海外移住をするときに気になることの1つは食生活があげられます。
ブルガリアは、日本とはまったく異なった食文化を持っているため、ブルガリア生活を始める際にはまずは食生活に慣れましょう。
ここでは、ブルガリア人はどんなものを食べるのか、主食や代表料理、家庭料理を紹介します。
ブルガリアといえばヨーグルト。スーパーには20種類以上!
ブルガリアと聞くとほとんどの日本人はヨーグルトを思い浮かべることでしょう。
実際にブルガリアでは、たくさんのヨーグルトが販売されています。
スーパーによっては、20種類以上のメーカーのヨーグルトが陳列されています。味もメーカーによって微妙に異なり、酸味が強めのヨーグルト、濃厚でクリーミーな味わいのあるヨーグルトなどさまざまです。
日本で販売されているヨーグルトは、
- プレーンヨーグルト
- 果肉の入ったハードヨーグルト
- 飲むタイプのドリンクヨーグルト
などがありますが、ブルガリアではプレーンヨーグルトのみが販売されています。
ブルガリア人はそのまま食べるだけでなく、サラダのドレッシング代わりに使ったり、ステーキのソース代わりに使ったりします。
どんな料理にもヨーグルトをかけるのがブルガリアの特徴です。
ちなみに、ブルガリアではヨーグルトのことをキーセロ・ムリャーコ(Кисело Мляко)といいます。日本人が使うヨーグルトという言葉はトルコが由来です。
豚肉が大好きなブルガリア人
ブルガリアで売られているおもな精肉は、豚肉、鶏肉、牛肉、羊肉ですが、人気があるのは豚肉です。
ブルガリア人のほとんどは豚肉を毎日食べます。
ブルガリアのスーパーでは豚肉のバラ、ロース、ヒレ、モモ、豚足、心臓やレバーなどが販売されています。ブルガリアで販売されている豚肉は質がよく、臭みもあまりないためオススメです。
一方で牛肉は臭みがあり、固めですのであまりおすすめできません。値段も豚肉の3倍以上はするため、頻繁に購入することはないかもしれません。
ブルガリアでは豚肉とほぼ同じ価格で鶏肉が販売されていますが、ブルガリア人にはあまり人気がありません。鶏のささみやもも肉なども売られていますが、豚肉が混ざった挽肉を購入する人のほうが多いです。
ブルガリア人は、イースター(ブルガリアではベリック・デン(Велик Ден)と呼びます。)などの大きなイベントがあるときは羊肉も食べます。
通常の部位はもちろんのこと、羊の頭も売っています。
初めて見る日本人にとっては少々グロテスクにも感じますが、ブルガリア人は羊の頭を茹でてスープにして食べます。
キュフテとケバプチェは隠れたブルガリアの代表料理
ブルガリアのスーパーにもお惣菜コーナーがありますが、ほとんどのスーパーではキュフテとケバプチェが販売されています。
キュフテとケバプチェとはブルガリア風ミートボールのことで、豚肉の挽肉に玉ねぎやスパイスを加えて焼いた料理です。
ブルガリア伝統料理のキュフテ、特製ヨーグルトソースがさっぱりしてて良く合います。
今日はキュフテにフムスとピタとピクルスを添えたディナープレートやります。
ピタの中に野菜とキュフテを突っ込んでヨーグルトソース入れて食べる!異国の旅にいらっしゃい。 pic.twitter.com/v3PkdGuGde
— 西荻窪 オールドアロウ (@The_Old_Arrow) 2018年6月2日
日本のハンバーグのように平べったい形をしたのがキュフテで棒状のような形をしたのがケバプチェです。
キュフテとケバプチェは、日本のミートボールよりも肉の風味が強く、香ばしいのが特徴です。ビールなどにも合うおすすめの料理です。
ブルガリアの代表的な魚料理はツァツァのフライ
ブルガリアでは地方によっては魚料理も食べます。
ブルガリアの東側は黒海があるため、黒海で取れる魚を中心に人気があります。ブルガリアで一番人気の魚はツァツァです。日本ではヨーロピアンスプラットと呼ばれており、イワシに似た形状をしています。
ブルガリア人は、ツァツァに小麦粉と卵をつけてフライにします。
できたてのツァツァのフライはとても香ばしく、ビールやラキヤなどのお酒にもぴったり合います。
スーパーの鮮魚コーナーへ行けばツァツァを購入できますが、鮮魚も販売している市場などではできたてのツァツァのフライを売っているところもあります。
ブルガリアではムール貝も要チェック!
