ラオス人との国際結婚というケースはあまり多くないですが、穏やかで控え目な性格のラオスの人たちは、私たち日本人と相性がいいように思います。
国民のほとんどが仏教徒という点でも、共通の価値観を作りやすいでしょう。
一方で国際結婚では、当然ですが文化の違いで戸惑うこともあります。
ラオス人の恋愛・結婚に対する価値観などを知っておくことが大切です。
愛情表現などの文化
1.日常での愛情表現
ラオスでは、公共の場で「キス」や「ハグ」などのスキンシップをあまり見かけることはありません。
愛情とは違いますが、「大笑い」したり「怒鳴ったり」と感情を表に出している人も、ほとんどいません。
日本人に似ていて愛情・感情をあまり表に出さないようです。
お店などでも、スタッフが積極的に話しかけてくるといったことはありません。
一定の距離感で控え目な対応をしてくれます。
2.相手を思いやる文化
「思いやり」を大切にするラオス人の性格をよく表している言葉があります。
「ボーペンニャン」です。
日本語で「問題ないよ」「大丈夫だよ」「気にしないで」という意味の言葉です。
愛情表現の場でも、良く使用されているようです。
積極的に愛情をアピールするのではなく、相手を気遣う心を持つということのようです。
3.独特なお見合い(一例)
ある部族では、控え目な性格のラオス人ならではの伝統的な「お見合いイベント」が開催されています。
民族衣装で着飾った若者が、男女に分かれて横一列に並び、キャッチボールをして相性を確かめ合うお祭りです。
気に入った人とキャッチボールしながら会話を楽しむというルールですが、このキャッチボールが永く続けば続くほど相性が良い2人ということになります。
そのあとで、恋愛に進むかどうかは本人次第ということです。
パートナーに対する魅力ポイント
ラオスの人たちはどんな男性・女性が好みなんでしょう。
また、お付き合いをしている人と結婚を考える際に、どんなポイントが重要なのでしょうか。
男女別で見ていきましょう。
女性の魅力ポイント
色白の女性が好まれる傾向にあります。
体型はスレンダーよりもポッチャリの方が好まれるようです。
ストレートのロングヘアも女性の魅力とされています。
ラオスの人たちの間では、まだ女性は家庭に入るといった考え方が残っていますので、男性は「家事」「子育て」を任せられる女性を結婚相手と考えています。
男性の魅力ポイント
男性も色白の方が良いとされています。
マッチョながっちり体型よりは、細身の体型の男性が好まれます。
ラオスの男性の髪型は、みんなほぼ同じでショートカットです。
女性から一番重要とされるポイントが、男性の経済力。
好きな人からどれくらいお金をかけてもらっているかも、相手からの愛情を感じるバロメーターとなっているようです。
さらに結婚してからの生活力という面でも経済力は重要となります。
男性が女性に、家庭に入ることを期待するように、女性は男性に安定した生活を期待しているのです。
ラオスの女性が日本人や中国人を選ぶ場合は、この「経済力」も大きなポイントとなっているようです。
恋愛観や結婚観、浮気について
ラオスでも恋愛・結婚の価値観は人それぞれに違うものですが、一般的にどんなポイントを大切にしているんでしょうか。
文化や生活スタイルから見ていきます。
恋愛について
ラオスでは結婚する平均年齢は女性が18歳で男性が20歳くらいと言われています。
若いうちに結婚を決める人が多いので、恋愛を楽しむ期間が短くなります。
未婚の男女が同棲するということは良くない事とされている国ですので、「恋愛」=「結婚」という感じです。
結婚について
結婚については、部族によっても考え方が違います。
日本では「長男が家を継ぐ」というような考え方もありますが
ラオスでは「末娘」や「末息子」が家を継ぐという部族があります。
ラオスでの結婚は、個人同士というより家族同士の繋がりですので、家系を継ぐか、そうでないかは大きな問題です。
