スペインへ留学や移住をする際に、必ずしなければならない事がビザの取得です。最近はビザの取得を代行してくれる会社などもあり、ビザ取得の本人負担が減ってきています。
しかし、これから自分自身が住むスペインという国のビザの種類や詳細等は、知っておくに越したことはありません。
ここでは、スペイン移住・永住&留学希望者のためにビザの種類と特徴を紹介します。
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1. シェンゲンビザ
まずは、シェンゲンビザの説明から始めます。
このシェンゲンビザが必要なのは、日本の長期居住許可を持つ外国人で、次の条件に当てはまる人です。
a) シェンゲン加盟国の中で、スペインだけを訪問するとき
b) 訪問国が二か国以上で、スペインでの滞在が一番長いか、渡航の主な目的がスペインである場合
c) スペインに最初に入国し、滞在期間が各国とも同じで渡航目的が定められない場合
日本のパスポートを持っている人は、最大で90日間まで、ビザなしで、EU加盟国とアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスの各国に滞在することが可能です。ただし、パスポートの残存期間がシェンゲン加盟国の出国予定日から3ヶ月以上ある事が必要です。
滞在可能日数
「あらゆる180日の期間内で最大90日」まで。
これは、過去にEU加入国内に滞在した日数全てが、90日以内の滞在にカウントされるということです。
なお、次のサイトで、あと何日EU圏内に滞在できるのかを簡単に計算することができます。
Short-stay Visa Calculator:https://ec.europa.eu/home-affairs/content/visa-calculator_en
申請方法
スペイン大使館にて本人申請。代理人は不可。
繰り返しになりますが、日本のパスポートを持っている人は、このシェンゲンビザを取る必要がありません。
2. 学生ビザ
スペインの学生ビザは2種類あります。
短期学生ビザと長期学生ビザです。
なお、学生ビザに関しては、代理人による直接申請が可能です。
短期学生ビザ
滞在可能日数
91日から180日まで
条件
日本人あるいは日本の長期居住許可を持つ外国人
申請方法
スペイン大使館にて本人、又は代理人申請(郵送申請は不可)
必要書類:
- 査証申請書
- 写真(4.5x3.5)1枚
- パスポートとコピー1部
- 入学許可書(原本とコピー1部)
- 経済能力を証明するもの(日本からの往復の経費と月額537.84ユーロ相当額以上のスペインでの滞在費をカバーする内容)
a)残高証明書
b)雇用されている会社から派遣される場合は、全ての費用を会社が保証することを記した保証書
c)給費・奨学金の証明書
- 宿泊証明 (原本とコピー1部)
- 海外旅行保険証明書(原本とコピー1部)
*クレジットカードに含まれているものは不可 - 返信用定形封筒
(宛先、郵便番号、宛名を記入し、82円切手を貼ったもの) - 手数料:8,020円(日本国籍の場合は無料)
- 連絡用データ・メモ用紙 (日本の連絡先等を記入)
注意事項
出発2ヶ月前には申請をした方が良いのですが、3ヶ月以上前の申請は受け付けてもらえません。
180日間までのビザですが、学校の就学期間に合わせて、ビザの滞在可能期間が決まります。自動的に180日間のビザが許可されるわけではありません。
尚、スペイン現地でのビザの延長は一切出来ません。
長期学生ビザ
滞在可能日数
181日以上の滞在
条件
日本人あるいは日本の長期居住許可を持つ外国人
申請方法
スペイン大使館にて本人、又は代理人申請(郵送申請は不可)
必要書類
上記、短期学生ビザの必要書類に加えて、無犯罪証明書と健康診断書が必要。
- 無犯罪証明書 :発行日より3ヶ月以内のもので、過去5年間移住した国々(スペイン以外)の警察当局発行の無犯罪証明書。
- 健康診断書 :発行日より1ヶ月以内のもので、大使館HPに記載されている健康診断書の型に従い、医師が記入と署名をし、医師及び病院印が捺印された物。
注意事項
ビザの取得後、90日以内にスペインへの入国が必要です。
又、スペイン入国後に現地の警察署にて、学生書(Tarjeta de Estudiante) を申請する必要があります。
※短期&長期学生ビザの詳細はスペイン大使館のHPで確認できます。
この様に、スペイン留学をする場合には留学期間によって、ビザが変わります。
長期学生ビザの場合は無犯罪証明書や健康診断書などの取得が必要になるので、短期学生ビザよりも、準備に時間がかかり大変です。
しかし、短期学生ビザは現地での延長ができないので、語学学校の後に他の留学を考えている方は、長期ビザを取得するのが適切です。
3. 就労ビザ
次に、就労ビザです。
このビザはスペインで雇用が決まっていて、その雇用者がビザのサポートをしなければ、申請はできません。
条件
日本人あるいは日本の長期居住許可を持つ外国人であり、スペインで雇用が決まっている者
