イギリス留学で大学選びの次に気になるのが「住まい」。
住まいの環境が整わないと、生活にも大きな影響が出てしまいますよね。
そんなあなたにおすすめしたいのが学生寮です。
しかし、入居するまでわからないこともいっぱい。
「日本でも学生寮に住んでいるけれど、同じなのかな?」
「一人暮らしは初めてだからどんな感じか不安だな…」
そんな皆さんの疑問に答えるべく、現在イギリス・ケント大学に留学中の筆者がイギリスの学生寮について徹底解説します。
そもそも学生寮ってどうやって申し込むの?
イギリスの学生寮は、留学する大学が決まり次第申し込みが可能です。
大学留学は申し込み順に審査が行われるので、遅くとも出発年の5月〜6月までには留学先からのOffer(留学の承認)が終了しているでしょう。
Offerを受諾し、手続きのための学生番号等が発行されると寮の案内も届きます。
ただここで不安になるのが、「寮に入居できるかどうか」。
日本の大学寮では抽選や先着の理由で希望しても入れなかった…そんな経験をした方もいるでしょう。
でも安心してください!
多くの大学では、必ず入寮を保証する”Guaranteeing Accomodation”と言う制度があります。
私の通うケント大学では、決められた日時までに申し込みをした学生は必ず入寮が可能。
参考資料:University of Kent, 2023-01-06発行
https://blogs.kent.ac.uk/accommodation/how-to-apply-for-student-accommodation-at-kent/?utm_source=accomm&utm_medium=web&utm_campaign=Canterbury+page
他にもエセックス大学やダラム大学では応募日時に関わらず新入生や留学生の居室確約など条件が異なる場合もあります。
大学には基本複数の学生寮があります。
そのため予算や居住形式の条件からどの学生寮が自分に合っているかを考える必要があります。
(所属学部によっての制限もあるかもしれません。)
留学の下調べでは学生寮や申し込み方法についてもあらかじめ確認するといいでしょう。
参考資料:University of Essex https://www.essex.ac.uk/life/accommodation/campus/colchester
Durham University
https://www.durham.ac.uk/colleges-and-student-experience/colleges/grey/accommodation
入居する寮が確定すると、大学のポータルサイトを通じて連絡を受け取ることができます。
イギリスの学生寮・4つのメジャーな形式
続いては、イギリスの学生寮でのメジャーな居住形態を紹介します。
Shared
学部生向けでは一番メジャーなプランです。
何よりも安価に入寮できることが魅力で、留学費の嵩むイギリスでは一番初めに検討するべきとも言えます。
この形式ではキッチンやシャワーなどの共用部分を中心とした、少人数の居住ポッドに入居できます。
部屋は1人1部屋を割り当てることが多いですが、寮によっては広い1部屋に2人で住むタイプもあります。
En-suite
キッチンのみを共用し、トイレやシャワーは部屋ごとに割り当てられ1人で使うことができるタイプの寮です。
Sharedよりも週あたりの寮費が£90ほど高くなりますが、他の学生を気にすることなくシャワーなどを利用することができる面ではメリットが大きいと言えます。
居住ポットは同様にキッチンを中心として少人数制であることが多いです。
Studio
この形式は大学院生向けで、キッチンも含めた全ての設備が個人向けになっています。
簡単に言うとワンルームで一人暮らしするイメージだと思います。
もちろん居住費用は高くなりますが、一人暮らしに慣れていて大学院留学を検討しているようであればStudioがおすすめです。
日本での生活スタイルを崩すことなく生活できること間違いありません。
また、上記の居住形態に加えて注目するべき項目がもう一点あります。
Catering
寮の説明にSelf-cateredと書いてある場合は自炊が前提となっています。
「自炊は苦手」という人はMeal planが利用可能かを確認しましょう。
