皆さんがコロンビアの食べものと聞いて思い浮かべるのは、「コーヒー」や「チョコレート」でしょうか。
確かにこの2つはコロンビア政府公認マークを取得するための基準が設けられているほど、コロンビアを代表するものです。
しかしコロンビアでは海外の食材まで含めて、基本的には何でもそろいます。
最近ではグルメスポットとして注目されている首都ボゴタもあるほど、グルメ発展中の国なのです。
ではコロンビアの食文化に欠かせないものとは何でしょうか。
ここでは、そもそもコロンビアの料理とはどのようなものなのかをご紹介します。
コロンビアの代表的な料理
コロンビアの食文化はカリブ海と太平洋、アンデス山脈、アマゾンなどさまざまな地形を反映して、地域によって全く違うことが特色です。
コロンビアの料理に欠かせない食材は、日本と同じく主食の米です。
また地域に応じて鶏肉、牛肉、豚肉と魚といった肉類がメインとなっています。
海外の料理が苦手な日本の方にも、味が濃くないために総じて食べやすいのがコロンビアの食べものです。
(人によってはスパイスが薄く感じるかもしれません。)
次項から、主食や肉類を使ったコロンビアの食べもののほか、なかなか紹介される機会が少ないスイーツもご紹介します。
1:アヒアコ
アヒアコはコロンビアの首都ボゴタを代表する料理です。
朝晩はとても冷えることもあるボゴタでは、ほっこりと体の芯から温まるスープでとても人気があります。
アヒアコのブイヨンも販売されており、簡単に作ることも可能です。
アヒアコを作る上で必須なのは、鶏肉、とうもろこし、じゃがいも、ミルククリーム(生クリームでも可)とコリアンダー。
じゃがいもは1種類でも、2~3種類を混ぜて甘みを出して風味を増すことも可能です。
アヒアコに添えるのは、白ご飯、アボカド、そしてケイパーの実。
ぜひコロンビア風に、このアボカドをスープの中に混ぜて食べてみてください。
プロの料理人の方による作り方はこちら:
https://www.youtube.com/watch?v=Rgw3OpDMMSw&list=PLcDwMCNUz8zXb2cgGbBjDV4HjIHw9jZoD&index=82&t=0s
Caracol Radio より出典
2:サンコーチョ
サンコーチョもアヒアコと並び、コロンビアを代表する料理です。
肉(鶏肉または牛肉)、じゃがいも、人参、ユカ(穀物の一種)、とうもろこし等を煮込み、最後にコリアンダーを散らします。
鶏ガラスープのようなダシで、アヒアコよりあっさりとした味。
主食としても、サイドメニューとしても適しているメニューです。
どちらの場合も、白ご飯は必ず添えられています。
アボカドを添えることも少なくありません。
アヒアコ同様、スーパーでサンコーチョのブイヨンを購入できます。
3:川マスとパタコン
https://www.youtube.com/watch?v=jXQWj5tJn4k&list=PLcDwMCNUz8zXb2cgGbBjDV4HjIHw9jZoD&index=88
Marca Colombia より出典
川マスを揚げたものにパタコンと白ご飯を添えたメニューも、ボゴタでは一般的なコロンビアの料理です。
家によっては、週に1~2度は食べるほど。
しかし第2都市メデジンなどでは、そこまで定番料理ではないようです。
川マスは塩・胡椒・ニンニクで味付けしてフライします。
白ワインを使うと、よりコクのある味に。
パタコンは日本では見ない大きなバナナを揚げたもので、甘さも抑えめでとてもあっさりしています。
パタコンは手作りもできますが、販売されているパタコンチップスで代用することも可能です。
または手作りと同じ見た目のパタコンも袋で購入できます。
4:バンデハ・パイサ
第2都市メデジンを有するアンティオティア県発ですが、今では国中で食べるコロンビアを代表する料理の1つです。
1つのプレートに目玉焼き、うずら豆、ウインナー(鶏肉、豚肉、牛肉または混合)、チチャロン(豚の皮付きの脂身を揚げたもの)、挽き肉、アボカド、プラタノ(大きなバナナ)を揚げたもの、アレパ(とうもろこしの粉を練って作るパン)と白ご飯がのっています。
一皿でカロリーが高いので、避けている人たちや頻度を決めている人も少なくありません。
5:レチョーナ
レチョーナはコロンビア伝統料理の1つで専門店もあるほどですが、なぜか場所によっては探すのが一苦労なメニューです。
私の地区ではようやくカルフール(以前は日本にも存在していたフランスのチェーンスーパー)で見つけました。
専門店の中には、さまざまなグラムで販売している店もあります。
豚の中に肉や黄色の豆を混ぜた白ご飯を詰め、丸焼きにしたもの。
そこにアレパ(後述しますが、とうもろこしの粉からできたパン)をセットするのが、コロンビアの定番レチョーナセットです。
