12月になると日本でもクリスマスムードが高まり、各地でイルミネーションやイベントがあります。
家族と祝う人、恋人と過ごす人、友達の楽しく等、いろんな過ごし方がありますが、日本のクリスマスに慣れ親んだ方とって、海外ってどんな過ごし方するんだろう?って気になりますよね。
今回は、海外のクリスマス事情をお伝えしたいと思います。(実際に在住した経験がある方の体験談をベースに掲載しています)
こんなに違うの?えっ面白い!と驚く事情を知れるかもしれませんよ。
オーストラリア
サンタクロースはサーフボードでやってくる
まず日本とは真逆な気候ですので、日本のようにホワイトクリスマスという考えはオーストラリアでは考えられない事で、向こうではサンタクロースはサーフボードに乗ってやってくると思っている位に、真夏のクリスマスが待っています。
飲み物もワインではなく普通にビールを飲んでワイルドに焼いた鶏肉をかじりつくスタイル。
キリスト教の方々はしっかりとワインを飲んだりしていますが、特に外国の方はイベントが大好きなのでクリスマスというイベントに託けてお酒を飲んで楽しむそうです。
真夏の暑い所にサーフボードに乗って上半身裸で下半身だけサンタの衣装のサーファーが出てくることもあるそうで、これにはびっくりするでしょう。
お店が閉まっている
日本で生活していると深夜でもお店が開いていて、困ることがありません。
オーストラリアでは正月よりもクリスマスの方を家族で過ごし、大事にしています。
クリスマスは友人宅に招待される、なんてこともありますが、日本と同じ感覚でクリスマス当日に手土産を買えばいいと思っていたら大変!車で走ってもほとんどのお店が閉まっており、何も買うことができないことも。
場所によっては、一軒一軒が離れているので開いているお店を見つけるのに苦労する方もいます。
アメリカ
日本ではクリスマスは恋人たちでディナーへ行ったり、小さなお子さんがいる家庭だけ家族で集まったり。
友達同士でクリスマスパーティ、なんてのが普通ですが、アメリカではクリスマスは家族みんなで過ごします。
なので、基本的にどこのお店もクリスマスはお休みです。日本でいうところのお正月のようなものです。
クリスマス特集の映画などを家で見ながらみんなでワイワイ過ごすのが一般的です。そして日本ではお正月に年賀状を送り合うのが一般的ですが、こちらではクリスマスカードというのを送り合います。
家族みんなで撮った写真やシンプルなもの、それは人それぞれですがクリスマス前に送るのが常識のようです。そこには素敵なクリスマスをそして素敵な新年を。とだいたい書かれています。
そして日本ではクリスマスはケンタッキーフライドチキンなどチキンを食べるのが一般的ですが、こちらはクリスマスの1ヶ月前にあるサンクスギビングデー(感謝祭)というものがあり、その時にターキーの丸焼きをいただくので、お店などでクリスマス用に並ぶのは基本的にハムやローストビーフが多いです。
そして日本のようにケーキも食べません。クリスマスはクッキーを食べます。
クリスマスプレゼントは枕元ではなく、必ずツリーの下に全て置きます。
他の人からクリスマス用にもらったものも全てツリーの下に置くので必ずクリスマスツリーが必要です。後はサンタさんにクッキーと飲み物をおいて置きます。
返品に備えて
クリスマスの翌日、たくさんのお店にはもらったプレゼントを返品する人が多く訪れます。
えっ?と思うかもしれませんが、プレゼントが好きじゃなかった人や重複してた人、サイズを変更したい人などが返しにくることがあるからです。
こちらにはギフトレシートといいプレゼントを贈る人があげる人に対してギフトレシートをつけることができます。
そのレシート使って簡単に色の交換や返品できるシステムです。
クリスマスプレゼントとしてもらうものはレシートを付けたプレゼントではない場合もあります。しかし、店によっては取り扱っている商品であれば返品させてくれたりもします。
その場合はその店で使える現金と同じシステムのカードをもらうことがありますが、それでもこのシステムにはびっくりです。