ブルガリア人が大好きな魚介類の中にムール貝があります。
ブルガリアでは黒海沿岸でムール貝を養殖しているところも多く、他のヨーロッパよりも比較的安く購入できます。
ブルガリア人の多くは茹でたムール貝にクリームチーズのソースやレモンをかけて食べます。
ムール貝は甘みもありとても食べやすいのが特徴です。
春になればカタツムリも販売している
ブルガリアの鮮魚店では、毎年春になると生きたカタツムリを販売しています。
一部のブルガリア人はカタツムリを茹でたり焼いたりして食べます。
One of the highest rates wines from Bulgaria, turkey and prawns in an orange sauce and wild snails with mushrooms. Yaaas the last supper! pic.twitter.com/XfDBDNehdC
— Sophie Bichener (@SophieLB1) 2018年3月31日
ムール貝に近い味ですが、歯ごたえがあるのが特徴です。
カタツムリを調理するときには、購入後すぐに調理するのではなく、まずは数日間エサを与えないで放置します。
その後水で殻などの汚れを洗い流してから茹でます。
調理のまでの段階がやや面倒ですが、日本では決して食べることができない料理ですので、ブルガリアへ移住したら一度は体験してみましょう。
ブルガリアの主食はパン
ブルガリアの主食はパンです。
ブルガリアのスーパーではパンのほかにも、米やパスタなどが販売されていますが、ブルガリア人のほとんどは毎日パンを食べます。
ブルガリアの食パンはバゲット状のような形をしており、色は小麦粉でできた白いパンとライ麦でできた茶色パンがあります。日本の食パンよりも固めなのが特徴です。
ブルガリアのパンは、日本のパンとは異なり添加物が一切使用されていません。
そのため購入後から数日が経過すると青カビが生えてきます。
そのため購入後はすぐに食べきるようにしましょう。すぐに食べない場合には冷蔵庫で保存するのもおすすめです。
ブルガリア人はどんな料理にでもパンを合わせることが多く、サラダを食べるときも、肉料理を食べるときも、魚料理を食べるときも必ずパンが食卓に並びます。
おすすめブルガリア家庭料理
ブルガリア生活を始めたならば必ず出会うであろうブルガリア料理を2つ紹介します。
どちらも日本人の口に合う料理のためおすすめです。
ブルガリアのパイ料理バーニッツァ
バーニッツァとは、小麦粉をベースにしたパイ生地にチーズをのせて、オーブンで焼いたパイ料理のことです。
バーニッツァに使用するチーズは牛のチーズだけでなくヤギのチーズが使われることもあり、トッピングとしてハムやほうれん草などが入っています。
バーニッツァにはオリーブオイルが使われているため、スッキリとした味わいを楽しめます。
多くのブルガリア人は、朝食やおやつ代わりにバーニッツァを食べます。自宅のオーブンを使って自家製のバーニッツァを作る人もいますが、街中にはたくさんのバーニッツァ専門店があり、朝7時から営業をしているため通勤や通学の際に立ち寄る人も多くいます。
ブルガリアの庶民的スープ、シュケンベ・チョルバ
ブルガリアの代表的なスープとしてシュケンベ・チョルバがあります。
シュケンベとはトルコ語で胃袋のこと、チョルバとはトルコ語でスープのことを意味します。
つまり、シュケンベ・チョルバとは豚や牛の胃袋のスープです。豚や牛の胃袋をニンニクなどの野菜やスパイスと一緒にじっくり煮込んだスープは、どことなくモツ煮に似ており、コクがありまろやかな味わいです。
シュケンベ・チョルバもバーニッツァと同じように、街中に専門店があります。そのため朝の出勤前や仕事の休憩時間に多くのブルガリア人男性がシュケンベ・チョルバを食べています。
ブルガリアの食事情の紹介まとめ
ブルガリアの主食はパンですが、それに合わせたさまざまな料理があります。
食材も豊富で豚肉や鶏肉、ツァツァやムール貝などの食材があり、色々な味を楽しめます。
さらにどんな料理にでもヨーグルトを使うのがブルガリアの特徴で、こってりした料理でもさっぱりと味わえます。
ブルガリアで生活をする際にはバーニッツァやシュケンベ・チョルバは必ず試してください。
どちらも料理もブルガリアを代表する家庭料理のため、街中にあるお店でも味わうことができるのでオススメです。