豚の丸焼き同様、豚肉は柔らかく、キャラメル色になった皮まで美味ですよ。
そこにクミンが効いたご飯がアクセントとなり、深みのある「庶民の味」となっています。
アレパは店によりますが、ほとんど味がないので口休めにどうぞ。
6:ペチューガ レジェーナス
鶏の胸肉の中に野菜やチーズなどを巻いて、オーブンで焼いたもの。
鶏肉に包む食材は何でもいいので、牛肉や豚肉を巻いている場合もあります。
フードコートでも、コロンビアで人気のチェーンカフェレストランでもオーダーできる定番コロンビア料理です。
安くはないので日々食べるメニューではなく、外食をする時やパーティー用に用意をする料理になっています。
白ご飯、アレパ(とうもろこしの粉から作られたパン)、またはフライドポテトとパイナップル等の果物とともに1つの皿に盛り付けられるのが一般的。
全てをのせている店もあります。
オーブン焼きした鶏の胸肉の柔らかさとまろやかな甘みに、中に巻いた食材の旨みが加わっておいしいです。
注意点は、地区や店によっては塩辛いこと。
繁華街に近ければ近いほど味が濃いというのがある程度目安になります。
フードコートでもレストランでも、注文してから調理してくれるので、塩を濃くしない用に頼むことも可能です。
7:タマレス
バナナの葉に鶏肉、玉子、じゃがいも、オリーブの実などを包んで蒸したのが、コロンビアの食べものを代表する1つのタマレスです。
中に入れる具材はお好みに合わせて、何でも使うことができます。
あっさりした中に甘みや旨みを感じられ、全ての味のハーモニーがとてもおいしいです。
朝ご飯として食べるのが元々で、現在でも一般的。
しかしタマレスのお店があったり、スーパーでも売っているので好きな時に食べることができます。
8:エンパナーダ
屋台で買えるコロンビアの食べものの代名詞といえば、エンパナーダです。
通りには、エンパナーダ専門店が多くあります。
とうもろこしの粉から作った皮に、鶏肉、牛肉をじゃがいもと混ぜたもの、チーズまたは野菜のみを中に詰めたものをオーブンで焼くか、フライにしてできあがり。
レモンをかけたり、さらりとしたソースをつけて食べます。
ここでは牛肉入りのエンパナーダをご紹介しましょう。
9:アレパ
先の「バンデハ・パイサ」や「レチョーナ」にも登場したアレパは、すり潰したとうもろこしの粉から作られる薄焼きパンです。
直径や厚み、調理法、中に入れる具材は地域によって異なり、中に具材を入れないバージョンも多くあります。
グリルチキンに添えられていたり、具材入りのアレパだけでオヤツとして食べたり、朝ご飯になったりと、用途は多様です。
アレパの専門店もあるほど、コロンビアの食には必須。
ここでは玉子入りアレパの作り方をご紹介します。
玉子入りアレパは、屋台でも必ず販売されている定番アレパです。
10:レチェアサダ
ケーキ屋ではなく、パン屋で買う普段用のケーキです。
パン屋では必ずといっていいほど売られている、コロンビアの食べものです。
日本のケーキ屋で売られているプリン(スーパーのプリンとは違います)をあっさりさせたイメージのお味。
ただしプリンより結構甘いものが多いです。
生クリーム、ミルククリーム、玉子、砂糖、バニラエキスと水を用いたものが主流ですが、あっさり版などバリエーションがあります。
11:トルタ・デ ・パン
こちらもケーキ屋ではなく、パン屋やスーパーで販売されている普段用のケーキです。
簡単に作れ、また古くなってきたパンを使用するので家庭で作るにも人気があります。
古くなって硬くなってきたパンであれば種類は問いませんが、フランスパンが最適です。
(コロンビアでは、フランスパンはどこでも購入可能)
お好みに合わせて、干しぶどうや干しクランベリー等を入れます。
どこか懐かしい味がして、とってもおいしいです。
気をつける点は食べ過ぎることですね。
12:チョコリスト
コロンビアで誰もが知っている飲みものといえば、「チョコリスト」です。
日本でも販売されているネスレ社のミロの、コロンビア版をイメージするとわかりやすいでしょう。
コロンビアでもミロも販売されていますが、価格もお手頃でデイリーに飲みやすいチョコリストは、正にコロンビアの味です。
特に朝晩がとても寒いボゴタでは、飲んだことがない人がいないほどの人気を誇ります。
欠点もコロンビアらしく、甘いことです。
低糖タイプもありますが、それでも結構甘く感じます。
それでもボゴタに住んでいると常備してしまう、懐かしい味のする飲みものです。
まとめ
いかがでしたか。コロンビアの食文化は予想通りだったでしょうか。
コロンビアの料理ははてしなく、全てをご紹介できないのが残念なほどたくさんあります。
できれば本場コロンビアで、無理であればコロンビア料理店などでぜひ試してください。
もしかしたら病みつきになるかもしれませんよ。