申請方法
スペイン大使館にて本人申請(代理申請不可、又は本人が日本国外にいる場合は申請不可)
必要書類
- 査証申請書
- 写真( 4.5 X 3.5 )1枚
- パスポートとコピー1部
- 無犯罪証明書
- 健康診断書
- 労働・居住許可決定通知書 (Resolución de Concesión de Autorización de Trabajo y Residencia ) (原本とコピー1部)
- 連絡用データ・メモ用紙(日本の連絡先を記入)
- 返信用定形封筒1通
- 手数料:7,816円 (日本国籍の場合、無料)
注意事項
ビザが認可された日から1ヶ月以内に、本人がビザを受理しなければ、そのビザは無効となります。
又、ビザ認可日から90日以内にスペインに入国し、入国後30日以内に現地の警察署にて、就労許可書(Permiso de Trabajo)を取得する必要があります。
※就労ビザの詳細はスペイン大使館のHPで確認できます。
上記の就労許可書には幾つかの種類があり、その種類によって、1年又は2年、最高で永住の滞在許可期間が与えられます。
なお、スペイン国内に合法的に3年以上滞在した人は、スペイン国内で、この就労ビザを申請することができます(ただし、この場合にはすでにスペインに入国しているのでビザの申請という手続きではなく、スペイン国内で発行される外国人登録証(NIE)のステータスの変更という手続きになります)
残念ながら、スペインは今もまだ、失業率が高く、全体的に就職難です。
外国人の雇用機会はかなり少なく、就労ビザの取得は困難だと言われています。
4. 起業家、又は投資家ビザ
この、起業家又は投資家ビザはスタートアップビザやゴールデンビザとも呼ばれ、スペインで起業するか、又は不動産投資などをして、スペインの経済の向上に貢献するという方に認可されるビザです。
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このビザは2013年の9月から開始されました。
滞在可能日数
最初は1年、初回の更新後は2年毎に更新
条件
<投資家>
- 申請者あたり50万ユーロ(6千万円)以上の不動産投資
- スペイン国債購入(200万ユーロ=2億4千万円以上)、
スペイン企業の株式購入(100万ユーロ=1億2千万円以上)
もしくはスペインの金融機関への預金(100万ユーロ=1億2千万円以上) (€1=¥120) - スペインに貢献する有益な事業計画
< 起業家>
- スペイン経済に利益をもたらす事業を起こすこと
- スペイン人の雇用機会増やす為に、現地雇用を生み出すこと
申請方法
在日公館での申請
必要書類
申請書や無犯罪証明書、健康診断書等以外に、投資家ビザ申請には、すでに上記条件に適した投資をしているという事実を証明する書類が必要。
起業家ビザ申請には、起業を考えている事業の企業化計画書が必要。
このビザはまだ新しく、情報が少ないのが難点ですが、ビザ取得に十分な経済能力がある方や、海外での起業を夢見ている方にはぴったりのビザです。
これから、さらに注目が集まるビザとして期待されています。
5. リタイヤメントビザ
リタイヤメントビザとは、非営利目的のビザで、発給は、年間1万ドル=113万円以上の年金受給者が対象です。(同居家族がいる場合は、1人あたり1700ドル=19万2千円増額されます。)
スペインで就労せず、年金で生活していけるとういうのがポイントです。($1=¥113)
滞在可能日数
スペイン入国後に現地の警察署にて居住許可書を申請します。
滞在可能期間はその警察署の判断によります。
条件
年金生活者である事と、スペイン国内に住む場所がある事。
申請方法
スペイン大使館にて申請
必要書類:
- 申請書
- 写真4枚
- パスポートとコピー
- 無犯罪証明書
- 健康診断書とコピー
- 年金受給を証明する書類(外務省認証必要)とコピー
- 海外医療保険の加入証書
- 返信用提携封筒2通
- スペイン国内での住居確保の証明書
※リタイアメントビザの情報は大使館のHPでは公開されていませんので、詳しい情報が必要な方は、大使館に直接問い合わせてください。
このリタイアメントビザは、”いつか海外に移住したい!!”という夢を持ちながら働いてきた方には、とても魅力的なビザです。
スペインは気候が良い地域が多く、料理も美味しいので、定年退職後の居住地として最適な国の一つと言えるでしょう。
6. ワーキング・ホリデービザ
2017年から発効されたワーキング・ホリデービザ。年齢制限などがありますが、スペインで1年間、働きながら暮らしてみたい人には魅力的なビザかもしれません。
滞在可能日数
1年間
条件
- 年齢が18歳~30歳であること(ビザ申請時)
- 日本国籍を持っていることであること。
- 被扶養者がいないこと。
- 滞在延長不可・他のビザへの切り替え不可。
- ビザ発行制限あり。年間500人まで。
申請方法
スペイン大使館に本人が行くこと。代理人申請不可。郵送申請不可。
必要書類は
- 申請書 .
