台湾・全神様の夏休み「中元節」

台湾には「春節・中秋節・中元節」と3つの大きな年間行事があり、中でも「中元節」は全ての神様が休みをとるといいます。

神様はさまざまな霊魂達をこの世に放ち、1か月間の夏休みに入るのです。

これは日本では仏教のお盆(盂蘭盆節)、欧米ではハロウィンと少し似ています。

しかし日本のお盆であれば自宅や寺院でご先祖様に対して参拝するところを、台湾では「中元節」の1か月間は寺院も閉まっているというのだから驚きました。

そんな日本とは全く違った台湾のお盆「中元節」の風習をご紹介します。

一章 「中元節」とは

「中元」とは、神様があの世とこの世を結ぶ扉「鬼門」を開いてさまざまな霊魂達をあの世からこの世へ放つ日だそうです。

そうして霊魂達がおいしいご飯をたくさん食べてリラックスし、楽しんでくるように神様が見守っているのだといいます。

台湾では「鬼」は「霊」を指す言葉です。

また、さまようさまざまな霊魂達のことを尊重の意味を込めて「好兄弟(ハオションディ)」と呼びます。

この期間中は好兄弟が悪さをすることなくこの世を満喫できるように、迎えるためのたくさんの準備や約束事があるのです。

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二章    期間はいつ?

台湾は道教が主流で旧暦を重視します。

中元節は旧暦の7月15日(2021年は8月22日)です。

その前後15日の「鬼月」と呼ばれる1か月間、鬼門が開いていることになります。

ちなみに2021年は8月8日に鬼門が開き、9月6日に閉まるとのこと。

(厳密にいえば、8月7日23:00に開き、9月6日22:59に閉まるということです。)

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三章    「中元普渡(プードゥ)」

「鬼月」に行う一連の行事を「中元普渡」といいます。

「普渡」とは、普遍的に経を読み、その功徳によって死者を苦界から救うという意味です。

「鬼月」の1か月間で、好兄弟の接待をして成仏させ、あの世へ送り返すための「拜拜(バイバイ)」という法要を行います。

「拜拜」とは、日本では仏壇に手を合わせますが、それと似たようなものです。

「拜拜」の対象は、神様・先祖・その土地の神霊・好兄弟。

一般的に神様・先祖へは毎日参拝しているので、「鬼月」には主に好兄弟と土地の神霊に向けて行います。

四章    どのように行うのか?

