ラトビアと聞いてどのへんにある国か、ピンとこない方もいるかもしれません。
ヨーロッパ北東に位置するバルト三国の一つ。
森と湖に囲まれた自然豊かな国です。
まだ日本ではあまり知られていない国ラトビアの人々がどんな生活をしているのか、のぞいてみませんか。
ラトビア歴約10年の現地在住者が、ラトビアでの生活の中で見つけた魅力をお伝えします。
魅力その1:豊かな自然
なんといってもラトビアに住む一番の魅力は、豊かな自然に癒やされることです。
ラトビアには、人間の手が入っていない自然がまだたくさん残っています。
ラトビアは小さい国。
そのため、豊かな自然が残る郊外にすぐにアクセスできます。
平日はリーガに住んで働き、週末や休暇は郊外のサマーハウスや別荘で過ごす人も多いです。
リーガから車で1時間ほど移動すると、ラトビアで最大のガウヤ国立公園に行くことが可能です。
公園にはスィグルダ・ツェーシス・バルミエラといった街が含まれています。
市内にはキャンプ場・アスレチック施設・遊歩道などが整備されており、自然を身近に快適に楽しむことができるでしょう。
また郊外の森や川岸を歩いて自然を満喫するのも人気があります。
リーガから車で20分の場所にある、ユールマラという海辺の街。
数kmにわたる海岸線は美しく、浜辺を散策するのがおすすめです。
魅力その2:危険が少ない
ラトビアは治安の面でも、自然災害の面でも危険が少ない点も魅力的です。
それぞれについてご説明します。
◆治安がよい
海外に住む際、気になるのは治安ではないでしょうか。
ヨーロッパでは、イギリス・フランス・ドイツなどでたびたびテロ事件が起きています。
しかしラトビアではテロ事件発生の危険は低く、治安も安定している所です。
もちろん他の国と同じように、都市部ではスリや窃盗といった軽犯罪に気をつけなければいけません。
しかし夜間に治安の悪い場所に近づかないといった最低限のことを守れば、普段の生活であまり心配はないでしょう。
◆自然災害が少ない
ラトビアは自然災害が少ない所です。
地震の心配は全くありません。
1年に1~2回嵐が発生することがありますが、日本でいう弱い台風くらいの規模です。
魅力その3:物価が安い
ラトビアの物価は年々上がっていますが、それでも日本に比べておおむね低く推移しています。
ヨーロッパの中でも物価は低めで、特に食べ物が安く、野菜や果物は日本の半分くらいの価格です。
品物 | 量 | 価格€(ユーロ) |
---|---|---|
牛乳 | 1L | 1€ |
豚肉 | 1㎏ | 4~7€ |
じゃがいも | 1㎏ | 0.2~0.5€ |
りんご | 1㎏ | 1~1.5€ |
ただし電化製品やガソリン価格は、日本と変わりません。
◆物価が安いことでのデメリット
物価が安いことにより、給料も安いことがデメリットです。
2020年のラトビアの平均月給は手取りで841€(10万円ちょっと)。
10万円あればラトビアで暮らしていけます。
しかしラトビアで余裕をもって暮らしていくには、次のように備えた方が良いです。
- 給料の高い金融系やIT系の職に就く
- 十分な資金を準備する
- 日本をベースとした収入をもつ
魅力その4:教育費が安い
教育費の面でも日本より安く済むので、留学や、お子さんのことを考えると魅力的でしょう。
◆12年生まで学費は無料
幼稚園から12年生(日本の高校3年生相当)まで、公立学校では学費は無料になっています。
そのうち義務教育期間は、日本と同じく1年生から9年生(日本の中学3年生相当)までです。
日本の塾のようなものはなく、家庭教師に教えてもらって勉強する子どもは少ないながらいます。
◆大学の学費
大学の学費は無料ではありませんが、日本より安いです。
国立大学の場合、平均的な学費は2,000~5,000€/年(多くが3年制か4年制、学部によって学費は異なる)ほど。
英語で受講できるプログラムも多数あり、留学生として英語のみで卒業することもできます。
魅力その5:食べ物が日本人の口に合う
海外生活をする際に、食べ物で苦労しないというのは魅力的です。
◆マイルドな味
ラトビアはじゃがいもが主食の国です。
おいしいじゃがいもが安く手に入ります。
また乳製品の種類がかなり多く、安くておいしいです。
ラトビア料理に忘れてならないのが、いろいろな料理に入っているサワークリームとディル。
