北欧はバルト海に面した小さな国の一つ・ラトビア共和国。
よく、エストニア・ラトビア・リトアニア、とバルト三国というくくりで日本のTVでは紹介されたりします。
知名度は徐々に上がってきているものの、日本からは地理的にも遠く日本人にとっては未知数の国。
一体どんな国で、どんな生活をしてるの?何語はなしてるの?といった様々な質問を受けます。
そこで今回は、ラトビアで話されている言葉や役に立つ挨拶や日常会話フレーズを現地永住者から紹介します。
ラトビア語の基本知識
ラトビアでの公用語はラトビア語になります。
方言などもありますが、標準語として使用されているラトビア語(西ラトビア語)を全ての国民が話します。
ラトビア語も基本的には日本人になじみのあるアルファベットを使っています。
しかし発音のところで英語とは違い、より日本語のローマ字読みに近いところがあります。
例えば、aは”あ”、eは”え”、iは”い”と発音します。
しかしながら、”O”には”オゥ””ウァ”の二つの読み方があり、卵を意味する”ola”は”ウァラ”と発音したりします。
また英語のアルファベットとは違った特徴としては発音区別符号(区分符号)が使われているところです。
同じ字形の文字でもその符号がついているかついていないかで発音が違ってきます。
例えば、日本語の”が”は”か”に発音区別符号の濁点がついてKAではなくGAという発音に変わりますが、同じようにラトビア語ではāは”アー”と長音になり、ļは”リォ”とソフトな”リ”の発音(日本語にはない音)になります。
ラトビア語には英語で言うところの”Y/y”はありません。
代わりに”J/j”を使います。
例えば、Jelgavaという地名は”イェルガバ”もしくは”ヤルガバ”と発音され、jaは”や”juは”ゆ”、joは”よ”と発音されます。
また日本語と違った点としては、男性名詞と女性名詞があるところになります。
sが最期につく名詞は男性名詞、a/eが最期につく名詞は女性名詞になります。
例えば、木を意味するkoksは男性名詞、日を意味するdienaは女性名詞になります。同じ友人を意味する単語でもdraugsは男友達、dranzeneは女友達を意味します。
日本語と少し似ているところでは、ラトビア語では丁寧表現が意識的に主語から分けて使われているところです。
「あなた(二人称単数)」を意味するtuですが、これは良く知っている人や子どもに対して使います。しかしながら目上の人に対して話したり、丁寧な表現を用いる場合はjūsを使います。
例えば、Do you want ◯◯?と聞きたいとき非丁寧表現では”Vai tu gribi ◯◯?”となりますが、丁寧表現では”Vai jūs gribat ◯◯?”と主語が違い、また違う主語を使うので動詞も異なってきます。
アルファベット文字が使用されている点では、日本人にもなじみやすい言語ではありますが、区分符号や発音の違いなどは、ラトビア語のユニークな特徴が見えるところでもあります。
日常的に使う表現ラトビア語フレーズ
初めて行った場所では、いろいろの人との出会いがつきものです。
外国人が日本語で挨拶してくれたら日本人としては嬉しいのと同じように、ラトビア語がたとえ話せなくても、ちょっとした自己紹介をラトビア語で言えたら”オォ!”っと現地の人に思ってもらえ、シャイなラトビア人も胸襟を開いてくれます。それでは、ラトビアに行った時に知ってたら必ず役に立つフレーズをお伝えします。
はい
jā(ヤー)
いいえ
nē(ネー)
おそらく・もしかしたら
varbūt(バルブート)
わかりました・OKです
labi(ラビ)
すみません
Atvainojiet(アトバイノォイエト)
ありがとう/ありがとうございます。
Paldies/Liels paldies.(パルディエス/リエルス パルディエス)
どういたしまして。
Nav par ko.(ナゥ パル クァ)/Lūdzu.(ルーズ)
“どうもありがとう!”と地元の人に言ったらおそらく”Nav par ko.(ナゥ パル クァ)”と返ってくるかと思います。
これは”礼を言われるほどのことはしていないよ”と言った少し謙虚な意味になります。自分のしていることを矮小化して捉えられることもあるので”Lūdzu”をいつも使っていれば無難でしょう。
また”すみません”を意味する”Atvainojiet(アトバイノォイエト)”ですが、誰かに何かを尋ねたいときの”すみません”から、人にぶつかった時のごめんなさいを意味する”すみません”にも使えます。
“初めまして!”のとき
お名前は?
