ラオスは東南アジアで最貧国と言われている国です。
国内には、多くの部族が暮らしており、自然と共に農業・狩猟などで生計を立てている部族もあります。
しかし、都市部では日本と同じように仕事を持ち暮らしている人がほとんどです。
地方の人たちも都市部へ出稼ぎにやってきます。
そんなラオスの職業事情についてお話します。
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ラオスの仕事観
まずラオスの人たちは、どんな仕事観を持っているのでしょうか。
それは、私たち日本人とは大きく違います。
「生きること」と「仕事」が必ずしも直結していないのです。
地方の人たちの中には、自給自足的な生活を中心とし、仕事で得られる収入は副収入的なものという人もいます。
家電やバイクなど何かを購入するという目的で仕事をしますので、こういう人たちが仕事を選ぶときは「やりがい」を重視しません。
「やりがいはあるが低収入」よりも「やりがいはないが高収入」を選ぶ傾向にあります。
そして、短期間だけ働くというスタイルの人が多いことも事実です。
ラオスの人と仕事をする日本人にとっては、「ラオスの人は責任感がない」などの意見がありますが、そもそも「仕事に対する考え方」が違うんです。
ラオスでの平均年収は2000USDほど
ラオスの人たちはどれくらいの年収で暮らしているんでしょうか。
一世帯の平均年収は2000USDくらいと言われています。
ボーナスというものもありませんし、やはり低めの所得です。
しかし、これはデーター上ですので、地方の低所得地域と都市部では大きく差があります。
都市部で暮らす人たちは年収5000USDくらいと思われます。
この年収は、ラオスでの物価状況からすると貧困という訳ではありません。
実際、レストランで食事をしても一食2USDくらいで済むお店がたくさんあります。
しかし都市部では、高級車や豪邸などを所有する富裕層の人たちもたくさんいますので、貧富の差が激しいことが分かります。
こういった人たち向けのサービスはやはり高価なものとなっています。
この貧富の差が犯罪を誘発しているという問題も生まれています。
ラオスで人気のある仕事
出稼ぎ労働者
ラオスで高収入な職業といえば、日本をはじめ中国などの外資系企業での会社員です。
しかし、言語や専門技術など、就職するにはハードルが少し高めです。
こういった会社に雇われなくても海外で仕事が出来るのが 「出稼ぎ労働者」です。
多くのラオス人は国内の人材派遣会社を通じて、賃金が良いタイなどの隣国へ出稼ぎに行っています。
もちろん、ラオス国内でも最低賃金というものはありますが、 月額125USD程度でかなり低い金額です。
「出稼ぎ」はラオスで働くよりも賃金が良く、短期間でお金を貯めるには最適な方法なんです。
家族への仕送りを目的としている人たちもいます。
ラオス国内では仕事不足という問題もありますので
人気の職業というよりは、必然的にこういった仕事を選ぶことになります。
出稼ぎに行く国の中で一番人気なのが隣国のタイです。
タイはラオスと言語が似ていることもあり、多くのラオス人が働いています。
ラオスの人口はおよそ730万人で、タイへの出稼ぎ労働者は30万人とも言われます。
国の外貨獲得の重要な手段のひとつにもなっているのです。
手に職の技術職
仕事が少ないラオス国内ですが、やはり手に職を持つことは重要とされており、いろんな専門学校があります。
実際に街中で活躍している技術職の人たちは、以下のような職業です。
・歯科医
都市部では、街のあらゆるところに存在しており、かなり小さい規模で経営されている医院が多く見られます。
しかし、地方では慢性的な歯科医不足となっているため、育成に力を入れているようです。
医療学校や看護師学校などで教育を受けています。
・美容室・スパ・散髪屋
中小規模で経営されており、通りではたくさんの「スパ」「マッサージ」の看板が目に付きます。
散髪屋に関しては、通りに面した屋外で営業している店もあります。
かなり手軽に始められるビジネスなのかも知れません。
美容・理容に関する知識は、海外からの支援で作られた職業訓練学校などで学ぶことが出来ます。
海外で学ぶ人もいるようです。
・自動車・バイク整備士
ラオスでは日本・韓国・中国の自動車がたくさん走っています。
自動車よりもさらに多いのがバイクです。
そのため、自動車修理店とバイク修理店がたくさんあります。
