この記事では、海外で看護師をめざす海外思考の方へ、紆余曲折しながらもカナダで看護師免許を取得した筆者が、大切なお金と時間を無駄にすることなく免許を書き換えする方法をお伝えします。
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日本人看護師がカナダで看護師免許を取る方法とかかる期間
日本人がカナダで看護師免許を取得するには大まかに2つのパスウェイがあります。
- 現地でナーシングカレッジ/大学の看護学部に通う
- 日本の看護師免許をカナダのものに書き換える
1のカレッジに通う場合は通学期間は大抵2年間で、取得できるのはLPN(准看護師)のライセンスです。
学費は2年間で180万程度、この他に教科書代や諸経費が加算されます。
またRN(正看護師)の大学に行く場合は、学士を保持していること、など条件があります。
また学費は非常に高く、年間200〰500万程度で4年制の大学がほとんどです。
日本で私立の医学部に通うのと同じくらい高額ですよね。
そのため、2の免許書き換えの方法が金銭面としてはおすすめです。
書き換えが完了するまでの期間は、その人がもともと持っている英語力に大きく左右されます。
すでに英語が不自由なく聞けて話せて理解できる人は、スムーズに行けば1年程度で書き換えすることも可能です。
英語力が一番のネック
日本人看護師がカナダでナースとして働きたい、と夢を描いたところでぶつかる問題が「英語力」です。
英語圏で育った帰国子女でない限り、英語力を上げることは並大抵の努力では不十分です。
実際にカナダに留学後、英語要件を満たすことができず、諦めて日本へ帰国する人は少なくありません。
カナダの外国人看護師向けの看護学校では、カナディアン方式の看護や医療英語を学べる学校が多いのですが、これらの学校を卒業したからといって免許がもらえるわけではないことをまず知っておいてください。
学校は免許書き換えのサポートは熱心にしてくれますが、実際英語力を上げて、現地で働けるほどレベルに達するには自分の努力次第となります。
過去の記事でも書きましたが、カナダで看護師免許を書き換えするのに必要な英語力は以下です。
CEBAN Listening:9 Reading:8 Writing:7 Speaking:8
IELTS (Academic) Listning:7 Reading:6.5 Writing:6.5 Speaking:7
参考記事:https://sekai-ju.com/life/can/carrier/canada-nurse/
このスコアを取るのに筆者は莫大な時間とお金を無駄にしてしまいました。
CELBAN受験1回に約4万円、IELTS受験1回に約3万円かかり、筆者はCELBAN2回、IELTS15回受験しましたので、合計50万円以上を英語の試験にだけに費やしました。
試験対策のためのオンラインレッスンや教材費を入れると、さらにお金を使ったことになります。
期間にして4年半もかかってしまいました。
そこで、みなさんには貴重なお金と時間を無駄にしないで、カナダでも看護師の仕事ができるよういくつかのTipsを紹介します。
語学学校は必要か
筆者はカナダでみっちり英語を勉強しようと思い、留学エージェントを通して語学学校のコースを1年間申し込みました。
長期で申し込むと割引になるシステムだったようで、3週間分の学費が割引になりました。
しかし、オンラインが進んでいる現代で、語学学校が英語力を上げるのに効果的か検討したほうが良いでしょう。
メリット・デメリットそれぞれお伝えします。
1 語学学校に通うメリット
- 英語レベルが同じ友人ができる
- クラスでは嫌でも英語で話す
- わからないことはすぐ先生に聞ける
- 放課後などクラスメイトと遊びに行ける(英語を使う機会となる)
同じ英語レベルの友人と、放課後にスピーキング練習がてら買い物などできると実践力がつきますよね。
習ったことはアウトプットしないと身につかないので、英語を使える環境に身を置くことは最大のメリットです。
2 語学学校に通うデメリット
- 学費が高い
- 他のクラスメイトのペースに合わせる
- 低いレベルのクラスほど日本人が多い
筆者は1年間の語学学校の授業料で約130万ほど支払いました。
カナダでの語学留学は本当に高いです。
また文法が得意な日本人が、中級レベルに入っても全く喋れず、他国の学生に圧倒されてしまったり、結局日本人同士で固まってしまうなどデメリットもあります。
