「子どもが好き」「自分の得意なことを仕事にしたい」と思う人にとって、先生は絶好の仕事です。
自分の好きな学問を教え、自分の好きな学問に長く携わることができる憧れの仕事の一つでした。
ただ最近は、先生といえば「残業の多いブラック企業」「モンスターペアレントの対応でストレスフル」といったネガティブな印象が多く、人気がなくなってきています。
しかし、先生という仕事の良いところは教員免許さえ持っていれば働く場所を選ぶことができるということです。
自分にあっていない環境であれば変えてしまえばいいのです。
働く場所は日本だけではありません。海外にも学校はあります。
もしかしたら、日本で働くことしか考えがなく、いつかは海外に住みたいという夢を諦めてしまっていませんか?
筆者は学生時代から海外で働きたいという夢があり、その夢を先生となって実現しました。
それも1カ国だけでなく2カ国で先生として海外生活をしました。
あなたも自分の持っている免許・スキルを生かして海外で働いてみませんか?
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「先生になる」「海外で働く」二つの夢を実現するために
私が海外で就職した経緯
私は体育教師になるのが小さい頃からの夢でした。
学生時代に出会った体育の先生に恩があり、今度は私が子どもたちを支えてあげたいとずっと思っていました。
大学時代、私は教員免許を取得しました。
ただ、日本で体育の正規教員になる倍率はとても高く、大学卒業後3年間は日本で常勤講師として働いていました。
日本で教員採用試験に合格したいという夢も持ちながら、いつか「海外で働きたい」という夢もあったので、思い切って海外にある日本人学校へ応募しました。
嬉しいことに、私は一度目の応募で合格することができました。
まずは教員免許の取得
これから海外で働きたい方でまだ教員免許を持っていない方も多いと思います。今では通信教育も充実してきました。教育に興味がある方は必要単元の受講数が多く大変かもしれませんが、取得しておくことをお勧めします。できれば幼稚園・小学校・中学校など幅広い校種の免許があると海外赴任のチャンスが広がります。
教員免許更新制が撤廃・失効した免許は再申請を
今は教員の仕事をしていないため、教員免許が失効しているケースがこれまでは多くみられました。
しかし、この教員免許更新制の撤廃が2022年5月11日国会で可決されたことにより、すでに失効してしまっている場合は、再授与申請手続きをすることによって、有効期限のない免許状の授与を受けることが可能になりました。
日本人学校で先生として海外で働く2つの方法
教員免許を有している方が日本人学校の先生になるには二つの方法があります。
- 一つ目は文部科学省の派遣教員になる方法
- 二つ目は、現地の学校採用教員として応募する方法
です。
一つ目の方法はまず、日本で都道府県の教員採用試験に合格し、3年程度の実績を積みます。(各都道府県により異なる)
その後、自分の所属している管轄の機関で推薦される必要があります。
推薦をされた者が文部科学省の書類審査並びに面接を受け、内定が決定します。
つまり、国の代表として海外派遣される適性がないと内定はもらえません。その代わり派遣時の待遇もしっかりとしています。
二つ目は、海外子女教育振興財団(JOES)を通して日本人学校等学校採用教員になる方法、もしくは学校に直接連絡し、面接を経て現地採用教員になる方法です。
この方法は教員としての経験がない方や教員免許取得見込みの学生の方でも応募可能です。(国によって異なる場合もある)
選考は、書類選考並びに現地の校長先生との面接です。こちらは任期終了後のことは保証されていないので、任期中に就職活動をしなければならないという負担はあります。
どちらの方法でも保護者からしてみれば同じ先生なので、指導力の差があってはいけません。
ただし、派遣のされ方やポジションによって待遇には違いがでてきます。
それは良い面でもありますが苦労する面にもなります。
行く国によってもそれぞれ違いますので、これを読んで日本の方が働きやすい・待遇が良い、わざわざ今の仕事を辞めてまで行くのは…と思うのであれば、あえて苦労して海外に行く必要はないかもしれません。
日本人学校をお勧めする3つの理由
1.語学力の心配がいらない
海外転職の中でも日本人学校で就職するメリットは、語学の心配がいらないという点です。
