新しい国で移住を考えた時、その土地での食事、気になりますよね。
ギリシャの食文化は一体どんなものなのか?主食は?味は?そもそもギリシャ料理というジャンルはあるの?
実はギリシャの食事スタイルは、ギリシャの健康に良い食事内容は、無形文化遺産にも登録されています。
ここでは、そんなギリシャの食文化を現地在住者からご紹介します。
ギリシャの食文化・最大の特徴はオリーブ
ギリシャの食文化の特徴といえばオリーブです。
オリーブは、ギリシャ神話の中にも、平和と繁栄の象徴として、オリーブにまつわる話が登場しています。
そんな地中海気候で栽培されたオリーブは、ギリシャの名産でもあります。
実際、国民1人あたりのオリーブオイルの消費量は世界一で、ギリシャ料理にはなくてはならない存在です。
様々な料理にふんだんに使われています。
生産量も多く、イタリア産のオリーブやオリーブオイルは、実は多くがギリシャから輸入され、加工されたものなんですよ。
また、オリーブの実もよく食べられていて、ギリシャ南部カラマタで収穫された大粒のオリーブの実は高級品として有名です。
ギリシャは地中海食
ギリシャの料理は、地中海食と言われています。
同じ地中海食には、スペイン、イタリア、モロッコなどの国々が分類されています。
地中海食とは、チーズやヨーグルト、オリーブをはじめとする季節の野菜や果物、穀物など植物性食品を毎日摂取し、魚介類や鶏肉、卵やおかし類は週に数回、その他肉類は月に数回とるという健康的な食べ方です。
この食生活を、ピラミッドで表し地中海ピラミッドとも呼びます。
非常に栄養のバランスがよい食生活のため、他のヨーロッパの国々の食事にくらべて健康的で病気にかかりにくいという研究結果も発表されています。
特殊な香辛料が使われていることもありませんので、日本人もストレスなく食べられます。
無形文化遺産にも登録!ギリシャ料理とスタイル
地中海料理を重んじている場所として、ギリシャの街コロニが2010年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。
コロニはギリシャ南部のペロポネソス半島の先端にあるメッシニアの中にあります。
因みにイタリアのナポリにあるポッリカ、スペイン北部の街ソリア、モロッコ北西部にあるシャフシャウエンも同時に登録されました。その後2013年には、クロアチア、ポルトガル、キプロスの街も世界無形文化遺産に登録され、合計で7つの街が登録されています。
無形文化財に選ばれた理由は、地中海料理と
これらの地域が選ばれた理由は、
- 地中海料理の流儀を重んじていること
- 旬を大切にすること
- 粗食であること
- そして家族や友人と集まって食事をすること。
これらが地中海料理というライフスタイルを形成しているのです。
ギリシャ国民の食生活
では、ギリシャ国民の
- 普段食生活は一体どんな感じ?
- 主食は何なのか?
- 朝からしっかり食べる?
- 特別な日の食事は何?
