インドネシアに移住が決まったら、まず一番気になるのがどんな家に住むかということでしょう。
言語や文化など新たに学ぶことがたくさんあるわけですから、自宅は快適で落ち着く場所を選びたいものです。
そこで、これから移住を考えている方に読んでいただきたい、インドネシアの住居の種類と家賃相場を一挙ご紹介します。
具体的な物件の探し方や契約前にチェックする大事なポイントもあるので、こちらの記事も是非参考にしてください。
参考記事:インドネシアに移住する前に知っておこう!都市別住宅事情、住まいの探し方と住居選びの6つのポイント
インドネシアの住宅の種類とそれぞれの家賃相場
インドネシアで日本人が多く暮らしている都市というと、
- ジャカルタ
- スラバヤ
- ジョグジャカルタ
- バンドゥン
- バリ
などが挙げられますが、都市によって住宅事情は若干異なります。
例えるなら、日本でも関東と関西では家賃相場が違いますし、同じ東京の中でも中心部は23区外で暮らすよりも何倍もかかるのと同じです。
これを前提としつつ、インドネシアで日本人が住める賃貸物件の選択肢3つを分析していきます。
- アパートメント
- コス
- 一戸建て
オプション1 〜 アパートメント
アパートメントというのは、日本でいう高級賃貸マンションのことです。
ホテルフロントのような24時間対応のコンシェルジュ、フリーwifi、場合によってはベッド、ソファ、テーブルといった家具や、テレビ、電子レンジ、冷蔵庫などの基本家電もついています。
特に、ここ10年ほどジャカルタではアパートメント建設ラッシュ。
そのため選択肢は幅広く、比較的築年数の浅いアパートメントなら快適さの面では間違いなしです。
中でもサービスアパートメントというタイプは、上記のアパートメントに
- ハウスキーピング
- ランドリーサービス
- 朝食
をつけた、ホテルのような住まいです。
プール、バーベキュースペース、ジムなどがついた、まるで高級リゾートのような感覚で暮らせるものまであります。
このような、オフィスビルやモールに直結している都市部のアパートメントなら、アクセスが良く便利で安心です。
月々の家賃は、どれだけ家具が備わっているか、ジムやキッズルームなどの施設がついているか、また立地によって値段は異なります。
特にジャカルタ中心部の
- タムリン地区
- スディルマン地区
- メンテン地区
のアパートメントは、最新のモールや日本語の通じるクリニック、日本食レストランやスーパーマーケットなどもあるので、日本人には人気のエリア。そのため家賃も高めです。
目安として、ジャカルタ中心部の一部家具つき1LDKなら毎月2000万〜3500万ルピア、日本円で約16〜28万円ほどです。
サービスアパートメントの場合はこのさらに1.5倍ほどかかります。郊外になると、家賃は少し下がります。
東南アジアだから生活費は安いはず、と思っても、意外にもジャカルタの高層マンションの家賃は東京とあまり変わりません。
特にここ数年、経済成長とともにジャカルタの家賃と物価は急上昇中です。
駐在の場合は会社側が家賃を払ってくれるケースが多いですが、自分で決めた移住の場合はこれだけの金額を毎月払い続けるのは大変かもしれません。
高層アパートメントのもう1つのマイナス点は、エレベーター関係です。
3台エレベーターがあったとしても、1台が故障または点検中ということも時々あります。
特に朝の出勤時などはなかなかエレベーターが止まらず、ようやく来ても満員で乗れなかったりと、ストレスの原因となり得ます。
また、インドネシアで導入されているエレベーターに日本製のものは少なく、建設業の裏事情によると安く購入できるものが使われることが多いようです。
安全性を気にされる方にとっては、ネックかもしれません。
こういった高級なアパートメントはそもそもジャカルタやメダンやスラバヤなどの大都市にしかありません。
生活費を抑えるために少し郊外に住みたい、あるいは人気ロングステイ先のバリに移住したい、という方は、以下の二つの選択肢になります。
オプション2 〜 コス
コスというのは、日本でいうシェアハウスあるいは寮のようなものです。
アパートメントに比べてぐっと簡素になりますが、家賃も手頃なので学生さんや若い方、または単身の方にオススメ。
通常コスにはエレベーターがないので、上の階に部屋を借りた場合は階段で上り下りすることになります。
各部屋にベッド、テーブル、洋服ダンスといった基本的な家具はついており、トイレ件シャワールームも大抵ついています。
部屋の広さ、冷蔵庫やエアコンがついているか、フリーwifiがあるかなどによって値段は異なりますが、ジャカルタやバリなどの日本人が住めるようなある程度綺麗なコスであれば、月々の家賃は200万〜400万ルピア、つまり日本円で約16,000〜32,000円。
現地採用の方にとっては嬉しい価格帯です。
大きな都市を離れれば月々100万〜300万ルピア、つまり日本円で約8,000〜24,000円とさらに安くなります。
さらに便利なことに、コスの場合は年間契約などはなく、ただその月ごとに家賃を支払う仕組み。
デポジットと呼ばれる保証金を求められることはありますが(通常家賃1ヶ月分)、敷金礼金はありません。
思い立ったらすぐに引っ越せるので、語学留学など短期間の方、あるいはとりあえず良いところが見つかるまでの仮住まいを探している方にはぴったり。
ただしほとんどのコスは、キッチンは他の住人と共同です。
部屋で火を使うことが禁止されているコスもありますので、ご注意ください。
廊下などの共同エリアからから聞こえてくる他の住居人の生活音も、人によっては気になってしまうかもしれません。
