近年、「世界一幸せな国」として注目を集めているデンマーク。
シンプルな生活を大切にする「ヒュッゲ」という概念について書かれた本もベストセラーになりました。
そんなデンマークライフを体感できる「フォルケホイスコーレ留学」をご存知ですか?
「いまの生活に不満はないけれど、一度立ち止まって人生を考えたい」
「ゆったりとした環境で英語力を伸ばしたい」
「デンマークの幸せの秘訣が知りたい」
そんな方に向けて、フォルケホイスコーレ留学の魅力をご紹介します!
フォルケホイスコーレとは?
フォルケホイスコーレ(Folke højskole)とは、成人教育機関と呼ばれる、私立学校群のことを指します。
デンマーク以外にもスウェーデンなどに浸透しており、北欧独自の制度と言えます。
デンマーク国内には、約70校ほど存在し、各校が独自のプログラムを展開。
中には、英語で授業を行う学校もあり、外国人でも参加できようになっています。
その特徴とは
特徴は、なんといっても自由度が高いところ。
入学資格は、17.5歳以上であれば誰でも入学することができます。
また、試験や成績表といったものもありません。
まさに、「人生のための学校」で、学びたい人が、学びたい時に、学びたいことを、学ぶ、そんな開かれた学校と言えます。
そのフォルケホイスコーレの7つの魅力を紹介しましょう。
1. 自分や人生を、立ち止まって考え直す場所
中学、高校、大学、就活、そして就職。
日本社会で生きていると、周りとは違う時間軸で、ゆっくり立ち止まって考える、ということがなかなか難しいかもしれません。
転職も一般的になってきているとはいえ、まだまだ20代前半で就職した会社で定年まで働く、という働き方が大多数を占めています。
一方で、デンマークでは、仕事と学び、家庭、旅…の間を自分のタイミングで行き来することができ、高校を卒業しても、すぐに大学に進学する人は多くありません。
そのため、大学を卒業する年齢も26〜29歳と、日本と比べると年齢が高くなっています。
その「ギャップイヤー」の受け皿のひとつになっているのが、フォルケホイスコーレ。
評価や成績のない、ゆったりとした環境の中で学び、これからの人生、自分の生活について心ゆくまで考えることができるでしょう。
2. アウトプット中心の「生きた」学び
フォルケホイスコーレの学びの基本は、座学や知識の学習ではありません。
自分が考えたことのプレゼンや仲間とのディスカッションなど、アウトプット中心で実践的な学びが基本になってきます。
先生も、その時の生徒の気質やアウトプットの内容によって、授業内容を変えていくそうです。
天気のいい日は、外に出て授業をすることだってあります。
そのため、入学前に詳細な授業内容は案内されません。
そうして、日々「自分」を表現していくうちに、自分のやりたいこと、向いていること、社会との接点を見つめ直していけるのです。
3.「英語を学ぶ」でなく「英語で学ぶ」
各校の展開するカリキュラムに沿って、興味のある分野について、英語で学ぶことができるのも魅力のひとつです。
それによって、語学力向上以上の学びを得ることができます。
語学力を向上させたいけれども、今から文法や単語から勉強するのも…と思っている方におすすめです。
日々の学びの中で、自然と専門分野の英語力がついてくることでしょう。
英語で授業が受けられるフォルケホイスコーレを3校ほどご紹介します
・krogerup højskole
留学生向けに、「Crossing Borders」というコースが用意されている。国際社会について、政治や環境、メディア、平和教育などについて幅広く学ぶ。伝統的なフォルケホイスコーレ。
・nordfyns højskole
留学生向けには、社会福祉について学ぶ「GLOBAL FUTURE福祉コース」と、サステナブルな社会について学ぶ「GLOBAL FUTURE環境コース」の2コースを用意。日本人のスタッフさんがいるので、海外初心者には安心。
・Odder højskole
ジャーナリズムやメディア、デザイン、映像制作、芸術、フィットネス、音楽について学ぶことができる。こじんまりとした学校です。
それ以外にも魅力的なフォルケホイスコーレはたくさんあります。
こちらのサイトから、科目別に検索ができます。
URL:IFAS(International Folk high school Administration Service) ※日本語サイトです