などについてご紹介していきます。
ギリシャ国民の主食はパン
ギリシャ国民の主食はパンです。
パンと言っても、食事内容によってパンの種類が変わります。
一般的な食事に用いるパンや、肉や野菜を挟むためのパン、ゴマの入り込んであるパンなど、当たり前ですがパンにもたくさんの種類があります。
またクリサラキという米の形をしたパスタも主食の1つです。
このコメ状のパスタは、サラダに入れたり、煮込み料理に入れたりして食べられています。
パンが主食のギリシャですが、面白いことにお米をおかずとして食べることも多く、トマトやキャベツやほうれん草のリゾット風ライスもあり、米が主食の日本人にとってもギリシャ料理は馴染みやすいでしょう。
基本的に粗食
地中海料理の特徴に「粗食である」ことをあげた通り、基本的に簡素です。
朝食は、主食のパンにタヒニ(白ゴマのペースト)とはちみつを塗ったもの、野菜やヨーグルトなどが定番です。
しかし、コーヒーだけ済ます人もいます。
これは昼も同様で、パンと何か、という軽食が多いです。
ただ夕食に関しては、煮込み料理やオーブン料理など、旬の食材を使った食事を食べます。
基本的にギリシャの食事は粗食なのです。
集まって食事をする
地中海料理の特徴に「集まって食事をする」ことをあげた通り、ギリシャには大衆食事処の「タベルナ」という場所があります。
タベルナはギリシャ国民が、家族や友人と気軽に食事を楽しめる場所です。
気候の穏やかなシーズンでは、外にテーブルを並べ、夜遅くまでおしゃべりを楽しみながら食事をしています。
イメージとしては、スペインのバルを想像するとよいでしょう。
ギリシャの行事食
ギリシャは、ギリシャ正教というキリスト教の一教派を進行する人々がほとんどです。
キリスト教といえば
- キリストの誕生日であるクリスマス
- 春に行われるキリストの復活祭
の二つは、大きなイベントです。
クリスマスには、豚肉や七面鳥の丸焼きとクリストプソモというパンを食べます。
また復活祭には、子羊のローストとツレキという甘いパンを食べる習慣があります。
ギリシャの国民食をご紹介
ギリシャの代表的な国民食をご紹介していきます。
ギリシャ料理を食べる機会がありましたら、是非とも味わってみてください!
肉料理 スブラキ
スブラキとは、串焼き料理のことを言います。
また、串を外した肉を野菜とピタで巻いたスブラキもあります。
その串焼きを、サジキ呼ばれるキュウリとヨーグルトで作るソースと一緒に食べるのが一般的です。
塩、ニンニク、レモン、オリーブオイルなどで調味料で味付けされたスブラキは、絶品のファストフードです。
魚介料理 プサロスパ
地中海に面したギリシャでは、魚介料理がよく食べられています。
例えば、タラやイワシ、イカやタコなどをフライにしたり、焼いたりして、レモンを絞って食べるのが一般的です。
その中でも、魚のスープであるプサロスパは家庭の味として人気があります。
玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、セロリの野菜とタラなどの白身魚を一緒に煮込みます。
味付けはレモン汁です。
さっぱりと味付けされたシンプルな料理は、魚の味を活かします。この点はこれは日本の魚料理に共通しているでしょう。
オーブン料理 ムサカ
ギリシャには、オーブン料理がたくさんあります。
その中の代表料理がムサカです。
ムサカとは、じゃがいもの上に挽肉、なす、ベシャメルソース(バターと小麦粉で作るホワイトソース)を重ねて焼いた料理です。イタリア料理のラザニアに少し似ていますね。
ギリシャのスイーツをご紹介
基本他のヨーロッパの国と同じようなスイーツが多いですが、ゴマを使って作るハルヴァと、はちみつとナッツをかけたヨーグルトを食べるのはギリシャ独自です。
伝統的なお菓子ハルヴァ
ハルヴァとは、白ゴマペーストやセモリナ粉(小麦粉の一種)にアーモンドなどのナッツを入れ、砂糖で煮詰めて固めた料理です。
日本語ウィキペディアによれば、ゴマのハルヴァは油を使わないので四旬節(節食期間)によく食べられるとのこと。そういえば、2月にギリシャに行った時にもこんなデザートが出てきました。左側の二つがゴマのハルヴァですね。https://t.co/Dw3AVoBY2x pic.twitter.com/VYrCL9oMiu
— bouno (@bouno) 2017年4月26日
地域により様々な種類があります。
甘くてゴマやナッツの香しい香りがする、ギリシャの伝統的なお菓子です。
ギリシャの食文化まとめ
以上、ギリシャの食文化についてご紹介してきました。
地中海料理は、東南アジアの料理などのように特殊なスパイスなども入っていないので日本人も困らず食べられます。
そして、健康にも良いです。
是非、ギリシャに滞在するときは、食を味わってみてくださいね。