もしアイルランドで結婚式に招待されたら、
- 結婚式はどんな感じ?
- 何を着て行けばいいの?
- ご祝儀はいくらくらい?
などなど、わからないことだらけです。
結婚式やお葬式は、国や宗教が変わるとしきたりやマナーも全然違います。
アイルランドはカトリックの国なので、結婚式やお葬式もカトリック様式が主流です。
今回は、アイルランドの一般的な結婚式とお葬式で着て行く服装やマナーをご紹介します。
アイルランドの結婚式は2種類
日本では、役所に婚姻届けを出すことと結婚式を挙げることは別で、婚姻届さえ出せば結婚式は必ずしも必要ありません。
しかしアイルランドでは、必ず式を挙げなくてはいけません。
- キリスト教徒なら教会で婚姻届にサインをする教会婚
- キリスト教以外の人なら役所で婚姻届けにサインをする民事婚(Civil marriage)
のどちらかです。
結婚式の流れ
教会婚
アイルランドは今でも多くの人がカトリック教徒なので、教会で結婚式をあげる人が大半です。
教会婚の場合は1日がかりです。日本に比べるとかなり長いです。
教会で式を挙げ、ホテルに移動して披露宴が行われます。二次会、三次会はなく、朝方までホテルでパーティが続くのが一般的です。
教会では、賛美歌、誓いの言葉、指輪交換、婚姻届にサインなどのセレモニーが行われます。
式は午前中から昼頃までに終わり、それから各々ホテルに移動します。
式から披露宴までは通常3~5時間ほど間があるので、ホテル内のバーでお茶を飲んだり、リフレッシュメントと呼ばれる小さなサンドイッチやデザートをつまんだりおしゃべりしながら時間をつぶします。
披露宴は夕方から始まることが多く、3コースミールを食べながらスピーチなどを挟んで和やかに進みます。
披露宴は日本とそんなに変わらない印象です。
朝までダンスパーティ
披露宴が終わると、ダンスタイムです。ここからが日本と大きく違います。
まずは新郎新婦が踊り、そのあとゲストもみんな一緒になってのダンスが始まります。
一般的には、バンドが流行の曲や老若男女誰もが知っている定番ソングを生演奏して盛り上がります。
夜も遅くなってくると、今度はDJに変わります。踊ったり飲んだりと日本の2次会のようなノリになってきます。
しかし、日本の2次会のように若い人だけの時間な訳ではありません。
踊らずともお酒を飲んで過ごす50〜60代くらいの方もいますし、静かなロビーで久しぶりに顔を合わせた親戚、友人と語らう人達もいます。
しかし、朝方まで残っているのは、やはり新郎新婦の友人が大半です。
ダンスタイムは、新郎新婦のアイデアによって、バンドやDJのスタイルが変わってきます。
筆者が出席した結婚式の1つは、バンド演奏とDJの間にアイリッシュダンスのショーがありましたし、もう1つの結婚式では、新郎自身がバンドと一緒に歌うこともありました。
アイルランドの結婚式にはパートナー同伴が基本
アイルランドの結婚式には、夫婦同伴が一般的です。
未婚の人でも、パートナーや恋人を連れて行きます。
親族、仕事仲間、友人、どんな立場で参加してもパートナー同伴で、パートナーと新郎新婦に面識がなくても、連れて参加するのが基本です。
小さな子供がいる夫婦の場合は、教会での式だけ子供を連れて参加し、披露宴からは子供を両親かベビーシッターに預けて夫婦のみで参加する人達も多くいます。
ですので、必然的に招待客の人数は日本より多めになります。
100〜200人が一般的で、大規模な結婚式では300人近い招待客を呼ぶカップルもいます。
ブライズメイド・グルームズマンとは?
教会婚での場合は、ブライズメイド(Bridesmade)とグルームズマン(Groomsman)と呼ばれる、新郎新婦を結婚式の準備から当日までサポートをする人達がいます。
未婚の仲のいい友達や兄弟姉妹がつとめることが多く、皆お揃いのドレスを着て、常に新郎新婦の側にいます。
特にグルームズマンの中のベストマン(Bestman)は、指輪を運んだりスピーチをしたりと、大事な役割を果たします。
民事婚(Cvil marriage)
カトリック教徒以外の人や宗教的な結婚式を挙げたくない人は、各都市にあるレジスターオフィス(Resister office)と言う場所で、民事婚を挙げます。
家族や親戚の立ち会いのもとに、指輪の交換や婚姻届にサインをするシンプルな式です。
式後はホテルやレストランへ移動し、友人を呼んでのパーティをしますが、教会婚のような披露宴ではなく、食事会といったカジュアルな雰囲気です。
教会婚と比べると規模も小さめで、パブやレストランで50人前後のゲストを呼ぶのが一般的です。日本の家族婚のような感じです。
アイルランドの結婚式での服装
結婚式に招待されたら、女性ならまず最初に考えるのは服ですよね?