日本人にとっては、せっかくもらったものを返すという罪悪感も最初はあるかもしれませんね。
ハワイではクリスマスが過ぎても、クリスマスムードのまま
日本ではクリスマスが終わった次の26日からは、お正月の準備が始まります。
そのためクリスマスを過ぎると、一変してクリスマスなど感じられなくなるのが通常です。
しかしハワイでは、もちろん日本とは異なってホリデームードがすごい高まっているので街中どこでも12月はデコレーションの本気度がすごいですが、12月25日を過ぎてもクリスマスムードのまま。
デコレーションやイルミネーションも飾り付けられたままでしたし、アラモアナショッピングセンターのサンタクロースもそのまま。
また、ワイキキは観光客がいるためかもっともクリスマスムードのままだった場所です。
一般の家庭よりも、ホテルやショッピングモールの方がクリスマスの飾りをしたままなことは驚きでしょう。
フランス
本物の「もみの木」を買う
フランスでのクリスマスは、まず、皆本物のもみの木を買うのが当たり前です。
毎年、11月下旬くらいになると、もみの木を売り出し始めます。
そのもみの木を買って家の中に置き、クリスマスのデコレーションを行います。
日本では、本物のもみの木自体見つけることが大変ですが、フランスではクリスマス前になるともみの木だらけです。
そして、なんともったいないことに、クリスマスが終わるとその本物のもみの木を捨ててしまいます。
とても、もったいなく感じ、捨てるのなら偽物のクリスマスツリーを買ってそれを毎年使えばいいのではと思いますが、それは嫌らしく、必ず本物のもみの木を購入します。
確かに偽物より、本物を飾ったりするとクリスマスの雰囲気がより一層高まります。
アルザス地方では
フランスのアルザス地方ではクリスマスがおとずれるとマドレーヌを焼いてお菓子やさんの店先に並べます。日本でマドレーヌといえば年中食べることができるお菓子です。
日本はクリスマスのご馳走がご当地ものの郷土料理ということはありませんよね。
ところがアルザスでは外から持ち込まれた御馳走様ではなく地元のお菓子でお祝いするのです。
これは貿易国である日本人には見習うべきことであると思いました。
日本人のクリスマスは外国の真似事ですがアルザスには独自の文化を形成しているのです。街の装飾も日本の真似事とは異なりオリジナルです。
この差が何処から生まれてきているのか不思議な体験でした。
イタリア
12月8日にクリスマスデコレーションをすることが伝統
日本ではイブが一番もりあがるけれど、イタリアでは特になにもしません。
また、日本ではクリスマスは恋人や友達と過ごすことがほとんどだけれど、イタリアでは、クリスマスは家族で過ごすのが一般的です。
おおくの家庭ではクリスマスデコレーションは12月8日の祝日に行うのが伝統。
プレゼペという飾りつけを各教会はもちろん、家にも飾ります。
プレゼペとはキリストが生まれたとされる小屋、それを見守るマリア、動物たち、さらに祝福するためにあつまる人々はもちろん、その周りにある家や山、空などのジオラマ。
クリスマスまではキリストが生まれていないのでそれまではゆりかごや藁の上にはなにもない状態にして、25日になるとあかちゃんのキリストを飾ります。
靴下を使わない
日本のクリスマスはどの国のクリスマスを真似たものなのかわかりませんが、プレゼントを入れてもらうのに靴下を用意しますよね。
イタリアではクリスマスには靴下は用意しません。
クリスマス・ツリーの下にプレゼントを並べるだけです。でも、靴下が登場するイベントがあるのです!
それは、1月6日のエピファニアという祝日の日なのです。
この日は年取った年配の醜いお婆さんが箒に乗って(あるいは持って)どこからかやってきて、いい子にはお菓子のたくさん入った靴下をおいていき、悪い子には炭の入った靴下を置いていく、という子供を喜ばせてくれる祝日です。
もちろんお菓子や炭は大人が用意するのですが。この日はイタリアのたくさんの場所で醜いお婆さんがあちこち出現します。靴下の登場がイタリアと日本でぜんぜん違うので驚きです。
オランダ
オランダのクリスマスは賑やかなパレードで始まる!
