アドリア海に面したクロアチア共和国。「魔女の宅急便」や「紅の豚」など舞台になった、どこかノスタルジックさが漂うとても魅力的なところです。
実際、毎年夏頃になるとテレビのニュースでクロアチア政府が移住目的でのビザを発給した統計者数なども発表され、その数は年々増えていってます。
一般的にクロアチアでは長期滞在する場合には、ひとまとめに『一時滞在許可』という滞在方法を申請し取得していく形となります。
それでは、一時滞在方法とはどのようなものか、またそれらの申請方法など、クロアチア外務省が出している情報(2020年3月時点)も参考にして分かりやすく解説していこうと思います。
一時滞在許可(90日以上の長期滞在 “Temporary stay”)の申請カテゴリーには家族・就労・教育・研究・プロスポーツ選手・アーティストなどがありますが、ここでは主に一般的な長期滞在方法の種類を紹介してしていきます。
- 家族滞在
- 中等、高等、または大学等修学として
- 就労ビザ 6ヶ月間( Seasonal Worker )
- 就労ビザ 1年間
( クロアチアで企業を立ち上げ、スポーツ選手、アーティスト、研究なども)
ビザ取得場所は日本のクロアチア大使館、現地で取得する場合は内務省、最寄の警察署などにて可能です。
※ビザ要件は頻繁に変更されます。渡航の際は最新の情報を取得するよう心がけてください。
<無査証(ビザなし)入国>:観光はビザ取得不要
日本国籍であれば無査証(ビザなし)入国が認められています。基本的な観光ではビザ取得が不要ということですね。
- 滞在期間は180日以内の期間に合計90日まで
- パスポートの必要残存期間は少なくとも3ヶ月以上
※注意事項※
クロアチアでは48時間以上滞在する場合は、警察署に滞在届を出すことが必要です。
一般的なホテル、宿泊施設に滞在する場合は施設側が代行するので届出は必要ありませんが、『 SOBE 』などと呼ばれる部屋貸しの場合には、施設側が届出をしないこともあり、確認が必要です。届出が必要な場合は警察署に行き「フォーム 8a」とういう用紙をもらい記入し提出します。
また、現地でクロアチアのビザを取得する際はこの90日間の間に申請する必要があります。
家族滞在ビザ( Temporary stay )
配偶者のどちらかがクロアチア国籍の場合(パートナーシップも含め)このタイプの滞在許可を申請します。
<必要書類>
- 有効なパスポート
- 申請用紙 ( フォーム9a )
- 35mm × 45mmのカラー証明写真 2枚
- 結婚を証明する書類 ※1
- 健康保険 ※2
- 収入印紙 50kn
※1・・「結婚を証明する書類」は日本から用意する場合は戸籍謄本または戸籍抄本など。(クロアチア語に翻訳必須)
※2・・「健康保険」はクロアチアの健康保険を申請する必要があります。警察署に行って滞在許可を申請する際に保険の払込用紙を渡されるので、それを銀行に行き支払います。
学生ビザ( Temporary stay )
一般的に学生としてクロアチアに滞在する場合は1年間の期間となります。
それ以上滞在する場合は1年毎に最寄りの警察署で更新します。
またこの滞在許可では週に15時間までの労働なら認められています。
<必要書類>
- 有効なパスポート
- 申請用紙 ( フォーム9a )
- 35mm × 45mmのカラー証明写真 2枚
- 高校、大学、大学院などの入学証明書
- 18歳未満の場合は両親の承諾書
- 十分な資金の証明 (銀行口座の残高証明書など)※1
- 居住地証明 (寮の契約書、賃貸契約書など)
- (出生証明書・日本の戸籍謄本など )※2
- 収入印紙 50kn
これらの書類は全てクロアチア語に翻訳された物が必要となります。
※1・・「資金の証明(銀行の残高証明書)」などは一般的に [ 1ヶ月間 約 2,000kn ] が目処とされています。そのため、少なくても2,000kn ×12ヶ月分、またはそれ以上の証明があれば大丈夫だと思います。
※2・・「出生証明書」は公式なクロアチア政府のウェブサイトでは記載されていませんが、何かと必要になることが多いかもしれないので日本から用意しておくか、現地だったら戸籍謄本をもとに在クロアチア日本国大使館で発行可能です。
就労ビザ・6ヶ月間 ( Seasonal Worker )
この一時滞在許可は最大6ヶ月間有効の就労ビザです。
就労、フルタイムでの仕事に限ります。なのでアルバイトやパートタイムでは取得できません。1年に1回最大6ヶ月間のみとなります。