バイク修理店は、日本で見るような修理工場ではなく
通りに面した屋外で修理している店などもあります。
自動車修理店は、日本・韓国・中国などの外資系ディーラーに併設された工場があり
バイク修理よりも大きい規模で経営されています。
修理技術の取得は、企業による教育か独学によるものが多いそうです。
語学を活かした仕事
ラオスの都市部ではかなり教育に力を入れており、語学に関しても、英語・フランス語・日本語・中国語などが学べます。
最近では、韓国語が学べる学校もあります。
一番人気は中国語です。
理由のひとつは、就職です。
ラオスには多くの中国企業が進出しており、それらの企業へ就職するのに有利になるからです。
その他の国の言語でも、旅行会社やホテルなどの観光業への就職に有利になります。
これらの業種は、外資系の企業が多いという点も魅力です。
民間企業への就職を目的としないケースもあります。
それが、国際機関への就職です。
日本語を習得したラオスの人たちの中には、ラオスを支援する日本政府の機関で働いている人もいます。
このように、それぞれの国の政府機関が活躍の場となります。
これらに共通するのは、雇用主が外国ということです。
ラオスの政府や企業への就職に比べて、収入が良いという魅力もあります。
語学を活かした仕事は、ラオスで就職をしたい日本人にも有利です。
「日本語補習授業校での教員」という仕事があります。
ラオスで生活する日本人の児童・生徒のための学校です。
しかし、この団体はラオス日本人会によって設立されていますので、雇用主が日本政府という訳ではありません。
若者に人気の職業
日本ではIT企業やユーチューバーなどが人気ですが、ラオスではどんな職業が人気なんでしょうか。
近年、若者に人気となっている職業が「軍隊・警官・警備員」だそうです。
若い正義感やエネルギーが必要とされる職業ですから、希望者が多いことは、いいことだと思います。
・軍隊・警官
やはり安定した公務員が人気です。
国防学校や警察学校で教育・訓練を受けることが出来ます。
ラオスでは民間企業の就職先がまだまだ少ないということもあり、確実に仕事を得られるという点も魅力なのでしょう。
・警備員
確かに、都市部での各国大使館・高級ホテル・外国人向けのアパートには、必ず警備員が配置されていますので、需要が多い仕事です。
警備業に関しては、最近になって外国人参入の条件が緩和されましたので、外資系企業の参入が期待される業種でもあります。
お坊さん(番外編)
職業とは呼べませんが、ラオスには若いお坊さんがたくさんいます。
仏教国ですので多くのお寺が各地にあります。
お寺では、教育を受けさせてもらうことも出来るため、低所得地域では、子供を出家させる家庭が多いようです。
そのまま、お坊さんとなる人もいますが、その後、社会に出て仕事を持つ人もいます。
日本人が仕事をするなら?
日本人がラオス企業に雇われているケースはほとんどありません。
国内の雇用に関しては、外国人よりラオス人が優先されているからです。
運よくラオスでの就職先があったとしても、日本人が暮らすには防犯の面からみて、
ある程度警備の整った住居が必要と思われますので、ラオス基準の収入でこのようなアパートの家賃を支払うのは難しいでしょう。
現在、ラオスで暮らしている日本人の仕事状況は、政府関係やNGOなどの仕事を除くと、主に自営業です。
日本の企業に雇用されていて勤務先がラオスというケースもあります。
やはり、自営業で一番多い業種は飲食店の経営です。
ラオスには「寿司」「ラーメン」「居酒屋」など、日本食レストランがたくさんあります。
中には、ラム酒をつくっている日本人の方もいます。
しかし、ラオスは所得が低い国ですので、こういったビジネスは富裕層や外国人をターゲットとしたものになります。
よって飲食業でありながら、観光に頼る部分も大きいです。
観光客が少なくなってしまった時期には、日本に帰って仕事をする「出稼ぎ」状態になることもあるそうです。
一方で、ラオス人は日本人に対してかなり好意的ですので、日本の文化を活かしたビジネスには、まだまだ成長の余地があるように思います。
まとめ
ラオスは発展途上の国ですので、日本のような就職・生活は難しいかも知れません。
しかし、これからの国だからこその可能性も秘めています。
新たなビジネスに挑戦する人や、新しい生活スタイルを求めている人にとっては、魅力がいっぱいの国です。
自分の可能性が、ラオスの可能性といっしょに広がっていくことが期待できるでしょう。