ドミニカ共和国、と聞いてすぐに位置を答えられることのできる人がどれほどいるでしょうか?
日本において、ドミニカ共和国の知名度はかなり低いかもしれません。
ですが実はドミニカ共和国は観光地として名高い国であり、そして観光で訪れた人たちが移住のために戻ってくることも多い、不思議な魅力たっぷりの国なのです。
カリブ海に浮かぶ楽園ドミニカ共和国の魅力と、一歩奥に入った際に見える本当の魅力について、ドミニカ在住者が紹介したいと思います。
バケーションの定番、ドミニカ共和国
ドミニカ共和国には毎年数々の外国人がバケーションにやってきます。
アメリカを始め、カナダやヨーロッパからはバケーション用の格安飛行機も飛ぶほど、その需要は常に高いのです。
特に12月から2月には国外からの訪問客が増加します。
そんな海外からの訪問者がこぞって利用するのが、オールインクルーシブ(all inclusive)ホテルです。
オールインクルーシブホテルでは一度チェックインすればその敷地内でのレストラン、カフェ、アクティビティ、アルコールなどすべてのサービスが楽しみ放題、追加料金がかからず思う存分豪遊できちゃう、というバケーションにぴったりのホテルなのです。
ドミニカ共和国にあるおすすめのオールインクルーシブホテルについては、またの機会でお話したいと思います。
バケーションの訪問客たちを存分に楽しませるホテル、ゆったりとした南国ならではの雰囲気。そして目の前に広がる青いカリブ海は人々を魅了してやみません。
そして、観光に来た人たちの中には移住のために再度訪れる人が多いのも見逃せません。
一度来た人は絶対また来たくなる!そんな魅力たっぷりの国です。
ですが今回紹介したいのは、観光だけでは見ることのできない一歩奥に進んだ世界です。
観光地として名高いドミニカ共和国ですが、その奥にはより魅力たっぷり、そして首をかしげながらも思わず笑ってしまうような愉快な世界が広がっています。その魅力を知れば、きっともっと長く住んでみたくなることでしょう。
一緒に少しだけ足を踏み入れてみましょう。
不思議の国ドミニカで感じる、疑問と新たな発見。
ドミニカ共和国に着くとき、飛行機から眺める島は青のグラデーションが広がる海に囲まれた、とても魅力的なものでした。
ですが近づくほどに見えてきたのは、ヤシの木の数々、転々とある家々。
「すごいところに来てしまった。」と改めて思ったのを覚えています。
空港に着き、知人の車に乗って走るたびにどんどん緑が多くなり、道以外はほとんどヤシの木、という状態でした。そんな田舎を抜けると集落が広がっていました。
ドミニカ共和国はまだまだ自然が豊かで、家々のすぐそばにはヤシの木が生え、歩道から手が届くころでに牛や馬が飼われ、家の前にはニワトリが走っていたりします。
そんなのどかさに癒されましたが、すぐにのどかさの反面にある生活の大変さに気づきました。
まずびっくりしたこと、それは「水がある」「水がない」という表現です。
日本では蛇口をひねると水が出るのは当たり前ですよね。
蛇口をひねって水が出てこないなんて考えられません。
ですがここドミニカ共和国では、町から水が送られてくる時間が制限されています。つまり、一日のうち何時間かは水が送られてきて、それ以外はずっと断水状態なのです。
ではどうやって生活しているのか?