全体的に味付けはマイルドでくせがなく、日本人の口によく合います。
上記の画像はベイクドポテト、豚肉のピカタ、きゅうりとラディッシュのサラダ。
もちろんサワークリームとディルが使われています。
日本ではあまり見かけないライ麦パンもよく食べられるものです。
ライ麦パンを一度好きになると、もうなくてはならないモノに。
◆日本食材が手に入る
海外で暮らしていると、日本の味も恋しくなります。
そんなときは、大きなスーパーマーケットでしょうゆ、味噌、豆腐、焼きのりなどの日本食材を買えるので便利です。
ラトビアでも年々「スシ」人気が高まっているせいか、総菜コーナーにスシが並べられているのをよく目にします。
魅力その6:多言語の環境
英語から入って、多くの言語に触れられる点も魅力の一つです。
◆英語はどのくらい通じるか
都市中心部ではある程度英語も通じます。
特に若い世代は流暢に英語を話し、言葉で困っていると助けてくれることが多いです。
ラトビアの公用語はラトビア語。
歴史的な背景から40代半ばあたりを境目に、それより若い世代は英語、上の世代はロシア語を話します。
また人口の30%はロシア人のため、ロシア語の会話もよく耳にする環境です。
◆住むならラトビア語の勉強を
ラトビアに住むならもちろん、ラトビア語の勉強をした方が良いです。
永住権を申請するには、簡単ですがラトビア語の試験をパスしなければなりません。
そして何よりも、ラトビア語を話すと「こんなマイナーな言語を日本人が話すなんて」と、相手にとても喜んでもらえます。
魅力その7:思ったより悪くない医療事情
海外に暮らして心配なのが、病気やけがをしたときの医療事情だと思います。
基本的にプライベートのクリニックには、最新の医療レベルと設備があり、あまり心配はありません。
またプライベートのクリニックは、英語で対応してくれる医師も多く在籍しています。
公立の病院は診察や検査を予約しても数週間後や数か月待ちだったりしますが、プライベートのクリニックへいけば、すぐに診察・検査してもらえるので安心です。
プライベートのクリニックはもちろんお金がかかります。
しかし、健康保険に入っていれば全額払い戻しされる場合も多いです。
保険に入ってなくても、常識的な支払額なので心配ありません。
歯医者に関しても、少なくともプライベートクリニックでは良質のサービスが受けられます。
魅力その8:ワークライフバランス
ラトビア人は、まず家族の時間をとても大切にします。
1日の就業時間は8時間です。
多くの人が終業時刻には職場を後にします。
多少残業をする場合もありますが、日本のように夜遅くまで会社に残ってやることはありません。
またヨーロッパの多くの国と同じように、長期休暇(有給休暇は4週間)をしっかりとれます。
オンとオフをしっかり切り替えられるので、ストレスは少ないです。
魅力その9:芸術が身近
「バルトの真珠」と呼ばれるリーガの旧市街は、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。
「街自体が芸術」の美しい街です。
旧市街の路地にはアートギャラリーが多くあり、気軽に作品を観てまわれます。
国立オペラ座では、日本と比べてかなり安い値段でオペラやバレエを観ることができるのです。
老若男女を問わず、音楽や踊りが身近にあります。
合唱団に入って歌う人、楽器を習う人、民族舞踊のグループに所属して踊る人など、さまざまです。
魅力その10:穏やかな国民性
ラトビア人はシャイで控えめ、穏やかな人が多いです。
美男美女が多く、見た目がクール。
さらに見知らぬ人にはあまり感情を表に出さないため、最初は壁を感じるかもしれません。
しかし打ち解けるとその壁もなくなります。
一度仲良くなれば、その関係は長く続くことが多いです。
ラトビア人は日本人に対して好印象をもっています。
ラトビア人の勤勉で控えめな国民性は、日本人と似ており居心地がいいです。
ラトビア生活の魅力まとめ
ラトビアの暮らし10の魅力はいかがでしたか。
ラトビアは近年日本からの旅行者が増えており、旅の情報もいろいろ見つけられるようになりました。
しかしラトビア移住に関する情報は少なく、移住となると尻込みしてしまうかもしれません。
ですがラトビアは、時間に追われ過ぎない、ゆったりとした生活ができる環境です。
特に素朴な自然を身近に感じて暮らしたい方に、ラトビア移住をおすすめします。