- 写真(4.5x3.5 )1枚。
- パスポートとコピー1部
- 住民票(発行から90日以内のもの)。申請時点で日本に3ヶ月以上居住していること。
- 1年オープンの往復の航空券の予約、もしくは往路のみの航空券の予約。往路の予約のみ提出する場合は、復路の航空券代を下記の残高証明書の金額にプラスすること。
- 経済能力の証明。最低でも最初の3カ月滞在費分の1614ユーロ相当額以上のスペインでの滞在費を支弁する能力を証するものとして、下記の内のいずれか1つを選択:
a) 残高証明書。(和文でも可)金融機関もしくは郵便局が発行 ( 押印されていないものは不可) 発行日から1ヶ月以内のもの。(原本のみ)
b) 本人名義の銀行通帳のコピー(通帳の表紙及び現在までの数ヶ月間の出入金記録のコピー - 健康診断書。
- NIE(外国人登録番号)申請のための申請書EX-15。ワーキングホリデービザ申請と同時に、NIEを申請することが必要。
- NIE申請費 1,288円
- ワーキングホリデービザ申請に伴う宣誓書 添付のフォームに記入し、申請者本人がパスポートと同じ署名をすること。
- 返信用封筒(定型サイズ。宛先、郵便番号、宛名を記入し、82円切手を貼ったもの)。審査結果を郵送するため。
- Plan de viaje(旅行日程表)。指定のフォームに大まかな予定を記入。スペイン語、または英語。
※上記申請書類の補足として、スペイン滞在の最初の期間の宿泊証明書を提出することも可能。
スペイン入国後に、働くこともできるワーキング・ホリデー・ビザ。日本人が、スペインで仕事を見つけるのは大変かもしれませんが、チャレンジしてい見たい人におすすめのビザです。
7. スペイン人との婚姻による居住許可書(NIE)
この居住許可書は婚姻ビザと呼ばれる事もありますが、他のビザとは異なり、スペイン入国後の申請になります。
スペイン人と婚姻をした場合、スペインへの入国は観光時と同じ形です。
日本で籍を入れた場合は、大使館からの家族手帳(Libro de Familia)と婚姻証明書が発行されるのでそれらを持って入国します。
スペインで籍を入れた場合は、入籍手続き後に現地でこの二つを発行してもらえます。
入籍の仕方は日本とスペインでは異なりますが、ここでは、スペインで申請する居住許可書(NIE: Número de Identidad de Extranjero)について紹介します。
滞在可能日数
5年毎に更新
条件
スペイン人と婚姻している外国人
申請方法
スペイン移住地の警察署
必要書類
- 申請書(Form EX-19 )
- 写真
- 配偶者の雇用証明書(経済能力が証明できるもの)
- 配偶者のDNI(身分証明書)
- パスポート
- 家族手帳(Libro de Familia)
- 婚姻証明書
注意事項
居住許可書を申請中にスペインを出国すると、申請が無効になってしまう可能性があるので、許可書が手元に届くまでは出国を避けたほうが良いでしょう。
手続きを始めて居住許可書取得までは、申請地域にもよりますが、3ヶ月から半年ほどかかります。
スペインの手続きシステムは日本と異なる部分も多く、時間が思ってる以上にかかるので、気長に待つことが大切です。
スペイン永住の関連記事は「スペイン永住権の取得方法を徹底解説」を参照ください。
スペインの入国審査は厳しい?
スペインへビザを申請するときには、必要書類を提出してから、平均して1カ月から2か月ほどで、ビザを手に入れることができます。
書類に不備があると、大幅に時間がかかるか、最悪の場合にはビザの申請が却下される場合もありますので、注意しましょう。
また、スペインのビザのほとんどは、申請者本人が在日本スペイン大使館へ行き、書類を提出しなくてはなりません。この点もご注意ください。
日本できちんとビザをとった場合、スペインへの入国審査が厳しくなることはほとんどありません。
ただし、スペインへ来る人の多くは、ヨーロッパ内の他の国(ドイツ・フランス・イタリア・オランダ)などで、トランジットをしてくる人が多いので、空港によってはEU入国時の審査が若干厳しいところある可能性があります。
まとめ
以上がスペインのビザに関する特徴と詳細です。
基本的にビザの取得には時間と労力がかかります。
目的によって取得するべきビザが異なりますが、留学&移住が決まった時点で、ビザの準備を始める事をお勧めします。
この記事がその準備の役に立てば幸いです。
最後に、スペインビザの規定は変わることがよくあるので、
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