海外に行くと、文化の違いに驚かされることは多いですよね。
隣国への旅行でも、常識感覚の違いに驚かされる事が多いですが、際立ってインドは独特の文化を発展させたユニークな国!
インドで生活をスムーズにするためには、自分の常識が世界的な常識だと思わないことがコツです。
実際に生活をすると、ビックリすることが多く、話のネタには困らないインド。
インド在住の人が選ぶ、移住のために知っておきたい文化の違い11の話をご紹介します。
1. 時間は守らない
インドに来た日本人が、最初に驚くのは、時間感覚の違いでしょう。
日本は、世界の中でも最も時間に正確な国です。日本の電車がほんの数分遅れただけで、駅の構内放送がかかるのは、諸外国から来た人にとって、とても珍しいことです。
そんな日本から、世界で最も時間にルーズな国に来ると、慣れるまでは逐一腹を立てたり、ストレスを抱えてしまうかもしれません。
電車、バスは、ほとんど時間通りに来ない。特にインドの鉄道の遅延は有名:
北インド(デリーなど)では、冬にスモッグが酷く、特に遅延が多いです。1時間以内なら良い方で、3時間から6時間遅延も日常茶飯事。
それでも、インド人はおとなしく待っています。
何事も、時間通りに始まらない:
映画でさえ、遅れて始まるインドですが…。
結婚式などは、招待状の時間通りに行くと、2時間後に新郎が登場。そこから2時間後に新婦登場!なんて事が、当たり前です。
日本人の感覚で15分前に会場に行くと、全く準備が整っていないこともあります。
待ち合わせ時間に来ない:
結婚式でさえこんな風なので、基本的に待ち合わせ時間が家を出る時間、くらいに思っていた方が良いでしょう。
もちろんオフィスでも遅刻:
プライベートだけではなくて仕事でも同じ。10時からの銀行なら、11時くらいに出勤する人が多く、帰りは残業なしで定時に帰ります。
就業終了時間の10分くらい前から帰り支度が万全なインド人も多く、残業に慣れている日本人にとっては非常に違和感があります。
同じオフィスで働く場合、遅刻に対しては口うるさく言い続けるしか対策はありません。インドは縦社会なので、同僚ではなく、必ず上司から注意しましょう。
2. 宗教が生活の一部である
インドは世界一の宗教大国です。
ヒンドゥー教を中心に、イスラム教徒、シーク教徒、キリスト教徒、ジャイナ教徒など、さまざまな宗教の人が混在しています。
絶対に宗教についての批判はしてはいけません。
これだけ多様な宗教の人が同じオフィスで働けるインドは、とても多様性に優れた国だとも言えます。
宗教行事には寛大に
例えばイスラム教徒ならば、一日に5回の礼拝が義務づけられています。
オフィスでの就業時間内でも、その時間には必ず礼拝の為に、席を外します。
急ぎの仕事があったとしても、その時間は仕事が出来ないことを理解しないといけません。
カースト制度あります
ヒンドゥー教のカースト制度(職種による身分制度)。日本人の多くは、すでに廃止された制度だと思っていますが、実際はまだ根強く残っています。
オフィスであれば、家族代々の職種とは全く違う仕事をしているため一見分かりません。
しかし実は、カーストの高い人が、どれだけ仕事をサボっていても誰も文句を言えない。と、インド人同士では支障が起きていたりします。
外国人が安易に口を出せる問題のではないので、ある程度寛大に見守るしかないのでしょう。
3. 名前はファーストネームで呼ぶのがマナー
宗教でも触れましたが、いまだにインドにはカースト制があります。
普通に生活していると、ほとんど気が付きませんが、名前の苗字でカーストが分かってしまうことがあります。(苗字は法律上変更が認められているため、すでにカーストと違う苗字の人もいます。)
また、宗教によっても苗字が違います。
対等な立場で接するためにも、職場などではファーストネームで呼び合うことが一般的です。
4. 露出はマナー違反
ムンバイなど、西洋文化の浸透した一部の地域を除いて、今でも肌を見せ過ぎることは良くないという文化があります。
都会ではだいぶ寛容になってきましたが、もともと女性が肩や足首を露出することははしたない、と思われていました。
今でもあまり体のラインの出る服や脚を出す服装は良くない、と思っている人が多いです。
また、男性は夏でも半ズボンをあまり履きません。
夏でも長袖のシャツしか着ない男性も多いです(特にオフィスでは)。
外国人に対して、あまり注意をする人はいませんが、出来る限り周りに合わせる方が無難でしょう。
5. 嘘は優しさ??そんなバカな。
日本人には信じられないくらい、インドでは嘘が多いです。
人を騙すということよりは、「知らない。」と答えるのを避けるために、とりあえず知らないことでも言ってみるという感じがします。(もちろん、故意に人を騙す人もいますが。)
道を聞かれたときなどは特に顕著で、知らなくても取りあえず答えます。
一人だけに聞いたことを信じると、余計に迷ってしまうことが多々あります。
インド人によると、道に迷ってる人に「知らない。」と答えると、冷たいし、可哀想。という優しさなのだそうです…。
また、ビジネスの場面でも、取りあえず言っているだけ、が本当に多い!