家々をよく見てみると、どの家にも屋上に黒い丸いタンクのようなものが設置してあります。
これは「ティナコ」(Tinaco)という水溜めタンクです。
町から水が送られてきたときに各々このティナコに水を溜め、その水を使いながら生活しているわけです。
日本では何も考えずにシャワーを浴び浴槽に浸かり洗濯をしていましたが、この国に来ていかに自分が水を使いすぎているかに気づかされ唖然としました。
この水の配給の頻度は住む地域によっても異なります。
首都などではティナコがなく24時間水が来る、という地域も増えているようです。
ですが首都のなかでも一本道を入り貧しい区域に行くとそこは水も電気もない、というのが現状です。
外国人や富裕層が住むエリアには水も電気も24時間ありますが、それ以外の区域ではまだまだライフラインは確立していないのです。
私が最初に住んでいた区域は田舎でしたので、ライフラインを自分の町でまかなっていました。そのため水が数日間来ないこともしばしばあり、「一週間水を送りませんよ。」なんてアナウンスが流れると絶望的な気分になったことを覚えています。
「ではなぜみんなこの状態で平和に暮らせているのか?」
そこにこそ、ドミニカ人の愛すべき特質、学ぶべき態度が隠されています。
いつでも使える「Vamos a ver」
「Vamos a ver」とは、直訳すると「見てみよう」という意味です。
ですがこの言葉はドミニカ共和国においてかなり頻繫に使われるフレーズです。
水が来なくても「Vamos a ver」=「明日にはくるかもよ」、
仕事を失っても「Vamos a ver」=「きっと見つかるよ」、
困難な問題があっても「Vamos a ver」=「ちょっと様子を見てみよう」、
というように、どんな状況でも彼等は慌てず騒がず、時の流れに身を任せる精神を持っているのです。
例えば、水がこなくて何日も経つと、私達日本人はだんだんと焦りといらだちが募るものです。
それもそのはず、私達日本人は計画性のある国民であり、明日の分のシャワー、炊飯、洗濯に使う水が目の前でなくなっていくのを見ていると、たまったものではないのです。
ですがドミニカ人たちは、たとえ一週間水がこなくても慌てている様子がありません。
その理由のひとつとして、彼等は水を使わない究極的にエコな生活を送ることに慣れていることがあります。
もうひとつが、上記の「Vamos a ver」の精神です。
彼等にとって明日の水がないことはあまりストレスではないようです。
これには貧しさゆえにその日生きることを大切にしている、という理由も関係しているかと思います。
明日のことは明日考える、今日悩んでも仕方がない。という考え方が基本にあるように思えます。
日本人からすると「そんな無計画な!」と思うこともしばしばなのですが、実際次の日にはなぜか水がきたりして「ほら、悩んでる意味なんてなかったじゃない。」と笑われたりすると、なるほどこの国で生きていくのにはそのほうが正しいのかもしれない、と思わされたりするのです。
結局自分ではどうすることもできない問題ならば、悩んでも仕方がない。ときの流れに身を任せているほうがストレスも溜まらない。という考え方は、身勝手のようにも見えますがある意味物事の真髄をついているような気もします。
愛すべき「ドミニカ気質」
「ドミニカ人ってどんな人達なの?」そんな質問をよくされます。
ドミニカ人はラテン人のなかでも明るい気質の持ち主です。
ペルーやボリビアなどの山岳地方に住む方々は、ラテン人でも温和でおとなしい性格の方が多いように思えます。
その点、ドミニカ人は年中真夏気候で海に囲まれているからか、カラッと明るく常に踊っているようなイメージが強いです。
ですが彼等と過ごしていると、決して問題がないわけではなく、そして常にお祭り騒ぎをしている無計画なだけの人達ではないことがわかります。
貧しさや家庭問題、教育を受けられない現状などなどと戦いながら、それでも笑顔でポジティブ精神を貫いているのです。
そこには家族同士の強い絆があったり、
ご近所どうしが助け合っていたり、
困っている人を見ると放っておけない
ドミニカ人の愛情深い精神などが支えになって助けあって生活しているという理由があるのかもしれません。
彼等の精神態度を見ていると、日本で忙殺され忘れてしまっていたことを考えさせられるのです。
「不思議の国ドミニカ」を覗いてみては?
ドミニカ共和国は、バケーションだけでなく、生活をすると日本人にとっては本当にたくさんの魅力が詰まっています。
真っ青な海、白やピンクの珊瑚が美しい砂浜、毎日澄み切った青い空。この世の楽園のような景色が広がります。
ですがドミニカ共和国に訪れたならば、ぜひ少し奥の世界も体験してみることをおすすめします。
ホテルの中だけでなく、少し街に出て彼等と会話してみて下さい。
きっと忘れられない体験ができるでしょう。
そしてより長く過ごし、生活することでまた違う一面も発見できます。
移住先としてドミニカ共和国を選ぶならば、人生が豊かになるはずです。
「不思議の国ドミニカ共和国」、まだまだあるおすすめポイントをどんどん紹介していきたいと思います!
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