ顔をして去ってしまおうとする人がいるので、その人にも問題解決をしてもらうためにもこの言葉で呼び止めましょう。
ネンゲェー:
知らない
エンゲー、エンギッチェ:
知っています、知っているよ
これらも便利な言葉。何か聞かれて一言「知っているよ」もしくは「知らないなぁ」と言えると話している相手も会話が続けやすいでしょう。
アーン:
はい
ヌーン:
いいえ
もっともシンプルな返事の仕方です。
太陽のことをディベヒ語では「イル」と言います。日本ではなかなかお目にかかれない美しいサンセットを見ることができます。
ティーブレイクの輪に混ざりましょう
ティーブレイクがないと仕事に身が入らなくなってしまうモルディブ人。ティーブレイクの時間を今か今かと待っています。そんな彼らの至福のひと時に機会があれば混ざってみましょう。
ヒィンガ サーボン:
お茶に行こうよ
お茶に誘ってくれていますので、手が空いていたらぜひ「ヒィンガ ダーン(行きましょう!)」と言ってティーブレイクに参加しましょう。
アーデ サーボン:
お茶しにおいで
ティーブレイクに混ざるように誘ってくれているので、手が空いていればぜひ「アハレン アンナニー(行くよ!)」と言って混ざりましょう。
コーチェ ベーヌン:
何が欲しい?
ローカルレストランでウェイターがこのように聞いてきます。
〇〇 ベーヌン、〇〇 ゲネスティ:
〇〇が欲しい、〇〇が欲しいです
注文を言う場合やお店で何かが欲しい場合などに使用します。「ゲネスティ」の方が丁寧な言い方になります。
ディベヒ語の挨拶や日常会話フレーズまとめ
ディベヒ語の発音は日本語の発音に近く、また、文法も日本語とほぼ同じなので日本人にとって親しみやすい言語と言えるでしょう。
もちろん、英語が通じるのでディベヒ語を話す機会は少ないかもしれませんが、何かの折にディベヒ語を使うとモルディブ人たちはよりフレンドリーで打ち解けやすくなります。
もし、ディベヒ語をもっと知りたければ、モルディブ人に「アハレン ディベヒ ダスクランベーヌン(私、ディベヒ語を習得したいんだけれど)」と言えば喜んで教えてくれるはずです。