ハイチの平均年収を紹介。人気のある高収入の仕事は?

「中南米最貧国」「貧富の差が激しい」といわれているハイチでの仕事。

なるべく楽な働き方をして高収入を得たいのはどの国でも同じことです。

特に国民の大半が低所得者に入るハイチでは強烈なハングリー精神を持って人々がより多く稼ぐ方法を模索しています。

ここでは国内のハイチの人々に人気のある高収入の職業とその平均年収から、収入は安定しないけれどこの国の文化や環境が反映された職業まで、さまざまな仕事をご紹介します。

※2020年8月現在グルドの暴落が続いており、1グルド=0.91円となっています。

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ハイチ国内の仕事

ハイチ国内で働く現地の人々は、自分の能力に応じた仕事で、日々切磋琢磨しながら収入を得て生活しています。

ハイチ人は自分の所得を人に話したがりません。

低所得の場合には恥ずかしいという思いがあり、高所得の場合は嫉妬されて恨まれたりねだられたりすることが理由です。

このような状況から人に聞いても確実な情報は得られません。

これから紹介する職業の平均年収は実際の年収と異なる場合や、収入に大きな差があり平均年収を算出できない職業もあります。

そのため、ある程度目安になる収入、もしくは職業のみを紹介していきます。

ハイチで人気のある高収入の仕事

ハイチで人気なのは高収入が見込める、専門知識が必要で開業可能な職業です。

これは日本でも同じですが、専門知識を必要とする職業は知識を身に付ける知能と努力、専門的な学校に通う経済力が必要となります。

しかし、努力して投資した先には高収入が得られ、開業できれば給料を自分で決めることができるので、人気が高いです。

専門知識の必要な職業は高収入が見込める人気の仕事

・システムエンジニア(フリーランス)

平均年収1,000,000グルド(約91万円)。

契約を取れないと収入はありません。

・医者(メディシン):平均年収700,000グルド(約63万7,000円)

開業医か勤務医かによって、また勤務している病院によってちがいます。

・看護師(アンフェミエ、ミス・アンフェミエ=准看)

平均年収:252,000グルド (約22万9,320円)。

医師と同じく勤務している病院、また立場によりちがいます。

・弁護士(アボカ)

平均年収:450,000グルド(約40万9,500円)~16,500,000グルド(約1,501万5000円)

大統領付きなどの弁護士と町弁の収入に格差があります。

どちらとも契約がないと収入は見込めません。

※専門の職業を利用する場合の注意

裏口で免許を取得したり、認可や教える技術のない学校を卒業したりしても免許が取得できることがあります。

そのためハイチではヤブ医者・ヤブ看護師・お金だけ取って仕事をしない弁護士などがいるので、そういった職業に頼る場合には注意が必要です。

特別な技術が無くても高収入を見込める仕事

 ・団体職員(オーガニゼーション)

事務員:平均年収6,000USドル(約63万5,400円)

経理:平均年収12,000USドル(約127万800円)

・支援団体職員用運転手:

平均年収30,000USドル(約317万7,000円)

・UN現地職員送迎バス運転手:

平均年収30,000USドル(約317万7,000円)

・その他

ハイチに支援している外国の団体やハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)で滞在している国連軍(UN)で雇用を行っている場合があります。

職種によって収入はさまざまです。

危険を伴い、収入がいまいちな仕事

・警察官(ポリシエ)

平均年収: 204,000グルド(約18万5,640円)~1,200,000グルド(約109万2,000円)

巡査と上の階級では収入に格差があります。

・警備員(ガージヤン)

平均年収:210,000グルド(約19万1,100円)

オフィスやスーパーマーケット、銀行などに猟銃を持っている警備員が常駐しています。

読み書きができなくても可能な仕事

ハイチは貧困のため、識字率60~70%、子供の就学率が60%の国です。

また幼い頃の栄養失調により知能の発達がむずかしい人もいます。

字が書けず知識が無い場合にはやはり就職するのがむずかしく、日雇いに近い労働や工事現場・自営の露天商などで収入を得るしかありません。

そういった立場の人たちが選ぶ仕事と平均収入を紹介します。

・建設作業員

平均年収:157,500グルド(約14万3,325円)

建設のあるなしで1年中仕事があるとは限らないため、6カ月の収入計算です。

基本週払いで3,600グルド(約3,276円)から9,000グルド(約8,190円)と立場と仕事内容によって違います。

1~2日の仕事で日払いの場合もあります。

・露天商(コメス)

平均年収:315,000グルド(約28万3,500円)

卸売り業者から仕入れた食品や野菜、服飾・生活雑貨を露店で販売します。

ハイチ・露天商の仕事風景

 ・家政婦(メナージャー)、使用人(サーバント)

平均年収:90,000グルド(8万1,000円)

雇い主の家で食事づくりや掃除、洗濯、門の開け閉めをします。

住み込みの場合もあります。

身寄りがなく住み込んで使用人をしていることがありますが、その場合には生活の保障と引き換えに上記の給料は見込めません。

ハイチの文化を反映している仕事

・家具職人(エベニス)

