日本人の間では滅多に聞かない国、それがアルジェリアです。
6年前に起きた日本人を巻き込んだテロ以来、多くの日本企業や在住する日本人が退去しました。それ以降、時間が止まってしまったように今日もアルジェリアの情報は過去のまま。
しかし、現在のアルジェリアは今や私たちの想像を超え、マイナスなイメージを払拭する個性豊かな国へと変わりました。
ここでは、アルジェリア人と結婚し、首都・アルジェに移住した現地在住者からベールに包まれた国の実態を少しずつ解き明かしていきましょう。
北アフリカの多民族国家・アルジェリア
アフリカ大陸の中で一番面積が大きく、地中海に面した位置にあります。
アフリカといっても、皆さんが想像するイメージは主にアフリカ大陸中部〜南部の雰囲気だと思われます。
アルジェリアは北部なので、住民はアラビア人で構成されています。
肌色は白〜褐色系が多く、南部にいくにつれて肌色が濃くなります。髪色も様々で、黒や栗色、たまにオレンジ色やブロンドの方もいます。小さい頃にはブロンドで、過ごしていくうちに変化していくなんてこともよく耳にします。
人それぞれ顔つきが異なり、個性豊かなアルジェリア人。
ヨーロッパ人とは区別しがたい人も多く、お互いの違いを認め合って生活をしています。
国土が広いぶん、地域によって部族が異なります。
北アフリカにもともと先住していたベルベル人。
ベルベル人の中には様々な部族があります。サハラ砂漠地域に住んでいる別名 «青の民族»の青い民族衣装をまとうトゥアレグ族が有名です。
天候 〜地中海気候で、四季がある〜
アルジェ
国土が広いので場所により気温差がありますが、首都のアルジェは地中海気候です。
誤解されやすいですが、ずっと暑いわけではありません。緯度はだいたい日本と同じくらいでしっかりと四季があります。
日本と比べて湿度は高くないので、夏日でもカラッとしていて息苦しさはありません。夜は急に涼しくなるなんてこともあります。
春は花粉も飛んでいたりと、花粉症の方はアルジェでも同じ苦しみがあるかもしれません。
秋や冬は意外と雨の日も多く、落雷のある日も珍しくないです。
砂漠
砂漠地域も一年中暑いわけではありません。
サハラ砂漠でも北部では春だとまだ寒かった、なんてこともあります。
昼と夜の気温差はとても大きく、羽織るものを持っていくのが無難です。
そして一年を通して日差しが強いので、サングラスや夏には肌を守る服装を心がけたほうが良いです。
言語 〜アルジェリア方言
話す言語はアルジェリア方言となりますが、フランスの植民地でもあったため、アルジェリア方言の中にもフランス語の単語がちらほら。
アルジェリア方言は、主に話し言葉として発展した言語なので、書き起こす際にはアルファベットと数字を使って、いわば当て字のように書いていきます。
ですので、標識やお店の看板などには、標準のアラビア語が書かれています。
※先ほど紹介したベルベル人の間ではベルベル語という方言があります。
もちろん第二言語としてフランス語が使われているので、街の人の多くは話すことができますが、かなり年配の方や若い世代は人によってはちょっと苦手にしている方も。(なんだかんだ学校で勉強しないと話せない言語なので)
標識にはしっかりフランス語も書いてあります。
ちなみに世界共通語である英語は空港でさえなかなか見当たりません。最近は英語を話せる人も増えてきましたが、ある程度フランス語の単語を知っておいたほうが良さそうです。
宗教 〜イスラム教
全体の99%がイスラム教です。
この国で宗教と住民の生活はやはり切っても切れない関係にあります。
イスラム教は様々な規律があることで知られていますが、実際全てをこなしている人は意外と少ないです。
アルジェリアでも毎日5回の礼拝時には地域のモスクからイマームさん(神父さん)がなんともいえない神秘的な声で合図のフレーズをスピーカー越しで言います。
そんな中モスクに向かう人、仕事を続ける人、食べている人など。個人の信仰度が違うので、皆それぞれです。
宗教は強制してはならないという教えもあるため、お互いを認め合っています。
アルジェには大きな教会もあり、今もなおミサなどが行われています。
ちなみに、イスラム教といえばヒジャーブを思い浮かぶ人も多いですよね。
