今の世の中、どこで暮らすにも必須アイテムであり最低必需品である携帯電話。
固定電話をひくよりは容易に入手でこることから、最近では、ハンガリーでも携帯電話しか持っていない家庭が増えています。
10年前には珍しかったスマートフォンやiPhoneも急速に普及して、今ではほとんどの人がいわゆるスマホを使っています。
今回はハンガリーにはどんな携帯電話会社があるのか?何が違うのか?契約には何が必要か?など、ハンガリーの携帯電話事情について説明します。
ハンガリーで携帯電話を契約することの利点
1.身元確認のため
ハンガリーでは病院、賃貸契約、レンタカーの契約など何をするにも電話番号を聞かれます。ハンガリーでのビザにあたる滞在許可証やIDカードという身分証明証を政府機関に申請する際には必ず電話番号を聞かれます。
日本の携帯電話番号でも受け入れてくれますが、電話代が高くつきますし、先方も難色を示します。
2.迷わないため
ブダペストは東京に比べてはるかに小さく、公共交通機関もシンプルとはいっても、異国の地ですので、最初は道に迷います。
目的地に確実にたどり着くため、携帯の地図とナビゲーション機能は必須です、
特に夜暗くなってからどこかに行くには迷わず、確実に目的地に着く必要があります。
その他、お友達との待ち合わせなど、携帯のGPSはあるととても便利です。
3.生活費の節約のため
生活するためには日本の携帯電話でも問題ありませんが、やはり費用がかかります。
日本の携帯会社が提供する海外通信パックなどは基本、旅行や出張を想定した一時的なものですので、数ヶ月、数年間ハンガリーで生活するとその使用量は膨大になるでしょう。
生活費節約のためにもハンガリーのSIMカードを契約することをおすすめします。
ハンガリー携帯の契約体系
プリペイド式
月々の基本料金がなく、あらかじめ入れておいた金額から使っただけ引かれ、なくなったらまた入金する契約です。
日本では犯罪に使われるという理由から通話できるプランが無くなって、ネット接続だけになってしまいましたが、ハンガリーではまだ通話だけのプランが契約可能です。
1分あたりの通話料は月極に比べて高めに設定してあります。
通話だけができるプランだけでなく、ネット接続もできるプランがあり、ネット接続可能なプランは月々の接続容量が決まっており(1ギガとか)、それに応じてネット接続分の料金は定額で払います。
決められた容量を使い切ってしまった場合は同じ容量を追加購入してネット接続を維持します。
通話は受けるほうが多く、家やオフィスでWIFIがつながっていて、基本外では少しネットを使用する程度、という方におすすめです。
月極式
プランによって通話時間とインターネット接続容量が設定されており、そのプランに応じた料金を月々支払って使用する方法です。
日本の契約とほぼ同じです。
各社いろいろなプランを設定しているので、ご自分の使用状況に応じたプランを設定することができます。また、契約内容は後で変えることも可能です。
契約に必要なもの
通話のみのプリペイドSIMには特に必要なものはありませんが、月極の契約には身分を証明するもの
- パスポート、滞在許可証、IDカードのいずれか
- 住所、メールアドレス
を聞かれます。
電話番号も聞かれますが、もしなければ。契約したSIMの番号を登録することができます。
ハンガリーの携帯キャリア
ハンガリーには以下の3つの携帯キャリアがあります。
ショッピングモールに行くと、ほとんどのモールに3社とも店を構えていますので、かんたんに見つけることができます。
1.Telekom(テレコム)
https://www.telekom.hu/lakossagi/english
数年前までT-mobile(T-モバイル)という名前でした。この名前をご存知の方は多いと思いますが、アメリカ資本の携帯会社です。
ハンガリーでは最も歴史が古く、シェアも大きいです。日本のNTT Docomoのような位置づけでしょうか。
以下がテレコムの料金体系の一例です。
4GプリペイドSIMプラン
SIMの価格:990フォリント(約340円)、80分の通話と1G分のネット接続が含まれている
通話料:25フォリント(約9円)/分または1回のテキスト送信
チャージは3,500フォリント(約1,200円)以上で可能
366日間のみ有効
2G国内通話限定月額契約(テレコムではこれが最安のプランです)
月額料金:3,790フォリント(約1,300円)
国内通話無制限+2G分のネット接続/月
端末の2,200フォリント(約760円)ディスカウント
2.Vodafone(ボーダフォン)
https://www.vodafone.hu/english/home#
こちらも日本の方にはおなじみのブランドと思います。ドイツ資本の会社です。
ハンガリーでのシェアはTelecomに次いで2位、日本のauのような存在です。
ボーダフォンの料金の一例は以下になります。
1GプリペイドSIMプラン
SIMの価格:無料
通話料:19フォリント(約6.5円)/分または1回のテキスト送信(国内およびEU圏内)
1G/月のネット接続料金:1,245フォリント(約430円)
一日300フォリント分(約15分)の無料通話
2G100分通話月額プラン(ボーダフォンの最安プラン)