発言に責任を負うことがあまりない国民性なので、大事なことは全て書面などに残した方が良いでしょう。
6. 同意する時には首を横に振る。
インドに来た人が最初に困惑する所作の一つ。
インドでは、「はい。」と答えるときに、首を横に傾けます。慣れるまでは、「いいえ。」だと勘違いしてします。
ちなみに、「いいえ。」の時の左右に顔を動かす動作は、日本人と同じです。
最初はどちらも「いいえ。」に見えてしまうので、要注意。
7. なんでも仲良く分け合いの文化
インドでは、なんでも分け合うことが美徳とされています。
貧しい人への寄付なども、とても日常的に行われています。
オフィスでも、ランチなどはみんなで分け合うインド人が多く、スイーツなどを貰っても必ず周りの人とシェアします。
しかし、他人が口を付けたものは基本的に不浄とされているため、ペットボトルで飲み物を飲むときは、口を付けずに浮かせて飲みます。
8. アルコールは安易に誘わないで!
戒律でアルコールを飲まないイスラム教以外でも、インドでは、アルコールに対してあまり良いイメージがありません。
ヒンドゥー教徒でプライベートではお酒を飲む人でも、公の場では飲まないと公言している人がかなりいます。
同席している日本人が飲むことは問題ありませんが、飲まないと言うインド人に無理に勧めるのはやめましょう。
9. 相手の食事のルールを知る
アルコールだけでなく、宗教ごとに食事のルールがたくさんあります。たとえば、ヒンドゥー教は牛肉が禁止、イスラム教は豚肉が禁止です。
また、人口の約40%がベジタリアンと言われています。
インドのベジタリアンは、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品は認められています。(動物性を食べられないビーガンと勘違いされやすい。)
卵に関しては、食べられる人と食べられない人がいます。とくに気を付けなくてはいけないのが、卵の入っているケーキ。
日本からのお土産も、ベジタリアンにとって禁止なものが入っている確率が高いです。お土産には気を付けましょう。
ちなみに、ベジタリアンでも食べられてインド人に人気のお土産は、柿の種です!
10. 言語は都市ごとで違う。英語が公用語。
インドの言語はヒンディー語だと思われている方が多いですが、国内で少なくとも30の言語が使われ、2000以上の方言があります。
とくに、南インドに行くとヒンディー語が全く通じません。
英語は、都市部であればどこの地域でもある程度通じます。
若い人は学校でも英語のみでの教育を受けているので、英語が第一言語の人も少なくありません。
かなり訛りが強いので、慣れるまでは聞き取れにくいですが、英語さえ使えれば生活に困らないのは非常に便利です。
11. 恋愛観・結婚観の違い
都会部ではだいぶ変わってきていますが、インドは非常に貞操観念の強い国です。
とくに、女性の婚前交際にはとても否定的です。
インド人女性と交際すると、相手は当然結婚を考えている可能性が高いので、安易に付き合うと別れ際で揉める可能性が非常に高いです。
逆にインド人男性は、国内女性との交際が制限されているため、外国人は簡単に性的な関係を作れる!と勘違いをしている人がとても多いです。
インドはいまだに男尊女子が強いと言わざるを得なく、性的暴行がとても多い国です。
女性も、インド人男性と交際をスタートする時は、慎重に相手のことをキチンと知ってからの方が良いでしょう。
インドの文化や慣習まとめ
ネガティブな情報ばかりに見えてしまったでしょうか?
最初はあまりの違いに、インドはなんてデタラメな国なんだ! と、あきれてしまうかもしれません。
しかし、一旦慣れると、インドのおおらかさと多様性は、個人の個性を受け入れてくれて自分らしく生きられる国だと思えるかもしれません。
常識がない!と思う前に、自分の価値観では想像できなかった多文化があることを理解すると、その違いがとても面白く感じられるようになりますよ。
そんなインドを楽しんでいただけますように。