カナダで働くことを考えるとき、アルバイトと就職の間にあるのが「インターンシップ」。
職業体験の場でありながらも、将来的に企業からの採用に繋がったり、現場で実践的なスキルアップをはかることのできる大きなチャンスです。
海外で働くときに私たちがぶつかる大きな壁は、時間と財源のやりくりです。
事前にしっかりと計画を立ててのぞむことが何よりの成功に繋がりますので、インターンを考えている方はぜひ参考にしてください。
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カナダでのインターンの種類は有給と無給の2タイプ
カナダのインターンには、大きくわけて有給と無給の2つのタイプがあります。
自分の語学力や専門知識、生活スタイルなどを鑑みて最適なものを選びましょう。
・有給インターン
収入が得られるので、給与で滞在費(生活費)を補填できるというメリットがある有給インターン。
お金をもらって働く以上、企業側からの選考基準が厳しかったり、採用人数が少ないなど、無給のものに比べるとハードルが少し高い傾向にあります。
・無給インターン
収入は見込めませんが、有給インターンに比べると応募条件や採用人数が寛容であることも多い無給インターン。
興味のある業界や会社での職業体験や、就職前のスキルアップという経験を得ることができます。
また働き方も、会社によって異なります。
・フルタイム形式
正社員と同じように、定められた勤務時間を一定期間フルタイムで働くインターン。
この期間中はインターン一筋の生活になりますが、就職後のライフスタイルのイメージをより強く抱くことができたり、就職前に興味のある会社を、社員同様の視点で内側から見ることができます。
・パートタイム形式
一週間のうちの数日、または一日のうち数時間を働くというパートタイム形式のインターン。
学校に通いながら参加することができたり、無給インターンの場合も他のバイトなどでお金を稼ぐことができるというメリットがあります。
カナダにおけるインターンは約3ヵ月~6ヵ月間が一般的ですが、中には2週間程度の短期間インターンを設けている会社もあります。
なおカナダでは、同一の雇用元におけるインターンは連続6ヵ月までという規定があります。
インターンに必要なビザは「ワークパーミット(労働許可証)」が必要
カナダで働くためには「Work Permit(ワークパーミット)」と呼ばれる労働許可証が必要です。
以下、比較的取得しやすいビザをご紹介します。
・ワーキングホリデービザ
18歳~30歳までの間、最長1年間カナダに滞在することができます。
滞在中は学校に通ったり、仕事をしたり、旅行をしたりと、自由度の高いビザです。
・Co-opビザ(コープビザ)
カレッジや専門学校など、就労準備を目的とした学校に通うことで取得ができるビザで、学校に通った期間と同じだけの就労が認められます。
ただし職種は、就労プログラムに関連したものに限られます。
(該当の学校に6ヵ月通った場合、最大6ヵ月の就労が可能)
年齢制限がないので30歳以上の方や、すでにワーキングホリデービザを使った方も利用可能です。
なおCo-opが取得できるのは、カナダ政府から認定を受けた学校及びコースを受けた場合に限ります。
語学学校などではビザの発給は受けられませんので注意が必要です。
・Off Campus(オフキャンパス)
カナダ政府指定の大学、カレッジ、専門学校(語学学を除く)などに半年以上在籍する予定の留学生は、週20時間までの就労が許可されています。
また専門学校以外では、学校の夏休み中はフルタイムで就労ができます。
・Post Graduation Work Permit(ポストグラジュエーション)
カナダ政府指定の大学やカレッジで、8ヶ月以上のフルタイムのプログラムを受講し卒業した場合に取得できます。
Co-op同様に、通学期間と同期間の就労が可能です。(最長3年)
大きく異なるのは職種に関してで、こちらはオープンの就労ビザのため職種の制限がないのが特徴です。
インターンに必要なスキルは語学力が必要
インターンでは当然ながら、従業員や顧客とのコミュニケーションがはかれるだけの語学力が必要です。
特定のテストや必須スコアが定められているわけではありませんが、目安として以下を参考にしてください。
- TOEIC 650~
- TOEFL 60~
- IELTS 5.5~
ただしこれは、あくまで参考スコアにすぎません。
実際にはコミュニケーション能力や仕事に対する意識が最も重要で、このスコアに届いていないからといってインターンへの参加を躊躇するのはもったいないです。
語学力が足りないと苦労をするのは事実ですが、その壁をうめるだけのモチベーションを持っていれば、挑戦してみることをおすすめします。
カナダでのインターンの探し方・4つの方法
1.カレッジや専門学校を通じて探す
サポート内容は学校によって異なりますが、興味のある分野や職種をリクエストすると、条件に合った企業の紹介や面接の手配をしてくれます。
ただしインターン参加が保障されているわけではなく、最終的な判断は企業側の採用になります。
自力で様々な情報を探し手配をするのに比べて、インターンに参加できる可能性が高いこと、そして知識を得てからのぞむことができることなどがメリットです。
一方で、学校に通うということは一定の時間を要し、また金銭の支出が大きくなるというデメリットもあります。
2.自力で探す
ワーキングホリデービザなどすでにWork Permitを持っている場合、学校を介さず自力で探すことも可能です。
どんな企業がインターンを行っているのか、内容はどんなものなのか、といった情報収集から全てを自分で行うので労力がかかりますが、お金を節約できるというメリットがあります。
その際に有効な方法をご紹介します。
3.掲示板のインターン募集をチェックする
トロントやバンクーバーなど日本人の滞在も多い都市では、英語版だけでなく、日本人向けの求人掲示板もあります。
そこでは無給インターンの募集が多いですが、語学力に自信のない方は、まずそこをチェックしてみるのがおすすめです。
無給とはいっても、将来的にやりたい職種をカナダの地で経験する貴重なチャンス。
