サンバ!ビーチ!サッカー!
ブラジルって楽しそうだけれど治安が悪そうで怖いな…。
そんな考えを持つ人は多いでしょう。
たしかにブラジルは治安など問題も多い国です。
その一方で大らかな国民性に支えられた、居心地の良い寛容な国でもあります。
「みんなと同じじゃないといけない日本だと窮屈に感じる」
「自分の人生を楽しみたい」
そんな考えの人ならブラジル生活をきっと楽しめるはず。
ブラジル移住のメリット・デメリットを現地在住12年の目線から語ります。
ブラジル移住のデメリット
まずはブラジル移住のデメリットから見ていきましょう。
ブラジル移住のデメリット①【治安】
ブラジルは危険…。
そんな意識がある日本人にとって、治安はブラジルに移住するうえでもっとも気になる点かもしれませんね。
ブラジルの治安について見ていきましょう。
ブラジルの治安は本当に悪いのか?
ブラジルは治安が悪い…。
残念ながらこれは事実です。
2017年のブラジル地理統計院のデータを見ると、人口10万人あたりの殺人発生率は30.74。
この数字は日本の0.24と比べると約128倍の発生率になります。
数字には現れませんが、体感上も治安は非常に悪いです。
「強盗に合ったことがありますか?」とブラジル人に聞いてみてください。
おそらくブラジル人10人に聞いたら、1人2人は「Yes」と答えるはずです。
日本では考えられないことですよね。
治安は悪いけれどリスクを減らすことはできる
ブラジルの治安が悪いのは事実ですが、一方で気を付ければ犯罪に巻き込まれる確率をかなり減らすことはできます。
ブラジルにはファベラと呼ばれるスラム街があります。
ファベラの異常な犯罪率の高さが、ブラジル全体の犯罪率の高さを押し上げていると言っても過言ではありません。
つまりファベラに近寄らないことを徹底していれば、命を失うレベルの犯罪に巻き込まれることはそうそうないのです。
ブラジル移住のデメリット②【物価の高さ】
ブラジルというと物の値段が安いイメージがあるかもしれません。
しかし実際は日本より値段が高いということもかなり多いもの。
日本と同程度のものを買った・サービスを受けたと仮定し値段を比較すると以下のようなことが言えます。
ブラジルが安いと思って移住すると後悔することになるでしょう。
ブラジルのほうが安いもの
- 食品類
- サービス類(自動車の修理や美容院など)
- 家賃
ブラジルは食生活が豊かです。
食品類は(日本食を除き)基本的に日本より安く質の良いものが手に入ります。
また人件費が低いので、ものの提供を伴わないサービス(≒ネイルサロンやマッサージなど)も日本より安くなります。
さらに同じ条件ならブラジルのほうが安く大きな家が選択可能です。
ブラジルと日本の値段が同程度のもの
- 衣類
貧富の差が激しいブラジルでは、衣料の値段もピンキリです。
しかし一般的に日本と同等のクオリティのもの同士で比較すると、ブラジルも日本もほぼ同じ値段になります。
ブラジルのほうが高いもの
- 教育費
- 日用品
- 水道光熱費
ブラジルの公立校は無料です。
しかし教師が現れないといった理由で休校になる…校内でマリファナを吸う…といったこともしょっちゅうあり、日本の公立校とは比べ物にならないほど酷い環境です。
日本の公立校と同等の教育レベルを求めるのであれば必然的に私立に入れることになりますが、日本の公立でかかる費用と比べても高いです。
またシャンプーや洗濯洗剤といった日用品は、日本と同じブランドのものが売られていることも多いですが基本的には日本よりかなり割高です。
そして意外と高いのが水道光熱費。
特に電気代は日本と比べても高く、その理由として配電効率の悪さと盗電が指摘されています。
盗電とは電柱などから直接電気を家や店に引き込んでしまうこと。
ファベラのほとんどは盗電です。
日本では考えにくい理由ですよね。
ブラジル移住のメリット
デメリットもありますが、多くのメリットもあるブラジル移住。
ブラジル移住の◎なポイントを見ていきましょう。
ブラジル移住のメリット①【寛容で多様な社会】
ブラジルは多民族国家です。
さらに世界一とも言われる格差社会でもあります。
これらの違いは時に問題を引き起こすこともありますが、「みんな違って当たり前」という意識につながり社会の多様性がうまれているのです。
そのためブラジルでは人と違う考えをもってたり、多少自分と違う行動をする人がいたりしても、寛容に受け入れてもらえます。