留学を機に料理を勉強してみるのも手だと思います。
もちろん寮ではUberなどの宅配サービスも利用可能ですが、コストが嵩むのであまりお勧めはできません。
実際どう?学生寮のメリット・デメリット
ここからは実際に、私がSharedかつSelf-cateredの学生寮で生活して感じたことを中心にメリット・デメリットを説明していきます。
メリット
・友人関係を築きやすい
新しい環境だと、友達作りが難しく感じてしまう人もいるはず。
そう言う時はぜひ共用のラウンジやキッチンなどがある寮に入居してみましょう。
みんなで集まってエッセイのpeer-reviewをしたり、パーティをしたり。
フラットメイトたちと仲良くなることで留学生活はグッと楽しくなること間違いなしです。
・キャンパス内に立地している
キャンパスの各施設へのアクセスがよいのはもちろんのこと、安全面が最高と言えるでしょう。
ロンドンなどの大都市でない限りは日本と違って信号や街灯があまりありません。
外の道を歩いていると減速しない車や、薄暗い夜道など危険がいっぱいです。
学校周辺であれば街灯も多く、日没の早い冬でも安心して移動できます。
・無料でジムを使用できる
私の大学では全寮生がスポーツジムに無料で通うことが可能で、私も毎週2〜3回欠かさず通っています。
留学中は勉強ばかりで部屋に引きこもってしまうことがしばしばありますが、集中力が切れた時が大変です。
運動をすることでリフレッシュをし、より集中して勉強に取り組むことができるというメリットもあります。
・キャンパス内で外食が可能
前の章で自炊についてお話ししましたが、キャンパス内には学生向けに安価で食事を提供しているレストランや食堂があります。
中にはモーニングセットを提供しているカフェや昼食が£3で利用できる場所もあります。
最近は学内専用のアプリを使って事前に注文も可能になっており、「どうしても料理したくない!」と思う日に重宝しています。
また、驚くことにナイトクラブやバーもあり、イベントの夜などはフラットメイトと遊びに行くこともあります。
デメリット
・掃除が不定期
日本の大学でも学生寮に2年半居住していましたが、毎日清掃が入り清潔に保たれていました。
ただ、こちらではシャワールームやキッチンの清掃が不定期。
汚れていたり床にゴミが落ちていることもしばしばあるので、自分で掃除を行うかある程度汚い状態が許容できる人でないと難しそうです。
私のフラットでは当番制でキッチン清掃を自主的に行っています。
・男女区別がない
日本の大学寮では男子・女子寮に分かれているか、居住フロアが厳格に区別されていることが多いです。
その反面、イギリスでは性別によってエリアを分けることがなく、共用部分もシェア。
私の住んでいるポッドも、男女比が半々です。
男性とのシャワーのシェアは前述の清掃の関係もあり抵抗感があるので、私は基本的にジムの女子用シャワールームを使っています。
学生寮の総合評価
ここまで、私自身の経験をもとに比較してきましたが、総合的にはどうなのでしょうか?
結論から言うと、「学生寮はいい経験を得られる場所」です。
日本である程度英語の勉強をしたといえども、留学に来てから英語でのコミュニケーションや課題に関して困ることが多くありました。
その時に頼りになったのがフラットメイトたちです。
私のポッドには大学院生が多く、期末課題を完成させる時には表現的におかしい箇所や文法の誤りなど、自分では見過ごしてしまう部分を助けてもらいました。
また、留学生活は長く、孤独を感じてしまう瞬間もあるかもしれません。
そんな時に気軽に話せる同居人がいることが心の支えになります。
同じ学生目線からいいアドバイスを得ることができ、気持ちをポジティブに切り替えることができています。
日常生活でも互いの出身国について雑談をしたり、休みの日には一緒に遊びに行くことも。
もちろんデメリットである衛生面に関しては、人によってはかなり気になる点です。
不安がある場合は事前に問い合わせてみることをお勧めします。
ただ、そのデメリットを補っても余りあるくらい寮生活を通して多くの経験ができます。
日本で学生寮に住んでいる人はもちろんのこと、私は一人暮らしをしたことがない人にこそこの楽しさを味わって欲しいと思います。
さいごに
さて、イギリスの学生寮に関して理解を深めることができたでしょうか。