今回は、中国にて、就労ビザで3年間・購買品の購入、購買部署内のシステム構築等のお仕事をした方の経験談を紹介します。
どんなお仕事をされていましたか?
・現地の日系企業より塗料を購買、韓国製品の購買等 ・購買品の価格交渉(購買品を2010年は2009年より10%ダウンさせる等)
・購買する部署のシステム構築(システム内容は、各購買品の発注稟議申請、発注書の作成、支払書の作成、予算と実績の管理、購買品の在庫管理及び棚卸)
・現地スタッフへの指導(日本の文化・考え方、仕事の進め方はもちろんのこと、日本語を教えることも重要な役割)
・(現地の言葉がわかる日本人は)業務上の通訳、日本よりお客様が来社した時の会社案内
その仕事はどのように見つけましたか?
既に就職していた日本の会社から関連会社への出向という形で行きました。
年収はいくらほどでしたか?
350万円(2012年当時)
その仕事をしてみての良い点、やりがいを3つあげるとしたら?
部内のシステム構築のため、現地の購買担当スタッフから普段行なっている業務内容のヒアリングを行なわなければならないため、ヒアリング力(今回の場合は中国語)アップにつながります。
またこちらから意見を主張しないといけない場面も多々あり、スピーキング力も向上する。話しただけでは十分の伝わらないことも考えられるので、メールも毎日何十件と作成するので、ライティング力も身についていきました。
システム構築するためにシステム会社と現地購買の主担当とその所属長で打ち合わせをしなければならず、日程調整力や合意形成力を養うことができます。
また時間通りに会議に出席しないなど国民性の違いにもとまどいながら、再度お願いに行き、出席理由を説明するなど交渉力を磨くこともできました。
システムがうまく稼働すると、稼働前とは業務効率が格段にアップし、現地スタッフの残業時間の削減はもちろんのこと、手の空いたスタッフに別の仕事を与えられるなど 好循環がもたらされます。
しかし何よりもシステムが稼働したという達成感を味わえたことが最大の自慢です。
大変なこと、働く前に知っておくべき注意点などはありましたか?
就労環境
私の勤める業界の中国の会社は都市部から離れたところにあったので、日本の農村地帯のようなところで就労しました。
もちろん会社内は整備されていますし、日本人専用の宿舎もあります。
給与も現地では元で支払われ、現地の会社と取引のある銀行に振り込まれます。
滞在する日本人の多くが仲良くなった中国人スタッフ同行で給与を下ろしにいったり、健康診断のため会場まで案内してもらったりと、言葉の壁があり何かと中国人スタッフと仲良くなっていないと仕事でも私生活でも苦労が多いです。
ただ赴任手当も毎月支給されるので、お金を貯蓄するのが得意な人なら行く価値はあります。
雇用契約
出向のため、あくまで日本の会社に在籍している雇用条件と同じ。基本給は賞与などに大きな違いはないです。
赴任手当が付くので日本よりお得。
文化の違い等
概して”適当”な性格の方が多い印象です。
時間ぴったりには会議は始まりませんしおしゃべりも止まりません。
しかし非常にフランクで人情味が厚く憎めない。あとどんなことでも自己主張できないと相手にしてもらえないので、自分の意見を持つ癖をつけておいたほうが良いと思います。
日本人の需要はありますか?その理由。またどんな経験、資格があったほうがよいですか?
日本人の需要は10年ほど前より少なくはなりましたが、まだまだ必要と思います。
特に品質に対するこだわりはまだまだ日本人の目のほうが肥えていて、現地スタッフはお客様目線より自分達が如何に儲かるかという目線のほうが優位にあるからです。
日本の技術を伝えられるのは日本文化、考え方を知っている者だけです。
現地スタッフに技術を継承するだけでなく、実際に日本に行ってもらい日本の考え方を学んでもらう、そしてそのスタッフに権限を与え現地スタッフを指導してもらう、こうしたサイクルが確実に出来上がるまでやはり日本人の需要はあると言えるでしょう。
経験の面では中国に限らず海外への留学経験や就労経験が過去にある方は馴染みやすいと思います。
こうした経験のない方は中国語で言えばHSKの資格など語学の資格があると有利かと思います。
これから中国で働きたい方へのメッセージ
現地の言葉はかじる程度でも必ず勉強しておいたほうが良いです。
既にある程度心得のある方は現地の方言なども身につけておくと尚良いと思います。
訪問先が田舎なのか都会なのかにもよりますが、特に田舎の場合は標準語よりも方言が話せただけで、タクシー代が安くなったりスーパーで安くてお買い得な商品を紹介してくれたり何かと得することが多いです。
それから海外経験を帰国後にどう生かすかを考えておく、要するに目的をもって海外に行ったほうが良いと考えます。