今回は、タイで1年間、日本語教師として働いた方の経験談を紹介します。
どんなお仕事をされていましたか?
バンコク在住のタイ人に日本語を教える仕事をしてました。
みんなの日本語というテキストを使い、1名から15名の初級クラスを担当していました。
レッスンで使う教材を作ったり、テストを作ったり、採点をするなどの雑務が多かったです。
基本的に私はタイ語を用いて、日本語を紹介するという教え方をしていました。
新規の生徒のレベルチェックをしたり、他の日本語教師の代行レッスンをしたり、近隣の高校に出張して、日本語を教えることもありました。
その仕事をしてみての良い点、やりがいをあげるとしたら?
1つ目のやりがいは、裁量の大きさで感じられました。
基本的にどのようにレッスンを進めるかは各講師に任されていました。
工夫をして教材を作ることができたし、自分が信じるやり方で教えられたので、やりがいは感じやすかったです。
やりたいと言い出したことも基本的には受け入れられ、動画を使ったり、ゲームを作ったり、ゲームをしながら教えている講師もいました。
テストも各自で作成することになっていたので、きちんと実力がついたかを確認することもできました。
2つ目のやりがいは、生徒の成長を感じやすいことです。
初回やレッスンがスタートしたばかりの頃は、ほとんど会話ができませんが、レッスンが進むと簡単な会話ができるようになっていきます。
教えれば教えただけ、生徒が成長していくので、やりがいを感じられないという人はいないと思います。
3つ目のやりがいは、自分自身の成長を感じやすいことです。
レッスンを重ねることで、効率的に指導できるようになっていきます。
どんどん自分が成長するので、やればやっただけ報われているように感じました。
生徒を教えるために使っていたタイ語も上達ました。特に生徒たちに教えていた日本語に対応するタイ語の単語の読み書きはレッスン中に何度も行ったので、知識として定着しました。
様々な生徒を相手に指導していたので、一律ではなく、様々な生徒に適した指導もできるようになっていきました。
慣れないうちは準備した通りに指導することが多かったですが、慣れるとアドリブで指導することもできるようになり、指導力がついていることを実感していました。
日本語教師をして大変なこと、働く前に知っておくべき注意点などはありましたか?
日本語教師の仕事はレッスン時間だけではなく、レッスンを効率的に行ったり、生徒を成長させるために様々な工夫をしなければなりません。
工夫には終わりはなく、常にレッスンの内容を改定していく必要がありました。
また、立ち仕事だし、大勢の人の前に立つ仕事なので、精神的にも、肉体的にも、普通の事務仕事のように楽ではありませんでした。
常に気を張っていて、緊張していて、テンションを上げている必要があるので、消耗の激しい仕事の1つだと思います。
これからタイで日本語教師として働きたい方へのメッセージ
タイは日本語を学びたい人が多くいるので、日本人の需要もあります。
定年退職した70代の人も採用されていましたし、求人も常に出ていて、慢性的に日本人の日本語教師は不足しています。
就労ビザを取るために大卒であることと、日本語教育能力検定の合格か日本語教師養成講座の終了か、日本語教育を専攻して大学を卒業することが必要です。
また、現地の生活に素早く慣れ、生徒たちとコミュニケーションを取るためにタイ語や英語力もあった方が良いです。