Kā tevi sauc?(カー テヴィ サウツ)
私は◯◯と言います。
Mani sauc ◯◯.(マニ サウツ ◯◯)
初めまして。
Prieks iepazīties(プリエクス イエパジーティエス)
日本から来ました。
Es esmu no Japānas. (エス エスム ノァ ヤパーナス)
誰かと会ったときのラトビア語の挨拶
こんにちは!
Labdien! (ラブディエン)/Sveiki!(スベィキ)/Čau!(チャオ)
上記三つは同じく”こんにちは”を意味するのですが、左からフォーマルな形式になります。
右端の”Čau”は顔見知りのすでに親しい間柄の人に使います。ですので、初めて会う人にはLabdienかSveikiが無難でしょう。
ごきげんいかがですか?
Kā iet?(カー イエト)
“Kā iet?”(カー イエト)は英語で言うところの”How are you?”になります。大体誰か顔なじみの人と会ったときには”Čau! Kā iet?”とセットで聞かれます。ですので、”Čau! Labi, paldies.”(チャオ!ラビ、パルディエス)”こんにちは!順調ですよ。ありがとう。”と返します。ここは英語での基本会話(”Hello, how are you?” “Hello! Fine, thank you.”)とまさに同じです。
おはようございます!
Labrīt!(ラブリート)
こんばんは!
Labvakar! (ラブヴァカール)
おやすみなさい!(男/女)
Ar labu nakti!(アル ラブ ナクティ)
バイバイ!
Atā!(アター)
またお目にかかります!
Uz redzēšanos!(ウズ レゼーシャヌゥアス)
では、(もうお目にかかることはないかと思いますが)さようなら
Visu labu(ヴィス ラブ)
バイバイを意味する”Atā!(アター)”は、大人でも友達同士の間で使われますが、カジュアルな形式です。子供同士などではよく使われます。フォーマル形式では、”Uz redzēšanos!(ウズ レゼーシャヌゥアス)”を使ったほうが無難でしょう。
“Visu labu(ヴィス ラブ)”の使い方ですが、道を尋ねた人などに”ありがとう。では。”と礼をのべて立ち去る時、”Paldies. Visu labu.”といった使い方をします。直訳すると”ごきげんよう”を意味しますが、再会することは無い関係に使われます。
お買い物の時のフレーズ
これはいくらですか?
Cik maksā?(チック マクサー?)
◯◯が欲しいです。
Es vēlos ◯◯.(エス ヴァルゥアス ◯◯)
ありがとう、でも結構です。
Nē, paldies.(ネー、パルディエス)
〇〇はおいしいです。/おいしくありません。
Man garšo 〇〇.(マン ガルシュオ 〇〇)/Man negaršo 〇〇.(マン ネガルシュオ 〇〇)
〇〇が好きです。/好みではありません。
Man patīk 〇〇.(マン パティーク 〇〇)/Man nepatīk 〇〇.(マン ネパティーク 〇〇)
おしまいに
日本にはラトビア人居住者もまだ少なく、ラトビア語教室があることも稀だと思いますが、日本語でのラトビア語学習教材は出版されていますし、
東京・大阪ではラトビア大使館などでラトビア語教室が開催されることもあります。
もし興味あれば是非足を運んでみてはいかがでしょうか。
駐日ラトビア共和国大使館:https://www.mfa.gov.lv/jp/japan/
関西日本ラトビア協会:http://www.jlsk-kansai.com/