基本的にコスには洗濯機やランドリーサービスはなく、街中の洗濯屋さんを利用する必要があります。
地域によって若干異なりますが、相場は1キロあたり7,000〜20,000ルピア(約56〜160円)です。
同日に出来上がるエクスプレスサービスだと、もう少し値段が上がります。
コスの周りには必ずと言っていいほど洗濯屋さんがありますので、それほど不便さは感じないはずです。
インドネシアの洗濯屋さんは、たっぷりと柔軟剤を入れてくれるので香りが強いことと、Tシャツから下着までしっかりアイロンをかけて畳んでくれるのが特徴的です。
さらに、コスによっては女性または男性専用のものもあります。
イスラム教では未婚の男女が接触することは禁じられているからです。
家族、またはカップルで住みたい場合は、男女共用のコスを探さなくてはなりません。
イブコスというコスの管理人(女性の場合が多い)の人柄にもよりますが、プライバシーは少なめです。
管理人と廊下ですれ違った時に会話が始まり、長い立ち話になってしまうこともしばしば。
そのかわり、部屋に異変があったりするとすぐに気がついてくれますので、安心といえば安心です。
オプション3 〜 一戸建て (またはヴィラ)
家族づれで移住をご検討の方、またプライバシーのある空間で落ち着いた暮らしがしたい、という方におすすめなのが一戸建て住宅。
バリ島によくあるヴィラという別荘スタイルの家、あるいはプルマハンというタウンハウスのような高級住宅街などがあります。
インドネシアの一戸建て物件は、通常一年契約です。
まれに、交渉して半年や3ヶ月など短期で賃貸できる場合もありますが、その場合は家賃が割高になります。
一戸建ての場合も、家の大きさ、家具や家電の有無、立地などの要素によって相場は異なります。
ジャカルタ中心部を少し外れたエリアには一戸建ての住宅街がいくつかありますが、家賃相場は月々約7万〜15万円。
実例として、ジャカルタ北部のプルマハンの二階建て、2ベッドルーム、2バスルーム、一部家具つきの物件で年間1億3000万ルピア、日本円にして約102万円です。月々に換算すると約85,000円です。
リゾート地でヴィラが多くあるバリ島ならば相場はさらに安くなります。
例えば、バリ中心部の4ベッドルーム、3バスルーム、家具つき、プール付き一軒家で、年間9000万ルピア、日本円にして約71万円。月々に換算すると約6万円です。
この値段で広くて豪華なプール付きヴィラが借りられるのは、インドネシアならではの利点です。
一戸建て住居の相場はインドネシアの各都市によって大幅に異なります。
ジャカルタなどの都会を離れれば離れるほど、家賃は安くなる傾向にあります。
一戸建ての難点としては、掃除やメンテナンスの大変さ。
インドネシアの一戸建ては隙間からアリや小さなトカゲが入ってきたり、老朽化による水道パイプや電気ケーブルなどの修理が必要になることもあります。
貸主によっては、入居後のメンテナンスは全て住人の責任という考え方もあり、日本のように大家さんに言って直してもらうということができない場合もあることを踏まえておきましょう。
また、先ほども述べた通り、家賃は一年分を全額先払いするよう求められるケースがほとんどです。
急に帰国することになった、気に入らないから引っ越したくなったなどという場合も、残念ながら支払った家賃は返金されません。
光熱費はどうなってるの?
電気代と水道代に関しては、家賃に含まれているのかどうかはケースバイケースです。
電気代と水道代込みの家賃価格である物件もあれば、プルサと呼ばれるプリペイド形式で毎月各住人がコンビニで購入仕組みになっていることもあります。
タウンハウス内の一戸建ての場合は、毎月の電気・水道代の請求書が家に届けられ、銀行振込で支払うようになっている場合もあります。
コスや一戸建ての物件の中には、井戸水をポンプでくみ上げて使っているため水道代が無料になるものもあります。
インドネシアでも田舎のほうはまだ水が綺麗なので、井戸水でも安心してシャワーを浴びることができます。
ただし、基本的にインドネシアの水道水は飲み水としては使えませんのでご注意を。
地元の人たちでさえ、よほど貧しい地域でないかぎり、水道から出る水は飲まないようです。
飲み水は、ガロンという19リットルの容器でミネラルウォーターを買うのが一般的。
この容器を一度購入し、それが空になったらお店で満タンのものと取り替えてもらう仕組みになります。
ダノン社が製造しているAQUAというブランドが安全でオススメですが、19リットル分の水で約17,000ルピア(約140円)です。
そして、ガス代は家賃とは必ず別で、住人が各自で支払うことになります。
なぜなら、インドネシアの家庭用ガスは全てタンク式のプロパンガスなのです。
ガスも、タブンと呼ばれるタンクをまず購入してキッチンコンロのホースに直接つないで使い、中身がなくなると空のものを街中のショップに持っていき、ガスが入ったものと交換してもらう仕組みです。
3キロで約150円で、毎日料理しても3週間ほどもつ量なので、ガス料金の心配はほぼ無用です。
まとめ
以上、インドネシアで住まいを決める前に知っておきたい住宅の種類と家賃相場を取り上げました。
日本人が住める物件はアパートメント、コス、一戸建てのいずれかです。
- 日本と変わらない快適な暮らしができる:アパートメント
- 一番安く住める:コス
- プライバシー重視の方におすすめ:一戸建て
ご紹介した通りいずれもメリットデメリットがありますので、よく比較、考慮して、インドネシアで快適な住まいを見つけてください。