月額料金:2,990フォリント(約1,030円)
国内およびEU圏内への100分/月の通話または100回のテキスト送信
2G/月のネット接続
3.Telenor(テレノア)
こちらは馴染みのない名前でしょう。
ハンガリーでは比較的歴史が浅く、シェアもTelecom、Vodafoneに次いで3位です。
ハンガリーのソフトバンク的な存在です。
以下がテレノアの料金体系の一例です。
プリペイドSIMプラン(通話とテキストのみ)
SIMの料金:490フォリント(約167円)
通話料:25フォリント(約8.6円)/分)
これに月額1,000フォリント(約342円)を払うと月500M、25分の無料通話(ハンガリー国内のみ)が追加できます。
1G100分通話月額プラン(テレノアの最安プラン)
月額料金:2,990フォリント(約1,030円)
月100分の国内通話
月1Gまでのネット接続
テレノアはプランによっては料金的に安いらしく、最近使う人が増えているようですが、私の周りにはテレコム、ボーダフォンユーザーがほとんでです。
ブダペスト市内に限定すれば、どのキャリアを選んでも繋がり具合に大きな差はありませんが、郊外ではやはり、テレコム、ボーダフォンが強い印象を受けます。
いずれのキャリアもSIMだけでなく、端末機も提供していて、一定年契約すると端末代が安くなる、無料になるという日本と同じシステムを提供しています。
通話料金がEU圏内で一律のプランもあり
料金の例にも記しましたが、ハンガリーの携帯の通話料金はハンガリー国内に電話した場合も他のEU加盟国に通話した場合も同じプランがあります。
留学仲間などがヨーロッパの他の国にいる場合などこのプランを選ぶと通話料金の節約になります。
ハンガリー携帯の端末
1.ハンガリーでの端末の入手方法
ハンガリーで携帯端末を入手できる方法としては、以下の方法があります。
(1)キャリアで契約とともに入手する
先にご紹介した携帯キャリアでSIMカードとともに購入する方法です。月極で契約して長く使用する新品をご希望でしたらこの方法が一番良いと思います。
ただ、携帯の価格は消費税が27%と高い日本やアメリカに比べて高い印象を受けます。
(2)街の携帯屋さんで購入する
携帯キャリアのショップだけでなく、街にはいわゆる携帯ショップというものがたくさんあります。
そこでは、携帯の修理から中古、新古、新品の携帯を販売しています。
SIMフリーの携帯も特定のキャリアでSIMロックされた携帯も入手可能です。
当然ですが、SIMフリーの端末のほうが高価です。
(3)携帯メーカーのショップで購入
Appleの専門店であるiStyle(Apple直営のApple Storeではない)やSamsungストアでiPhoneやGallaxyを購入することができます。
こちらはすべてSIMフリーの新品です。
(4)大型家電量販店で買う
日本同様、大型家電量販店でも携帯端末を扱っています。このような店(一例としてMediamarkt、メディアマルクト)もほとんどショッピングモールに入っていますので、かんたんに見つけることができます。
(5)ネットで買う
Facebookなど見ておりますと、個人が携帯端末を出品しているのをよく見かけます。
これはリスクも高いと思いますので、よほどハンガリーに慣れているか、現地の人に手伝ってもらえるのでない限り、あまりおすすめできません。
2.他国で購入した端末は使えるのか?
以下の3つのケースについて経験がありますので、参考になさってください。
(1)日本で購入したiPhone
日本のApple Storeで購入したSIMロックフリーのiPhone、またDocomoで購入し、SIMロック解除したiPhoneにこちらのSIMを入れたところ、いずれもテレコムもボーダフォンともに問題なく使えました。テレノアは試したことがないのでわかりません。
日本でDocomo用として購入した後、SIMロック解除したiPhoneにハンガリーボーダフォンのSIMを挿して使用。
(2)イギリスで購入した携帯
イギリスで10年前に購入したボーダフォンのガラケーに何もせずハンガリーのSIMを入れたところ、問題なく使えました。
また、イギリスのApple Storeで購入したO2というキャリアに対応したiPhoneを出国時にロック解除したものも、問題なく使えました。ただ、このiPhoneは不具合の解決のため初期化したところ、O2以外のSIMが使えなくなってしまいました。
(3)米国で購入したiPhone
米国のApple Storeで購入したiPhoneは何もしなくてもハンガリーのSIMを認識して使用できました。
以上、参考にして頂けましたら幸いです。
ただ、国によっては通信規格がことなるため、ハンガリーの規格と相性が悪いと使えない、100%の通信速度が出せないなどの問題が起こりえます。
まとめ
今や生活していく上で必需品となった携帯電話。ハンガリーでの生活でも欠かせないものです。
ハンガリーではプリペイドの通話契約など日本にはない契約体系もあります。
ご自分のハンガリーでの生活スタイルにあわせて、端末の入手、SIMの契約など適切に判断する必要があります。
この記事が皆様のハンガリーでの携帯選びの手助けになりましたら幸いです。