費用対効果は良いとは言えません。
ちなみに語学学校に通い始めて10ヶ月めで受験した、筆者のIELTSアカデミックの結果はListning:7.5 Reading:6 Writing:5.5 Speaking:5.5 。
なぜかリスニングで高得点を取り、ライティングとスピーキングの技能はカレッジ入学最低ラインをようやくとれたという結果でした。
カナダに渡航する前にできること
カナダで看護師として働きたいならば、カナダに渡る前にできることはたくさんあります。
英語力を上げること、資金を集めておくこと、書類集めなど細かく説明していきます。
1 IELTS Band6.5程度まで英語力を上げておく
IELTSのアカデミックでOverall6.5取れていれば、ある程度のコミュニケーションは取れます。
看護師免許申請に必要な英語力までもう一歩というところですし、留学中の免許取得までの時間短縮になります。
おすすめするのは、1対1のオンラインレッスンを受けることです。
料金設定が安めのフィリピン系の講師が教えてくれるクラスや、英語圏のネイティブスピーカーと話せるものなど、今は多くのオンライン英会話があります。
自分のレベルに合ったものから始めると良いでしょう。
また日本全国でIELTSの受験ができます。
受験料は約3万円と高額ですが、自分の英語力が今どのレベルなのか知るには、受験することが一番の近道です。
IELTSのBand0.5上げるのに、毎日勉強して約3ヶ月かかると言われていますし、日本にいる方は仕事をしながらだと思いますので、日々少しずつ英単語一つ覚えるだけでも留学後が楽になります。
2 資金集め
カナダの物価はとても高いです。
筆者は貧乏学生でしたのでずっとシェアハウスで生活していましたが、光熱費やWi-fiなど含めて家賃は約5万円程度、その他食費や交際費を入れると月の出費は少なくとも10万円程度は必要でした。
私の周りの看護師は散財好きな人が多い印象ですが、カナダ渡航後に働けない期間があることや飛行機代、各種申請料金などかかることを考慮し、日本にいる間に少しでも多く貯金しておくと安心です。
3 免許書き換えに必要な書類を日本にいるうちに集めておく
過去の記事でも書きましたが、看護学校の英文シラバスや成績証明書、厚労省からの看護師免許登録証明証、前職場からの在職証明など、書類収集に結構労力と時間をとられます。
カナダに渡ってしまった後だと時差もあり、なにかと大変なので日本にいるうちにすべて終わらせておくと良いです。
私はカナダにいながら書類を揃えたので、親に郵便切手を送ってもらったりと周りの人にだいぶ助けてもらいました。
カナダに渡航してからおすすめすること
カナダに着いてから、看護師として働けるまで最短でいくためにできることを紹介します。
1 ローカルのHome care agency(訪問介護派遣会社)で働く
日本でIELTS6.5まで上げていれば、渡航後に訪問介護士として働くことはそんなにハードルは高くありません。
医療的なケアはしませんし、話し相手になったり、リハビリのために散歩に行くなどの仕事内容で、コミュニケーションを通してネイティブの英語を学べます。
またネイティブだけでなく移民して30年、40年というようなご高齢の方の担当になることもあるので、いろいろな国の英語アクセントを聞く練習にもなります。
なによりも、経験を重視するカナダでは、カナダのヘルスケアフィールドでの経験が看護師として就職する際にも有利になります。
カナダで、レストランでサーバーをしていた外国人看護師と、訪問介護師をしていた外国人看護師を採用の天秤にかけたとき、採用担当者は、後者を選びます。
2 PGWP(公立学校卒業後にもらえる就労ビザ)がもらえる学校に通う
カナダで看護師免許を取得した後に直面するのが、ビザの問題です。
私立の学校に通う場合、在学中はビザが出ますが、卒業したら帰国せざるを得ないのが現状です。
そのため、卒業後に就労ビザがもらえる公立の学校に行くことをおすすめします。
就労ビザで働いている期間は永住権を申請するの際に有利になり、カナディアンエクスピリエンスクラスなどで永住権が取得できる可能性が高くなります。
また家族がいる場合、公立の学校は家族の分までビザが発行されます。
まとめ
カナダで看護師免許を取得したい方も、充実した留学生活をしたい、永住権を取りたいと考えている方も、今回の記事を参考に出国前の準備を十分にすることで留学中のお金と時間をかなり節約できると思います。