浮気について
ラオスで暮らす多くの部族のなかには一夫多妻制の部族もありますが、
大半の人は日本と同じで、一人の人と結婚します。
「浮気」に対してどんな考え方なんでしょうか。
恋愛関係のときに、ラオス人は浮気しがちということをよく聞きますが、確かに婚活と恋愛を一緒にしているようなものですからそうなってしまうことも分かります。
複数の人とお付き合いがあるということを、オープンに話す人もいるようです。
しかし結婚生活を送る上での男女共通の絶対条件は「浮気をしない」ことです。
当たり前のことですが、ラオスでも一番重要とされています。
日本人と結婚したラオスの女性の話ですが、「ラオスの男性は、すぐ浮気をするからいやだ」と言っていました。
日本人は「誠実でまじめ」というイメージだから安心なんだそうです。
ラオス人と国際結婚するにあたって
ラオスで国際結婚する際は、ラオス国内の「しきたり」や「手続き」を知っておく必要があります。
「しきたり」は部族によって大きく違いますが、一例として紹介します。
婚約
ラオス人女性と結婚する場合は、女性側の両親へ挨拶に行きます。
そして男性側は「お金」や「ゴールド・シルバー」などを送る習慣があります。
特に金額などの取り決めはありませんが、相手側との話し合いとなるそうです。
結婚式
ラオスでの結婚式は「宗教上の儀式」として執り行われます。
「バーシースークアン」と呼ばれていて、結婚以外でも「正月」「出産」「葬式」などで行われる儀式です。
二部構成となっていて、最初に「儀式」が行われ、次に「パーティー」が開かれます。
日本でいう「結婚式」そして「披露宴」といった感じです。
かなり遠い関係の人へも招待状を出すので、大人数が集まります。
中には2000人くらいのパーティーになる場合もあるそうです。
行政手続き
ラオスの人と日本人が結婚する場合は、かなりの書類を準備する必要があります。
ラオスと日本の政府へ申請する書類は10種類以上となります。
その中に「ラオスでの結婚申請書・履歴書」があります。
これに関しては、決まったフォーマットはありませんが、「結婚します」といった趣旨をラオス語で記載します。
履歴書には自分の職業や収入などに加え、結婚相手との「なり染め」について記載する必要があります。
「知り合った場所」や「どうして結婚したいのか」「どういう所が好きなのか」など事細かに記載します。
この履歴書を元に、町役場で面接を受けることとなります。
申請が受理された後、承認までは数か月から1年間ほどかかる場合があります。
ラオスでは、どんな申請でも時間がかかってしまいますが、特に国際結婚の場合は、時間がかかるそうです。
国際結婚による犯罪について
近年ラオスでは国際結婚を装った犯罪が増えています。
農村地域の少女が隣国の男性と結婚して、国外へ連れ去られるのです。
そして、その国で強制労働させられるなどの被害にあうのです。
低所得地域で暮らす人たちにとって、外国の高収入な男性と結婚することは、家族・親戚の幸せに繋がると考えています。
そんな気持ちを利用した犯罪なんです。
このような偽装結婚を防止するために、厳しい審査が必要になるんです。
政府の女性問題への取り組み
ラオス政府は近年、女性の地位向上を目的とした団体を作るなど、女性問題の改善に取り組んでいます。
やはり「女性は結婚して家庭に入る」という考え方や一部の部族に残っている「一夫多妻制」の問題点を改善する必要があるのでしょう。
部族の伝統や生活スタイルの転換が必要になりますが重要な取り組みです。
まとめ
「結婚は2人の気持ちが大切」というのは当然ですが、国によっては、家族もしくは一族との間の結縁関係となることもあります。
ラオスは特に「人とのつながり」を大切にする国ですので、結婚相手の親戚の人たちなどで、たくさんの家族が増えることになるでしょう。
それもまた、「幸せ」ということです。