今回は、シンガポールにて、就労ビザで2年間・日系企業で人事として働いた方の経験談を紹介します。
どんなお仕事をされていましたか?
日系企業で人事の仕事をしていました。
新型コロナウイルスの拡大感染防止のため在宅勤務も多かったですが、リモートで採用・報酬・教育など人事業務全般を行っていました。
シンガポールにはアジアとアフリカを統括するリージョン本社の機能があり、シンガポールだけではなく、ベトナムやインドネシアなどの周辺国を含む人員数や人件費の管理なども担当していました。
基本言語は英語なので、ライティング、リーディング、スピーキング全てにおいて高い英語能力が求められます。
その仕事はどのように見つけましたか?仕事探しで重要なポイントを教えてください。
日本で働いていた会社からオファーがあり、駐在員として現地法人に派遣されました。
駐在員として海外で働くには、海外展開をしている日系企業の求人情報を見つけ、面接の際に外国語を使って仕事ができること、海外での勤務を希望していることをきちんと伝えることをお勧めします。
年収はいくらほどでしたか?
1000万円ほど
その仕事をしてみての良い点、やりがいを3つあげるとしたら?
1.実力主義
典型的な日系企業とは少し違い、特に東南アジアの拠点では従業員の平均年齢が低いです。
年齢や経験年数にとらわれず、実力があれば大きな仕事を任されることもあります。
日本本社との架け橋として重要な役割を任されることもありますので、現地では日本にいたときよりも1つや2つほど上の職責の仕事を担当するイメージです。
自分の意見を聞いてもらえる職場は、特に若い人にとって自主性・積極性を伸ばすことができるいい環境です。
2.多種多様な人と関われる
シンガポールでは人種を問わず色々な人が働いています。
人事として採用活動に携わるにあたり、日本では聞いたことがないような経験をしている人や面白い価値観を持った人と出会うことがあります。
人を通じて色々な文化や考え方に触れることで、枠にとらわれない、柔軟な視点を持つことができるようになりました。また、人事として非常に重要な、人の本質を見極める力をはぐくむことができました。
3.金銭的な報酬
日本で働くよりもシンガポールのほうが給料が高いです。
日本と同じ給料やボーナスの額であってもシンガポールでは所得税がかからないため、手元に残るお金が多く、高くモチベーションを保ちながら仕事を続けていくうえで非常に重要です。
シンガポールは家賃と物価が高いことで有名ですが、報酬が高いため、日本よりもいい住宅環境で生活をすることができ、趣味やレクリエーションに使えるお金も増えます。
大変なこと、働く前に知っておくべき注意点などはありましたか?
現地の従業員はチームワークを重んじながらも個人主義の考え方を強く持っており、自分でアウトプットまで導く積極性が必要です。
上司から細かい業務指示はないので、アウトプットのイメージをすり合わせたら自主的に情報を取りに行き、わからないところは自分から周りにサポートを求めに行かないと放っておかれることがあります。
また、日本に比べて残業時間の管理が緩いため、自分で業務量を管理できなければ休日残業をさけられないこともあります。
人事の日本人の需要はありますか?その理由。またどんな経験、資格があったほうがよいですか?
日系企業の人事担当者は、海外での需要は高いわけではありません。
拠点で管理しなくてはいけない日本人駐在員が多い、海外事業・プロジェクトの立ち上げがあるなど、特別な事情がない限り、日本人ではなく安い賃金で雇える現地のスタッフで運営していくのが主流です。
日系企業の人事でしたら、商社などの海外で働いている日本人が多い業界をサーチすることをお勧めします。
もしくは、大きな工場がある拠点では、人事だけではなく経理・財務業務を同時に担当する人材としてニーズがあるかと思います。