「出る杭は打たれる」や「雉も鳴かずば撃たれまい」なんていうことわざがあるように、日本は違うものを排除する傾向にあるもの。
人に合わせて生きていく…、日本で空気を読むのに疲れてしまった…
そんな人もブラジルの「大らかで寛容な社会」なら、自分らしく生きられる可能性が高まります。
ブラジル移住のメリット②【豊かな食生活】
ブラジルは食生活が豊かです。
食材の値段も日本に比べればずっと安く、また多民族国家だけあり様々な国をルーツとする料理が食べられます。
トロピカルな国だけありフルーツも豊富で、なんてことはない街の道を歩いていても100%ナチュラルで搾りたてのジュースを飲むことができますよ。
さらにブラジルには、日本に次ぐ世界2番目の規模の日本人・日系人社会があります。
リベルダージという日本人街に行けば、日本と同じような食材も手に入り非常に便利です。
またブラジル人が普段食べている食事は、特にクセもなく日本人の口にも合うはず。
シュハスカリアというブラジル式BBQのお店は町の至る所にあり、美味しい赤身肉が楽しめますよ。
移住先の食事が合わなくてストレス…という話はよく聞きますが、ブラジルの場合そんな悩みはほぼないでしょう。
ブラジル移住のメリット③【自分の時間がもてる】
ブラジルの労働時間は基本週40時間。
これを超えて働くことは基本ありません。
雇用条件遵守が求められますから契約書にない業務はさせられませんし、サービス残業なんてもっての他です。
年間30日の有給も年内に消化することが求められているため、ちゃんと休めます。
(ショッピングセンターや大型スーパーを除き)土日は休みですから、家族との時間もしっかりと確保可能です。
日本の長時間労働に疲れてしまった…。
そんな人もブラジルなら余裕をもてるでしょう。
ブラジル移住が向いている人
ブラジル移住のメリットやデメリットを見てきましたが、どんな人がブラジル移住にむいているのでしょうか。
【ブラジル移住に向いている人】
- 日本で周りに合わせるのに疲れてしまっている人
- 自分の人生を楽しみたい人
- 経済的にも豊かな生活をしたい人
- ブラジルのメリットで記述した通り、ブラジルは多様性にあふれています。
「こうあるべき」というスタンダードがほぼ無いため、日本のように空気を読んで行動するとか周りに合わせて意見をする…といった必要があまりありません。
労働条件・環境もしっかり保護されていますから、自分や家族のための時間をしっかり持て自分の人生を楽しむことができます。
さらに日本の平均的な収入461万円(2020年国税庁発表)を維持したままブラジルに移住できたら、かなり経済的にも豊かに暮らせます。
ブラジルの最低賃金は月額約1300レアル≒39,000円ほど。※1レアル30円で計算
ブラジルの物価は決して安いとは言えませんが、それでも年収460万円ほどあれば日本では手に入らないであろう広い家やプールのついている家に住めたり、お手伝いさんがやとえたりと、日本よりかなり余裕が生まれるでしょう。
ブラジル移住したい!コレだけは準備しておこう
ブラジル移住するときに用意しておきたいこと。
それは以下の3つです。
- 最低限のポルトガル語
- 多様性への寛容
- 収入の確保
まず最低限のポルトガル語は学んでおきましょう。
銀行のマネージャーや国家警察などポジションの高い人を除き、ブラジル人はほぼ英語が話せません。
また多様性が存在する国では、自分自身も多様性に寛容である必要があります。
自分と違うことをちゃんと受け止め受け入れる意識は必要です。
収入の確保もブラジル移住では大切なこと。
超格差社会のブラジルでは日本では考えられない金額を稼ぐ人も多い一方、大半のブラジル人は収入不足に苦しんでいます。
ブラジルでは普通に生きていくだけの収入が得られる仕事ですら見つけるのが非常に難しいのです。
移住する前に仕事先やコネを見つけておくなどしておきましょう。
【まとめ】
様々なバックグラウンドを持つ人が集まったブラジルは多様性にあふれています。
大らかで寛容な国民性にも助けられ、日本では居場所がないと感じている人や、日本が窮屈に感じている人も、ブラジルなら自分らしく生きていけるでしょう。
治安など問題もありますが、自分の人生を豊かに生きたいと考えている人はぜひブラジル移住を検討してみてください。