太陽の最も強い正午を避けた正午過ぎから、太陽が沈むまでの間に、大通り又は会社や自宅の前で行います。

その際「三牲四果」と「紙銭」を用意し、好兄弟がたくさんご飯を食べてこの世を楽しみ、そして成仏できるようにと拜拜するのです。

これは個人単独で行っても、団体であっても構いません。

団体であればお金を払うと主催者側が全て代行してくれるので、用意するものも多く大変だと感じている人達はこの方法を選択します。

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五章    「三牲四果」「紙銭」とは

「三牲四果」「紙銭」は全てに線香を立てて好兄弟に捧げるものです。

これらを捧げて行う拜拜の最中は、笑ったり怒鳴ったりすることなく、好兄弟に敬意を払います。

拜拜には、子供やペットは参加できないので注意しましょう。

◆「三牲」

鶏・豚・魚の3種の全身丸ごとを使用したもので、豚肉は足又は脂肪と赤身肉でも可能です。

これは全好兄弟が好きな部分を食べられるようにしておくためで、最近は形を似せて作ったケーキやゼリーの代用品もあります。

◆「四果」

4種ではなく、四季の新鮮な果物を1・3・5種類、各種奇数個並べるものです。

りんご(蘋果→ピングォ)は平和(ピンハァ)を意味するので、一般的によく使われます。

バナナ、梨、パイナップルの発音は、好兄弟を家へ招く言葉「招你來(ジャオニーライ)」とよく似ているので四果としては避けられる果物です。

◆「紙銭」

あの世でお金に困らないようにとの想いを込めて火の中に投げ込むものです。

その他、白ご飯・缶詰・ケーキ・スナック菓子・飲み物・インスタントラーメンなどもたくさん用意します。

◆その他

洗面器・歯ブラシ・タオルも用意しますが、これはこの世に来た好兄弟がまずきれいに身を清めるためのものです。

六章    「鬼月」での禁忌10か条

基本的に結婚・開店・転職、その他車や家を買う…などの新しく始める物事や祝い事は避けます。

縁起が悪いことから、この時期に始めるとうまくいかないと信じられているのです。

地域によっていろいろな言い伝えがありますが、その中でもよく言われるものを10か条として取り上げます。

1.枕元に風鈴を掛けない。

鈴の音は魂を呼ぶ音に似ているので使用は避けます。

2.夜に洗濯物を干さない。

服は人の形によく似ているので、好兄弟が間違って集まってこないようにとの意味です。

3.夜に出歩かない。

夜に写真を撮る、口笛を吹くことも避けます。

4.水辺で遊ばない。

水の中で亡くなった霊に引き込まれないようにとの意味があります。

5.お供え物を勝手に食べない。

好兄弟のものを勝手に食べると怒りを買います。

6.拜拜をしている時、室内に入らない。

好兄弟を家の中に招いてしまわないようにとの意味があります。

7.爆竹を使わない。

台湾では頻繁に耳にする爆竹も、この時期は使いません。

好兄弟がびっくりして逃げてしまい、鬼門への帰り道を見失ってしまうからです。

8.名前を言わない。

一般的に神様に拜拜する時は、自分の名前・生年月日・住所を言いますが、好兄弟に拜拜する時は言ってはいけません。

9.人の肩を叩かない。

後ろから名前を呼び、声をかけることも避けましょう。

10. 服装には気をつける。

夏は露出の多いこの国の人達も、この時期は露出を避けます。

暗めの色や黒色の服は喪・病の気を招くので避け、女性は長めのズボン又はスカートを履きます。

色は明るめを選び、清潔を保つことも大切です。

七章    「言い伝え」と台湾人

上記の中元普渡での決まりごとや禁忌10か条のように、台湾では「言い伝え」がとても重視されています。

実際この時期、ある女性が買い物に行ってから何日も帰ってこなかったことがあります。

数日後発見されると「呼ばれたのでついてきた」と言い、自身でもよくわからない場所にいたとのこと。

このようなことが多数起こっているようです。

水辺で姿を消したり、亡くなったりといったことも、この時期のニュースではよく見かけます。

このようなことが起きると、台湾の人達は「好兄弟が悪さをしたのだろう」と言うのです。

台湾人が言い伝えを重視する例が他にもあります。

「鬼月」の時期に限らず「自宅を工事している時、妊婦はその場に立ち入らない方がいい」というものです。

これは家を守っている神様がびっくりして逃げてしまうために、子供を守ってもらえないことから子供に傷がつくという言い伝えだとのこと。

筆者はそのような習慣もなくもちろん信じていないので、妊娠中に家の改装工事をし、反対されたにも関わらずよく見学していました。

そして、その時の子供に口唇口蓋裂があることがわかると「ほれ、言わんこっちゃない」と周囲から言われたものです。

このことからわかるように、言い伝えにはどれも、自分や自分の愛する家族達がより平和で健やかに過ごせるようにとの想いが込められていると考えられています。

八章    各地の行事

特別にどこかへ出向くまでもなく、ところどころの大通りでは会社や家の前にたくさんのお供えものが並び、拜拜している様子が見受けられます。

日本では見慣れないほどの量と色彩で、筆者も初めて見た時は圧倒されました。

女性が露出の多い服を着て舞台で踊っている光景もよく見掛けますが、これは好兄弟に見せるためだそうで、街中が実ににぎやかです。

基本的に寺院は閉まっていますが、有名な大きな寺院などは開いている所もあるようです。

各地で大きなお祭りもあるのでご紹介します。

◆基隆:鶏籠中元祭

重要民俗国家文化財に指定された最も有名な祭りであり、パレードから始まり、灯籠流しや供養などを行います。

◆新竹:竹塹中元城隍祭

ここで城隍爺が一番に鬼門を開けると言われています。

◆宜蘭:頭城搶孤

背の高い柱の一番上に食べ物を付け、それをめざして一斉に登ります。

それは、「もう食事は終わり。元の世界に帰りなさい」と鬼門が閉まることを示します。

◆嘉義:火燈夜巡

大々的なものではないようですが、嘉義市布袋の民族宗教活動で、100年以上続く重要無形文化財。

鬼月前3日間、火を灯しながら、この建徳宮の神様と共に好兄弟が悪さをしていないか見回る行事です。

九章    旅行者への影響

言い伝えを大事にする台湾でも、日本と同じように伝統は少しずつ薄れ、若者ともなれば知らない人も多いのが現状です。

そのため、この時期に「名前を呼んでも振り返ってくれない」ということもありません。

しかしお年を召した方ともなれば不快な思いをされることもあるので、そこは注意が必要です。

地域によっては多少違うものもあるようですが、伝統を重視する台湾の人達と接する際には、こういったものも少し心に留めておくとよりスムーズに交流できることでしょう。

まとめ

日本とは全く異なったお盆「中元節」は、思いもよらない全神様の夏休みでした。

私達と同じように神様にもお休みは必要なようです。

この全く異なった習慣を通して、台湾の人達の想いを垣間見ることができます。

みなさんもぜひこの圧倒されるような拜拜を体験してみてください。

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