ヒジャーブとは頭部を覆って髪を隠しているスカーフです。こちらも人それぞれ、している人としていない人がいます。
ヒジャーブは日本語で言うならば「自己防衛」といえるでしょう。自分の愛する人以外には魅力的な肌や髪を見せたくないといった心があります。
このような考えを踏まえると露出が高い欧米と比べて、日本の奥ゆかしさに近いものを感じます。
中東系のアバヤとよばれる目以外を覆う服装をしている人もいれば、カラフルなヒジャーブで髪だけを隠している人、そしてヨーロッパ人のようにタンクトップ一枚で歩いている人もいます。
実はアバヤやヒジャーブをしている人が結婚式の時などはとっても派手な衣装を着て来たりします。
意外とお話好きな方だったりもするので、本当に人は見かけによりません。
アルジェリアの通貨とお金事情
アルジェリアディナールが使用されています。
街や空港にはATMもあり、クレジットカードからディナールを引き出すこともできます。
空港や銀行にはユーロを両替することもできますが、街には両替所がなく銀行で両替えする必要があります。
地元のレストランやスーパーでは、クレジットカードを使えるところが限られています。
実際にクレジットカードを使う住民はまったくいません。
クレジットカードは手数料が発生するため、どんなに高額であっても現金をもって購入するのが一般的。
購入の際には小銭も持ち合わせていないと不便です。あと50ディナールある?なんて毎回聞かれてしまいます。
パーキングや入場料なども小銭が必ず必要なので、しっかり確保しておきましょう。
まだまだ小切手文化も残るアルジェリアです。小銭に関しては足りない際にまけてくれることもよくあります。
なんとなく昭和の日本にも似た雰囲気ではないでしょうか。
交通手段
アルジェリアの日々の生活で一般的に使われているのは主に以下の6つの移動手段。
※有無は地域によりますので、ここでは首都のアルジェ付近について紹介します。
- 車
- タクシー
- バス
- メトロ
- トラム
- 配車アプリ
・車社会のアルジェリア
石油がとれる国ということもあり、ガソリンは激安です。
海外では珍しくないですが、高速道路は無料で街の至る所あります。住宅街からすぐの道路が高速道路なんていうことも度々。
なので直線距離で大幅に時間短縮できるのが車移動となります。
なお、交通量が多いぶん渋滞も頻繁に起こりますので注意が必要です。
ちなみにアルジェリア人はマニュアル車を好むようで、走っている車のほとんどがマニュアル車です。
・タクシー
値段の偽りはなく、日本よりも断然安いタクシーですが、目的地次第では断られることもあります。
車内は日本のような清潔感あふれる環境ではないので、お見知りおきください。
・バス
バスは価格的には安いですが毎回乗客が多いため、心地よさはあまりありません。
・メトロ
比較的最近できたメトロなので、清潔感がとてもあります。(50ディナール/回)
2路線(Y字路線)となっていて、主にアルジェ中心街を移動するのに適しています。今後は空港や様々な場所にも駅ができる予定なので、より身近な移動手段となっていくでしょう。
フランスの会社が作ったメトロなのでシステムなどはフランスと同じです。
日本のように満員電車とはならないので、快適に移動できます。
・トラム
こちらもヨーロッパ(特にフランス)のトラムと似ています。
アルジェ中心街の端からアルジェ湾を沿うように走っています。こちらも比較的新しくできた公共交通手段なので、綺麗な環境です。
メトロと同じく、今後は駅が増える予定です。
・配車アプリ
現代らしい移動手段ですが、何かと役に立つのがこのアプリ。
TemTem
YASSIR
wesselni など
Uberのようなシステムです。
スマートフォンで好きな時に行き先を指定して配車を頼めるので、タクシーよりも効率が良いです。値段も比較的安いです。
最近では女性専用の配車アプリもできたようで、これからも需要が増えると見込まれます。
アルジェリアの実際まとめ
アフリカ文化、ヨーロッパ文化、中東文化が融合する地アルジェリアは私たちに刺激的な毎日を与えます。
北アフリカという日本から遠く離れたところで、ぜひ皆さんの視野を広げてみてはいかがでしょうか。
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