ラオスという国は、民族モザイク国家とも言われ、多くの少数民族が暮らす国です。
生活スタイルや文化も大きく違います。
今回は、首都ビエンチャン近郊に多い民族「ラーオ族」を中心に、ラオス人の基本的な特徴や性格をお伝えします。
ラオス人の外見
ラオス人の最初の印象は、太った人が少ないということです。
さらに高身長の人も少なく感じます。
カラダの線が細くて、スラっとした感じです。
やはりアジアの人たちですので、日本人と似た顔つきをしています。
控え目であったり、丁寧な対応してくれるなど、仕草や振る舞いも日本人と共通しています。
そのため、日本人が違和感を抱くことなく暮らせる国です。
ラオス人の考え方が分かるフレーズ
時間の流れがゆっくりに感じるほど、のんびりと暮らしています。
仕事をする上では、日本人にとって歯がゆい部分ではあります。
計画的に物事を進めるなどといった、いわゆる日本で言う「段取り」はちょっと苦手なようです。
そんなラオスの人の考え方を象徴する二つの言葉があります。
二つとも日常でよく使用されています。
ボーペンニャン
「大丈夫です」「問題ありません」などの意味を持った言葉です。
この言葉は「ケセラセラ」のニュアンスに似ていて
「なんとかなるよ」「気にしないで」の意味合いも持っています。
前向きで、細かいことは気にしないラオスの人から生まれた言葉なんです。
自然と共に生きているとこういった気持ちになれるんでしょう。
チャックノーイ
「少し」とか「すぐに」という意味の言葉ですが、「もうちょっと」と言うときにも使われます。
のんびりとした時間の流れで暮らすラオスの人にとって、「もうちょっと」が「ちょっと」でないケースが多々あります。
日本人にすると「あと一歩なのに」というネガティブな理解になりがちですが、そこは、ラオスの人の時間に合わせましょう。
ラオス人の恋愛と結婚観
ガールフレンド・ボーイフレンド
ラオスでは基本的に、「未婚の男女は一夜を共にしてはダメ」というのが常識となっています。
しかし普通に、街中では学生のカップルをよく見ますので、恋愛に対して厳しいわけではないようです。
二人っきりというよりは、グループでの行動をよく見かけます。
ちなみに、ラオスではポッチャリの女性が美人なんだそうです。
結婚について
女性の中には、日本人や中国人など外国人との結婚を望む人もいます。
それは、「家族へ仕送りするために外国へ出稼ぎに行きたいから」といった理由の場合もあります。
首都ビエンチャン近郊にはラーオ族の人が多く暮らしていますが、ラーオ族は一般的に末娘が家を継ぐそうです。
それが理由なのかは分かりませんが、カップルを見ていると、男子より女子のほうが強いように感じます。
にぎやか好きのラオス人
ラオスの人は、普段は遠慮がちで物静かなイメージですが、とても「にぎやかな事」が好きな人たちです。
3種類のお正月
なんとラオスの人は、3回のお正月を祝うんです。
- 1つ目が、日本と同じ「1月1日」
- 2つ目が、中国の旧正月 「1月下旬から2月上旬」
- 3つ目が、ラオスの仏暦正月 「4月中旬」
やはり一番盛大に祝うのはラオスの正月です。
隣国タイでも有名な「水かけ祭り」が開催されます。
街中が大騒ぎになるほどのお祭りです。
このラオス正月の前に来る2つの正月も街がデコレーションされるなど祝賀ムードとなり、人々は新年の挨拶を口にします。
ラオスの人は、お祝い事がとても好きなんです。
仕事終わりに
お正月ほどの大げさな話ではないですが、仕事終わりに、屋台で飲んでいる人をよく見かけます。
明るさが残る夕方に、楽しそうに過ごしています。
のんびりとした時間の中で、穏やかに暮らすラオスの人が感じ取れます。
ラオスの習慣。タブーな事・そうでない事
おおらかな性格の人々が住むラオスでも、気を付けておかなければいけないことがあります。
日常会話にて
ラオスが日本と大きく違うのは社会主義国家ということです。
普通に生活しているときは、この違いをあまり実感しませんが、行政手続きなどの場合は、全て許可制であることなど違いを感じます。
ラオスの人たちは、このような日本とは違う政治体制で暮らしていますので、日常会話で、あまり「政治批判」を口にしません。
日本のように「政治や政党に対する自由な意見」がタブー扱いされている現状があります。
このことも、ラオスの人を理解する上で重要な事になります。
仏教徒ならでは
ラオスの人は、日本人以上に信仰深い仏教徒です。
そんなラオスでは、「身体に精霊が宿る」という教えがあります。
スキンシップでのボディータッチなどは、あまり好まれません。
特に頭を撫でる行為は、失礼になります。
例えば、学校の先生が生徒に「よくできました」のジェスチャーで、頭を撫でてあげることも失礼な事となります。
他にも、大切な事があります。
民家や寺院などに入るときは、履物を脱ぐという事です。
この礼儀は日本人と共通しています。
過去の内戦について
ラオスでは1975年まで内戦状態となっていました。
その際に、ラオス国内のゲリラ部隊となったモン族の人たちがいました。
モン族の人たちへの偏見などは全くありませんが、現在も反政府勢力があることを知っておくことが大切です。
その為、日本政府により危険レベル2に指定されている地域が一部あります。
トランスジェンダーの人たち
ラオスにもトランスジェンダーの方たちがいます。
国によっては、それについて語ることすらタブーとされていますが、ラオスではきちんと世の中に受け入れられています。
ラオスの人たちの寛容な性格を表しています。
教育熱心なラオス人
政府によって教育制度が整備されており、公立学校であれば、小学生から高校卒業まで12年間の授業料は無料となっています。
近年では教育に対する意識も変化してきており、都市部では、教育のブランド化も進んでいるくらいです。
さまざまなインターナショナルスクールや塾が存在します。
教育を重要視するラオスの人々の勤勉さが感じられます。
多言語と異文化の暮らし
ラオスは多くの民族が暮らしている国ですので、多くの言語が存在しています。
共通語となっている「ラオ語」が喋れないラオス人もいるくらいです。
近年、この問題を解決しようと地方にラオ語の先生が派遣されています。
ラオスという国を、より団結させる働きです。
それぞれの文化・言語を融合させる政府の働きは
多様性についての理解が深いラオス人によって加速していくでしょう。
「ことわざ」から見るラオス人
ラオスの「ことわざ」からも人々の性格が見えてきます。
雨上がりの空 病気の後の人 ຟ້າຫຼັງຟົນ ຄົນຫຼັງປ່ວຍ
日本で言う「止まない雨はない」といったところでしょう。
「雨上がりの空のように、病気が治れば清々しい気分になれる」とか
「雨はいつか上がって晴天になる 病気もいつか治って元気になる」
などの意味が含まれています。
きっと、ラオス人の前向きな「どうにかなる精神」なんでしょう。
悪い人は何処にも逃げられない ຄົນບໍ່ດີໜີໄບໃສກໍ່ບໍ່ພົ້ນ
日本では類似することわざが見つかりません。
まじめな仏教徒であるラオス人の「悪い人になるな」という強い戒めのように感じます。
まとめ
総合的に見ると、ラオスの人たちは真面目です。
のんびりと自分たちのペースで暮らしています。
「時間にルーズ」とか「約束を守らない」などと言う人もいます。
しかし、日本人がきっちりしすぎてると思えば気になりません。
共通点も多い日本人にとっては、ラオス人は親しみやすい人たちです。