海外へ赴任するのですから、当然英語ができなければいけないと思っている人が多いですし、企業で働く人が海外勤務しようとすると「英語」から逃げることはできません。
しかし、日本人学校での勤務の場合、英語の先生、一部の地域を除いては英語の能力が求められないので、語学の心配は入りません。
現地のことは先に赴任している先生がサポートしてくれるので外国語のスキルがないと赴任で困るということはありません。
ただ、現地に到着してからは、生活を楽しむために、現地で語学の勉強を始めることをお勧めします。
2.異国の文化に触れ、日本の文化を伝える楽しさが味わえる
日本を離れ海外へ行くのですから赴任先の国の文化をとことん楽しみましょう。
異国での体験の中には日本では味わえない学びがたくさんあります。
それだけでなく、日本人学校で働く経験の中で、現地の方に日本の良さを伝える機会もでてきます。海外だからこそ日本のことをよく考えるきっかけになります。
ただ、注意が必要なのは行きたい国を自分で選べないことです。
現地採用の場合は、選べるケースもあります。
日本人学校の先生になるということは、当然、日本人学校がある国に行くということなので、赴任できる国は限られています。
特にアメリカやヨーロッパなど、行きたいと思っている方にとっては狭き門です。
アメリカやヨーロッパは日本人学校ではなく日本語補習校しかない場合が多く、日本人の子どもたちの多くはインターナショナルスクールや現地校へ通います。
日本人学校の募集は多くありません。
日本人学校の先生として海外へ行くのであれば、あまり赴任先の国にこだわりがない方が良いでしょう。
3.任期満了後の進路を計画できる
日本人学校の先生として働く良いメリットとして、赴任期間がはっきりと決められているということがあげられます。
海外転勤の場合、任期が延長されたり、突然本帰国を命じられたりするケースも多いですが、日本人学校の場合は満期が3年であれば3年後に必ず帰国できます。
文科省派遣教員の方は任期満了後は、派遣された管轄の学校に戻ります。
学校採用の先生は一般的に任期満了した方は日本に帰国し、また先生として採用試験を受験する方が多いです。
任期が決まっているからこそ、計画的に帰国後のライフプランを考えることができます。
私が海外で教師をして最も印象に残っていること
親日友好イベントへの参加
私が一番印象に残っていることは、数多くの親日友好イベントに参加したことです。
世界中どこへ行ってもお祭り・行事などイベントがあります。現地のしきたりに習って参加したり、日本の文化を伝える代表者として参加したりすることができます。
より深く現地の人と関わることが海外赴任の醍醐味だと思います。
日本のことをもっと知りたい、日本へ行ってみたいと思っている人はたくさんいます。
日本人会や親日サークルがある国も多いです。
学校と自宅の往復だけの生活ではなく、ぜひ現地のサークルやイベントに参加してみてください。
現地文化を知り、日本の文化の良さを再発見することができる、たくさんの感動が待っています。
現地の教育を学んでスキルアップ
多くの日本人学校では研修の一環として、現地校見学が取り入れられています。
私はそこで、教育制度から指導法・生徒の雰囲気まで日本の教育とは全然違うことに驚きました。
日本の学校で勤務していると、目の前の業務に追われて新しい教育観・教育法について学ぶ機会がなくなってしまいます。
思い切って一旦日本を離れ、現地の教育を学び、自分のスキルアップを目指してはどうでしょうか。
学んだことを日本で活かす。もしその国が気に入れば長期移住することも
文科省派遣の先生は海外研修という名目で派遣されています。
決められた期間で帰国し、海外で研修してきたことを日本で活かせるように研究発表をし、所属管轄で更なる活躍が期待されます。
派遣の先生は帰国後も職場が保証されているのであまり退職する人はいないと思いますが、一度海外で住んだ経験は今後の教員生活でも大きなプラスになるでしょう。
現地採用教員の場合、もしその国が気に入った場合は移住する方法もあります。
任期がきっちり決まっているので、赴任期間が終了すれば、現地で転職したり企業することも可能です。
赴任期間で生活のノウハウを手に入れて、スムーズに現地の会社に入社することができれば長期移住が可能です。
そのような選択肢があるということは海外生活が好きな人にとってはとても良いことです。