せかいじゅう編集部がインタビューしたのは、カナダ人との結婚を機に永住を決意し、サスカチュワン州の州都・レジャイナで生活しているみーさん。
結婚による永住ビザを取得し、移住して1年5ヵ月が経過。
カナダには4年前にワーキングホリデー留学で、トロントに暮らしていた時期があり、今回2度目の生活ですが、まさかカナダの田舎に住むことになるとは思ってもいなかったとのこと。
- サスカチュワン州って?
- レジャイナって?
- カナダ田舎生活の心構え
など教えてくれました。
カナダ永住のきっかけは主人との出会い
主人が日本に3ヵ月の出張で来ていた時に、私の地元にあるレストランでたまたま少し話しをしたのが、出会いのきっかけでした。
出会ってすぐに遠距離恋愛というドラマのような展開でしたが、結婚に至ったのは、
「距離が距離だけに、このままダラダラと付き合っていても仕方がない。結婚するか、別れるか。じゃあ、結婚するしかないよね。」
というロマンチックからは程遠いものでした。(笑)
遠距離恋愛中に、お互いの実家に泊まったりして家族の理解は得られていたので、結婚することに関しては特に問題ありませんでした。
これがリアル!カナダの田舎レジャイナでの不便な生活
ワーキングホリデーで住んでいたトロントと比べてしまうと、日本の東京と地方くらいの差がある、カナダの田舎レジャイナ。
人口は20万人ほどですが、端から端まで車で30分程度の小さな街です。
電車はなく、車での移動が主となります。
一応、サスカチュワン州の州都で、住民はどんどん増えているみたいですが、かといって便利な施設や遊ぶ所が新しく出来るわけではなく、不思議に感じています。
カナダの中ではビザが取りやすい場所なので、移民が多いというのはあるかもしれません。
レジャイナの良いところ
・人が優しい
田舎ならではですが、どこに行っても人が優しく、距離が近いと感じます。
学生数が約12,300人と大規模な大学があり、日本人の留学生も結構来ています。
夏休みや冬休みの時期は学生の9割が日本人だとか。そういった意味では、日本人と知り合う機会は多いかもしれません。
このあたりは治安が良いのも利点だと思います。
・不動産価格がお得!
カナダでは『好きなところに引っ越してく』というのが普通です。
家を買っても、また売って別のところに行くなど、一生同じところには住まないことが多いようです。
家も新築ではなく、誰かが売ったところに買って入る、といった形。
ピンキリですが、レジャイナの不動産価格は、おおよそ3000~4000万円ほどです。同じ広さでもバンクーバーで買うとなると1億レベルになるそうなので、この点は田舎ならではの安さだと思います。
カナダの家は地下があったりもするのですが、前に住んでいた方が何も手入れしていないと、そういった箇所のリフォームから始まります。こっちの人は何でも自分達でやりますので。
だから、家の価値は日本とは真逆で、年数につれてどんどん上がっていくんです。家を完成させたほうが高く売れる、といった考え方でしょうかね。
一方で、レジャイナ生活の困ったところ・・
・とにかく車がないと生活できない!
一年の半分が冬で、9月頃から雪が降り始め、マイナス40度までいくこともあるのですが、とにかく運転をしなければ、スーパーにもどこにも行けない。
こっちに来てまず真っ先に運転の練習をしましたが、左ハンドル・右側通行や雪道の運転に慣れるのがとても大変でした。
・日本の食材が手に入らない!
家から車で5分くらいのところに、運よく大きなスーパーが複数あるので、買い物自体は困りません。
ただアジア人向け、日本人向けのものはほとんどなく、もっと離れたスーパーまで行っても本当の日本食というのはほとんど手に入りません。
必要なものは日本から送ってもらうしかない状況です。
・田舎なのに物価が高い!
カナダの都会トロントと比較すると、こちらのほうがむしろ物価が高いです。
地元で採れるものが少ないのか、食材もそれ以外の製品もだいたいがトロントから来ているようで、輸送費込みの価格設定になっているのかもしれません。
・娯楽がない!
土日、特に日曜日はほとんどのお店が閉まっています。レストランもやっていないし、開いていてもすごく早くに閉まってしまう。
地元の人たちは何して過ごしているんだろうと思って聞くと、みんな家の中でとにかく楽しめることを探しているそう。
パズルや手芸。映画を見ることが趣味で、家にホームシアターを作っている人も。
そうは言ってもつらいよね、との声もちらほら聞きますけどね…(苦笑)
ただ唯一の救いで、夏にはダウンタウンの方でマーケットやイベントが週末に行われています。
その時期だけは皆がんがん外に出ているそうです。
レジャイナで仕事はあるのか?
田舎だからこそ、英語の出来が仕事にも大きく影響してくることを痛感しています。
このあたりの仕事の募集は主に、飲食店やスーパーのレジなど。
大きい街なら、日本食レストランだったり、オーナーが日本人だったり、教えてもらう時は日本語で対応してもらえたり…といったことがあるけれど、こちらではそうはいきません。
カナダ人でも職を失うことがあるので、そういった中で移民を採用してもらうには、やはり何かよほどの特技があるか、英語が堪能でないと難しい印象です。
仕事をする上で良い点としては、とにかく色々な意味で、”働き手にとって優しいシステム”だという事でしょうか。
土日にしっかり休むのもそうですし、宅配便も一度受け取りを逃したら、自ら取りに行かないといけません。
日本の『お客様第一』の感覚とは真逆ですね。
レジャイナで暮らす私が発信していきたいこと
カナダに住みたい!と思っている方たちに、SNS等で、こちらでの生活に関する情報を発信をしたり、相談を受けることが出来たらいいなと思っています。
女性は特に化粧品関係の問題もあると思うので、長く暮らすのであればこちらで調達できるものがあると楽ですもんね。
日本でお馴染みのメーカーでもカナダ人向けに作ってあったりして中身は全然違うことがあるので、そういった日本人に合うもの・合わないものを、自分で試しながら発信していけたら良いです。
日本でいうところの『便利グッズ』というのも無いので、日本から絶対持ってきたほうが良い物の提案もできると思います。
S字フックとか、洗濯ネットとか。(笑)
今後にレジャイナに来られる方へ
とにかく前情報が少ないので、自分自身も移住してくるまでは、どんな生活になるんだろうと不安でいっぱいでした。
いくつかアドバイスさせていただくとすれば…
- 田舎なので、とにかく第一に車の運転を出来るようにしておいた方が良いです。
- それから英語をしっかりやっておくこと。
買い物は1ドル以下でもカード決済が主なので、クレジットカードも持ってきておいた方が良いでしょう。デビットカードもよく使われています。
日本で元々田舎住まいを経験されていて、「日本とそんなに変わらないし、意外と平気」と仰られる方もいらっしゃいますが、なにぶん不便の多い生活ですので、ストレスをぶつけられる場所や遊ぶもの、家の中で出来る趣味を見つけておくと良いかもしれません。
海外に出て、日本の良さが見えた。まさしくそういったことかもしれないですね。
これからレジャイナに来られる機会のある方は是非参考にしてみてください。