何を着て行こうか考えるのは楽しいですが、フォーマルな行事には身につけない方がいいものなどのマナーがあります。
民事婚(Civil marriage)の場合
式自体には家族や親族以外は参列しないことも多く、式後のパーティもカジュアルなものなので、服は普段着よりも少しきれいめのスタイルで大丈夫です。
女性ならパーティドレスは必要ありませんし、男性もばっちりスーツとネクタイじゃなくてもオッケーです。
教会婚の場合
女性ならパーティドレス、男性ならスーツ+ベストの3ピーススーツにネクタイとフォーマルな装いが必要になります。
アイルランドは、日本ほど着てはいけない服などの決まりは少ないです。
ですので、結婚式らしい華やかなドレスなら比較的自由に選ぶことができます。
アイルランドの女性はカラフルなドレスを着ている人が多く、多少の肌の露出もしています。若い女性は夏の式なら素足の人も多いです。
避けた方がいい服装
少ないですが、避けた方がいい服装もあります。
- 花嫁と同じ白のドレス
- 全身真っ黒のドレス
- ミュールなどのかかとのない靴やブーツ
- ジーンズなどのカジュアル服
- 過度に露出しているドレス
以上を気をつければ、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
ファッシネイターと呼ばれる羽根つき帽子
ファッシネイター(Fascsinator)やウェディングハット(Wedding hat)と呼ばれる、フォーマルな服装の時に頭に付ける羽根やレースの付いたヘアバンドや帽子があります。
アイルランドの結婚式では、ファッシネイターを付けたりウェディングハットをかぶる習慣があります。
2018年のイギリスのヘンリー王子とメーガン妃の結婚式が記憶に新しいと思いますが、その時の参列者の多くも小さな帽子に羽根やレースのついたものをかぶっていました。
アイルランドもまさに同じスタイルです。
筆者は今までに3度結婚式に出たことがありますが、1度だけ義母の勧めもありレースのついたヘアバンドをしました。日本にない文化だからか、恥ずかしくて少し抵抗がありましたが、結婚式には溶け込めたと思います。
ご祝儀はいくらくらい?
アイルランドでは、ご祝儀にはプレゼントを送るのが定番でしたが、この10年くらいで日本と同じくお金を渡すことが主流になってきています。
しかし、日本ほど高くありません。
身内ならいくら、友人ならいくら、と言う決まりはなく、だいたい一人50〜100ユーロ(6,250〜12,500円)くらいが相場です。
ウェディングカードはお値打ちなものも多く、79セント(約100円)から購入できます
ご祝儀袋はなく、ウェディングカードと共に袋に入れて渡します。
ご祝儀はいつ渡す?
ご祝儀を渡すタイミングですが、日本のように受付に預けるなど決まった方法がありません。
なんともおおらかなアイルランドらしいですが、渡せるタイミングで新郎新婦に直接渡すか、新郎新婦の両親に渡すか、ホテルの受付に預けるかします。
ホテルに泊まる場合は、次の日に渡すことも可能です。
とにかくチャンスを見つけて渡すといった感じです。
アイルランドのお葬式について知ろう
結婚式に比べると参列する機会は少ないお葬式ですが、長くアイルランドに住んでいると、参列する機会が出てくるかもしれません。
アイルランドも、お通夜とお葬式があります。
お通夜はウェイク(Wake)もしくはリムーバル(Removal)と呼ばれ、田舎の方では家で、都市ではヒューネラルホーム(Funeral home)で行われます。
その後教会へ棺を移し、短いミサが行われます。
通常は次の日がお葬式です。
アイルランドのほとんどのお葬式は教会で行われます。
神父や親族のスピーチ、最後のお別れなどをして、棺を教会から墓地へ移動させます。
墓地でも神父のお祈りと、棺を埋める儀式があります。
そのあとで、ホテルやレストランへ移動し、食事とお酒とともに故人を偲びます。
お葬式での服装は?
服装は、基本的には黒です。特に身内は黒です。
男性なら黒のスーツ、女性なら黒のワンピース等です。
しかし、参列者は日本ほどしっかり喪服を着る必要はありません。
黒めの服で肌の露出のない控えめなスタイルなら問題ありません。
本当にカジュアルスタイルで来る人もいますが、そういう人は教会の後ろの席、もしくは入り口のドア付近にいます。
たいていの場合、身内が教会の前列に座るので、参列者は真ん中から後ろの方へ座ります。
お香典はない
アイルランドのお葬式では、お香典はありません。
マスカード(Mass card)や花を送ったりしますが、最近は生花は遠慮されることが多いそうです。
そのかわり、寄付金をお願いするように変わってきています。
たとえば、故人がガンだった場合はガンセンターへの寄付を募る、といった感じです。
アイルランドの結婚式とお葬式のまとめ
いかがでしたか?日本の結婚式場の教会式とは違い、本当の教会での結婚式はとても厳かです。
しかし、国際結婚やキリスト教じゃない人も増えているため、民事婚が増えているのも事実です。
この記事では、参加する機会がより多い結婚式を重点的に紹介しました。
外国でのフォーマルな行事はちょっと緊張しますが、結婚式もお葬式も、服装やご祝儀、お香典などに日本ほど神経質になる必要はありません。
お葬式は、できれば参加する機会がない方がいいですが、結婚式はなかなか素敵なのでいい経験になりますよ。
※1ユーロ=125円で算出