<必要書類>
- 有効なパスポート
- 申請用紙 ( フォーム9a )
- 35mm × 45mmのカラー証明写真 2枚
- 労働先との契約書 ※1
- 健康保険 ※2
- 滞在先の部屋の大きさの証明書(最低14m2) ※3
- (宿泊条件を明記した文書)雇用主が宿泊施設を無料で手配する場合 ※4
- 収入印紙 50kn
※1・・「労働先との契約書」は、基本的に雇用先が見つかった際に雇用主から就労についての契約書をもらいます。いわゆる週に何時間働いて、、こういう条件で、、、etc、、などといった書類に自身がそれを承諾し、サインしたものになります。
※2・・「健康保険」は雇用先が見つかれば基本その雇用主が健康保険をカバーします。その健康保険の書類が必要となります。
※3・・「滞在先の部屋の大きさの証明書」は1人につき、14スクエアメートル以上の部屋に滞在しなければなりません。シーズン中では隣国からたくさんの出稼ぎ労有働者がクロアチアには来ています。その中でも、きちんと、人権が守られてる所に居ますよ、っていう証明になります。
※4・・(宿泊条件を明記した文書)これはホテルなど宿泊施設等の雇用先が無料で滞在場所を貸し出してくれる場合に限ります。
就労ビザ・1年間(Temporary Stay and Work)
1年間有効の滞在許可。
一般的な就労ももちろん、他、特殊職業関連の滞在許可もこのカテゴリーになります。
例えば、クロアチアで企業を立ち上げ、スポーツ選手、アーティスト、教授……などなどもこの滞在許可が必要となります。
ですが、これらの職種等は人によって必要な書類等が異なる為、また公式にも詳しくは記載しておらず、直接クロアチア内務省、警察署などに確認する必要があります。
その為、ここでは一般的な就労ビザ1年間について解説します。必要書類等は6ヶ月間の就労ビザとほぼ同様です。
<必要書類>
- 有効なパスポート
- 申請用紙 ( フォーム9a )
- 35mm × 45mmのカラー証明写真 2枚
- 労働先との契約書※1
- 健康保険※2
- 滞在先の部屋の大きさの証明書(最低14m2)※3
- (宿泊条件を明記した文書)雇用主が宿泊施設を無料で手配する場合※4
- 収入印紙 50kn
『就労ビザ6ヶ月』に”※”詳細あり
クロアチア永住権 (Permanent residence)
永住権を取得するには一時滞在許可( Temporary stay )を更新しながら5年間クロアチアに居住しなければなりません。5年経つと申請資格が得られます。
必要書類は一時滞在許可を取得する際のものとほぼ同様ですが、永住権を申請する際は、
- 安定した財政があるか
- またクロアチア語中級レベルが話せるか
などの試験もあります。(子供は免除されます)
試験場所は Zagreb / Split / Rijeka or Osijek /の各指定された大学部にて行われます。
クロアチアの長期滞在ビザまとめ
※クロアチアの収入印紙…キオスクなどで購入可能。
※申請用紙は直接、警察署にても取得可。
必要書類を集めるのには中々根気が必要ですが、クロアチアの一時滞在許可(長期滞在ビザ)は、特殊なものでなければ、わりと簡単かもしれません。特殊なものでなければ全て現地で集めることも可能です。
そして学生以外は国の健康保険加入必須ですが、加入してしまえば公共の病院など支払額0円などと肝っ玉です。
最後に公式な査証ガイドにも記載してありますが、必要書類などの情報は急に変更される場合もあるので、申請前に何が必要か再度改めて確認する事が必要です。
ビザ関連の役立ちウェブサイト
クロアチア内務省の滞在許可ガイド…….一時滞在許可方法にて一番詳しく説明してあります。
» https://mup.gov.hr/aliens-281621/281621
クロアチア外務省の査証ガイド……..大まかな内容が記載されています。
» http://www.mvep.hr/en/consular-information/visas/visa-requirements-overview/
クロアチア語に翻訳者が必要な場合……在クロアチア日本大使館より。
» https://www.hr.emb-japan.go.jp/hr/sudski-tumaci-jp.html
クロアチアで滞在先などアパート物件を探す….最も一般的に使われてるウェブサイトです。
» https://www.njuskalo.hr/iznajmljivanje-stanova