学校によっては、中級以上の英語力を必要とされる学校もありますので、できるだけ準備しておくと安心ですね。
4. スタディーツアーが充実している
学んだことをさらに深める場として、修学旅行のようなスタディーツアーを用意している学校が多いです。
周辺のヨーロッパ都市を周遊したり、デンマークやスウェーデンの環境や福祉の最新の現場を見学したりと内容も学校によって様々。
デンマークでのdemocracy festivalに参加し、フォルケホイスコーレの基本理念である民主主義を体感できるカリキュラムを入れいている学校もあります。
現場を見ることで、さらに学びは深くなることでしょう。
5. 寮生活で24時間国際交流
フォルケホイスコーレでの生活は、寮生活となっています。
相部屋が基本になっているため、自然と日常英会話のレベルは上がっていくでしょう。
希望をすれば個室を取ることもできますが、追加料金があります。
また、同期とは食事も一緒に取るため、まさに寝食をともにします。
国際色豊かな学生たちの中で、24時間、国際感覚を磨くことができます。
6. サブ科目で毎日をより楽しく
専門分野の勉強以外にも、アクチィビティを含むサブ科目を受講することができます。
例えば、krogerup højskoleでは、次のようなサブ科目を受講することができます。
(カッコ内は実際のコース名です。)
- ヨガ(Yoga)
- ダンス(Dance,dance,dance)
- 映像制作(Video on the move)
- アウトドア(Outdoor Life)
- リサイクル部品で自転車を作る(Recycle / Bicycle)
- 大きな声で歌おう(Sing out loud)
- 人民と政治(People and politics)
その他にも興味深い科目がたくさん用意されています。(受講する科目は時期によって変更がある場合があります。)
学校によっては、デンマーク語やデンマーク文化について学べるコースを用意しているところもあるので、留学先に対する理解を深めることもできますね。
デンマーク人は、フォルケホイスコーレ以外の生活でも、お料理教室など地域のクラブ活動を複数かけもちするのが一般的なんだそうです。
「会社」「家庭」以外の「趣味」のコミュニティを持つ、ということも、幸福度を上げるひとつのヒントなのかもしれません。
7. 留学費用が格安
フォルケホイスコーレの留学費用は、1ヶ月10〜15万円。
なんとその中には、
- 授業金
- 寮費
- 平日の食費
- 修学旅行費
が含まれています。
その安さの秘密は、デンマーク政府から運営のための助成金が出ているから。
北欧の物価の高さを考えると、破格の数字と言えます。
東京で生活しているよりも安く留学できてしまうかもしれません。
それに加えて、行き帰りの航空券、土日のお小遣いを用意しておきましょう。
滞在期間は、各校のプログラムに応じて、1ヶ月の短期サマーコース〜半年間の長期コースまで選べるので、予算に応じて選択できますね。
フォルケホイスコーレの申込方法
申し込み方法は各校によって異なりますので、それぞれのWebサイトで確認するようにしましょう。
(3)でご紹介したIFAS以外にもこちらのサイトでも検索ができます。
URL:https://www.danishfolkhighschools.com(英語サイトです)
入学は、早い者勝ちです。
学校によっては、350wordsほどの簡単なEssayが必要なところもありますが、選考を行うためでなく、英語力を確認するためのものです。
近年では日本人の申し込みが増えており、「コースの空きがあるが、日本人はこれ以上は受け付けていない」と言われることもあります。
コースの開始の半年ほど前に申し込みを行うと安心です。
フォルケホイスコーレ留学で心に留めておくこと
フォルケホイスコーレでは、学位の取得を行えるわけではありません。
また、資格を取れるわけでもありません。
そのため、フォルケホイスコーレでの経験が直接、就職やキャリアアップに有利に働くかというとそういうわけではありません。
学びも自主性に任されているため、この経験を「生かすも殺すも自分次第」と心に留めておきましょう。
「幸せな国」デンマークで、ゆったりとした学びの時間を過ごせば、きっと今後の人生についてのヒントが見つかるはずです。
留学を検討している方は、ぜひ選択肢に入れてみてくださいね。