「香港、シンガポール、タイ、日本のインター校に小中高と子供を通学させて分かったこと」シリーズ2回目の今回は
”ローカルインター幼稚園での1日の過ごし方、欧米インターと比較してみる”
をお届けします。
1回目は”海外教育の向き不向”や”親の心持ち” についてをお送りしました。
ではアジアに移住を考えるご家庭で我が子が海外教育に向いているかもと思った次に悩むのが、ローカルなのか欧米インターなのか?になると思います。
そこで我が娘が通園していたローカルインター幼稚園の1日の過ごし方をご紹介しますので、スクールの様子を知って幼稚園選びの参考にして頂ければと思います。
幼稚園だけでなく、おおむね小学校にも当てはまる傾向です。
ちなみにローカル幼稚園でもローカルインターというのは外資資本ではなく、カリキュラムはローカル式のインターナショナルスクールという位置付けです。
ローカルインター幼稚園の1日のスケジュール
am 8:00~ 9:00 | 登園、自由遊び、朝食 |
9:00~10:00 | 英語でワーク、読書、読み聞かせ等 |
10:00~10:30 | スナックタイム |
10:30~11:30 | 英語で音楽や室内ジム、アートワーク等 |
11:30~11:45 | 先生のお話やディスカッション |
11:45~12:30 | 帰宅、もしくはランチタイム |
pm 12:30~13:30 | ランチタイム、自由遊び、昼寝 |
13:30~14:30 | 中国語でワーク、読書、読み聞かせ等 |
14:30~15:00 | スナックタイム |
15:00~16:00 | 中国語/英語 で音楽や室内ジム、アートワーク等 |
16:00~16:15 | 先生のお話やディスカッション |
16:15~ | 帰宅、お迎え |
このように午前と午後と同じプログラムを午前は英語で午後は中国語で進められるというバイリンガル幼稚園で、香港なのに広東語ではなく国際言語である中国語で進められ、午前に英語で既に同じ事をしているので中国語の理解がスムーズというカリキュラムがとても魅力的でした。
そして、家庭の方針や事情によって半日もしくは全日と選択もできます。
欧米インターとの違いはカリキュラムと学費
外資インターとローカルインターとの違い。
・1日のスケジュール
【ローカルインター】
上の表の通り
【欧米インター】
全て英語で進められ、1日のうちに少しだけ第2言語に接するというスタイル。
ワークは殆どせず、アートや遊び、個々の好きな事に時間を使います。
・カリキュラム
【ローカルインター】
きっちり、みっちり、しっかりと抜け目なく
特にワークは毎日机に向かって進められ幼稚園でもしっかり宿題もでます。
先生が算数も教えてくれますし、中国語のワークで漢字も覚えます。
ローカルのカリキュラムを採用しており、日本の小学校低学年の内容を勉強します。
【欧米インター】
先にも書きましたように、読書や本の読み聞かせはしますが、遊びから自主性を育むスタンスです。
・イベント
ローカルインターも欧米インターも年間行事やお祝い事が多く楽しいイベント満載です。
【ローカルインター】
イベントの為にみんな揃って日々練習する。
コンペティションスタイルが好まれ順位付けや表彰を大々的イベントとし、
コンペティションの作品等はどこから見ても「親が作ったでしょ」が明明白白なのが逆に面白かったです。
【欧米インター】
練習は個々に、本番はぶっつけ的。ハプニングがあって微笑ましかったり、子供のありのままの姿が覗けるのが良い。
・学費
当時、ローカルインターは外資インターの半額ぐらい。
普通のローカル幼稚園だと無料に近い園もあるぐらいです。
ローカルインターも欧米インターも日本の幼稚園との違いは先生の余裕
このように香港のローカル幼稚園は親のお財布事情に優しく、共働きが当然の香港では朝は子供に制服を着せて連れて行きさえすれば朝食も園で食べさせて貰え、お昼寝をしたい子はランチ後にお昼寝も出来ます。
そういったお世話はアンティーと呼ばれる子供のお世話係、お掃除係のスタッフが数名体制で整っており先生は常に子供に集中出来るシステムだからです。
何から何まで担任の先生に委ねられていた日本の幼稚園とは大違いで、私はそういった面でとても海外教育に魅力を感じました。(ちなみに筆者は日本の幼稚園の先生時代、毎日てんてこまいしていたので・・・)
先生に時間や心に余裕がないと、子供に余裕ある接し方は出来ないものです(汗)
日本の幼稚園、保育士さんにブラックな環境を強要し、それを当然の認識と本人、周囲も何の疑問も持たない日本の慣習を海外の幼稚園事情を知ってよく分かったのでした。
まとめ
・ローカルインター
学費がリーズナブルでありながら、面倒見が良く、厳しすぎない程度にお勉強もみてくれる。(普通のローカルはお勉強はもっと厳しい)
・欧米インター
学費が高いが、子供が自由に個を尊重し好きな事に没頭できる。
超学歴社会の香港では「幼稚園選びが子供の人生を制する」と言われるぐらい重要なので、私たち外国人が軽々しくメリットだけを見て判断するのは時に危険ではあります。
が、ローカルインター幼稚園というのは、ローカルと欧米インターとのいいとこ取り的存在でもあるので、お子さんに合いそうであれば先ずリーズナブルなローカルインターで海外教育に触れてみて、その後欧米系のインターに転校するという手も有効だと思います。
ライタープロフィール
野間あみこ
日本を含め4カ国6校のインターナショナルスクールに幼稚園から高校卒業まで14年間娘を通学させた経験からグローバル教育、海外教育に関心のある親御様のご相談に乗っています。