ただし日本人向けサイトに掲載があるものは、それだけ応募者も多いはずですので、しっかりと自己アピールをしてのぞみましょう。
下記は、カナダでインターンを探すのに役立つサイトの一例です。参考にしてくださいね。
カナダ政府公式サイト<Volunteering and internships abroad>
4.LinkdIn(リンクトイン)を利用する
カナダで職探しをするなら、LinkdInの利用は押さえておきたいところです。
LinkdInは履歴書用のFacebookといった感じで、自分の職歴やスキルなどを掲載します。
インターンの募集をLinkdInに掲載している企業は多いですし、逆に企業側からオファーが来ることもあります。
インターンのみならず、将来的な職探しでも使用することがあると思いますので、アカウントを用意しておくとよいでしょう。
インターンの給与相場はカナダの州によって最低賃金が異なる
有給インターンの場合、インターンだからといって最低賃金を下回って支払われることは違法です。
なお、カナダは州によって最低賃金が異なります。
カナダの州 | 最低賃金 |
---|---|
アルバータ | $15.00(一般)$13.00(18歳以下の学生) |
ブリティッシュコロンビア | $14.60(一般)$13.95(アルコールを提供するサーバー業) |
サスカチュワン | $11.32 |
マニトバ | $11.65 |
オンタリオ | $14.00(一般)$12.25(アルコールを提供するサーバー業)$13.15(18歳以下の学生) |
ケベック | $13.10$10.45(チップが支給される職) |
ニューブランズウィック | $11.70 |
ノバスコシア | $12.55(経験者)$11.05(未経験者) |
プリンスエドワードアイランド | $12.85 |
ニューファンドランド&ラブラドール | $12.15 |
ユーコン | $13.71 |
ノースウェストテリトリーズ | $13.46 |
ヌナブト | $16.00 |
カナダの州ごとの最低賃金は、下記のカナダ政府のホームページで随時確認ができます。
<Current And Forthcoming Minimum Hourly Wage Rates For Experienced Adult Workers in Canada>
URL:http://srv116.services.gc.ca/dimt-wid/sm-mw/rpt1.aspx
注意点:証明写真の添付や年齢、性別の記載はしない
履歴書に力を入れる
インターンに応募するには、履歴書の用意をしなくてはいけません。
当然ですがカナダでのインターンですから、英語(州によってフランス語)で作成する必要があります。
文法などに誤りがないことはもちろん、カナダでは手書きの履歴書はNG。
日本ではコンビニなどで簡単に購入できますが、そういったフォーマットはありませんのでパソコンで一から自分で作ることになります。
内容構成も日本のものとは大きくことなり、証明写真の添付や年齢、性別の記載はしません。
この3点は、雇用の差別に繋がるという考え方からです。
履歴書は、企業に自分をアピールする最初のツールになりますので、しっかりと興味をもってもらえるよう、カナダのスタイルに合う履歴書の作成に注力しましょう。
インターンの募集時期
インターンには様々な職種がありますが、接客業や観光業に従事したいと考えている方は、時期に注意しましょう。
カナダでは冬の寒さが厳しい州が多く、飲食業や観光業はオフシーズン。
インターンの募集はあまりありません。
逆算をして、夏までに諸々の準備を終えて万端な体制でインターンに参加できるような流れをつくっていくとスムーズです。
業務内容を確認する
”憧れの企業”や”憧れの職種”というだけでインターンを選んでしまうと、想像していたものと違う…となってしまうことも。
実際に、「カナダにある日本企業のインターンに参加したら、業務内容は日本顧客向けの電話対応のみで一切英語を使わなかった」といった話などもあります。
もちろんインターンは語学力の向上だけが目的ではありませんし、インターン中に自分のやりたいことばかりがやれるわけではありません。
ですがインターンに参加する以上、自身のモチベーション維持やスキルアップのためにも、業務内容を応募前に事前にチェックすることは大切です。
受け身の姿勢にならない
インターン参加をきっかけに、企業側からオファーを受け雇用されることもありえます。
この上ない自己アピールの場ですので、限られた期間を最大限に活用するようにしましょう。
なお受け身の姿勢ばかりでいると、企業によっては雑用ばかりを任されてしまうこともありますので注意しましょう。
インターン参加前に生活のイメージをする
インターンには有給、無給の2種類があるとご説明しましたが、どちらも事前の心構えが大切です。
無給インターンの場合、一番の問題になるのが生活費の捻出方法。
十分な貯蓄があれば安心ですが、フルタイムのインターンに参加する場合は特に、収入がない生活が続くことをイメージしておきましょう。
中には悪意のある企業で、採用の意志がないにもかかわらず長期の無給インターンを募集していることもあります。
有給インターンでは金銭的な不安は少ないものの、これまでの生活リズムとは異なる毎日が続くことになります。
特にお金をもらっている以上、働きながら学ばないといけないことも多いのが有給インターン。
生活が完全にインターン中心になりますので、イメージトレーニングは大切です。
カナダのインターンまとめ
インターンは、憧れの企業や職種に近づく大きな一歩です。
ですが、単なる職業体験の場であるだけでありません。
有給無給に関係なく、現場に出れば社員と同じような責任を担うことになります。
そしてその結果として、将来的な雇用に繋がる可能性も大いに秘めています。
カナダのインターンがこのように実践的である背景には、カナダの職場が、社員同士のコミュニケーションを大切にしていたり、会社と社員が双方に満足のいく形で働くことを重視していることが関係していると私は思っています。
カナダ滞在をより有意義にしたいと思っている方や、将来的にカナダで就職を考えている方にとって、今回の記事が少しでも参考になれば幸いです!