ルクセンブルク人はどんな人々なのか?
- ルクセンブルクに暮らす日本人である筆者から見て感じること
- 実際にルクセンブルク人にインタビューした、彼らが自国民自身に感じること
- ルクセンブルクでの恋愛観や結婚観
の視点順に、ルクセンブルク人の性格や特徴などについて現地在住者がまとめました。
筆者が感じるルクセンブルク人の性格や特徴
まず、ルクセンブルクで生活していて思うのは、人々の多様性に関して寛容な人が多いということです。
国内の約半分が非ルクセンブルク人という特徴を持つこの国では、様々な国籍を持つ人を受け入れる体制や国民の意識が備わっています。
異なる言語や人種・文化に対して寛大であったり、興味を示して取り入れようとしてくれたり、共生の精神に長けていると思います。他のヨーロッパ諸国と比べても、アジア人への偏見が少ないように感じます。そのため、とても住みやすい国です。
他には、ルクセンブルク人は自分の人生をとても楽しんでいるように見えます。
ルクセンブルクに限らずヨーロッパの生活スタイルなのだと思いますが、自分の好きなことを突き詰めて、早くキャリアを形成することにこだわりを持たないようです。
昼間は勉強や仕事をして、早めに帰ってきて友達や家族と過ごす。
休日もカフェやバーで過ごしたり、天気がいい日は公園に行ったり。日本人は生き急いでいるよね、とはよく言われます。
日本でモデルプランとされているような4年で大学を出てすぐ就職をする、といったものは存在せず、30歳を超えても学生でいる人や仕事をせずに世界中を旅している人など多様です。
ルクセンブルク人が自国民をどう感じているのか?
ルクセンブルク人の友達数名にインタビューをしてきました。
8個にまとめてくれたのでそれを紹介します。
①自分の人生を楽しむことが好き。特に食べることや飲むこと。
前の項目でも書いたように、ルクセンブルク人は本当に自分の人生を楽しんでいます。
美食の国と呼ばれていたり、美味しいビールやワインがあったり、ルクセンブルクの人はそれらを満喫しながら時間を過ごします。
それぞれに行きつけのカフェやレストラン・バーなどがあり、多くの時間をそれらの場所で過ごすようです。
家以外に自分がリラックスできるお気に入りの場所があることは、QOL(quality of life)をあげるためにも大切なことなのかなと感じます。
②議論をすることが好き。
これは大変共感できました。
自分以外が全員ルクセンブルク人のグループとプレゼンテーションを行ったことがあるのですが、一向に内容が決まらず何度も準備に集まった記憶があります。
ドイツ人・オーストリア人と組んだ時は、日本人同士とやる時よりはそれぞれが意見を発して議論をしたのですが、ルクセンブルク人の時と比べると妥協し合いながら進められました。
自分の意見を持っている、というのは後の項目でも紹介しますが、何かに対して徹底的に議論する、というのはルクセンブルク人の特徴です。
③自分たちの習慣を変えるのに時間がかかる。
これは初耳でした。でも「ルクセンブルク人は保守的だ」というのは聞いたことがあったので、それと似ていることだと思います。
④言語の壁がある人に対しても、話しかけて必ず受け入れようとする。
ルクセンブルク自体に公用語が3つありますし、人口の約半数が外国人ということで、国内ではいろんな言語が飛び交います。
それゆえ、異なる言語に対する壁も低いようです。
私は、生活のほとんどは英語で生活していますが、英語があまり話せない人でも頑張って話しかけようとしてくれたり、いろんな言語とジェスチャーを使ってコミュニケーションをはかってそれを楽しもうとしてくれたりします。
⑤それがたとえどんなに小さなことでも、不満を言うことが大好き。
人々の多様性には寛容なルクセンブルク人でも、すべてのことに寛容であるわけではなさそうです。
よく見かけるのは、バスのなかです。
運転手の運転があらかったり、少しうるさかった乗客がいたり、そのような場合には他の乗客に怒られてしまっています。
何か不満を感じたら、すぐ口に出してしまうようです。
なかなか不満を言えない日本人とは大違いですね。。
⑥自国以外にホームと呼べるような大好きな国がある。
ヨーロッパの真ん中にあるルクセンブルクではいろんな国に行きやすいということもあり、国民はこのような考えがあるみたいです。
とても小さい国なので、ずっとルクセンブルクにとどまるということができないのかもしれません。
長期休暇になると、ルクセンブルク人はそれぞれいろんな国にバカンスに出かけます。いろんな国に行っている人もいれば、毎年同じ国で数週間過ごす人もいます。
日本が大好きなルクセンブルク人もたくさんいます。
私の友人には、日本に行くことをモチベーションに仕事をして年に2回ほど訪れている人もいます。
⑦とても近しい友達は家族の一部。家族ぐるみの交流も多い。
近しい友達や恋人とは家族間の交流が盛んにおこなわれています。
食事をすることはもちろん、出かけたり旅行に行ったり、一つの大きな家族のように過ごしているのが印象的でした。
⑧好きなものも嫌いなものも、必ず自分の意見を言う。
②でも書いたのですが、自分の意見をしっかり持ちそれを相手に伝えようとします。
世界的に、日本人は自分の意見を持たない・主張しないといわれていますが本当にその通りで、自分の専門分野や時事問題から日常な出来事まで、ルクセンブルクの人は自分の確固たる考えを持っています。
その意見をそれぞれが出し合い議論が行われるのですが、話題によってはその議論は何時間にも及ぶことも。
何かを決めるにあたっても、個人の意見をまずは伝えて、それでもって決定する。必要によっては時間をかけて話し合いをする、といった感じで進んでいきます。
ルクセンブルク人の恋愛、結婚観
ルクセンブルク人のカップルは日本と比べると長い年月交際しているイメージがあります。
私の周りには3年以上交際が続いているカップルがほとんどで、6年以上一緒にいるという人も多くいます。
また、そのカップルというのは男女とは限らず、男同士・女同士のカップルに関しても日本以上に受け入れは進んでいます。
カップルは家族同士でも仲が良く、彼氏・彼女の友達とも仲良くしている印象があります。
これは長い期間付き合っているからこそのものだと感じます。日本よりも付き合いがオープンにできることも違いです。
ルクセンブルクでの結婚は、お互いがどのようにこれから生きていきたいかを自分たちで決める、という概念が基本としてあります。
昔は、男性は必ず女性の両親に結婚してもいいかを尋ねる必要があったそうなのですが、現在では自分たちで決めてよい、という考えのもと、親を挟まない結婚や結婚はせずに生涯のパートナーとする、といった方法があるそうです。
今日では離婚が大きな問題となっているので、昔は2-3年の交際の後、結婚していましたが、さらに長い期間の交際を経てから結婚する場合が多いそうです。
しかしそれでも、結婚したカップルの約半数は離婚に終わってしまうと言われています。
ルクセンブルク人の特徴まとめ
ルクセンブルク人にインタビューをしてみたら、次々と面白い特徴を聞くことができました。
いくつかは、筆者自身ルクセンブルク人と接していて納得するものでもありました。
日本人とは真逆のような性格・特徴も多かったので、楽しんでいただけたら幸いです。