今回は、スペインにて、就労ビザで2年間(2017〜2019)、マッサージ師として働いた方の経験談を紹介します。
どんなお仕事をされていましたか?
アロママッサージ師として自宅から2キロメートル離れた4つ星ホテルで採用していただきました。
アジア人としては初めて採用になりましたが、特に研修はなく採用試験の時に5名様の施術をおこない、すべての方がOKということで就職が決まりました。
基本4月から10月までの契約で、9時から14時 夕方16-22時と2交代制です。
指名が入れば交代制は関係なく仕事になります。特別手当はなくお客様からチップをいただけました。
チップは上司に報告し指名の場合は全額いただき、それ以外はチームの貯金箱に入れます。その貯金箱は年末クリスマスパーティーの時に景品代として使います。
環境はとても良かったです。
お客様も最初はアジア人としてえっ?と驚かれますが、日本で培った丁寧な施術が功を奏してクレームを受けることはなかったです。言葉の壁は特に問題ないです。
雑談はさすがにたどたどしくなってお客さんもたまに苦笑いしてましたが、スペイン語・英語が中心でした。
契約更新はホテル側のポイントと上司からのポイント(内容まではわかりません)が高い方から契約終了後1か月以内に更新の連絡が入ります。
2年間(コロナでホテルが休業になるまで)連絡をいただけたのでありがたいと思っております。
その仕事をしてみての良い点、やりがいを3つあげるとしたら?
幸いなことにアジア人の受け入れが良かったことです。
偏見や差別的ないやなことはなかったことです。
仕事は日本で経験していたので、それを忠実に再現して行っていたらやはりおもてなしの日本人の心は素晴らしいと受けがいいです。
きめ細やかさの対応が高く評価していただけました。
日本人の受け入れは、基本ハードルは他のアジア人にくらべて低いと思います。
やはり日本文化のアニメや漫画の影響ですね。
それ以外でも真面目で丁寧というイメージを持っていただけているので、それに反することがなければ本当に最初はえっという顔をされますが、日本人だとわかるとコロッと態度が柔らかくなるのが、実感できます。
ホテルのマッサージという枠ではありますが、ホテルの従業員の方と接する機会もありいろいろとつながりを作っていただける機会が多く、最初は、恥ずかしさと言葉が話せないからと壁を作っておりましたが、壁を作るだけ損です。
誰も言葉を間違えたからと言ってバカにしませんし、聞いてくれようとしてくれますので、どんどん前に出ることで、大きく仕事として枠が広がります。
意外と頼ってしまうと律義にも丁寧に教えてくれます。
根っからのお世話上手な現地民です。
いろんな国からいろんな人がやってきて、人それぞれの個性がありますからそれに振り回されずに自分も個性を出すことができてよい職場だったと思います。
日本とは違って仕事時間がちょうどいいですね。
サービス残業もないですか まとめますとやりがいとして1つ日本人として世界の目は他のアジア人と比べるとイメージが良い点、その2自分の個性を表に出していい。
その3仕事時間が丁度いい、きちんと休みがもらえるということですね。
大変なこと、働く前に知っておくべき注意点などはありましたか?
言葉の壁はありますが、積極的に発言することが大変でした。
謙虚な姿勢は日本で通用しても世界では通用しません。
なので、やる、やらない、できる、できないはしっかりと発言しなければ問題(トラブルの原因)になります。
上司に対しても同じです。
きちんと自分の意見を言うことがトラブル回避の一つです。
基本上司も守ってはくれませんから 後は、なるべくコミュニケーションを職場の人ととることをお勧めします。
友達を作ることによってその人の縁で他の仕事が出来たりしますから。
スペインでマッサージ師の需要はありますか?その理由。またどんな経験、資格があったほうがよいですか?
コロナがなければ需要はあったかもしれません。
なぜならコロナで多くの現地の方の職が失われてしまったので、当分は難しいかもしれません。
が自分のやりたい気持ちがあれば、何度断れようともめげづにトライしたら結びつきます。
同じ会社に1度断れたからと言って2度目は恥ずかしいではなく何度もトライすればいいのです。
履歴書を毎回同じ人が見ているとは限らないのですからあきらめず、恥ずかしがらず何度もトライしてください。
資格はあった方がいいと思いますが、日本での資格ならあまり通用しないので、積極的なやる気とあきらめない心ですかね。