日本でクリスマスというと12月25日。
オランダでは、クリスマスが2回あり、1回目は12月6日の聖ニコラスの誕生日と、2回目は12月25日です。
11月に聖ニコラス祭のパレードから始まり、前夜祭である12月5日には自分の靴を暖炉かリビングルームに置き、その靴の中にはシンタクロース宛の手紙と馬にあげるニンジンを入れておく習慣があります。
そして、聖ニコラス祭が終わるとクリスマスツリーに、お店もクリスマスのオブジェが飾られ、クリスマスマーケットも始まり、街は一気にクリスマスの雰囲気に変わります。オランダでは、クリスマスは12月25日と26日であります。
アイルランド
ハロウィーン前からもクリスマスグッズが売られ始めます。
早い所では8月下旬頃からクリスマスディスプレイが始まることに驚くでしょう。
12月になると、とあるデパートではサンタの家が作られて、週末に家の中でサンタさんに会える(プレゼントをお願いする)イベントをやっています。基本的には子供向けですが大人も会えます。ただし、この時ばかりは料金は子供のほうが高くなります。
25日のクリスマス当日は、全てがお休みです。バスや路面電車、鉄道もお店も休み。
観光客向けに街中のホテル周辺のコンビニが数件開いている程度で、レストランやパブ、スーパーも全て閉まっています。車がない人の交通手段はタクシーのみ。
日本では年末年始にお店が閉まることはあっても、公共交通聞が祝日に全てストップするということが無いのですごく不思議に思いました。
フィリピン
クリスマスを祝う雰囲気の早さにビックリ
日本では、11月以降にクリスマスの装飾やイベント、話題などが挙がってくると思いますが、フィリピンではもう9月頃から始まります。
ホームステイする家庭によっては、9月下旬頃にはクリスマスツリーを飾り、近所の家庭もクリスマスのイルミネーションを始めていました。
また、近所のスーパーやデパートではクリスマスまでまだ2か月もあるのに、店員がサンタクロースの帽子をかぶりながら働いていたり、店内のBGMがクリスマス関連の曲だったりと日本と比べてフィリピン人はクリスマスをとても楽しみに待ち遠しくしているのが感じられます。
そして、日本だとクリスマスは恋人と過ごすのが多く、恋人がいない人にとってはつらいみたいに言われる時期ですが、フィリピンではクリスマスは家族で過ごすのが一般的なイベントなので、クリスマスイブやクリスマス当日は多くのお店が休みや半日営業になり、夜は家族や親戚、中のいいご近所さんが集まってパーティーなどをして過ごすことが多いです。
南アフリカ共和国
南アフリカのケープタウンに15年間住んでいた方より。
最初の頃に驚いたのは、クリスマスのお祝いを年に2回することです。
普通のクリスマス12月25日はもちろんメインのクリスマスとして、休日だし、多くの人が長い休暇を取ります。他の国と同じように、家族で集まってクリスマス料理でお祝いします。プレゼントの交換もします。町の雰囲気も、クリスマスツリーや色鮮やかなデコレーションで盛り上がります。
なんとこれを7月にもやってしまうのです。
理由は、本当のクリスマスが来る12月、南半球にある南アフリカは真夏で、クリスマスムードに欠けるから、だそうです。
ヨーロッパからの移民も多い国なので、夏にクリスマスを祝うことに違和感があったのでしょう。
7月のクリスマスは12月のそれと比べると、大幅に規模も小さくなりますが、街やお店もクリスマスの飾りで彩られます。
各地でクリスマスのイベントも開催しています。さすがに国民の休日は設けていないので、長期休暇を取る人はあまりいませんが、1年に2回もクリスマスの騒ぎが出来てお得な感じがするでしょう。
インドネシア
イスラム教がほとんどでも、クリスマス休暇がある
7年間インドネシアに駐在した体験者談です。
インドネシアはご存知の方も多いかと思いますが国民の90%はイスラム教徒です。
キリスト教徒は4%程しかおりません。
ですのでインドネシアでのクリスマスの風習は駐在当初は大変違和感がありました。
飾り付けはキリスト教徒の多い欧米や日本、隣国シンガポールに比べれば比較的地味なイメージですが、それでも11月半ばを過ぎた頃から各有名ホテルなどは飾り付けを行います。
街中では大げさな物はあまり見かけません。
ただクリスマスの休暇は国民の祝日に指定されており、キリスト教徒は勿論イスラム教徒もお休みです。私の駐在していた会社では「休日出勤」はイスラム教徒は進んで出勤してくれてました。
キリスト教徒の文化は関係ないのでしょう。
イスラエル
ユダヤ教の国のイスラエルではユダヤ教の人たちはクリスマスがありません。
代わりにハヌカと呼ばれるホリデーがあります。
ハヌカはイスラムの暦で毎年決められています。
2016年はキリスト教のクリスマスと同じ日の12月24日に始まります。私はユダヤ教の友人が多いので、以前アメリカで一緒にハヌカを過ごしたことがあるのですが、ミノラーと呼ばれるキャンドル立てに毎日ロウソクの火を灯してお祈りをします。
シナゴーグと呼ばれるキリスト教の教会に当たる施設に出向いて行きお祈りをします。
お祈りの後にはハヌカの特別な夕食をみんなでいただきます。
子供達にはクリスマスプレゼントに当たるハヌカゲルトと呼ばれるコインの形をしたチョコレートが振る舞われます。
キリスト教に当たるクリスマスと一緒で家族全員で過ごす大切な時期に当たります。
クリスマスのようにゴテゴテしていないシンプルなホリデーだったので、クリスマス慣れしていた自分としてはなんだかすごく質素な感じがして不思議でした。クリスマスのように特に大人の間ではプレゼント交換も特にないところが自然に感じました。
さいごに
驚くクリスマスがたくさんです。
海外に行ったからには、海外のクリスマスを思いっきり堪能しましょう。