木材を加工して食器棚や鏡台、ダイニングテーブルセットを作ります。

木彫りで凝ったデザインの物もあり、婚礼家具として購入されることも多いです。

オーダーメイドを受けてくれる場合もあります。

例)ダイニングテーブルセット1組販売で40,000グルド(約3万6,400円)

材料費は込みです

・鉄職人(フェオヌリ)

安全対策で窓の外やベランダに取り付ける鉄格子や、ブロック塀に取り付ける門、階段などを作ります。

鉄格子は無機質に見えないように合間に植物の形などのデザインが入っている場合がほとんどです。

オーダーメイドなので可能な限り希望するものを作ってもらえます。

(ハンガーラックや天板台など)

例)ハンガーラック制作料1,000グルド(約910円)

・洋裁師(クチュリエ):

足踏みミシンを使って注文された服を作ります。

スーツやドレスなどさまざまです。

ハイチの学校の制服のほとんどがオートクチュールなので新学期が始まる前の8月は大忙しです。

例)制服セット1組制作で250グルド(約228円)

・牧師(パスター)

平均年収:4,200USドル(約44万4,780円)

外国人宣教師がいる教派に属し、ミッションを与えられている場合の収入です。

ハイチでは牧師を名乗る男性が比較的多いです。

各教派の牧師資格をもっている訳でもなく、肩書が欲しくて名乗っている場合も多くあります。

そういった牧師の場合、仕事は名誉職の様なもので収入はないに等しいです。

(礼拝時の献金の一部を受け取れる場合もあります)

牧師だけでは生活できないので、妻が仕事をして家計を支えているか、仕事をしながら礼拝の時だけ牧師をしている人が多いです。

資金があれば起業(外国人にもおすすめ)

ハイチの人の多くはプライドが高く、人に指示されるのを嫌います。

そして家庭や学校教育の中でも、我慢することをあまり教えられていません。

そのために人間関係がうまくいかなくてすぐに仕事を辞めたり、転職したりする人が多いです。

それならばと、雇われるのではなく自分の自由に仕事ができる起業を選ぶ人も多くいます。

資金を海外で稼いで帰国し、起業する人も。

外国人の場合でも、就職して言語や文化の違いに苦労しながら仕事をするよりは、自分の技術や自国の文化を生かして起業するほうが賢明ではないでしょうか。

起業には次のようなものがあげられます。

起業に関しては売り上げによるので平均年収は計算できません。

・卸売り店(コメス)

店舗を借りたり、自宅を改良したりして生活雑貨やドリンクのまとめ売りをします。

・ハードウエア店(ケンカイリ)

電気製品やハードウエア、工具、トイレのパーツなど幅広く販売しています。

ほとんどが 海外からの輸入品です。

・スーパーマーケット(スーパーマッシェ)

外国人が運営している日本並みの規模のスーパーマーケットチェーンがあります。

ハイチ人の憧れの働き方

ハイチの人々にとって、チャンスがあれば外国に渡って仕事をし、家族に送金することが一番あこがれる働き方です。

外国に渡れば生活環境も良く時給も良いからです。

妻子を置いて、または子供を置いて夫婦で外国に渡り、仕事をする人も多いです。

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ハイチ在住の日本人の仕事

現在ハイチ在住の日本人は次のような人たちです。

  • 大使館関係者
  • 支援団体派遣員
  • 建設系の会社から派遣されている派遣員
  • 現地人と婚姻した数名とその子供たち

派遣員以外の人たちが選んでいる仕事は言語が堪能な人であれば通訳兼ガイド、子育てのかたわらPCでの資料作りなどです。

日本のリモートワークでできる仕事を見つける、フランス語もしくは英語を習得して外国系の企業に就職するといった方法もあります。

語学ができれば管理職として雇ってもらえる可能性もあります。

起業する方法もあります。

これからハイチに移住する日本人の場合、前述した家づくりに関連するケンカイリ(Quincaillerie)と呼ばれるハードウエアショップ経営がおすすめだと思います。

ハイチは2010年の大地震以降少しずつ経済が安定し、壊れた家の修復や移転した場所での家の新築が始まっているためです。

絶えず売り上げは見込めます。

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まとめ

ハイチの人々が一番あこがれる働き方は、外国に行って良い生活環境で条件の良い仕事をすることです。

ですが誰にでもできる訳ではないので、国内で自分の知識や技術を生かし、より高収入を得られる仕事を選びます。

雇用関係に縛られるのが嫌な人は資金を貯めて起業します。

読み書きができない人は主に体を動かす仕事で収入を得ます。

ここには書ききれていませんが、自宅を改良してビューティーサロンを開いたり、使わなくなった家電を人に声をかけて売ったりといったことも珍しくありません。

ハイチでも、仕事や稼ぎ方は人の数ほどあるのです。

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